ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

「スパイ・マニア」友の会コミュのついに『CIA秘録』(文藝春秋)が出版された。

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
★ティム・ワーナー著『CIA秘録』から読み解く諜報活動とは


創設以来のCIAの歴史をひもといた著書『CIA秘録』(文藝春秋)が出版された。

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/70/80/9784163708003.shtml#


著者は、ニューヨーク・タイムズ紙のティム・ワイナー記者。
膨大なインタビューと文書分析から生み出された力作である。

諜報機関を二十年以上にわたって取材した調査報道記者が、その誕生から今日までのCIAの姿を全て情報源を明らかにして描いた衝撃の書。



彼のCIA(アメリカ中央情報局)と情報活動についての考え方をまとめてみた。




●CIAと諜報活動について(ワーナー記者の見解)

・紀元前5世紀、孫子は「敵を知れ」と説いた

・敵を知る唯一の道は対話だ

・特に対象国の言語に精通した要員の育成は欠かせない

・CIAの任務は創設以来、敵国の奇襲を阻み、長期的な外交戦略を構築する上での情報を政権に提供すること

・失敗を重ねているのは、CIAではなく大統領だ
→組織に関する知識をもたずに命令を下し、問題の解決を安易に要求する

・大統領はCIAに、自分がもつ偏見の立証を求め、先入観を補強する材料を求める

・CIAの崩壊を招いたのは、議会でもマスコミでもなく、大統領の怒りなのだ

・2004年7月、ブッシュ大統領は報道陣を前に「当てずっぽう言っているだけだ」と批判した
→大統領の軽い一言がCIAの喉元を切り裂いた
→CIAの死が始まった瞬間だった

・オバマ次期大統領は諜報が軍事、外交の道具であることを知っている

・諜報は、軍、外交政策と融合し、大統領に役立てられなければならない

・諜報は間違いなく、祖国のための仕事なのだ




●ティム・ワーナー著『CIA秘録』の内容・目次


第1部 トルーマン時代

・「諜報はグローバルでなくては」誕生前

・「力の論理」創設期

・「火をもって火を制す」マーシャル・プラン ほか

第2部 アイゼンハワー時代

・「わが方に計画なし」スターリン死す

・「CIAの唯一、最大の勝利」イラン・モサデク政権転覆

・「爆撃につぐ爆撃」グアテマラ・クーデター工作


第3部 ケネディ、ジョンソン時代

・「どうしていいか、だれにも分からなかった」ピッグズ湾侵攻作戦

・「われわれは自らも騙した」キューバ・ミサイル危機1

・「喜んでミサイルを交換しよう」キューバ・ミサイル危機2


第3部 承前 1961年~1968年 ケネディ、ジョンソン時代

・「知恵よりも勇気」マコーンの辞任

・「長い下り坂の始まり」新長官、ラオス、タイ、インドネシア ほか


第4部 1968年~1977年 ニクソン、フォード時代

・「あの間抜けどもは何をしているのだ」ニクソンとキッシンジャー

・「米政府は軍事的解決を望む」チリ、アジェンデ政権の転覆 ほか

第5部 1977年~1993年 カーター、レーガン、ブッシュ・シニア時代

・「カーターは体制の転覆を図っている」カーター人権外交

・「ただぐっすり寝込んでいたのだ」イラン革命

第6部 1993年~2007年 クリントン、ブッシュ時代

・「われわれにはまったく事実がなかった」ソマリア暴動

・「一体全体どうして分からなかったのか」エームズ事件 ほか)



●ティム・ワイナー 略歴
ニューヨーク・タイムズ記者。
1956年ニューヨーク生まれ。
CIA、国防総省などのインテリジェンスを30年近くにわたってカバーしている。
ニューヨークのタウン紙『ソーホー・ニュース』からそのキャリアをスタートし、『フィラデルフィア・インクワイアラー』に移籍。
調査報道記者として国防総省、CIAの秘密予算を明るみにだし、1988年ピューリッツアー賞を受賞。
1993年『ニューヨーク・タイムズ』紙に移籍、99年までワシントン支局でCIAを担当。
94年にはCIAの自民党に対する秘密献金の存在をスッパぬき、日本の新聞全紙が後追いをした。
本書は、全世界27ケ国で発行される。この日本語版のために冷戦崩壊以降の日本に対する経済諜報(第46章)など、新たに2章分を書き下ろしている。



●噂、伝聞一切なし。日本版編集者が伝える『CIA秘録』の「凄味」

1) 5万点の機密解除文書。
10人の元長官を含む300人以上のインタビュー すべて実名証言で書かれた「CIAの本当の歴史」

2) CIAの秘密工作がいかに失敗を重ね、アメリカの国益を損ない、それをいかに隠蔽したかを暴露。

3) 全米で30万部のベストセラー、全米図書賞を受賞した本書(原題『Legacy of Ashes』に CIAは公式ホームページで必死の反論を掲載する事態に。
https://www.cia.gov/news-information/press-releases-statements/press-release-archive-2007/legacy-of-ashes.html

4) 日本版のために著者は2章分を書き下ろし。
「CIAによる自民党に対する秘密献金」「日米自動車交渉での経済諜報」などが明らかに。

5) 嘘をつくことで成り立つ「大義」のもと壊れていく秘密工作本部長の心。
猟銃で頭を打ち抜き、病院の窓から飛び下りる幹部たちの「心の闇」を描くにいたって本書は黙示禄的な凄味を帯びる。


以上


「国際インテリジェンス機密ファイル」のメルマガ登録はこちらから↓
http://www.mag2.com/m/0000258752.html

国内外のインテリジェンスに関する最新事情をリアルタイムでお伝えします。各国情報機関、スパイ、秘密工作、国際政治、ビジネス、歴史、外交、軍事、政治情報の第一級の情報になっています。元・商社マンの筆者が独自の情報網と分析によりお送りします。

コメント(6)

>たまさん
読みました。大変面白かったです。

>・失敗を重ねているのは、CIAではなく大統領だ
という見方もあるでしょうが、CIA内部も充分ゴタゴタでグダグダだったような気がします。
元々CIAの前身であるOSSが情報機関として未熟で、安易で結果が見え易い秘密工作(謀略)に独走し過ぎる弊害が描かれているように思います。

この本を読んで個人的に思ったのは、「政治に優位して情報を出すのは難しいなぁ」ということでした。
政治が望む以外の情報は活用されにくくなってしまうし、情報機関側も政治に取り入れ易い情報を出す傾向にあるということでしょうか。

洋書でも宜しければ、ティム・ワーナー記者の名を知らしめた「Blank Check The Pentagon's Black Budget」をお勧めします。
アメリカの国防費の中に組み込まれたCIA等の秘密予算を炙り出した労作です。
マネトケさん

ありがとうございます。
しかし、洋書も読めるとは、うらやましいです。
ご紹介していただいたものもいつか読めるようになりたいです。
●オバマ次期大統領、CIA長官にパネッタ元大統領首席補佐官を起用




●オバマ次期米大統領は2009年1月9日、記者会見し、次期中央情報局(CIA)長官に、レオン・パネッタ元大統領首席補佐官(70)、CIAをはじめ16の情報機関を統括する国家情報長官に、元太平洋軍司令官(海軍大将)のデニス・ブレア氏(61)を指名することを発表した。

元CIA高官でテロ対策専門家のジョン・ブレナン氏をテロ対策を統括する国土安全保障問題担当補佐官に起用した。



●パネッタ氏は民主党下院議員(カリフォルニア州選出)などを経て、1994年から97年までクリントン前大統領の首席補佐官を務めた。
最近では、ブッシュ政権にイラク政策の変更を求めたベーカー元国務長官らによる超党派の「イラク研究グループ」のメンバーとなった。

パネッタ氏は議員経験が長く、議会対策や省庁間の調整に手腕を発揮した。情報分野での経験がないため民主党内からも起用に疑問の声が上がったが、オバマ氏が擁護し、指名にこぎつけた。

パネッタ氏は過去にCIAを含む情報機関との接点がほとんどなく、米メディアは一様に「驚きの人事」と報道。

オバマ氏は会見で、情報分野での経験に乏しいパネッタ氏の起用をめぐり民主党の一部などから批判が出ている問題で、「彼は優秀な実務家だ。CIAの能力強化に向け手腕を発揮すると確信している」と強調。
「現実的な政治選択を行うには、事実に基づいた情勢分析が必要」と述べ、ブッシュ政権を間接的に批判した。


パネッタ氏の起用は、クリントン政権下で大統領首席補佐官や行政管理予算局(OMB)局長を歴任した行政手腕が買われたためだとみられている。
下院議員としての経歴も長く、議会との人脈もある。




●イラク戦争を推進したダグラス・ファイス元国防次官や、国防総省の提言機関である国防政策委員会のリチャード・パール元委員長は、パネッタ氏の起用を支持した。
CIAと対立したファイス氏は政治情報サイト・ポリティコに「CIA外部からの長官起用は、オバマ氏がCIAに重大な問題があると認識していることを示す」と語った。



一方、上院情報特別委員会の次期委員長、ダイアン・ファインスタイン上院議員(民主)は、CIA長官には「情報のプロがふさわしい」と不快感を露わにした。
政権移行チームが、長官の承認を審議する同委員会の主要議員に対する説明を怠ったことも影響しているとみられており、ファインスタイン氏自身も、パネッタ氏の起用を報道で知った、としている。


オバマ氏はパネッタ氏の経験不足を補うため、CIAでの経歴が長いスティーブン・キャパス副長官を留任させる方針だという。



●レオン・パネッタ氏 略歴

(Leon Panetta、1938年6月28日生まれ)、元アメリカ大統領首席補佐官。弁護士。

サンタクララ大法科大学院修了。
カリフォルニア州出身で、1977年から下院議員を務めた。
その後、民主党ビル・クリントン政権下の1993年に行政予算管理局局長に指名され、1994年から1997年まで大統領首席補佐官を務めた。
省庁や議会との調整能力に定評がある。70歳。

得意分野は経済とされ、これまで情報機関とのかかわりがなかったことを懸念する声もある。
一方で組織をまとめる力量には定評があり、イラク人虐待問題などで失墜したCIAの信頼回復を期待されている。




●デニス・ブレア氏 略歴
 海軍士官学校卒。
1968年海軍に入り、02年に海軍大将で退役。
空母キティホークを指揮し、太平洋艦隊司令官、太平洋軍司令官を歴任。
90年代に中央情報局(CIA)にも所属した。61歳。

国家情報長官はCIAなど16の情報機関を統括する情報部門のトップ。
ブレア氏は01年の米同時多発テロの際、太平洋軍を指揮した。
かつて太平洋艦隊司令官も務めたこともあり、アジアの安全保障問題に精通した知日派でもある。

ブレア氏は海軍に34年間勤務し、99年から2002年まで太平洋軍司令官を務めるなど、東アジア情勢に詳しい。



情報畑の経験が少ないパネッタ氏の力量を見極めたい。
ただ大統領首席補佐官時代は、大統領の横で最高レベルの情報に触れていたため、情報の料理のやり方は知っているであろう。
ちなみにパパ・ブッシュも政治家からCIA長官になっている。





「国際インテリジェンス機密ファイル」のメルマガ登録はこちらから↓
http://www.mag2.com/m/0000258752.html

国内外のインテリジェンスに関する最新事情をリアルタイムでお伝えします。各国情報機関、スパイ、秘密工作、国際政治、ビジネス、歴史、外交、軍事、政治情報の第一級の情報になっています。元・商社マンの筆者が独自の情報網と分析によりお送りします。

>たまさん
デニス・ブレア氏が確かにCIAの初代ADMA(Associate Director for Military Affairs)、日本語だと軍事問題支援部長とでも訳すべきでしょうか、なのは間違いありません。

ADMAは、CIAが米軍との提携を強化を図るために創設されたもので、基本的にはCIA長官に軍事関連のアドバイスを行うために国防省から派遣された軍人さんのポストです。
また、CIAに入ってくる情報を現地に展開する部隊に迅速に提供出来るような調整官的な役割もあり、CIA所属と言っても間違いではありませんが、「CIAへ出向した」の方がより情報としては適切と思うのですが。

出しゃばって申し訳ないですが、補足が必要に思いましたのでコメントさせて頂きます。

失礼しました。
ADMA(Associate Director for Military Affairs)でなく、ADCI/MS(Associate Director of Central Intelligence for Military Support)が正しいですね。
謹んで訂正いたします。

ちなみにADCI/MSが創設されたのは1995年、将官クラスがポストについています。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

「スパイ・マニア」友の会 更新情報

「スパイ・マニア」友の会のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング