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よのなか科コミュのよのなか科通信第15号

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「よのなか科」通信
 第15号  12月11日
「よのなか科」通信はフリージアが行っている3年選択社会での「よのなか科」の授業の報告です。
第14回 「中学生はもう大人?まだ子ども?」(5)模擬裁判
今回も授業の様子を、明治大学文学部4年生のNくんがレポートしてくれました。
 今回のよのなか科は、拡大版よのなか科ということで3年生全員を集めて体育館で3、4時間目の2コマを使って行われました。今回は、ゲストティーチャーということで、検察官、裁判官、弁護士のお三方をお呼びして、壇上で模擬法廷を行いました。
 模擬法廷を行う前に、事前授業を1時間各クラスで行い、生徒に模擬裁判のシナリオを読んできてもらい、無罪、懲役刑、無期懲役、死刑の中から、自分だったらどの刑を下すか考えてもらい、各刑ごとに分かれてもらいました。大体、
         無罪・・・約8人
         懲役刑・・・大多数
         無期懲役・・・2人
         死刑・・・0人
という結果になりました。
 その後模擬法廷を行ったのですが、まず最初に、検察官が論告求刑を行いました。検察官は、被告人に、「無期懲役」を求刑しましたが、その理由として、
1. 強盗致死は、死刑または無期懲役相当の刑が妥当だと刑法にあり、同情すべき点はない。
2.警察に言えば済むが、そのような行動を取った形跡がない。
3.弱いおばあさんからお金を取ることを悪いとは思っておらず、大変卑怯である。
4.残された家族の悲しみは計り知れず、まだ孫の成長を見ていたかったおばあさんの命を奪った事実は重大。おばあさんにとっての7万円は大変なお金である。
5.7万のうち5万は脅迫された人物への支払いに使ったが、残りの2万はパチンコに使っている。
6.反省しておらず、再犯の恐れがある。
7.自首した理由は、「怖くなったから」で、反省していたわけではない。
といったものを挙げました。

 対する弁護士は、「懲役8年」を求刑しました。その理由として、
1.おばあさんが死んでしまったことは結果で、被告人はもともと命を奪おうとはしておらず、金品と命を奪うことを目的とした「強盗致死」とは違う。
2.過去の判例では、同じような事件で「懲役12年」の判決が出ており、過去の判例と判決が違いすぎると、裁判制度の信用を失う。
3.被告人は自己中心的だが21歳とまだ若く改善の余地があり、義務教育と同じ年数の9年間服役すれば教育は完了するだろうと思われるが、20代のうちに社会復帰をさせたいという思いから、8年を求刑した。
という理由を挙げました。


そして、休憩を挟んで、裁判官の判決を聞きました。裁判官の判決は、「懲役20年」でした。その理由として、
1.証拠は認められた。
2.犯行対応が悪質。おばあさんを50メートル引きずり、倒れてもそのまま省みなかった。おばあさんの恐怖と苦痛は想像を絶する。
3.残された家族の気持ちは非常に深く、奪った7万円の現金もおばあさんにとっては大金。警察に言えば済むことだった。
4.被害者を怪我させようと思ったわけではなく、自首をしていて、前科がないことを考慮した。
これらのことから、上記の判決が下りました。

 その後、法曹三者にインタビューをしてみました。裁判官は「この黒い法服の意味は、他の色に染まらない決意の表明で、昔は検察官や弁護士も黒い法服だった」という話を、検察官は、「検察は、事件に対して起訴か不起訴かを決定し、証拠を集めて決定するのが仕事。『被害者とともに泣く検察』との言葉が示す通り、被害者の気持ちに寄り添う。検察のバッジは、『秋霜烈日(秋の霜と夏の日照り)』が描かれており、それらのように厳しくあろうという決意の表れである」という話を、弁護士は、「なぜ悪人の味方をするのかと言われるが、弁護士の本来の目的は、『無罪のものを有罪にさせない』こと。弁護士のバッジには、「『向日葵と天秤』が描かれているが、それは、「正義と公正」という意味だ」という話をしていただきました。

最後に、生徒からの、「被告人に感情移入をして求刑したり判決を出したりしないのか」
という質問に対しては、裁判官は、「どちらかの肩を持つことは許されないが、被告人、被害者に感情移入して、刑を出す参考にする。判決には自分の意思を直接には反映させない」との返答を、検察官は、「『被害者と共に泣く検察』ではあるが、感情を入れてはいけない。加害者の敵ではなく、その人の気持ちも考えるが、事実を明らかにするのが優先」との返答を、弁護士からは、「犯罪を犯した時のことについては感情移入せず、犯罪は犯罪として扱うが、その人の家庭環境などを知り、情状酌量を求めたりする」との返答をいただきました。法曹って、厳しい仕事なんですね。
これで、今年のよのなか科の全日程は終了です。残すところはあと5回。3年生には、たくさんのことを学んで中学を卒業していってほしいなと思います。

 3年生全体へのワークシートとは別に、「よのなか科」を選択している生徒たちには、特別のワークシートを宿題として出しました。そのワークシートは、前回の模擬審判の特徴を書き、今回の模擬裁判の特徴はどのような点にあったのかを書きました。
そして、少年審判と刑事裁判の一番大きな違いはどのようなものだと思いますか?という質問に対して
 ○少年審判は、少年の非行事実および要保護性について審理・判断を行う。刑事裁判は犯罪事実の有無を調べ、有罪・無罪などを判断する。
 ○少年審判は、保護観察や少年院送致だけれど刑事裁判は有罪・無罪を決めて、有罪なら懲役○○年や無期懲役・死刑という違いがある。
 ○少年審判のほうが罪を犯した者への刑が軽いと思った。子どもにはこれからがあるからと思った。
 ○公開されているかどうか。
 ○少年審判は、被告人をどのように更生させるかで、刑事裁判はどのように自分が犯した罪の責任をとるかということ。



このように少年審判と刑事裁判での違いは必要だと思いますかという質問に対しての生徒たちの考えです。
  必要    :  16人
  不必要  :   12人
 その理由です。
 【 必要 】  
○生きてきた時間が違うからまだ考えが幼かったりするので、やり直せると思うから
○少年はまだ若いので未来があるから。
○年齢などの差があって、善悪の判断が細かいところまでできるかどうかがポイントになるから必要です。
○自分がやったことの刑をうけるのも、子どもはまだ世の中のことをあまり知らないけど、大人はちがうし、責任を負える能力に違いがあると思うから。
○やっぱり、子どもに対して判決を下す人、大人に対して判決を下す人は別々の方がいいと思うから。普段大人の事件について考えている人が子どもの犯した事件を考えては、より子どもの気持ちになれないと思うから。
○大人は、少年少女よりも生きてて、ちゃんと社会については少年少女よりも理解していると思うからやっぱり、刑の重さは違った方が良いと思いました。
○子どもだと、立ち直るのに必要な時間が多くても対応できるし、まだ義務教育の途中だったとしたら、社会に出たときに必要なことを身につける機会をうばっちゃいけないから。
 【 不必要 】
○悪いことをしたのは変わらないのだから、子どもだからって軽くする必要はないと思う。
○年が幼いといって甘えは許されない。
○2つのやり方を合体すればいいと思う。責任も、未来も両方ともしっかりやった方がいいと思う。
最後に、あなたの年齢では審判・裁判どちらに送致されるのが相当だと思いますかと聞きました。
ここでは、ほとんどの生徒が審判を選びました。
その理由です。
 【 審判 】
○年齢ではなく、中学生の間は審判でいいと思う。とりあえず義務教育が終わるまでは審判だと思う。
○年齢が低いから。
○まだ自分ではどうするのかわからないから。
○15歳だから。社会では時に子ども、時に大人扱いを受けるけど、まだ義務教育だし・・・。
○少年は立ち直れる見込みがあるから。
○義務教育中は判断し、よしあしがわからない点があると思う。高校生なら受験を越えて、心がしっかり成長していると思う。
 【 裁判 】
○もう義務教育も終わりなので裁判にかけたほうがいいと思いました。
○中学生は大人だと思うから。
○少年少女でも、もうしっかりと自我をもっているし、自分のしたことを自覚することができるから。
○義務教育も終わりのほうだし、良いことと悪いことの区別はつくと思うから。



☆模擬裁判を受けた生徒たちの感想です。
○裁判のやりとりを聞いていろいろな意見がでてきてすごく面白かった。「なるほど」と納得することもたくさんあった。
○裁判官・検察官・弁護人のどの人も公平な判断をすることが大切だといっていた。刑を軽くしたり重くしたりというのも大事なことかもしれないけれど、裁判官が言っていたように、犯人のその後の人生も考えることも大切だとわかった。
○裁判官はもちろん、弁護士や検察官などの裁判に係わる人たちは、本当は無罪の人を有罪にしてしまったりすると大変なことになるので、全ての裁判において、重大な責任が伴ってくることが良くわかり、大変な仕事だと思いました。またやはり、中学生とプロの差は大きく、「こういった理由で、こういう判決にするべきだ」というふうに何かを言うとき、とても理屈が通っていて納得できると思いました。
○私が一番印象に残ったのは弁護士の方のお話です。弁護士さんがいっていたとおり、私はどうして悪い人をかばうのだろうと不思議に思ったことがありました。でも、本当は、罪のない人が有罪になることが絶対にないようにするのが弁護士の仕事ということを聞いて、弁護士がいなかったら裁判は成り立たないとだなぁと思いました。
○一番印象に残った人は検察官です。悪いことは悪いと何度も言っていたのがとても印象に残りました。裁判官は検察官と弁護士の意見をしっかりと取り入れて判決をしていたのがよくわかりました。
○裁判官は、全てを総合的に考えて判決をくくださなくてはいけないので、とても、いろいろなことを知っていなくてはならないし、その判決で、その人の人生さえも変わってしまうので、とても責任のかかるすばらしい仕事だと思いました。

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