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SGIコミュの第52回本部幹部会 全国青年部幹部会での名誉会長のスピーチ 〜海外在住の同志のために〜

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第52回本部幹部会 全国青年部幹部会での名誉会長のスピーチ

――我らは勇気の闘争で前進! 広宣流布の拡大、万歳!――


◆◆新しい勝利へ! 新しい人材の陣列を!

◆◆◆信心根本の人が最後は勝つ

◆◆妙法を持った同志こそ最高に尊い


 一、海外の大切な同志の皆さま方、遠いところご苦労さまです!(大拍手)
 全国の皆さま方も、大変にありがとう!(大拍手)
 すでに会合も長時間になっており、疲れた人もいるでしょう。
 どうか、わが家に帰ったようなつもりで、リラックスして聞いていただきたい。
 一、連日の炎暑の中、悪条件をものともせずに、皆さん、本当によく戦ってくださった。
 とりわけ、沖縄の同志の健闘は素晴らしかった。
 「沖縄の大勝利、万歳!」と全員で最大に讃えたいと思うが、どうだろうか(大拍手)。
 ともあれ、勇敢なる創価の同志の、闘争に次ぐ闘争によって、わが学会は、創立75周年を大勝利で飾ることができた。
 わが同志の偉大な奮闘に対して、私は一句を贈りたい。

 万歳と
   共に叫ばむ
      創価かな

 皆さん、本当にありがとう! 本当にご苦労さまでした!(大拍手)

◆目的は広宣流布

 一、日蓮大聖人の仏法の根本目的は、広宣流布の拡大である。
 御書に何度となく、「広宣流布」と記されている通りである。
 ゆえに、どれだけ実質的に「広宣流布の大地」を広げることができたか。そこに本当の勝負があるのだ。
 私たちが目指すのは、どこまでも、仏法の人間主義と、生命尊厳の思想に基づいた「平和と幸福の社会」を築いていくことである。
 その点で、一歩でも二歩でも前進していれば、それでいいのである。
 もちろん、人生は戦いの連続であり、さまざまな次元で、「勝った」「負けた」はあるだろう。
 相撲でいえば、連戦連勝の昭和の名横綱・双葉山でさえ、負けることはあった。<連勝記録は「69」で止まった>
 いくら強くても、無限に勝ち続けるわけにはいかない。
 それが“勝負”というものだ。

◆次に勝つ因を!

 一、恩師の戸田先生が遺言のごとく、詠んでくださった和歌がある。

 勝ち負けは
  人の生命の
    常なれど
   最後の勝をば
    仏にぞ祈らむ

 長い人生である。
 その間には、自分の思ったようにいかないときもあるかもしれない。
 しかし、私たちは「法華経に勝る兵法なし」の妙法を持っている。
 途中の勝ち負けはどうであれ、最後は、法華経を持った人が、必ず勝つ。信心根本で生き抜いた人が、必ず勝つのである。
 それが仏法の大法則である。何の心配もいらない。
 勝っても、負けても、そこからまた「次に勝つ因」をつくっていけるかどうか。それが一番大事である。
 常に「今」が出発なのである。
 わが同志と異体同心の団結を組んで、悠々と、朗らかに、「新たなる勝利」へ向かって進んでいく。そこに「本因妙」の仏法の法則がある。

◆偉いのは民衆だ

 一、私が青春時代に愛読した、19世紀ドイツの大詩人ハイネ。
 彼は、ある散文のなかで、こう綴っている。
 「わたしの国民よ、あなたは国家の真の皇帝であり、真の君主である」(「イギリス断章」、舟木重信著『詩人ハイネ』筑摩書房から)
 まったく、その通りである。
 本当に偉いのは、だれなのか!
 国民である!
 人民である!
 人間である!
 これが、自由と革命を謳った民衆詩人ハイネの叫びであった。
 素晴らしき「人間主義の大宣言」であると思うが、いかがだろうか(大拍手)。
 一、民衆こそ最も尊い存在である!――ここに日蓮大聖人の仏法の真髄の主張がある。
 そのために大聖人が、強く訴えていかれたことが「指導者の変革」であった。
 為政者は、民衆の手足となって、民衆のために働くべきである、と。
 民衆の幸福のためにこそ指導者はいる。
 指導者とは本来、民衆に最敬礼して仕え、尽くし、守っていくべき存在なのである。
 この「指導者革命」の思想こそ、真実の民主主義の価値を現代に脈動させていくために不可欠の哲学であると訴えたい(大拍手)。
 
◆三世を貫く福徳

 一、人間の真の価値は、何によって決まるのか。
 それは、結論から言えば、その生命に、いかなる哲学を持ち、いかなる信念の行動をしているかによって決まる。
 御聖訓に「持たれる法さえ第一ならば、持つ人もまた第一なのである」(御書465?、通解)と仰せの通りである。
 社会的な地位が高いとか低いとか、有名であるとかないとか、さまざまな見方があるだろう。しかし、どれも一面の評価に過ぎない。
 また仏法という永遠性の次元から見れば、まことに、はかないものである。いくら財産や名誉があっても、死後まで持っていけるわけでもない。
 「最高の妙法」に生き抜く人が「最高に尊い」のである。わが生命に三世に崩れぬ福徳を積んでいるのである。
 この妙法を持ち、広宣流布という「平和革命」のために奔走し続けている同志の皆さま方ほど、崇高にして尊貴な存在はない。
 大聖人は門下に対して、明確に、そして厳然と「法華経を持たれる人は一切衆生の主であると、仏は御覧になっているであろう。また梵天・帝釈も、この人を尊敬されるであろうと思えば、うれしさは言いようもない」(同1134?、通解)と断言されている。
 この誇りを忘れてはならない。


◆◆◆民主主義の根本の哲学 人間が上 国家が下

◆◆フランスの哲学者 指導者は人民に対して責任を負う その仕事は監視され制御されねばならない


◆「国家は人民のためにある」

 一、私は、南米・チリ共和国の哲人指導者、エイルウィン元大統領と親交を結んでいる。
 東京やチリの首都サンティアゴの大統領府で、「人間主義の哲学」「環太平洋時代」などをめぐって、さまざまに語り合った。元大統領とは、対談集も発刊している。
 <エイルウィン氏は、チリ「キリスト教民主党」の創設者の一人。軍事独裁を倒し、民主化を実現した中心人物。90年に大統領主うんん(〜94年)。対談集『太平洋の旭日』は日本語とスペイン語で発刊されている>
 元大統領は、フランスの哲学者ジャック・マリタンを、自らの師として尊敬していた。対談の席でも話題となった。
 そのマリタンは、こう言っている。
 「人民は国家の上にある。人民が国家のためにあるのではなく、国家こそ人民のためのものである」(久保正幡・稲垣典共訳『人間と国家』創文社)
 これは、非常に重要な一点である。民主主義社会の根本の哲学である。
 国家のために、人間がいるのではない。
 人間のために、国家がある。
 「国家が上、人間が下」ではない。
 「人間が上、国家が下」である。
 これを失ってしまえば、民主主義はない。日本の将来も、世界の将来もない。
 しかし、だんだんそういう方向に向かっていこうとするのが、人間の愚かさである。
 創価学会は、永遠に、そうなってはならない。きょうは、このことを明確に申し上げておきたい(大拍手)。

◆哲学なき指導者は必ず堕落する

 一、軍事独裁政権と長年、戦ってきたエイルウィン元大統領は、権力の恐ろしさを、身にしみて実感しておられた。
 このテーマをめぐって、種々、論じ合ったことも忘れられない。
 <元大統領は、名誉会長との会見の際、自身の政治活動が深い信仰に基づいていることを強調。
 「権力には『目的のためには手段を選ばない』ようになる誘惑があります。だからこそ、権力者には『倫理』が必要です」「政治とは人々のため、民衆の利益に奉仕するためにこそあると思います」と力説していた>
 エイルウィン元大統領は、政治家としてはもちろん、まず第一に、「人間として」偉大な人物であった。「誠実」な人であった。
 大統領という権力の座にあっても、世界的な名声を得ても、その誠実さと謙虚さは変わらなかった。
 お会いしても、決して自分を飾らず、ありのままの姿であられた。いつも、笑顔をたたえておられた。
 それは元大統領に、本当の実力と、確固たる哲学があったからである。
 また、自分を応援してくれた人々への恩を忘れなかった。
 「どうしたら人々に奉仕できるか」「市民に恩返しができるか」を、つねに考えていた。「人間の道」そして「政治家の常道」を、決して忘れない人であられた。
 ゆえに、多くの民衆は、元大統領を信頼し、支持していた。
 誠意と真心は、必ず通じるものである。
 会談では、“哲学のない政治、信念のない指導者は、結局、権力欲に動かされ、溺れて、堕落していく”という現実についても語り合った。
 「人民の代表者たちは人民に対し責任を負わなければならず、かれらの仕事は人民によって監視され制御されなければならない」(前掲『人間と国家』)
 元大統領は、敬愛するマリタンの、この言葉通り、人民への責任を果たし抜いていかれたのである。

◆ハリケーン被害に心からお見舞い

 一、本日は、わが愛するアメリカSGI(創価学会インターナショナル)の同志の皆さんも参加されている。
 この席をお借りして、このたびのハリケーンの被害に、改めて、心からのお見舞いを申し上げたい。大勢の同志が、救援活動に尽力されていることも、よくうかがっている。
 御聖訓には「大悪をこ(起)れば大善きたる」(御書1300?)、「災来るとも変じて幸と為らん」(同979?)と仰せである。
 私は毎日、題目を真剣に送っています。これからも贈り続けてまいります。
 “アメリカ、頑張ってください! アメリカ、勝ってください!”――これが、私の真情である。どうか、同志の皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えください。

◆若い世代に変革の力が

 一、アメリカの“人権の母”であるローザ・パークス女史のことは、皆さん、よくご存じのことと思う。私たち夫婦は、固い友情を結んできた。
 青年の皆さんに、女史の言葉を贈りたい。
 「若い世代のエネルギーのなかにこそ、良い変化をもたらす原動力があると、私は信じています」(高橋朋子訳『ローザ・パークスの青春対話』潮出版社)
 私も、まったく同感である。
 私自身、青年のころから、つねに広宣流布の先頭に立って、戦い抜いてきた。
 青年の時代である。ますます青年を育て、守り、もり立てていきたい。青年部は、責任を担って、立ち上がっていただきたい。青年部、頑張れ!(大拍手)
 パークス女史は、こうも言っている。
 「私たちは皆、人生の模範として尾上げる人を持つべきだと思います」(高橋朋子訳『勇気と希望』サイマル出版会)
 人間にとって、模範となる人物を持つことが、いかに大切か。「師匠」を持つことが、どれほど尊いことか。
 さまざまな苦労を経験してきたパークス女史の言葉には、どれも深い意義と重みがある。

◆連戦連勝の英雄

 一、古代ローマを代表する大政治家、シーザー。約2100年前の英雄である。<カエサルともいう。紀元前100年〜同44年>
 彼は、どこに行っても勝った。
 歴史的にさまざまな評価はあるが、連戦連勝の指揮を執り、ローマ帝国の礎を築いた人物とされる。
 また、幅広い人材の登用、首都の整備をはじめ、さまざまな改革を行った。
 私たちも、新しい前進のために、新しい人材を、どんどん登用していきたい。未来を担う人材を育てたい。人材が、一切の根本である。
 シーザーは、一級の雄弁家、文人としても歴史に名を残した。彼が著した『ガリア戦記』は、ラテン散文の名著として知られている。
 私は、青春時代、多くの歴史書を戸田先生のもとで学んだ。どんどん読まされた。
 先生は、よく私に対して、「本を読んできたか」「内容を言ってみろ」とおっしゃられた。
 ようやく半分くらい読んできたら、本の終わりのほうのないようについて聞かれる(笑い)。本当に厳しかった。
 仕事も忙しい。学会活動もある。そうした中で、必死に学んだのである。

◆師の呼びかけに「やります!」と

 一、折伏も、私は先頭に立ってやった。
 戸田先生が(1951年に)会長に就任されてからも、折伏はなかなか進まなかった。
 当時、多くの支部の1ヶ月の折伏は、数十世帯であった。
 戸田先生は言われた。
 「このままでは、広宣流布は何千年もかかってしまう」
 「大作、そろそろ立ち上がってくれないか」
 私は「やります!」と即座に応じた。
 こうして、怒涛の大前進が始まった。
 私は東京・蒲田支部の支部幹事として戦い、1ヶ月で200世帯を超える弘教を成し遂げた。一気に壁を破ったのである(1952年2月)。
 また、「大阪の戦い」(1956年)でも、支部で1ヶ月に「1万1111世帯」という弘教を成し遂げた。懸命になって折伏をやった。
 やりましょう!
 仏法において、大切なのは行動である。行動をしなければ、本当の福運はつかないし、力もつかない。生きる喜びがなくなってしまう。
 折伏は、大変かもしれないが、全部自分のためになる。それが仏法なのである。

◆「ありがとう!」と心から感謝を

 一、『プルターク英雄伝』によれば、他の将軍のもとでは目立たない人でも、ひとたびシーザーの指揮のもとに入ると、人が変わったようになった。あらゆる危険を恐れず、無敵の活躍をしていった。
 なぜか――。
 それは、シーザーが皆を大切にしたからである。一人ひとりを大切にして、その働きに報いていったからである。
 それが全軍を奮い立たせることになった。勝利の原動力となった。
 「ありがとう! ありがとう!」と声をかけ、心から感謝する。徹底して、誠実にこたえていく。
 簡単といえば簡単である。しかし、それを実践することは、なかなかできないものだ。
 指導者の一つの態度や言葉で、人々のやる気はがらりと変わってしまう。
 人が、いい方向に変わるか。あるいは、ダメになってしまうか――それは、指導者で決まる。戸田先生、牧口先生も、このことをよく考えておられた。
 シーザーは、功績のある者には褒美や名誉を惜しまずに与えた。ほめ讃えた。
 この人のおかげで勝つことができた――そう賞賛したのである。
 反対に、いくら頑張っても、まったくほめてくれない。けなすばかり。それでは皆、いやになってしまう。
 頑張った人をほめる。そのことが、他の人々への触発にもなる。皆の前進への大きな力になっていくのである。

◆労苦をいとわず率先して戦った

 一、シーザーは、戦いで得た財産を、自分の贅沢のために使うことはなかった。部下の活躍に対する褒賞などに用いた。シーザーのもとに集まったローマの兵士たちは、時には、自らが持つ以上の力を発揮して敵を打ち破った。
 また、驚くほど勇気と覚悟をもって戦った。それは、シーザー自身が、自ら進んで、あらゆる危険を冒しながら、いかなる労苦もいとわず、率先して戦ったからである――『プルターク英雄伝』は、そう分析している。
 かつて私の自宅の本棚にも、この『プルターク英雄伝』が置いてあった。何回も読んだものである。
 どうか男子部の皆さんは、『プルターク英雄伝』の英雄たちのごとく、雄々しく戦っていただきたい。頼みます!
 一、「力よりも頭で得る勝利が好きだ」とはシーザーの有名な言葉である(モンテーニュ著『エセー』から。岩波文庫、原二郎訳)。
 力ではない。大事なのは「智慧」である。
 智慧と慈悲は相通じる。
 皆のことを真剣に考える。何かできないかと悩む。そうやって頭を使うことが、慈悲の現れなのである。
 仏法は、あらゆる人智を超えた、宇宙を貫く法則である。題目をあげれば、最高の智慧をわき出すことができる。
 ともあれ、題目に勝るものはない。妙法を持った皆さんは、すでに幸福の道を歩んでいる。
 絶対に負けるわけがないのである。


――創価の音楽団体に喝采 文化の大地に平和の花を――


◆日本一の歌声! 関西男声合唱団

 一、音楽隊の関西男声合唱団の方は、いらっしゃいますか?<会場から「はい」と返事が>
 いつも、ありがとう!(大拍手)
 毎年、広宣流布の記念日に、学会歌の録音テープ・CD(コンパクトディスク)を届けてくださる。私は毎日、感謝の思いで、聴かせていただいている。
 関西男声合唱団は、5年前(2000年)の全日本合唱コンクール全国大会で「金賞」! 関西合唱コンクールでは、7年連続、9回の「金賞」に輝いている(大拍手)。
 <来月の関西合唱コンクールの出場も決定>
 本年は、宝塚国際室内合唱コンクールで堂々の第2位。国内の出場団体のなかでトップの成績とうかがった。
 社会的にも、音楽の世界にあっても、素晴らしいことである。本当におめでとう!(大拍手)
 さらに、地域の各種会合にも数多く出勤し、大勢の同志に勇気と希望を贈っている。
 メンバーは、職場でも広布の舞台でも、皆、頑張っている。尊敬されている。
 全国で活躍している音楽隊・合唱団を代表し、関西男声合唱団に、できれば、来月の本部幹部会に出演してもらいたいと思うが、どうだろうか(賛同の大拍手)。
 関西から日本へ、全世界へ、「勝利の讃歌」を轟かせていきたい。
 一、合唱といえば、東京と関西の創価学園の合唱団も素晴らしい。
 東京・創価高校の翼コーラス部は、NHK全国学校音楽コンクールの東京都大会(本選)で、2年連続の「優良賞」。
 関西創価高校のレオナルド合唱団は、大阪府合唱コンクールで、5回の「金賞」。6回連続の出場となった、昨年の関西合唱コンクールでは「銅賞」を受賞した。
 全員が「勉学第一」のなかで勝ち取った栄冠である(大拍手)。
 音楽のクラブでは、このほか、関西創価小学校のアンジェリック・ブラスバンドが「3回の日本一」!<全国学校合奏コンクールで1回、こども音楽コンクールで2回>
 東京・創価高校の筝曲部が、2001年に日本一の「文部科学大臣奨励賞」、関西創価高校の筝曲部が本年、全国第2位の「文化庁長官賞」に輝いている。
 歴史に輝く壮挙、おめでとう!(大拍手)


◆◆古代ローマの哲人 勇敢であれ! そこに幸福 正義と真実を断固言い切れ


◆陰の労苦に対し最大の賞賛を!

 一、さらに、日本一の輝かしい歴史を刻んだのは、音楽隊では、きょう演奏した創価グロリア吹奏楽団! 全日本吹奏楽コンクールで3年連続、5回の「金賞」を受賞している。
 皆さんの大活躍で、学会員は皆、鼻が高い。鼻が低い人まで高くなってしまう(笑い)。
 おめでとう! ありがとう!(大拍手)
 関西吹奏楽団は、同じコンクールで9回の「金賞」を獲得。見事である(大拍手)。
 <関西吹奏楽団は、今年の全日本吹奏楽コンクールの出場が決定。3年連続金賞の創価グロリア吹奏楽団は、本年の東京都一般吹奏楽コンクールで招待演奏を披露した>
 人には見せなくとも、晴れやかな勝利の裏には大変な努力がある。
 リーダーは、こうした陰の労苦に対し、サーチライトのように光を当てて賞賛し、心からねぎらっていかねばならない。
 また、創価ルネサンスバンガードは、マーチングバンド・バトントワリング全国大会で、2年連続、8回の日本一(内閣総理大臣賞)に輝いている(大拍手)。
 ところで、バンガードとは、どういう意味ですか?(会場から『先駆者』という意味です)と返事が)
 いい名前です。ありがとう!(大拍手)
 <2年連続日本一の創価ルネサンスバンガードは、明年の全国大会で招待演奏をする予定>
 鼓笛隊では、マーチングバンド(創価シャイニングスピリット)が全日本マーチングフェスティバルで3回の「グッド・サウンド賞」、カラーガードチームが本年のマーチングバンド・バトントワリング全国大会で「金賞」に輝いた。
 皆さまは、文化の大地を耕し、平和の花を咲かせている。
 創価文化の若き英雄の大活躍に、皆で拍手を贈りたい(大拍手)。
 一、いつもいつも、感動と勝利の舞を贈ってくださる、誉れの芸術部の皆さん、本当にありがとう!
 そして、世界55カ国・地域の、若きリーダーの皆さん!
 次の50年の、全世界の広宣流布を託しゆく皆さんと、私は深き心と心の握手を交わし合いたい。
 帰国されましたら、ご家族の方々、同志の皆さまにも、くれぐれもよろしくお伝えください!
 きょうは、イタリアの青年部とともに、「サッカーの不屈の英雄」ロベルト・バッジョさんとご家族が参加されている。ありがとう!
 イタリアSGIの前進は目覚しい。バッジョ夫妻も、個人会館を提供してくださっている。
 古代ローマの哲学者セネガは、「人は勇敢であればあるほど仕合わせである」と訴えた(茂手木元蔵訳『人生の短さについて』岩波文庫)。
 たしかに、臆病は不幸である。結局、何事も成就できない。
 まことの信心には、臆病や悲歎はない。
 魔と戦い、難を乗り越えていく生命は、朗らかに、常に輝いていく。
 勇敢であれ! 恐れなく!――ここに「常楽我浄」の勝利と栄光の人生があることを忘れてはならない。

◆恐れない心で勝った!

 一、大聖人は、「恐れない心」の重要性について、次のように仰せである。
 「(日蓮は)流罪を二度までもこうむり、すでに頸の座にもついたけれども、ついに恐れず信仰を貫き通したので、今では日本国の人々も『日蓮の言うことが道理かもしれない』という人もあることであろう」(御書1138?、通解)
 学会の初代、二代、そして三代の師弟は、この大聖人の御精神を貫いてきた。
 だから勝った。信頼を得た。創立75周年を堂々と飾る創価学会の大発展を世界の良識は、心から賞賛し、祝福してくださっている。
 万人を幸福にしゆくことのできる、最高の仏法である。
 広布の戦いにおいて、つまらない世間体などにとらわれて、遠慮することは愚かである。
 仏法は正しい。ゆえに厳しい。大聖人は、次のように述べておられる。
 「教主釈尊が記して言うには、『末法の悪世に法華経を弘通する人を悪口罵詈等する者は、仏を一劫という長い間、あだむ者も罪よりも、百千万億倍以上の罪を得る』と、説いておられるのである」(同265?、通解)
 仏意仏勅の広布を進めゆく皆さま方をいじめる輩が、どれほど峻厳な仏罰を受けるか。
 その現証は、私たちの眼前にある。
 正義と真実を、厳然と言い切っていくことだ。人々の心を変えるのは、その勇気ある一念である。最後に勝つための力は、「忍耐」と「気迫」である。

◆青年よ 雄弁で民衆を守れ!
 
 一、さらに大聖人は、法華経の敵に対する心構えを教えておられる。
 「願わくは、わが弟子等は師子王の子となって、群狐に笑われることがあってはならない。過去遠々劫以来の日蓮のように、身命を捨てて強敵の過ちを顕しなさい」(同1589?、通解)
 私たちの永遠の指針として、生命にとどめるべき一節である。
 創立75周年を荘厳する戦いにおいて、青年部は本当によく戦ってくれた。
 古代ローマの哲学者であり、大弁論家のキケロは、「雄弁」であることの価値を主張した。
 「湯弁には努力を注がなければならない」
 「悪人が権勢を振るって善良な市民を害し全市民に損失を与えることのないようにするためにも、より一層熱意を注ぐ必要がある」(片山英男訳「発想論」、『キケロー選集6』所収、岩波書店)
 また彼は、雄弁こそが「人々の暮らしを安全で、気高く、輝かしく、幸福に出来る」「友人に最も確実で最も安全な助けを与えることも、雄弁から可能となる」(同)等と強調した。
 私は、「わが愛する青年部よ、雄弁であれ! 民衆を守るために!」「君よ、よりいっそう雄弁であれ!」とこころから願っている。
 一、「良き人は悪しき組織を良くするし、悪しき者は良き組織をも悪化させる」(大類伸訳『人間義務論』岩波文庫)
 これはイタリア統一の指導者マッツィーニの言葉であった。今年は生誕200周年である。
 清浄無比の和合のスクラムに、絶対に悪知識を寄せつけてはならない。仏法を破壊する元凶だからである。

◆日々、新たに!

 一、きょうはドクター部、国際本部、教育本部の「一騎当千」の方々も出席されている。
 いつもご苦労さま!
 現在、私はドクター部の代表と「『生老病死と人生』を語る」の対話を進めている。<今秋から本紙で連載の予定>
 私は日夜、尊き同志の皆さまのご健康、ご長寿、ご多幸を、真剣に御本尊に祈念している。
 ところで、人間の体は60兆個という、たくさんの細胞でできている。
 そのうち、一晩で、どれくらいの細胞が入れ替わっているか。
 じつに、約1兆個である。
 また、体の多くの細胞は2ヶ月で入れ替わる、と言われている。
 それほど、私たちの体は、毎日、たゆみなく、新陳代謝を繰り返しているのである。
 中国の古典には「日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」(『大学』)と。
 それが生命のリズムである。私たちは、新しい心で、満々たる生命力で進んでまいりたい。

◆皆に栄光あれ!

 一、1926年のきょう、9月14日、ドイツのベルリンで、東洋と西洋の二人の「魂の巨人」の出会いが実現した。
 それは、大詩人タゴールと大科学者アインシュタインである。
 二人の友情はその後も続き、精神と科学を融合させる対話が広がった。
 「哲学的説得力をもつ人々、すなわち英知と真理との友が糾合することは、現在、とくに必要であるように思えます」(中村誠太郎・南部陽一郎・市井三郎訳『晩年に想う』講談社文庫)
 これがアインシュタイン博士の主張であった。
 私たちは、地球平和への対話と連帯を、さらに広げてまいりたい。
 そして大詩人タゴールは、こう述べている。
 「たえず力を新たにして新しい道を求めること――これこそが、いつの世にも進歩の秘訣でありました」(森本達雄訳「協調」、『タゴール著作集第8巻』所収、第三文明社)
 私たちは、いよいよ異体同心で、新しい人材を育て、新しい勝利と拡大の道を開いていこう! 
 海外の皆さん! 本当にご苦労さま!
 海外の同志に栄光あれ! 幸福あれ! 勝利あれ!
 サンキュー・ソー・マッチ! ありがとう!(大拍手)

(2005・9・14)

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第53回本部幹部会 大学会 合同総会での名誉会長のスピーチ


◆◆◆ 青年よ躍り出よ勇敢に進め! 青春の輝きにかなうものなし!

── 戦う人は快活! 行動の人は愉快! ! ──

◆◆◆ 異体同心は常に勝つ! 広宣流布へ同じ心で前進



【名誉会長のスピーチ】

 一、きょうは、音楽隊の関西男声合唱団が出席されている。
 本当にうれしい。ようこそ! (大拍手)
 <ここで、関西男声合唱団が創価グロリア吹奏楽団の演奏で「厚田村」「人間革命の歌」を力強く歌い上げた>
 海外の方々も、本当にご苦労さまです。
 ありがとう! 幸福を祈ります! (大拍手)
 きょうは、ゆったりして、聞いていただきたい。眠たい人は、眠っていただいても、かまわない(笑い)。
 隣の人に注意されたら、「思索しながら聞いているんです」と答えればよい(爆笑)。
 ともあれ、きょうは和やかな集いにしたい(大拍手)。

◆ 広布へ戦う功徳は無量

 一、皆さま方の尊い奮闘 ── 忍耐強く、あらゆる非難を乗り越えて、戦ってきてくださったお陰で、広宣流布は飛躍的に発展した(大拍手)。
 日本はおろか、世界的な創価学会となった。世界中に、創価の誉れの名は知れ渡っている。
 日蓮大聖人の御賞讃は絶対である。そしてまた、諸天善神の加護も絶対である。断じて、皆さま方を守る。
 さらに、どれほどか、牧口先生、戸田先生も、喜んでおられるか。
 戦い抜いてこられた先輩の方々の喜びは、いかばかりか。その功徳は、どれほど大きいか。
 広布へ進むご一家が、永遠に栄えていくことは、絶対に間違いない。これが、大聖人の仏法である。

◆ “人事の成功で組織は倍に飛躍”

 一、今回、全国で新しい人事が発表された。出発を心からお祝い申し上げたい。
 「人事が成功すれば、組織は倍に飛躍する。人事が乱れると、大敗北の苦しみを受けてしまう」
 これは、戸田先生が、常に厳しく、指導しておられたことである。
 好き嫌いなどで、人事が左右されてはならない。
 どこまでも広宣流布のためである。どうか、よろしく頼みます! (大拍手)
 一、あらためて、海外のSGI(創価学会インタナショナル)の皆さま、ようこそ!
 本当に、ご苦労さまです。ありがとう! サンキュー! ダンケ! メルシー! グラシアス! 謝謝! (大拍手)
 今回の研修会には、アメリカ、カナダ、オセアニア、パナマ、メキシコ、そしてシンガポールの皆さんが参加されている。
 日本の九州や北海道よりも、ずっと遠い。そこから、求道の心で来日されている。本当に、すごいことである。

◆ 自分自身が勝て

 一、19世紀のイギリスの文学者オスカー・ワイルド。
 彼は、由緒ある文化遺産であるSGIのタブロー・コート総合文化センターの建物にも足を運んでいる。
 ワイルドは謳った。

 「青春にかなうものはないのだ」
 「青春は『人生の帝王』なのだ」(西村孝次訳『オスカー・ワイルド全集2』青土社)と。
 まったく、その通りだと思う。
 青年は素晴らしい。うらやましい限りだ。
 明年は「青年・躍進の年」。おめでとう! (大拍手)
 青年時代に、悔いなく戦い、成長する。躍進する。
 これは、人生において最も尊いことである。
 「青春の勝利」は「人生の勝利」となる。
 「青年」「躍進」 ── この意義深い年に大いに活躍することは、勝利と幸福の人生を開く実質的な因となろう。
 日々前進! ── それが仏法の精神である。
 わが青年部は、新しい「躍進」の歴史を、思う存分、残していただきたい。
 人が見ていようがいまいが、自分自身が悔いなく戦い抜くことだ。妙法に生き抜くことだ。
 「冥の照覧(みょうのしょうらん)」を確信することである。諸天善神が、大聖人が、我らの戦いをすべて、きちっと見てくださっている。
 頑張ってください! (大拍手)

◆ 訓練を受けた人が最後に光る!

 一、古代ギリシャの大哲学者プラトンは、このように綴っている。
 「学んだものと学ばない者、訓練を受けた者と受けない者とでは、まさに大違いなのです」(池田美恵訳、『法律(下)』所収「第7巻」、岩波文庫)
 プラトンは、この学ぶということについて、体育などの「身体を向上させる学習」と、音楽などの「魂をよくする学習」の二つに分類している。
 いずれにせよ、学んだ人と学んでいない人、訓練を受けた人と受けていない人とでは、後になって大きな違いが出る。
 私も、多くの人を見てきて、そう実感する。
 自由に遊んで暮らせるほうが、幸せのように思うかもしれない。
 しかし、それは、とんでもない錯覚である。
 欲望に振り回されて生きるだけならば、動物にも劣る。
 「あのとき学んでおけばよかった」「もっと自分を磨いておけばよかった」と後悔しても、なかなか取り返しがっかない。
 青春時代に悔いなく学んだ人。何かに徹して打ち込んだ人。その人は、時がたつほどに光ってくる。勝利者となる人である。
 なかんずく、われわれは日々、妙法という大宇宙を貫く「生命の根本の法則」を学び、実践している。
 広宣流布の大願に向かって、友のため、社会のため、世界のため、悩みながら、戦い進んでいる。
 これほどの尊い生き方はない。すべてが、自分の力となり、福運となっていくのである(大拍手)。
 一、18世紀から19世紀にかけて活躍したドイツの作家ジャン・パウルを、ご存じだろうか。
 教育者の家庭に生まれた彼は、文学作品だけでなく、有名な教育論も執筆している。
 そのなかで、このように言っている。
 「快活にして愉快な気持を保つのは、活動だけである」(恒吉法海訳『レヴァーナあるいは教育論』九州大学出版会)
 人生の「喜び」というものは、安逸の中にあるのではない。
 なすべきことに前向きに取り組んでいるときが、人間は一番、充実して楽しい。
 快活な生命の勢いは、闘争の中でこそ、生まれてくるものだ。
 そして、その闘争に勝ってこそ、歓喜を味わえる。
 さらにいえば、「歓喜の中の大歓喜」の生き方を教えているのは、大聖人の仏法以外にはない。
 仏道修行こそ、学会活動こそ、最も快活にして、最も愉快な生命力の源泉なのである。


◆◆ 学会活動は生命力の源泉

  ── 新任のリーダーは新たな発展の推進力に ──


◆ 人を育てれば人に守られる

 一、各部の希望あふれる新出発を心から祝福申し上げたい。
 本当におめでとう! (大拍手)
 学会の発展は、人事で決まる。
 新任のリーダーの皆さんは、広宣流布の新たな発展の推進力となっていただきたい。
 とくに、女子部の時から頑張ってくださった方たちが、婦人部の立派なリーダーに育っていることが、本当にうれしい。
 また、温かく後輩を伸ばし、真剣に人材の流れをつくってくださった年輩方、本当にありがとろございました!
 人材育成は、どこまでも、地道な労作業の積み重ねである。
 一人ひとりと直接、会い、語り、励まし、ともに悩みを乗り越えていくなかでしか、人は育たないものだ。
 だからこそ、人材を育てたぶんだけ、人間としての力を磨いていくことができる。
 また、人材を育てた人は、未来永遠に、大勢の人に守られ、尊敬されていく。
 皆さん、よろしくお願いします!(大拍手)

◆ 婦人部が土台!

 一、ともあれ、婦人部の皆さま方が土台となってくださり、今日の隆々たる学会が出来上がったのである。
 婦人部の皆さまに、私は、重ねて感謝申し上げたい(大拍手)。
 仏法を実践する婦人部の皆さまの本有無作(ほんぬむさ)の生命は、家庭にあっても、地域にあっても、すべて妙法に照らされて、最高に尊き輝きを放っている。
 崇高な使命に生きる人は美しい。
 私がお会いした識者の中にも、婦人部や女子部のすがすがしい姿に接して、“本当に美しいですね! ”と感嘆していた方がいた。見る人はきちんと見ているものだ。

◆ 黄金の壮年部に

 一、壮年部の皆さんも、婦人部に負けじと、立ち上がってもらいたい。「壮年部が懸命に働いてきたからこそ、学会も、日本の国も、これだけ繁栄したのではないか」と、大いなる自負をもっていいのである(大拍手)。
 “壮年時代”は、もとより、力なく衰えていく“人生の黄昏時(たそがれどき)”ではない。
 妙法を護持した人は、年は若くなり、福徳をさらに重ねていける ── こう大聖人は仰せである。<御書1135ページ>
 創価の壮年は、年齢を重ね、経験を重ねるごとに、ますます壮健であってもらいたい。
 人生の勝負は、途中では決まらない。最後の数年間で決まる。
 その時に、荘厳な夕日のごとく“黄金の輝き”を放っていくための信仰である。
 ともどもに広宣流布に生き抜いて、王者のごとく、勇敢に、堂々と、自由自在に、人生の総仕上げを飾ってまいりたい。
 壮年部の皆さん、頑張りましょう!(大拍手)


── 創価の「大学会」は正義の師子の陣列 ──

◆◆◆ 〔英知の城壁〕で民衆を守れ

◆◆ 弱きをおどし強きをおそる偽(にせ)知識人と戦う指導者たれ


◆ 「心こそ大切」

 一、仏法の世界は「異体同心」が根本である。
 しかし、実際には、それほど簡単なことではない。
 では、そのために、何が大事なのか。
 それは、大聖人の仰せのごとく、「心」である。「ただ心こそ大切なれ」(御書1192ページ)である。
 大切なのは、「同心」と言われるように、年齢や立場の違いを超えて、全員が心を一つにしていこうとすることだ。「同じ心」で、広宣流布に進んでいくことである。
 その心と心を深く合わせ、団結していくならば、どんな戦いでも勝つことができる。
 「異体同心なれば万事を成し」(同1463ページ)と仰せになっている通りである。
 一、きょうは、歴史的な350大学会の合同総会でもある。
 縁(えにし)深き大学会の皆さん、本当におめでとう!(大拍手)
 本日の総会に駆けつけてくれたアメリカSGIのナガシマ理事長も、学習院大学の大学会のメンバーである。
 学会にとっても、社会にとっても、全員が、大事な人材である。正義の師子の陣列である。
 私は、皆さんのお名前を、また、ご家族のお名前を、アメリカ創価大学に永久に残して差し上げたい。きょうは、それを提案したい。
 本当によく来てくださった。ご苦労さま!(大拍手)

◆ 哲学の大革命を

 一、牧口初代会長と同世代の、フランスの詩人に、有名なシャルル・ペギーがいる。
 ペギーは、「卑小な哲学とは、かならず、戦うことのない哲学である」と綴った(山崎庸一郎訳、『ロマン・ロラン全集16』所収「ペギー」、みすず書房)。
 現実との格闘なき哲学は、卑しく、みすぼらしい存在となる。宗教もまた、同じであろう。
 自ら信じる正義を守り貫く戦いにこそ、その人の哲学の真価は現れる。
 そして、邪悪と戦う知性こそ真の知性である。
 大聖人は、佐渡御書で「畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し」(御書957ページ)と喝破しておられる。
 「当世(今の世)の」と仰せだが、現代も同じであろう。
 いったん地位や力を得たら、とたんに威張りだし、“弱きをおどし、強きを恐れる”輩(やから)が、いかに多いことか。
 こうしたニセの知識階級の傲慢(ごうまん)によって、けなげな庶民が、どれほど侮辱されてきたか。
 そしてまた、陰険な邪知によって、正義の人がどれほど圧迫され、いじめられたか。悪人に仕立て上げられたか。
 それが、今までの歴史の常であったと言わざるをえない。
 その流れを転換して、民衆の幸福のために、すべての哲学と知性を総動員する社会をつくらねばならない。
 この“大革命”が、大聖人の慈悲であり、釈尊の慈悲であった。また、偉大な哲人たちの願望だった。
 ゆえに、大聖人の御遺命である広宣流布の前進を阻(はば)む、“畜生”のごとき輩とは、断固として戦い、勝たねばならない。
 これが本当の仏法である。平和と幸福の道であり、真の勝利なのである。

◆ 邪悪と戦わないのは無慈悲

 一、「彼らは陰謀を叡知(えいち)の城壁によって阻止した」 ── 『アレクサンドロス大王の歌』という、名高い叙事詩の一節である(ガルテールス・デ・カステリオーネ著、瀬谷幸男訳『中世ラテン叙事詩アレクサンドロス大王の歌』南雲堂フェニックス)。
 「叡知の城壁」とは、私たちの広布の戦いにおいては仏法の「智慧」であり、「教学」である。
 強靱な智慧の力、教学の力によって、あらゆる広布破壊の策略や陰謀、悪人の攻撃を阻止し、打ち破ることができる。
 また、戸田先生は、峻厳に叫ばれた。
 「ひとたび、正義の学会に牙をむき、仏子の和合を破壊しようとしてきたならば、その邪悪とは徹底的に戦え。そうでなければ、創価学会が壊され、広宣流布が撹乱(かくらん)されてしまう。一番大事なのは広宣流布だ。
 邪悪を放置しておくのは、慈悲では絶対にない。悪と戦い、勝ってこそ、正義であり、慈悲である」
 この「戦う心」を、皆さんは、よく銘記しておいていただきたい。
 邪悪と戦わないのは、無慈悲である。
 “悪は、静かにして、放っておけばいい” ── その心は、悪に通じてしまうのである。


◆≪アメリカの哲学者≫「学会は校舎なき大学」

◆◆ 皆、人生の勝利博士!


◆ 信心は「人生行路の指針」

 一、皆さまの中には、大学に行けなかった方もいらっしゃるかもしれない。
 しかし、信心と学歴はまったく関係ない。
 私たちは、学会の中で、最高の“永遠不滅の哲学”を学んでいる。信心は「人生行路の指針」なのである。
 私の友人であり、アメリカの高名な哲学者であったデイビッド・ノートン博士は語っておられた。
 「学会は、それ自体が『校舎なき大学』」
 「学会の人間教育運動の世界的な広がりに、期待しています」
 現在、私が対談を進めているソロー協会のロナルド・ボスコ前会長も、「(池田SGI会長の)教育は、一人の人間がもつ個性と特質を、最大に開花させゆくものです」「創価学会は、人々が人生で何が重要であるかを学び、正しく生きる道を教える場なのです」と賞讃してくださっていた。
 きょうは、わが偉大な「多宝会」の方々も、参加してくださっている。
 皆さまが、陰でどれほど広布のために尽くしてくださっているか。功績があるか。
 私は、よく知っているつもりである。
 私は、多宝会の皆さまこそ、学会という「人生の大学校」の最優秀の「勝利博士」であり、「幸福博士」であると讃えたい(大拍手)。
 ご家族に多宝会の方がいる人は、最大に賞讃し、感謝していただきたい。
 功労ある皆さまの、全員の名前を後世に残したい ── これが私の思いである。
 アメリカの広宣流布のパイオニア(開拓者)である、懐かしい「梅の木グループ」の皆さま方も、大変におめでとう!
 遠いところ、本当に、ご苦労さま!お会いできて、うれしいです! (大拍手)

◆ 190カ国に薫る創価の信頼の花

 一、戸田先生は、強く語っておられた。
 「師弟の人生ほど、崇高にして尊いものはない。師弟不二の人生ほど、人間の究極を生き抜いていく、深く喜ばしき法則はない」
 この「師弟不二」の行動によって蒔(ま)かれた種は、今や世界190カ国・地域の創価の連帯となり、信頼の花々となって、大きく、広く咲き薫っている。
 創価の大行進は、今や世界同時進行である。私どもの運動は、日本よりも、むしろ世界で注目され、評価されている面がある。
 私のもとには、毎日、昼夜を分かたず、各国から様々な報告が寄せられる。じつは先ほども、ヨーロッパから連絡をいただいた。
 きのう10月12日、セルビア・モンテネグロの最高峰の私立大学「ブラチャ・カリッチ大学」で、私への名誉博士号の授与式を挙行していただいたという報告である(大拍手)。<本紙10月15日付で報道>
 ブラチャ・カリッチ大学は、長い内戦の苦しみを乗り越えてきた大地にあって、平和の建設を力強くリードされゆく大学である。
 厳粛な式典の模様は、テレビ局も取材し、大学首脳から「近い将来、『池田研究所』を開設したい」との発言もあったと、うかがった。多大なる栄誉に、深く深く感謝申し上げたい。
 一、現在、私は、「対話の文明」をテーマにした、中国思想研究の第一人者、ドゥ・ウェイミン博士(ハーバード大学教授)との語らいをはじめ、世界の各界の識者と対談を続けている。
 私が、文明を結ぼうと、世界の指導者・識者と重ねてきた対話は1600回を超え、37の対談集に結実した。今後、発刊予定のものを含めると、50を超えることになる。
 このことも、あわせて報告させていただきたい(大拍手)。

◆ 離島部、万歳!

 一、きょうは、遠いところ、離島部の代表の皆さんも参加してくださった。本当にご苦労さまです!(大拍手)
 皆さんの中には「話がどんどん進んでいる。名誉会長は、私たちのことを忘れてしまったのか」と思った人もいるかもしれないが(笑い)、皆さんのことを忘れるはずがありません(大拍手)。
 聖教新聞の拡大、各地域での友好の勝利の実証は、本当に素晴らしい。わが離島部の健闘は「美事」である。まさに「広宣流布の縮図」をつくり上げておられる。
 「離島部、万歳! 」と叫び、その健闘を賞讃申し上げましょう!(大拍手、全員で万歳三唱)
 一、御聖訓には、明確にこう示されている。
 「法華経を弘めようと思う心が強盛であったことによって、悪業の衆生に讒言(ざんげん)されて、このような(=伊豆流罪の)身となったことは、必ず後生(ごしょう)のためになるであろう」(御書937ページ、通解)
 大聖人は、法華経を弘めようとしたがゆえに、讒言され、迫害されたことを、無上の喜び、永遠の誉れとしておられる。
 三代の創価の師弟は、この決心で、「三類の強敵」と大闘争を起こし、勝ち越えてきた。

◆ 黄金の75周年は発展のチャンス

 一、中国の大指導者・周恩来総理は言われた。
 「激動は人民の自覚を高め、社会の発展を早めます」(『周恩来・中国の内外政策』、森下修一編訳、嶋崎経済研究所刊)と。
 激動は望むところだ。私たちの時代が来る。私たちが勝つのだ ── そういう達観(たっかん)であろう。
 激動の乱世こそ、力ある人材が躍り出る時である。正義の城が厳然と勝ち栄えゆくチャンスである。
 そう決めて、私たちは進みたい。
 今、わが学会は、永遠に輝く創立75周年の黄金の秋を迎えた。
 75周年 ── 南無妙法蓮華経の五字七字に通じる、不思議なる時である。
 御本仏は仰せである。
 「このような者(=日本第一の法華経の行者である日蓮大聖人)の弟子檀那となる人々は、宿縁が深いと思って、日蓮と同じく法華経を弘めるべきである」(御書903ページ、通解)
 私たちは、この御聖訓の通りに、崇高なる人生を生き、崇高なる法戦の魂を光らせてまいりたい。
 偉大なるスクラムを組んで、増上慢の輩、反逆の徒(と)を悠然と見おろし、断固と破折しながら、大きく長い広宣流布の道、世界一、有意義にして幸福な道をば、断固としてつくり、勝ち進んでまいりたい(大拍手)。
 きょうは長時間、ご苦労さま! 海外をはじめ遠方からお越しの方々、本当にお疲れさま!
 皆さまに健康あれ! 皆さまにご多幸あれ! ── こう、お祈り申し上げ、私のスピーチを終わります。
 ありがとう! (大拍手)

                     (2005・10・13)
第30回SGI総会・第54回本部幹部会でのSGI会長のスピーチ
++プーシキン金メダル授与式++


──勝利の花は希望の大地に咲く 平和と文化の大叙事詩を綴れ──

◆◆◆栄光の創立75周年 学会は御聖訓のままに前進!

◆◆偉大なるは民衆! くよくよするな 生き生きと語れ

◆◆我らは太陽の心の大詩人


一、皆さま、こんにちは!(大拍手)
 海外の方々、本当によく来られた。お会いできてうれしい!
 日本の方々もありがとう!
 ここで、臨時ニュースを申し上げたい。
 創価大学野球部が本日(2日)、横浜スタジアムで行われた関東大会の白鴎(はくおう)大学戦に1-0で勝利した。これで全国大会進出が決まった(大拍手)。
 なお、投手の八木智哉君は完全試合(無四球無安打無得点)を達成した。本当におめでとう!(大拍手)
 〈創大は3日、東海大学も破り、関東地区大学野球選手権大会で優勝。10大学で「秋の大学日本一」を争う明治神宮野球大会に出場する〉

◆大宇宙とともにたゆみなく動け

一、私たちが敬愛するロシアの大詩人プーシキンは、朗らかに謳い上げた。
 「くよくよするな、運命の法則とはこんなもの
 全世界が人間のまわりを回っている――
 果たして人間だけが動かないでいられようか!」(青木明子訳「過ぎ去りし時よ 
ぼくらの着き日の祝日は」、『プーシキン詩集』所収、青磁社)
 世界は動いている。
 人生も、生き生きと動き、戦った人が勝利する。これが鉄則である。
 またプーシキンの詩に、こういう一節がある。
 「われは富豪にあらず。宮廷の詩人にもあらず。
 われ自身が雄大なり!
 われは庶民なり!」
 権力者が偉いのか。金持ちが偉いのか。
 まじめに、人の幸せのために働く庶民こそ尊いのだ。私は庶民だ。庶民の味方だ。
 これが創価学会の心意気である。

一、わが学会が創立された1930年(昭和5年)、太陽系の9番目の惑星である「冥王星」が発見された。
 それからちょうど75周年の今年、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、9番目の冥王星のさらに外側に「10番目の惑星」が発見されたと発表した。
 まだ正式には認定されていないが、ロマンの広がるニュースである。
 幾多の惑星が連なる太陽系は、秒速20キロという猛スピードで(ヘルクレス座の方向へ)進んでいるという。
 この躍動する大宇宙の「根本の法則」に合致して、たゆみなく「生命の価値」を創造しながら、「平和の道」「文化・芸術の道」「教育の道」を全世界に開き、人類を結んできたのが、わが創価学会の75年である(大拍手)。

一、学会は日蓮大聖人の御聖訓どおり、また経文どおり、「広宣流布」に邁進してきた。
「不惜身命」との言葉どおりに行動してきた。
 仏典には「悪口罵詈」「猶多怨嫉」と説かれている。
 学会が受けてきた法難もまた、この言葉どおりである。
 広宣流布を妨害するための間断なき迫害であった。数限りない事実無根の妄言を浴びせられた。
 学会の発展は、大仏法が指し示す方向と一致している。まったく、御聖訓どおりである。
 学会のみが、「法華折伏・破権門理」の精神のままに前進してきた。また、前進している。
 この事実を、満天下に宣言しておきたい。皆さん、どうだろうか!(大拍手)

◆“恩は返してこそ美しい”

一、本日は、憧れのロシアの天地にきら星のごとく輝く、文化・芸術の10団体から決議をいただき、「世界の詩歌(しいか)の太陽」であるプーシキンの名を冠した、最高の栄誉を賜りました。
 偉大な芸術と文化の指導者であられる先生方、遠方より、ご多忙のところ、まことに、まことにありがとうございました(大拍手)。
 〈席上、SGI会長の日露の文化・教育交流の貢献、世界平和への尽力を讃え、ロシアを代表する文化・芸術機関など10団体からなる褒章委員会の全会一致の決議に上
り、「プーシキン金メダル」が授与された〉
 プーシキンの誕生日は、わが創価の父・牧口初代会長と同じ6月6日であります。
 また、懐かしいことに、私が青年時代、恩師・戸田先生に朗読してお聞かせ申し上げた詩人の一人が、このプーシキンだったのです(大拍手)。
 “恩は返してこそ美しい”というロシアの諺(ことわざ)は、そのままプーシキンの信条であった。
 報恩こそ、人間としての最高峰の心である。人間であればこそ、恩を知ることができる。
また、“彼ほど、多くの人に感謝の言葉や行動を示した詩人はいない”とも言われている。
 その詩人の魂魄(こんぱく)を留めた、意義深き金のメダルと胸像を、私は、「師弟不二」の栄光として、牧口、戸田両先生に捧げたいのであります(大拍手)。
 きょうは、創価の勝利の一番星である芸術部の代表の方々も、駆けつけてくださった。ありがとう!(大拍手)
 さらにまた、海外からは、60カ国・地域の広宣流布の太陽の指導者が参加されている。
 そしてアメリカの著名なブラスナー博士ご夫妻も出席してくださった。
 本当にありがとうございます(大拍手)。

◆ロシア文学への深い愛情

一、これまで私は、世界の指導者・識者らと、600回を超える対話を重ねてきた。その中で、国や言葉が違っても、多くの方々に共通していたことがある。
 それは、どの人も、必ずといっていいほど、古今の文学作品に親しんでおられたことである。
 なかでも、ロシア文学を深く愛している方が数多くいた。
 イギリスの大歴史学者トインビー博士も、そうであった。
 「文学が現代に果たす役割」に話題が及んだとき、博士が真っ先に触れられたのが、トルストイであった。
 また、中国の大文豪・巴金(ばきん)先生は、中国に紹介したい世界の文学作品をうかがうと、即座に、ロシアのツルゲーネフやゴーリキーを挙げておられた。
 アフリカの正義の英雄マンデラ大統領、南米の人権の闘士エスキベル博士、そして、アメリカの大経済学者ガルブレイス博士も、またしかりである。
 青春時代からロシア文学を愛読してきた私にとっては、うれしい発見であった。
 トルストイ、ドストエフスキー、チェーホフ、ゴーゴリ、もちろん、プーシキンも――日々の生活は大変だったが、わが家の本棚には、節約して買い求めたロシア文学が、ずらりと並んでいた。払の妻が“証人”である(笑い)。

◆なぜ、ロシアに精神の宝が?

一、なぜ、ロシアの大地には、プーシキンやトルストイをはじめ、人類の“不滅の宝”である偉大な文学・芸術の大山脈が、そびえ立っているのか。
 このテーマについて、私は、モスクワ大学からの要請で行った、1回目の講演でも、少々、論じたことが懐かしい。
 すなわち、“ロシアの魂には、歴史の厳しい試練をくぐり抜けた、鋼鉄のごとき強さがある。いかなる苦悩の底にあっても、断じて希望を失わない逞しさがある。
 この強さと逞しさ、そして、文化・芸術をこよなく愛しゆく民衆の精神の土壌にこそ、絢爛たるロシア文学の開花があり得たのではないか”と述べたのである。
 そして、誇り高き精神を継承しゆくロシアの青年の皆さん方こそ、人類文化の交流に貢献していく使命があると訴えた。
 会場のモスクワ大学の文化宮殿を埋めた若き英才たちから、盛んな拍手をいただいたことは、今も忘れられない。
 〈SGI会長が海外の大学・学術機関からの要請で行ってきた講演は、これまで18カ国、地域で31回を数えている。
 ロシア最高峰のモスクワ大学での講演は1975年5月と94年5月の2度。米ハーバード大学では91年9月、93年9月の2度にわたり講演した。
 さらに、アメリカのコロンビア大学、イタリアのポローニャ大学、キューバのハパナ大学、中国の北京大学、フィリピン大学、トルコのアンカラ大学、フランス学士院などで実施されている。各国の最高学府を舞台にした学術と文明を結ぶ講演には、各界から高い評価が寄せられている〉


◆◆◆プーシキン 歓喜は闘争の中に

◆◆迫害の歳月から不滅の傑作が誕生


◆「さあ来い!」「断じて勝つ」

一、「間断なく成長する詩人」と讃えられたプーシキン。
 彼もまた、迫害による追放という「運命の打撃」の歳月の中でこそ、“不滅の傑作”を次々と生み続けていった。
 彼は誇り高く叫んだ。
 「歓喜は、闘争の中にある!」
 「(歓喜は)荒れ狂う大海原に、激しき波と嵐の暗闇の中にある!」
 いい言葉である。
 わが学会も、「さあ何でも来い!」「断じて勝ってみせる!」との心意気で、激動の社会の大海原に勇んで打って出てまいりたい。

一、本日の式典には、ロシア・プーシキン金メダル褒章委員会のシードロフ委員長をはじめとする知性の先生方をお迎えすることができました。
 重ねて、心より御礼申し上げます。ありがとうございました(大拍手)。
 シードロフ委員長、ファトクーリン書記一行は、ソ連の崩壊という大激動の時代に、雄々しく矢面に立って、芸術家を守り抜き、文化の城を死守してこられました。
 この信念の激闘に、私たちは、最大の敬意と感謝をお伝えしようではありませんか(大拍手)。


◆◆◆プーシキン「文学新聞」を刊行し執念の言論戦

◆◆◆悪意のうそには反撃せよ! 正義の新聞は最強の平和の武器
     
◆◆婦人部の励ましは人材育成の力
 
    
◆大文学を育んだ乳母の励まし

一、若きプーシキンは、人間の自由と尊厳のため、勇敢に立ち上がった。学会の青年部の皆さまと同じである。
 だからこそ、四方八方から、卑劣な侮辱を浴びせられた。
 これが、世の常であるかもしれない。
 しかし、プーシキンは“どんな攻撃であろうと、それに反撃しないのは臆病である”と、不屈の闘魂を燃やして戦った。
 彼は“思想の砦”というべき「文学新聞」を同志とともに刊行する。
 そして、ペテン師のデマを圧倒する言論の猛反撃を、深き執念で貫いていったのである。
 「正義の新聞」こそ、最強の平和の武器である。私たちでいえば、聖教新聞である。
 プーシキンは、ある物語詩のなかで、最後は無残な姿をさらす、卑しき裏切り者を描いている。
 彼は綴った。
 「裏切りはそれにふさわしい罰を待っているのだ!」(川端香男里訳「ルスラーンとリュドミーラ」、『プーシキン全集1』所収、河出書房新社)
 広宣流布の闘争にあっても、卑劣な反逆者が悲惨な末路をたどっていることは、皆さま方が、ご存じの通りだ。
 なお、プーシキンの文学を育んだ大きなカは、無名の乳母の励ましであり、心豊かな、民話や歴史の語り聞かせであったと言われている。
 子どもや青年は、励ましや教育の力によって、いくらでも変わっていけるものだ。
 私には、大詩人を育んだ乳母の気高い姿が、未来の人材を育成しゆく、婦人部の皆さまの姿と重なって見える。
 学会は、健気な婦人部の友を大切にしてきたからこそ、ここまで発展した。これからも、この一点を絶対に忘れてはならないと、私は叫んでおきたい(大拍手)。
 学会のため、広宣流布のために、だれよりも動いてくださっているのは婦人部である。婦人部の皆さん、いつもありがとう!(大拍手)

◆わが生命を太陽の如く!

一、シードロフ委員長は著名な画家であり、作家でもあられる。その自伝的小説には、委員長の素晴らしいおばあさんが登場する。
 今、日本も、ますます高齢社会となってきた。
 人生の大先輩を尊敬し、守っていくなかに、繁栄の道があるといえよう。
 小説は描く。
 真っ赤に燃える荘厳なタ日。「燃えよ、明るく燃えよ、消えることのないように……」
 あたりには、鬼ごっこをして遊ぶ子どもたちの歌声が響く。
 おばあさんは、タ日に包まれながら、子どもたちに語りかける。
 「『燃えよ、明るく燃えよ』っていうのはね、『生きよ、明るく生きよ』と同じことなんだよ」
 胸を打つ言葉である。
 われわれも生きよう! 明るく!〈会場から「ハイ!」との力強い返事が〉
 仏法では「煩悩即菩提」と説く。
 悩みがあったとしても、妙法の力用(りきゆう)によって、それをエネルギーに変え、「智慧の炎」を燃え上がらせていく。煩悩を悟りへと転じていく。
 これが仏法の法理である。
 妙法に生き抜く限り、不幸になることは絶対にない。必ず幸福の道、正義の道を歩んでいけるのである。
 闇が深ければ深いほど、自分自身の生命を、太陽のことく光り輝かせ、現実の暗闇を明々(あかあか)と照らしていく。
 これが創価の人生である。仏法の人生であり、真実の人生である。


◆◆試練と戦うわが青年部に贈る 汝は王者 ただ一人征け


◆志を高く掲げよ

一、偉大だからこそ、中傷される。
 正義を貫くからこそ、嫉妬され、迫害される。
 信念を曲げ、要領よく振る舞えば、中傷や誹謗は受けないであろう。しかし、それでは真に偉大な人間とはいえない。
 プーシキンが、吹き荒れる誹謗中傷を見おろし、悠然と記した詩がある。その一節を、きょうは青年部に贈りたい。
 「詩人よ!」
 「愚か者の罵りや嘲笑を耳にするとも、わが志を、厳然と、そして平然と掲げよ!
 汝は王者。ただ一人、征け! 自由の大道を、自在なる英知をもって進みゆけ!」
 学会精神、仏法の精神と共鳴する言葉である。
 青春時代より、私がずっと胸に秘めてきた一詩である。
 また、プーシキンが若い画家を励ました言葉を紹介したい。
 その画家とは、名画「第九の怒濤」の作者アイヴァゾフスキーである。この名画は、東京富士美術館などでも展覧された。
 プーシキンは呼びかけた。
 「働きなさい! 働きなさい! 青年よ! これが一番、大切なことである」
 これもまた、学会の指導に通じる言葉である。
 戦いなさい! 青年部の諸君、頼むよ!〈会場から「ハイ!」と大きな返事が〉

◆自身のために! 平和のために!

一、もう一つ、プーシキンが綴った言葉に触れたい。
 「嫉妬という発作は、病気である。それは、暗い憂うつであり、熱病であり、ペストであり、脳の欠陥である」
 痛烈な言葉である。
 ともあれ、プーシキンは、傲慢な人間や批判者には、ただちに切り返した。嫉妬に狂った人間と戦い抜いたのである。
 我らも、勝利の大叙事詩を綴り残したい。
 自分自身と一家眷属(けんぞく)の栄光のために!
 縁する友の幸福のために!
 生命の尊厳と社会の正義のために!
 世界の非暴力と永遠の平和のために!
 皆、体を大事にしながら、希望に燃え、勇気に燃えて、はつらつと、きょうも明日も、忍耐強く前進していこうではないか!(大拍手)
 悔いのない人生――その人は幸福である。
 結びに、シードロフ委員長ご一行をはじめ、すべての出席者のご健勝を、まずお祈りさせていただきます。
 そして、愛するロシアをはじめ、SGI190カ国・地域の無窮の繁栄と安穏を心から祈り、私の御礼のスピーチとさせていただきます。
 スパシーバ!(ロシア語で「ありがとうございました」)
 サンキュー! ありがとう!(大拍手)

     ◇

 プーシキン金メダル褒章委員会のシードロフ委員長、ファトクーリン書記は4日、帰国にあたり、次のような揮毫をしたため、SGI会長に贈った。
 〈シードロフ委員長〉
 「『太陽よ万歳、闇よ消えよ』――A・S・プーシキン。
 偉大な詩人は、あたかも創価運動を予見していたかのようであった」
 「我らは、名声のためではなく、善のために、平和を目指して戦おう!」
 〈ファトクーリン書記〉
 「私は、仲のいい、大きな創価家族を訪れることができ、幸せでした。
 そこは、すべてが愛と友情に満ち、精神の豊かさが物質の上に立ち、そして、池田大作氏という智慧と正義と優しさにあふれた師匠がいます!
 池田先生に深く頭(こうべ)を垂れます」
 「深く敬愛する池田大作様!
 貴殿の優しい愛を心から心へ伝えるご活動を、これからもお元気で続けられますよう、また、心の炎で、人々のこの世の人生の道を照らしていただきますよう、心よりお祈り申し上げます。
 深き感謝の思いを込めて」
第55回本部幹部会・全国青年部幹部会での名誉会長のスピーチ



◆◆◆ 創立80周年まで〔あと5年〕100年に匹敵する大前進を

◆◆ 広布に戦えば「生も歓喜」「死も歓喜」
     ── 生死を照らす「太陽の仏法」
       ── 常楽我浄の希望の人生を飾れ!


【名誉会長のスピーチ】

 一、この1年間の大勝利、大前進、本当にありがとう!ご苦労さまでした!(大拍手)
 みんな、本当に、よく戦った。よく勝った。
 多くの団体や組織が、後退を余儀なくされている厳しい時代である。
 その中にあって、わが創価学会は、隆々(りゅうりゅう)と勢いを増し、前進また前進を続けてきた。見事な大勝利であった。
 すべては、会員の皆さまの忍耐と努力の大闘争のおかげである。
 重ねて、「この1年、本当にありがとうございました!」と心から感謝申し上げたい(大拍手)。
 広布に戦った功徳が、どれほど大きいか。
 皆さま方が無量無辺の福徳に包まれゆくことは絶対に間違いない。
 その福徳は、一家一族、先祖や子孫にまでも流れ伝わっていく。それが、御書や経文に説かれた仏法の方程式である。
 きょうは、なるべく、堅苦しい話はやめにして、懇談的に語らせていただきたい。
 この1年を戦い切った皆さん方が、ゆったりと心安らいでいただけるような、楽しい集(つど)いにしてまいりたい(大拍手)。

◆歴史に輝く広布の陣列

 一、後世、必ずや、世界史の偉業と輝いていくであろう、偉大なる広宣流布の陣列 ── 。
 妙法の大遠征を戦い、その途上で逝(ゆ)かれた方々を、私たちは、永遠に忘れてはいけない。
 きょうも、私は、妻とともに、亡くなられた同志を偲(しの)び、懇(ねんご)ろに追善のお題目を送らせていただいた。
 大聖人の御在世当時も、広宣流布の陣列に名前を連ねた、数々の在家の門下たちがいた。
 大聖人をお慕いする門下たちは、大聖人がいらっしゃる佐渡や身延にまで、遠く危険な道のりを歩み抜いていった。
 その中には、幼子(おさなご)を連れた女性もいた。かなりの年配の方もいた。
 大聖人のもとにお届けした御供養の品も、一生懸命に節約して、用意したものであろう。
 こうした門下の“広宣流布の志”を、大聖人は心から讃嘆された。
 “ありがとう、本当にありがとう”“こんなところまで、よくきてくださいました”と深い深い感謝の心で包んでいかれたのである。
 ある信徒から贈られた御供養には、“涙が浮かんできた”と述べておられる。<御書1583ページ>

◆海外の友を歓迎

 一、今、海外の同志が、経済的にも大変な中で、お金をためて、旅費をつくり、仏法の研鑚のために来日してくださっていることも、よく存じ上げている。
 だれが讃えなくても、大聖人が讃えてくださっている。十方の諸仏・諸天が守ってくださっている。
 海外の皆さま、世界広宣流布の“地涌の同志の集い”に、ようこそ、お越しくださいました。
 私たちは最高の喜びと、最大の尊敬をもって、海外の皆さま方を歓迎申し上げたい!(大拍手)

◆同じ人間として

 一、晩年の大聖人は、身延の山中で、粗衣粗食(そいそしょく)の生活を貫かれた。
 夏は草深く。冬は雪多く。
 そこに質素な庵室(あんしつ)を構え、令法久住(りょうぼうくじゅう)のために重要な法門を説き、弟子の薫育(くんいく)に全魂を注いでいかれた。
 大聖人は、訪れた門下を、それはそれは大切にされた。
 門下の求道の姿を喜ばれ、“一緒に食事でもしましよう”“お疲れでしょうから泊まっていきなさい”と、長旅の労をねぎらっていかれたのではないだろうか。
 食事といっても、特別な料理はなにもない。
 また泊まるといっても、当時は蒲団などないし、うすっぺらなものを寝具として使っておられた。
 それらを御自身も用い、門下にも用意してあげながら、“風邪などひかないように”等と心を配ってくださったことが察せられるのである。
 そこには、“自分は僧侶だから”“聖人だから”という権威ぶった態度など微塵(みじん)もなかった。
 あくまでも、同じ人間として、同志として、門下を尊ばれた。
 「仏」といっても、人間とかけ離れた世界にいるのではない。
 ただ南無妙法蓮華経と唱える人々の胸中の肉団にこそ、“仏の生命”は涌現する。
 ゆえに、妙法を持(たも)った人が最も尊い。その人こそ「仏」である。
 この「仏の同志」を最大に守り、讃えよ! ── ここに日蓮仏法の真髄があり、法華経の根本精神があり、創価学会が進んできた道がある。
 だからこそ学会は、ここまで伸びた。世界に大発展したのである。
 権威主義の宗教は、没落しかない。滅びるしかない。その実態は皆さんがご存じの通りである。
 学会は勝った! 大聖人直結で勝った!
 「創価学会、万歳! 」と、声高く叫びたいと思うが、いかがだろうか(大拍手)。

 一、次は、創立80周年(2010年)を大勝利で迎えたい。
 5年後に、皆さんが、どれほど福徳を積んでおられるか。幸福になっておられるか。
 さらに青年部の諸君が、どこまで成長しているか。私は楽しみにしている。
 ともどもに、健康第一で進んでまいりたい。

◆師弟不二の闘争

 一、さて、仏の別名に「(魔軍の攻撃に打ち勝った)勝者」とある。
 「絶対に負けない」というのが仏である。
 「絶対に勝つ」「断じて勝ってみせる」 ── これが仏である。
 仏法を持った皆さん方が負けるわけはない。
 いかなる障魔(しょうま)も、醜い陰謀も、断じて打ち破っていける。絶対に勝っていけるのである。
 戸田先生の時代も苦難の連続であった。
 相次ぐ事業の挫折。獄中闘争で病んだ先生のお体は限界に近かった。
 そのなかで、私は、一人立ち上がり、戸田先生をお守りした。
 全財産、全青春、全生命を、師匠である戸田先生に捧げた。
 これが私の永遠の誇りである。
 仏法の究極は「師弟」である。「師弟不二」である。
 「仏法を持(たも)つ」ということは、「師弟不二」に生き抜くということである。
 「師弟、師弟」と口先では何とでも言える。しかし、現実は、そんな簡単なものではない。
 私は、本当に、全生命を賭して、戸田先生をお守りした。
 師匠をお守りすることが、広宣流布を守り、創価学会を守り、愛する同志を守ることになると知っていたからだ。
 戸田先生と私は、深き心で結ばれていた。
 亡くなられた今も、そして、来世も、再来世も、私は戸田先生と一緒である。
 それが「仏法の師弟」の甚深の法則である。


◆◆ 大勝利の1年ありがとう ── 尊き同志を讃えよ


◆生老病死に光を

 一、「生老病死」という万人が避けられない問題を、いかに打開していくか。
 そこに光を当てられた大聖人の御聖訓を拝してまいりたい。
 御義口伝にいわく。
 「我らが生老病死に際して、南無妙法蓮華経と唱え奉ることは、そのまま、常楽我浄(じょうらくがじょう)の四つの徳の香りを吹き薫らせているのである」(御書740ページ、通解)
 「常楽我浄」の四徳とは、揺るぎない幸福境涯 ── つまり、“仏の生命”に備わる四つの徳を示している。
 「常」とは、仏の生命が「三世永遠」であること。
 「楽」とは、「苦しみがなく、うれしく、安らかなこと」。
 「我」とは、「何ものにも壊されない自由自在の境涯」のこと。
 「浄」とは、「このうえなく清らかなこと」をいう。
 私たちは、妙法に生き抜いていくことで、「生老病死」の苦しみの生命を、「常楽我浄」という最高の喜びの生命へと変えていくことができる。
 そのように大聖人は断言しておられる。
 ゆえに、学会の庭で、最後まで広宣流布に戦い抜いた方々は、「常楽我浄」の最高の幸福境涯を勝ち取ることができる。
 その人は、臨終の後も、また来世も、再来世も、永遠に「仏の境涯」で進むことができるのである。
 大聖人は、次のように仰せである。
 「(もしも)今、霊山にまいられたならば、太陽が昇って、十方の世界を見晴らすようにうれしく、『早く死んでよかった』と、お喜びになられることでしょう」(同1480ページ、通解)
 「死」というのは、一般には、「寂しく」「暗い」ものだと思われている。しかし、もっと本源的な生命の法則から見れば、死も生も、永遠の生命の一断面にすぎない。
 南無妙法蓮華経と唱え抜き、弘め抜いていった人は、亡くなっても、太陽が赫々(かっかく)と昇り、「早く死んでよかった」といえるような自在の境涯を楽しんでいける。
 まさに「生も歓喜」「死も歓喜」である。
 だからこそ、大聖人は、今世で、真剣に妙法の信仰を貫いていきなさいと仰せなのである。
 また、家族に対しては、“信心をして亡くなられたならば、何の心配もいりません”“本人も必ず喜ばれるにちがいありません”と、励ましておられる。これが妙法の世界である。

◆無上の喜びに満ちた大境涯に

 一、また大聖人は、南条時光にあてた御手紙で、こう仰せである。
 「亡くなられた慈父の聖霊(しょうりょう)は教主釈尊の御前においでになり、檀那(だんな=南条時光殿)はまた現世に大果報を招くことは疑いありません」(同1530ページ、通解)
 これは、末法の法華経の行者である大聖人を守り、供養する功徳が、どれほど大きいかを述べられた御文である。
 妙法のため、広布のために尽くした人は皆、必ず幸福になる。大聖人が「よくやった」とほめてくださるのは間違いない。
 さらに大聖人は仰せである。
 「南無妙法蓮華経と唱え、退転することなく仏道修行をして、最後の臨終の時を待ってごらんなさい。
 妙覚の山に走り登って、四方をきっと見るならば、なんと素晴らしいことであろうか、法界は寂光土で、瑠璃(るり)をもって地面とし、黄金の縄をもって八つの道を仕切ってている。
 天から四種類の花が降ってきて、空には音楽が聞こえ、諸仏菩薩は常楽我浄の風にそよめき、心から楽しんでおられる。
 我らも、その数の中に連なって、遊戯し楽しむことができるのは、もう間近である」(同1386ページ、通解)
 すべてが幸福の光に包まれた世界。不幸などは存在しない ── それが寂光土である。
 天からは美しい花々が降りそそぎ、最高に素晴らしい音楽が聞こえてくる。生命は無上の喜びに包まれて、「楽しいな」「うれしいな」という最高の境涯。
 妙法のために生き抜き、亡くなった方の生命は、必ず、こうした境涯となって輝いていくのである。
 反対に、大謗法の人間、広布の同志をいじめた人間の末路が、いかに惨めであるか。皆さまがご存じの通りである。仏法は厳しい。

◆また同じ所に

 一、さらに大聖人は、夫に先立たれ、息子を亡くした門下の婦人に対して、こう述べておられる。
 「悲母(ひも)がわが子を恋しく思われるならば、南無妙法蓮華経と唱えられて、亡き夫君と御子息と同じ所に生まれようと願っていかれなさい。
 一つの種は一つの種であり、別の種は別の種です。同じ妙法蓮華経の種を心に孕(はら)まれるならば、同じ妙法蓮華経の国へお生まれになるでしょう。
 父と母と子の三人が顔を合わせられる時、そのお悦びはいかばかりで、いかに嬉しく思われることでしょう」(同1570ページ、通解)
 南無妙法蓮華経と唱え、願っていくならば、来世もまた同じ所に生まれてくることができる。妙法の世界に一緒に生きられる。
 これが信心の偉大な力である。大聖人が、そう仰せなのである。


◆◆ 自信を持て力を信じよ
    ── 「祈りとして叶わざるなし」の信心を燃やせ
    ── 断じて勝つ! それが仏法

◆◆≪キルケゴール≫
   信仰の強さは苦難を受ける覚悟が十分にあるかどうか出証明される


◆真実を叫び抜け

 一、この中に、キルケゴールについてご存じの方はいるだろうか。
 キルケゴールは、有名な19世紀のデンマークの哲学者である。『死に至る病』『現代の批判』など多数の著書を残している。
 卓越(たくえつ)した文学者でもあったキルケゴールは、俗悪なマスコミの誹謗中傷の標的にされた。<当時の新聞「コルサール」が風刺画などによって、キルケゴールに対する誹謗のキャンペーンを行った>
 やがて彼は毅然(きぜん)と反撃に転じる。悪宣伝をはね返し、言論の闘士として立ち上がった。そして、真実を叫び抜いていったのである。
 俗悪な、金儲け主義の言論が横行すれば、社会が不幸になる。暗くなる。民主主義は破壊されてしまう。
 だからこそ、真実と正義が勝たなければならない。そのために戦っていかねばならない。
 キルケゴールの言論闘争について、私は昨年の12月にスピーチした。
 その後、デンマークの名門コペンハーゲン大学キルケゴール研究所のヨッキム・ガーフ副所長から、共感の声が寄せられた。
 そして、副所長は本年2月、「言論の暴力に対する批判 ── キルケゴールのメディアとの戦い」と題して講義を行ってくださったのである。
 <講義は、アスコー国民高等学校で実施された「アスコー池田平和研究会」による教育プログラムの一部として行われた>
 今、世界の多くの識者が学会の理念と実践に、深い共感を示してくださっている。学会を信頼し、守ってくださる多くの味方が各地にいる。
 キルケゴールは記している。
 「信仰の強さは、その信仰のために苦難をうける覚悟がじゅうぶんにあるかどうかによって証明される」(松浪信三郎・泉治典共訳「瞬間」、『キルケゴール著作集19』所収、白水社)
 深い言葉である。
 わが同志の皆さまは、どんな迫害や中傷にも負けずに戦ってこられた。一切に打ち勝ってきた。信心の強さを証明し、信仰の偉大さを証明してこられた。本当にすごいことである。

◆「一人」の女性から社会の変革が

 一、フランスの作家ジョルジュ・サンド。19世紀の女性である。
 サンドは男性中心の時代にあって、女性の「自由」と「自立」を求めて生きた。
 そして、40年以上にわたる作家生活のなかで、女性や労働者の解放をはじめ、不平等と貧困、死刑の問題などについて論じた。その活動は、人々に多大な影響を与えている。
 社会をより良くしたいと行動する。訴える。尊い社会貢献の活動を続ける、学会の女子部や婦人部の皆さまと同じである。
 女性の活躍の舞台は、今、ますます広がっている。
 私はノーベル平和賞を受賞したアフリカのワンガリ・マータイ博士ともお会いした。「一人」から植林運動を始めた信念の人である。本当に立派な方だった。
 女性のリーダーが、あらゆる分野で、どんどん活躍していく ── これが時代の趨勢(すうせい)である。
 サンドは理想の共和国をつくりたいと、政治活動にも尽力した。また、農村地帯に長く暮らし、田園を舞台にした小説を多く書いている。
 農村には、都会のような華やかさはないかもしれない。しかし、そこには黙々と働き、畑を耕す人々がいる。大勢の人の命の糧(かて)となる作物をつくり、養っているとの自負を持っている。
 サンドの代表作には、『魔の沼』『笛師(ふえし)のむれ』『愛の妖精』などの田園小説のほか、自伝『わが生涯の歴史』、小説『コンシュエロ』等がある。
 大文豪ヴィクトル・ユゴーは、サンドを讃え、亡命先のガーンジー島から、「あなたは、高貴で誠実で、そして偉大な魂を持っておられる」との手紙を書き送った。私も、共鳴しあう二人の姿に、かつて深い感銘を受けた。

 一、サンドは小説の中で、登場人物に語らせている。
 「心穏やかに生きようとして悪を許容するのは卑怯なのだ」(大野一道訳『スピリディオン』藤原書店)
 悪を見て、見ぬふりをする。悪と戦わない。それは卑怯な生き方なのである。


◆◆ 信念に生きる民衆は偉大
     ── 本年 世界からSGIへ〔270〕の顕彰
      ── 団結せよ! 不滅の人材城を築け


◆「心一つになれば必ず成就する」

 一、アメリカ公民権運動の指導者であるマーチン・ルーサー・キング博士は、こう訴えた。
 「私たちが行動する時はどんな場合でも手を携(たずさ)えねばならない」
 「団結すれば、私たちが願っているだけでなくまさしく手にするに値(あたい)するおびただしいものを獲得できる」(1955年12月5日、歴史的なバス・ボイコット運動を開始する際のスピーチ。梶原寿監訳『私には夢がある M・L・キング説教・講演集』新教出版社から)
 異体同心の団結に、かなうものはない。古今東西、変わらぬ方程式である。
 学会は、この精神で勝った。
 かつて戸田先生は、こう言われていた。
 「皆の心が一つになれば、必ず、事は成就する。必ず、思いもかけなかった新しい道が開かれていく。
 これが、大聖人の仏法を信ずるものの強さだ。これを忘れるな!」
 私たちはこれからも、心ひとつに、「団結」の二字で進みましょう!(大拍手)

◆今こそ拡大のチャンス!

 一、イギリスの著名な桂冠詩人ロバート・サウジーは、国民的英雄・ネルソン提督の評伝を書いている。
 その中でサウジーは、「勝戦(かちいくさ)はやすまず戦果を拡大せよ」と、戦いの鉄則を記している(増田義郎監修・山本史郎訳『ネルソン提督伝(上)』原書房)。
 勝ち戦のときこそ、さらなる拡大のチャンスである。この好機に休んではならない。安穏(あんのん)として、時を逸(いっ)してはならない。
 広宣流布の前進も今、この時期に入っている。
 今このときに、創立80周年を目指し、正義の戦いを始めましょう!(大拍手)
 大切な、これからの5年間である。この5年は、100年にも匹敵する重要な時期である。
 この5年間、懸命に生き抜こう。
 病気にならない。お金に困らない ── そういう自分をつくりながら、創立80周年(2010年)の11月18日を目標に、朗らかに前進していきましょう!(大拍手)

 一、フランスの思想家モンテーニュは、「愚かさと慢心という悪徳は、いつもくっついている」(宮下志朗訳『エセー1』白水社)と綴っている。
 愚かな人間は、慢心に陥りやすい。また、高慢は、愚かさの証拠ともいえよう。
 私どもは、そういう人間になってはならない。また、傲慢(ごうまん)な愚者(ぐしゃ)に負けてもならない。
 仏法の深義(じんぎ)を知らず、また知ろうともせず、仏法を批判するのは間違いである。
 経典には、末法になると、そうした増上慢の衆生が大勢現れ、法華経の行者を迫害するだろうと明確に説かれている。
 そうした迫害に屈することなく、間違った考えを、勇敢に打ち破っていくのが折伏の修行である。

◆富士を望む広布の殿堂

 一、きょうは、白雪の富士が見えた。
 ここ東京牧口記念会館からは、堂々たる富士の山や、その他の美しい山並みが見える。さらにまた、絢爛(けんらん)たる旭日(きょくじつ)も、荘厳なる夕日も望むことができる。,じつに素晴らしい場所に、広宣流布の闘士の殿堂はそびえている。
 この晴れの日に、大勝利の幹部会の開催、おめでとう!(大拍手)
 本年の大勝利は、全国、そして全世界の尊き同志の力と、努力と、忍耐のお陰である。
 皆さま、本当にご苦労さまでした!私は、愛する同志一人ひとりに、何度も、何度も、こう申し上げたい。そういう気持ちでいっぱいである。
 聖教新聞を配達してくださる「無冠の友」の皆さま方も、ありがとう!(大拍手)
 これから、ますます寒さが厳しくなります。どうか、風邪などひかれないように。
 心の底から、「本当にありがとう。ご苦労さま」と申し上げたい。
 音楽隊の皆さん、いつも素晴らしい演奏をありがとう!きょうの演奏は、ひときわ見事でした!(大拍手)
 法華経には、次のような一節がある。
 「(この法華経を受持する人は)法の法螺貝(ほらがい)を吹き鳴らし、偉大な法の鼓(つづみ)を撃(う)って、すべての生あるものを老病死の苦悩の海から救い出すであろう」(薬王菩薩本事品)
 私どもは、まもなく始まる新しい1年も、「常楽我浄」の希望の曲を奏でながら、楽しく、朗らかに、「偉大なる前進」をしていきましょう!(大拍手)

 一、「祈りとして叶わざるなし」の御本尊である。
 私たちは、この世で最も偉大なものを持っている。
 意のままに、どんなものでも取り出せる“宝の珠(たま)”を持っている。
 大切なのは、仏力、法力を引き出す、我らの信力、行力である。
 祈りが叶わないわけがない。何があっても、絶対に負けるわけがない。これが信仰の真髄であ
る。
 ゆえに、何の心配もいらない。妙法を信じ抜き、唱え抜き、実践し抜いていくかぎり、決して行き詰まることはない。
 学会活動の中には、あらゆる福徳が含まれている。学会とともに、学会の中で生き抜いていけば、自然のうちに、生き生きと、健康な生命になっていく。
 さあ、元気にいきましょう! (大拍手)

◆強き精神をもっていたのは誰か

 一、フランスの大歴史家ミシュレは、フランス革命の歴史を振り返り、“信念を持っていた人は、いったいだれか?”と問い、こう綴っている。
 「信念をもっていたのはだれか。その信念をやりとげるために、献身の精神と力とをもっていた者はだれか。人民である。すべての人々である」(桑原武夫・多田道太郎・樋口謹一訳「フランス革命史」、『世界の名著37ミシュレ』所収、中央公論牡)
 彼の結論は「民衆」だった。
 学会もまた、民衆の力で勝ってきた。このような民衆運動は、いまだかってなかったことである(大拍手)。
 どうして学会は勝ってきたのか。それは、学会員の方々が、勇敢なる信念をもって、正直に、誠実な行動を貫いたからだ ── このように、学会発展の要因を見ている識者も多い。

◆学会の歴史は「難即大勝利」

 一、大聖人は法難について、こう仰せである。
 「……法華経の第五の巻(の勧持品)には、『私(釈迦仏)の滅後の末法に入って、法華経の行者が現れるであろう。その時、その国に、戒を持った僧、戒を破った僧など、無数の僧たちが集まって、国主に讒言(ざんげん)して、法華経の行者を流罪にし、亡き者にしょうとする』と説かれている。
 こうした経文がことごとく、日蓮の身に符合した。未来に仏になることは疑いないと確信する」(御書1389ページ、通解)
 「難即仏」「難即大勝利」 ── 難を乗り越えることが成仏の証明となり、大勝利の証明となる。
 牧口先生も戸田先生も、広宣流布のゆえに牢獄に入られた。そのお姿こそ、学会の正義の証明であるといえる。
 私もまた入獄した。戸田先生と学会員を守るため、一人、矢面(やおもて)に立ってきた。そして皆さんとともに、仏法史上、だれも成し遂げたことのない広布の歴史を築いてきた。
 どこに正義があったのか。だれが正義の人だったのか。現証は厳然である(大拍手)。
 組織を悪用した形式主義、権威主義にだまされて、仏法の真髄を見失ってはいけない。
 広布において、本当に立派な人は、師弟不二の心で戦った一学会員である。
 こう見るのが仏法の眼である。特に青年部の諸君は、この一点を忘れないでいただきたい。<会場から「ハイ!」と力強い返事が>

 一、大聖人は、極楽寺良観(ごくらくじりょうかん)との闘争において、「現証をもって決着を付けよう」(御書349ページ、通解)と挑(いど)まれた。
 良観は、大聖人の時代における「僭聖増上慢」の存在である。
 悪は責めて責めて徹底的に責める。大聖人の戦いに、中途半端はない。
 忘恩と嫉妬の日顕宗の卑劣な陰謀から15年。
 私たちは戦ってきた。
 邪宗門は狂いに狂い、乱れに乱れた大敗北の姿である。
 学会は、明るく世界に大発展し、大勝利した。現証は、あまりにも明確である。すべては、皆さんの信心の力である(大拍手)。


◆◆◆ 世界の命運は女性で決まる! ── 〔米大統領夫人〕

◆◆ 〔婦人部〕〔女子部〕に心から感謝

◆◆≪古代ローマの哲学者≫ 心富める人こそ最大の富者(ふしゃ)


◆女子部は一人ももれなく幸福に

 一、不思議にも、世界中でSGI(創価学会インタナショナル)が顕彰される時代に入った。
 この1年間で、世界各地で、また国連をはじめとする国際機関から、約270もの栄誉が贈られている。
 すべて、わが同志が築いてくださった信頼の証(あかし)である。
 とくに海外の皆さま、本当にありがとう!(大拍手)
 今回、研修で来日された台湾の皆さんは、13回連続で「社会優良団体賞」に選ばれている。すごいことである。おめでとう!(大拍手)
 韓国には、明年、素晴らしい墓園も完成する予定である。韓国の同志の勝利、万歳!(大拍手)
 マレーシアの皆さま方も、ようこそ!おかげさまで、マレーシアの創価幼稚園も、国内外から絶大な評価が寄せられ始めた(大拍手)。
 北欧の皆さまも、遠方より、本当によくお越しくださいました(大拍手)。美しき北欧の天地にも、新しい“友情の森”が、大きく豊かに広がっている。
 南米ペルーの女子部の皆さまも、よく来てくださった。ありがとう!(大拍手)
 朗らかに対話を広げゆく前進、ご苦労さま!一人ももれなく幸福に!
 お父さん、お母さん、全同志に、よろしくお伝えください。
 今年は、新たに二つの大学に「池田研究所」が誕生した。<中国の中山(ちゅうざん)大学と華中師範(かちゅうしはん)大学>
 光栄にも、こうした研究を進める学術機関は世界で12を数える(大拍手)。
 さらに、ブラジル、アルゼンチンには、私の名を冠した州立高校が建設されている。
 アメリカのミズーリ州には、「ダイサク・イケダ山頂公園」、オハイオ州には「トダ・フレンドシップ・サークル(戸田友情の道)」が誕生した。
 これらもすべて、皆さま方の子孫末代に伝わる、福運の象徴であると信じる。
 きょうは、アメリカ創価大学の英才の代表も参加している。ご苦労さま。ありがとう!(大拍手)
 先日、私は、皆さま方を代表して、ベネズエラの「フランシスコ・デ・ミランダ勲章勲一等」を拝受した。
 世界各国からの国家勲章は、25を数えている(大拍手)。
 南米解放の先駆者ミランダは言った。
 「団結は永遠なる幸福と存続をもたらす」
 私たちが勝ってきたのも、団結できたからである。「異体同心」の団結で、永久に崩れない「人材の城」を築いた。これからも築いていこう!
 <会場から「ハイ! 」と力強い返事が>


◆◆≪スウェーデンの作家≫
   ひどい目にあった方が黙っていると悪人の方が正しいことになってしまう


◆悪徳はそれが起たきた時に断て!

 一、さらに、いくつか先人の箴言(しんげん)を紹介したい。
 スウェーデンの作家ストリンドベリは、「ひどい目にあわされた方が黙っていると、悪漢の方が正しいことになってしまうのである」と述べている(千田是也訳『戯曲論』早川書房、現代表記に改めた)。
 だから戦うのである。ひどい目にあった場合、断じて黙っていてはならない。学会もこの精神である。大聖人の教えとも共鳴する。
 古代ローマの哲学者セネカは、「悪徳はすべて、それが起こったときに押し潰してしまわないと、その根を深く下ろします」と指摘した(茂手木元蔵訳『セネカ道徳論集(全)』東海大学出版会)。
 ゆえに、悪徳と戦い、その根を切らねばならない。
 「仏法は勝負」との私たちの姿勢にも通じる。人生において幸福になるのも、正義を証明するのも、勝負である。
 おなじく古代ローマの詩人ウェルギリウスの詩句には、「力があると思うゆえに力が出る」との一節がある(岡道男・高橋宏幸訳『アエネーイス』京都大学学術出版会)。
 その通りだと思う。ましてや、私たちは最高の妙法を持っている。
 “私は題目をあげているんだ、自分には力があるんだ! ”と思い、行動することである。
 “私はダメだ。あまり話も上手くないし、折伏の力も弱い”と思うことがあるかも知れないが、そうではない。
 「私は勝てる! 私には力がある!」と確信して進むところにこそ、勝利が輝く。
 とりわけ、青年が自信を持って、自分の無限の力を信じ、発揮していくことだ。牧口先生も、このことを生涯を通して訴えられた。

◆“最も深い幸福は向上する人生に”

 一、スウェーデンの著名な女性運動家で教育家のエレン・ケイは述べている。
 「幸福ということは、要するに、その最も深い意味に於ては、人生の諸々の運命を通じての人生の向上ということである」(本間久雄訳『婦人と道徳』南北社、現代表記に改めた)
 本当の幸福は、向上しゆく人生のなかにある。そして、その向上の原動力こそ、南無妙法蓮華経の題目である。題目以外に、根本的に、生命を磨き、人生を向上させゆく道はない。

 一、イギリスの国民的英雄であるネルソン提督。
 1801年、彼は、大きな戦いを目前にして「いかに敵の増上慢の鼻をへし折るか」が大事だと訴えた(ロバート・サウジー著、増田義郎監修・山本史郎訳『ネルソン提督伝(下)』原書房)。
 この心意気である。そうした強さ、攻撃精神がなければ、強敵との戦いには勝てない。
 そして、ネルソン提督は、その戦いにおいて、見事に勝ったのである。

 一、先日、婦人部の「女性平和委員会」の友が、「世界人権宣言」の起草(きそう)に貢献した著名な社会運動家エレノア・ルーズベルト女史(アメリカ第32代大統領夫人)の貴重な著作を届けてくださった。
 その本のタイトルが、まことに素晴らしい。『女性で決まる』という本なのである。
 エレノア女史は、誇り高く宣言している。
 「女性は、陰に陽に、世界の命運に、偉大な影響力を及ぼしてきました」「世界の危機を乗り越えられるか、どうか。それは、今までにもまして『女性で決まる』のです」
 その通りである。
 戸田先生も、よく、「広宣流布は、女性で決まる」と言われた。
 婦人部、女子部の皆さま方、1年間、本当にお世話になりました。明年も、よろしくお願いします。

◆人生で大切なものは何か?

 一、エレノア女史は、こうも論じている。
 「人生において、何を大切にするかによって、女性は、人生を、幸福なものにもできるし、不幸なものにもしてしまう」
 人生で大切なものは何か ── 古代ローマの哲学者セネカは綴っている。
 「われわれを富ましめるもの、それは心です」(前掲『道徳論集』)
 幸福は、心で決まる。
 平和も、心で決まる。
 混迷を深めゆく世界にあって、人類は、「心」そして「生命」という原点に立ち返る時を迎えている。
 心 ── 私たちにとっては、「信心」が根本である。
 日蓮大聖人は「ただ心こそ大切なれ」(御書1192ページ)と仰せである。
 これは、大聖人の仏法の一つの結論と言える。
 釈尊の法華経も、大聖人の御書も、「心」がもつ偉大な力を、あらゆる角度から説いているのである。

◆わが生命に無限の智慧と力が!

 一、日蓮大聖人は、女性門下である日女御前に仰せになられた。
 「(法華経の)宝塔品(ほうとうほん)の時には、多宝如来、釈迦如来、十方の諸仏、一切の菩薩が集まっておられます。この宝塔品が今、どこにあられるかと考えてみますと、それは日女御前の胸の間の八葉(はちよう)の心蓮華(しんれんげ)のなかにこそあられると日蓮は見ているのです」(同1249ページ、通解)
 全宇宙のあらゆる仏の智慧も、あらゆる菩薩の力も、妙法を受持した女性の生命に、全部、備わっている ── こう、大聖人が断言してくださっているのである。
 その智慧と力を無限に引き出せるのが、信心である。
 ゆえに、不幸になるわけがない。絶対に、縁する人を幸福に導きながら、今いる場所から世界へ、「平和の文化」を広げていくことができるのである。

◆正義の声を!励ましの声を!

 一、さて、このたび、国際的に著名なガンジー主義者であるN・ラダクリシュナン博士と、対談の連載を開始することになった。<子育て・教育応援誌「灯台」の明年2月号から新連載の予定>
 博士は語っておられる。
 「『悪』は決して休まない。だからこそ、『善』のスクラムを組む人間が、どこまで戦うかが、常に試されています」と。
 善が団結することである。そして、声を上げることが大事である。
 <ラダクリシュナン博士は、こうも語っている。
 「嫉妬の人間の中傷は、野犬が吠えるようなもので、やがて消え去ります。幾百万人もの人々を励まし、啓発する池田先生の『声』によって、平和と正義が蘇(よみがえ)り、人間らしい世界が蘇るに違いありません」と>
 「声仏事を為す」(御書708ページ)である。黙っていてはいけない。
 「声も惜しまず」(同726ページ)語った分だけ、広宣流布は進む。
 「師子の声には一切の獣・声を失ふ」(同1393ページ)とあるごとく、人々を惑わす「虚偽の声」「邪悪な声」は、断固、「真実の声」「正義の声」で打ち破らねばならない。
 戦っている友には「賞讃と励ましの声」を贈ることだ。
 「青年・躍進の年」は「目の覚めるような声」で勝とう!

◆「友をつくるのは時をつくること」

 一、戸田先生は展望しておられた。
 「一人の新たな真の同志をつくる。それから、一人また一人とつくってゆく。これが、とりもなおさず、時をつくることになる」と。
 今再び、新たな広宣流布の躍進の時を創ろう!
 とくに青年部を、一段と伸ばしていきたい。
 わが青年部に、英知の言葉を贈りたい。
 まず、先日逝去された中国の文豪・巴金(ぱきん)先生が、私に対して言われた言葉である。
 「私は青年を信じている。それぞれの時代には、必ず、すぐれた青年が出てくるし、すぐれた思想が出るものだ」
 世界が、創価の青年に期待している。
 次に、戸田先生の指導である。
 「肉体的にも精神的にも、人生の苦しみを味わったものが強くなる。故に偉大なる青年は、安逸(あんいつ)を求めるな」
 苦労し抜いた人こそ、不滅の青春の勝利者である。
 最後に、再び、スウェーデンの作家ストリンドベリの言葉を贈りたい。
 「私は生の喜びを力の漲(みなぎ)った劇烈なる人生の闘争の中に見出し、そして自分の楽しみをば、何物かを発見し、何物かを学ばんとすることの中に求めている」(E・A・ルィゼ著、富野敬邦訳『ストリンドベリー伝』万里閣、現代表記に改めた)
 青年は、昇りゆく正義の太陽だ!
 青年は、未来を決する「本因」の力だ!
 青年部よ、断じて追撃の手をゆるめるな!
 こう私は叫び、一切の勝利を託したい。

 一、来年も頑張ろう! 皆、朗らかに、また勝って会おう!
 どうか、よいお年を!
 1年間、ありがとう! 全同志に、よろしくお伝えください。
 風邪が流行りつつある。断じて風邪をひかないよう、しっかりと祈り、賢明な生活を心がけていきたい。
 皆で「1年間の勝利」を祝い、「創価学会の世界的な発展」「全宇宙の同志の勝利」を讃え合いたい(笑い、拍手、全員で万歳三唱)。
 重ねて、1年間、本当にありがとう!心から感謝申し上げます。,
 全同志の皆さまの健康とご多幸を祈り、題目を送ります。
 お元気で! さいなら! (笑い、大拍手)

            (2005・12・8)
第56回本部幹部会・全国婦人部幹部会での名誉会長のスピーチ



◆◆◆ 師弟不二で戦い抜いたから私は勝った!学会は勝った!

◆◆◆ 信心とは最極の勇気

◆◆≪55年前の年頭の誓い≫
    「いかなる苦悩にも打ち勝って 青年らしく本年も戦い切ろう!」



【名誉会長のスピーチ】

 一、あけましておめでとう!(大拍手)
 昨年は、大勝利の1年だった。どうか本年も、勝利の前進をお願いします。
 海外から参加されたSGI(創価学会インタナショナル)の皆さま、本当にご苦労さまです。ありがとう!サンキュー!ダンケ! メルシー!(大拍手)
 そして、花の芸術部の皆さま、本当にありがとう。ご活躍の姿を拝見して、私はうれしい(大拍手)。

◆創立80周年へ!

 一、私は「世界桂冠詩人」賞をいただいています<世界詩歌(しいか)協会から>。
 詩をつくり、和歌を詠(よ)む。詩心(しごころ)ある指導者が増えてこそ、文化的な社会になるにちがいない。
 まず、婦人部・女子部の皆さま方に和歌を贈りたい。

 御仏も
  諸天善神
    光りたる
  貴女の信心
     讃え護ると

 大願に
  生き抜く勝利の
   女人かな
  御書に光らむ
    三世の功徳を

 不滅なる
  御聖訓に
   認(したた)むる
   女人の幸福
     三世に護ると

 <代表して高柳婦人部長、杉本婦人部書記長、館野女子部長に渡された>
 婦人部は、高柳婦人部長を中心に団結し、創立80周年(2010年)を目指して、生き生きと立ち上がってくださっている。
 今年は、女子部をさらに力強く育成していきたい。
 女性が健在で、勢いを増していかないと、どの国であれ、団体であれ、本当の勝利はない。
 行く先が、だんだんと細くなってしまう。特に、これからは少子化の時代である。
 ともあれ、女性の活躍が発展の「要(かなめ)」である。皆で女子部を応援してまいりたい(大拍手)。

◆全同志のご多幸ご健康を祈って

 一、また、全同志の皆さまのご多幸とご健康とご長寿を祈りつつ、各方面に和歌を贈りたい。

 <関西の友へ>

 大関西
  常勝関西
   勝ちまくれ
  日本の広布の
    先頭 走りて

 <北海道の友へ>

 北海道
  おお純白の
    生命で
  この世 勝ちゆけ
    この世 楽しめ

 <東北の友へ>

 雪ふぶく
  大東北の
   皆さまの
  仏の行進
   諸天も讃えむ

 <中部の友へ>

 満天の
  空を見つめて
    誓いゆけ
  中部の人材
    星の如くに

 <中国の友へ>

 壮大な
  大中国を
    見習いて
  日本の中国
    君ら勝ちとれ

 <四国の友へ>

 偉大なる
  正義の旗振れ
   高らかに
  四国の我らは
    勝利の博士と

 <九州の友へ>

 大九州
  諸天善神
   舞い来たり
  君を護らむ
   貴女を見つめむ

 <沖縄の友へ>

 いついつも
  日本列島
   励まして
  先駆の勝利の
     沖縄 尊し

 <各方面の代表に和歌が渡された。九州、沖縄の和歌は、席上での発表後、名誉会長が筆を加えた>
 皆さん、遠くから、ご苦労さま!
 この1年も、ともに頑張ろう!(大拍手)

◆学会の役職は峻厳な「責任職」

 一、この年末から年始にかけて、北海道、東北、信越、北陸、中国等々、全国各地で記録的な大雪になった。
 特に、秋田、新潟、福井をはじめ、大雪のなかで奮闘しておられる皆さま方に、心からのお見舞いを申し上げます。
 大雪で交通事情の大変ななか、勇んで集まってくださった皆さま方、本当にご苦労さまです(大拍手)。
 パン屋さんを営んでいる、総秋田の岩谷(いわや)婦人部長は、じつに2日がかりで駆けつけてくださった(大拍手)。そういうことも、よくうかがっている。
 私は、小さなことも含めて、どんなことでも、二六時中、報告を聞く。
 交通事故が起きれば、どこで起きたのか。今、病院に入っているのはだれで、どんな具合なのか。朝から夜中まで、連絡が入ってくる。
 今まで、真夜中に跳ね起きて、お題目をあげたことが何度あったか。
 学会の役職は、一般世間でいうような「位」や「立場」とは関係ない。
 ただただ、会員のために、広布のために、峻厳な責任をもって、すべてやりきる ── これが、本当の創価学会の指導者である。
 このことを、未来にわたって絶対に忘れてはならない。


◆◆ 大雪の中で奮闘する皆様無事・安穏を祈っています


◆雪にも負けぬ志を大聖人が讃嘆

 一、日蓮大聖人は言われた。
 「雪の中を踏み分けて(あなたは使いを身延の山中にいる私に)寄こしてくださいました。その御志は、必ずや法華経も十羅刹女も知っておられることでしょう」(御書1388ページ、通解)
 大雪の被害を知ったとき、私はすぐに、この御文を思い出した。
 雪の中を踏み分けて、妙法のために ── 。
 その尊き「志」とは、現代の私たちに広げていえば、真剣な「指導・激励」である。「折伏」である。また、広宣流布のための「連絡・報告」等にあらわれるとも言えよう。
 大聖人は、そうした志を最大に讃え、「あなたの志は、すべて知っていますよ!」と励ましておられるのである。
 健気(けなげ)な皆さん方を、大聖人はどれほど賞讃してくださっていることか。
その功徳は計り知れない。
 もちろん、決して無理をしないでいただきたい。幹部は、安全第一、健康第一で、皆に絶対に無理をさせないよう最大の配慮をお願いします。
 私は豪雪地域の皆さまの無事・安穏を心から祈っています。


◆≪独の音楽家シューマン≫
    人間の奥深くに光りを送ること ── これが芸術家の使命である!

 一、きょうは創価大学・学園出身の学術者グループである「創大インテレクト会」の代表も集っておられる。久しぶりに会えてうれしい。ご苦労さま!(大拍手)
 創価教育を担(にな)い、日本の学術界を担う指導者として、ますます実力を磨いていただきたい。

 一、フランスの大文豪ロマン・ロランは、芸術は「生命を百倍にし、強化し、より大きく、よりよくすることである」と綴った(宮本正清訳「民衆劇論」、『ロマン・ロラン全集19』所収、みすず書房)。
 この言葉の通りに進んでいるのが、学会の芸術部である。芸術部は文化の「先駆者」であり、「旗手」である。皆で応援してまいりたい(大拍手)。
 またドイツの大音楽家シューマンは、次の言葉を残している。
 「人間の心の深奥(しんおう)へ光を送ること ── これが芸術家の使命である!」(吉田秀和訳『音楽と音楽家』岩波文庫)
 これらの言葉を芸術部の代表に贈りたい(大拍手)。
 中国の大文豪・巴金(ぱきん)先生。私は4度お会いし、語り合った。昨年、亡くなられたが、本当に立派な方であった。
 先日も紹介したが、巴金先生は私との語らいのなかで、「教育の本義は、人間を変革させていくことであり、人間の魂を浄化していくことだと思う」と述べておられた。
 また、初代会長の牧口先生は、「教育は、あせってはいけない。種をまいていけば、やがて必ず芽が伸び、大木となっていく。あせらず立派な伝統をつくっていくことだ」と語っておられた。
 教育者として活躍する友に、これらの言葉を贈りたい(大拍手)。


◆◆ さあのびのびと幸福の道を前進!
   ── 希望輝く女子部革命を


◆◆ “母の慈愛”の潮流で生命の世紀を
    ── 尊き婦人部に最敬礼!


◆女子部の勝利が広宣流布の勝利

 一、全国、そして全世界の皆さま方、あらためて、あけまして、おめでとうございます!
 特に、芸術部の皆さま方、素晴らしい大活躍と大発展、おめでとう!(大拍手)
 私も、妻も、いつも大拍手を送っております。皆さんは1000万人の同志という“ファン”がいます。今年も、頑張ってください!
 さらにスポーツ界で奮闘される皆さま方、今年も、偉大な勝利を祈っております。どうか、健康第一で、お元気で!(大拍手)
また、明るい「女子部の新時代」、おめでとう!(大拍手)
 いよいよ「女子部の時代」である。女子部に光を当て、学会をもう一度新しく脱皮させ、新鮮な、未来への希望に燃えた道をつくっていきたい。これが私の願いである。
 女子部は楽しく伸び伸びと、幸福の前進をお願いします。
 日蓮大聖人は、一人の健気な女性の信心を讃えられ、「春の千里の野に火を点ずれば、一時に無量無辺の火となるように、妙法への供養は無数の仏に対して供養したことになる」「その功徳は父母をはじめ、数限りない人々に及んでいく」(御書1231ページ、趣意)と仰せである。
 健気に、広布のため、友のために生きゆく皆さまの功徳は絶大である。
 今の時代にあって、若き女性が、友人の幸福を願って仏法を語る。友の家を訪れて、激励する。なかなかできることではない。本当に尊いことである。
 一人の女性の力が、どれほど大きいか。
結婚して家庭を持った場合には、ご主人をはじめ、子どもや親族に信心の偉大さを教えていく。「ああ、素晴らしい人だな」と、周囲に信頼と共感の輪を広げていく。
 そして、一家、一族を幸福と繁栄の方向へと引っ張っていく ── そうした存在となっていくのである。
 純粋で、健気な女性の信心によって、学会は大きく発展してきた。この事実を決して忘れてはならない。女性を下に見るようなことがあってはならない。
 女子部の友が健康で、無事故で、幸福であるように、男性の皆さんも、しっかりと題目を送っていただきたい。
 女子部を守り、伸ばしていけば、学会もまた、未来に伸びていく。女子部を強くすることが、学会を強くする。これが方程式である。
 今年は、待望の「創価女子会館」が誕生する。<今春、東京・信濃町に地上2階、地下2階の建物が完成する予定>
 私たち夫婦も、会館の完成を、本当に楽しみにしている。工事が進んでいる様子も、よくうかがっている。
 女子部が、思う存分、活動できるようにすることが大切である。
 女子部を増やすことが、広宣流布の永遠の勝利と、繁栄の門を開く。これは、戸田先生の教えである。
 女子部の皆さん、頑張ってください!
 希望あふれる「女子部革命」のために、皆で女子部の友を激励し、皆で応援していきましょう!(大拍手)

◆学べ、学べ!

 一、大聖人が、女性門下をいかに大切にされ、その信心を讃えていかれたか。
 それを私は、戸田先生から講義していただいた。
 御書だけではない。万般の学問を、私は毎朝、先生から教わった。
 日曜日も、ご自宅に呼んでいただき、徹底して勉強である。「遠いところ、ありがとう」と、先生自ら食事を用意してくださることもあった。
 先生は、どこへ行かれるにも、私を離さなかった。
 いつも「読書を忘れるな」と厳しかった。そして「その本には、どう書いてあるのか」と質問される。ちゃんと読まずに答えると、「それはおかしいんじゃないか」と、すぐ見破られた(笑い)。
 天才的な先生であられた。

◆師と共に戦った勇敢な女性たち

 一、「世界一の婦人部」の結成55周年、万歳!(大拍手)
 現在、私は、インドの哲学者N・ラダクリシュナン博士と、新しい対談を進めている。
 <タイトルは「人道の世紀へ ── インドの哲学と教育を語る」。月刊誌「灯台」2月号から連載開始>
 博士が、マハトマ・ガンジーの非暴力闘争の大きな特徴として挙げておられる点は何か。
 それは、じつに多くの女性たちが、勇敢に「最前線で活躍した」という歴史である。
 もしガンジーがいたら、どれほど創価学会を理解し、賞讃することか ── 博士は、学会の広宣流布運動に、強い期待を寄せてくださっている。
 <博士は、こう語っている。「『人間革命』の運動において、池田会長は、女性を大切にし、女性を中心に置かれています。このリーダーシップに対し、人類は、池田会長に永遠に感謝することでしょう」>
 なぜ、インドの女性たちは、いかなる労苦もいとわず、ガンジーという“師”とともに戦ったのか。
 その理由として、博士は、ガンジーの妻、カストゥールバ夫人の洞察を紹介しておられた。
 それは、「女性たちは、男性たちよりもはるかによくガンジーを理解していた」という言葉である。
 女性のほうが、師匠の偉大さを、よくわかっていた ── 男性というのは、往々にして、自分以外の人物の偉大さを、謙虚に認められないものである。
 その根底には、“ヤキモチ”がある。“俺が、俺が”という“我”がある。
 なんらかの地位を得た男性は、とくにそういう傾向が強い。それは、これまでの歴史を見てもわかる。

◆女性の智慧と団結こそ希望

 一、ラダクリシュナン博士は、これからの世界の希望は、ひとえに「女性の智慧と団結」に託されていると見ておられる。
 学会の婦人部、そして女子部の存在が、どれほど大切であるか。
 ときに男性以上に、広布のために戦っている創価の女性たち。その姿の、なんと尊いことか。本当に偉い。
 この方々を心から大切にし、最敬礼していくことだ。そうすれば、学会はさらに発展する。それができなければ、伸び悩む。
 ラダクリシュナン博士は、「池田会長は、『生命の世紀』の到来に向けて、生涯を捧げてこられました」と語ってくださった。
 温かいご理解に、深く感謝したい。19歳のときから、戸田先生のもとで必死になって戦い抜いてきたことは、私の最高の誇りである。
 続けて、博士は言う。
 「『生命の世紀』の実現は、家庭や地域、さらには社会全体を育(はぐく)んでいく“母の慈愛”の潮流を、明確なかたちで拡大できるかどうかにかかっています」
 歴史的な発言である。
 “母の慈愛”の潮流を、どこまで拡大できるか。婦人部、女子部の使命は、いや増して大きい。一国、さらには世界の運命をも決定していく力がある。
 その意味からも、女子部、婦人部を、もっともっと大切にしていかねばならない。全リーダーに、この一点を強くお願いしたい。
 女性に対して、傲慢な態度をとったりするようなことは、絶対にあってはならない。許してもならない。
 女子部、婦人部の皆さん、いつも本当に、ありがとう!(大拍手)

一、ラダクリシュナン博士のように、世界の良識は、創価の女性の「生命尊厳の連帯」を、熱い期待の眼で見つめている。
 創価の女性の連帯こそが、平和の推進力であり、幸福の原動力なのである。
 全国各地での婦人部総会の大成功を、ともどもに祈り、皆で応援していこう!(大拍手)

◆青春の苦闘

 一、本年7月、男子部は結成55周年を迎える。おめでとう!(大拍手)
 それは55年前(1951年=昭和26年)のきょう、1月6日のことであった。
 私は、正午近く、戸田先生のご自宅に呼ばれた。23歳になったばかりであった。
  ── 当時、戸田先生の事業は最大の苦境にあった。
 すでに前年の夏には、当局から営業停止命令を受けていた。
 さんざん先生にお世話になってきた人たちが、ひとたび風向きが悪くなると、一人また一人と、先生のもとを去っていった。
 なかには、「戸田のバカ野郎!」と不知恩(ふちおん)の罵声を浴びせて、離れていった者もいたのである。
 最後に残ったのは、実質的に、私一人。
 若き私は、悪口(あっこう)と中傷を浴びながら、先生の事業の再建へ駆けずり回って働いた。
 給料は何カ月ももらえない。食事も満足にできない。
 せめて体が、もう少し丈夫であったなら。
 苦しみ、悩み、もがきながら、新たな活路を求めて、真剣に唱題を重ねた。毎晩のように御書を拝した。
 戸田先生は、さまざまなことを熟慮された末に、理事長の職も辞任されたのである。<戸田先生が理事長辞任の意向を発表したのは昭和25年8月24日>
 私は、思いあまって戸田先生にうかがった。
 「先生、先生が理事長をお辞めになれば、新しい理事長が、私の師匠になるのですか」
 戸田先生は言った。
 「それは、ちがう。苦労ばかりかけるけれども、君の師匠は私だ」
 わが人生の忘れ得ぬ一場面である ── 。
 あまり自分で自分のことを言いたくはないけれども、次の学会を背負っていく青年部には、すべて知っておいてもらわねばならない。
 あえて、きょうは、真実の歴史の一端を語らせていただく。


◆◆◆ 「師子王の心」で勝ちまくれ!

◆◆ 全世界が異体同心の団結


◆広布の大師匠をただ一人、守る

 一、さて55年前、昭和26年の1月6日のこの日、私は、呼ばれて先生の部屋に入った。
 あの剛毅(ごうき)な、偉大な戸田先生が、このときばかりは、憔悴(しょうすい)し切っておられた。事業の状況は悪化の一途であった。
 まさに絶対絶命の危機に追い込まれていたのである。厳しい表情であられた。
 部屋にいたのは、先生と先生の奥様と私の3人だけ。
 そして先生は、「きょうはよく聞いてもらいたいことがある」と私に、こう話されたのである。
 「私に、もし万一のことがあったら、学会のことも、事業のことも、いっさい、君に任せるから、全部、引き受けてくれないか」
 先生は、さらに声を強められた。
 「何が起きたとしても、私と君とが、使命に生き切るならば、きっと大聖人の御遺命を達成する時が来るだろう。誰が何と言おうと、強く、強く、君は、学会のために前へ進むのだ」
 戸田先生の遺言と、私は厳粛に受け止めた。
 そして、この日の誓願を、“大楠公”の精神に託して、次のように日記に書き留めたのである。
 「先生は、正成(まさしげ)の如く、吾れは、正行(まさつら)の如くなり。奥様は、落涙。此の日の、感動、厳粛、感涙、使命、因縁、生き甲斐は、生涯、忘るることはない。
 後継者は、私であることが決まった。
 激越の、年も刻々と明けて来た。いかなる苦悩にも打ち勝ちて、男らしく、青年らしく、若人らしく、本年も戦いきろう」(『若き日の日記1』聖教ワイド文庫)
 この日、この時の「師弟の誓い」のままに、私は、死にものぐるいで戦った。
 広宣流布の大師匠であられる戸田先生に、ただ一人、お仕えし、ただ一人、お守りし抜いた。
 これが学会の歴史である。師弟の本当の姿である。この一点にこそ、学会の魂があり、原点がある。

◆戸田先生を第2代会長に

 一、幹部であっても、戸田先生と苦衷(くちゅう)を分かつ者は、ほとんどいなかったといっていい。
 理事長を務めた人間までが、戸田先生を誹謗したのである。
 しかし、だれがどうあろうとも、私は心に決めていた。
 “断じて、戸田先生に、次の会長になっていただくのだ。そして、広宣流布の指揮を縦横無尽に執っていただくのだ”
 私は祈った。先生のために。学会のために。激闘の中で祈り抜いた。丑寅勤行(うしとらごんぎょう)もやった。
 もう寝ても覚めても題目。歩いていても題目。車の中でも、電車に乗っても、時間さえあれば、すべて題目。
 ただただ、題目を抱きしめて、この世の残酷な苦難をはね返し、戸田先生が第2代会長に就任される道を、命を賭して、切り開いていったのである。

 一、そして迎えた昭和26年の5月3日。
 苦悩の激動を耐え忍ばれ、ついに、戸田先生は、晴れ晴れと第2代会長に就任された。
 その盛大な推戴(すいたい)の儀式の日。戸田先生は、そっと私に「君のおかげだよ。本当にありがとう」と落涙された。
 また晩年、私の義父母と数人の学会首脳がいる席で、戸田先生は語っておられたという。
 「私の人生は、良き弟子を持って、本当に幸せだった」と。
 思えば、初代の牧口先生が軍部と対決して牢獄につながれたとき、獄中までお供し、最後まで戦われたのは、戸田先生、ただお一人であった。
 この「一人」が大事なのである。
 その戸田先生を、人生のすべてを捧げてお守りし抜いたのは私である。
 ゆえに私は、第3代会長となった。
 この究極の「師弟不二」の大闘争にこそ、今日にいたる学会の大発展の根本の因がある。それを、断じて忘れないでいただきたい(大拍手)。

◆世界一の栄誉をわが師匠に捧ぐ

 一、あの日から55年。
 私は間もなく、ロシアの人材育成の模範として名高い総合大学「ウラル国立大学」から、「名誉博士号」を拝受する(大拍手)。
 この大学は、文豪ゴーリキーが設立に尽力した、85年の伝統を誇る名門学府である。
 これで世界の学術機関から頂戴した名誉博士号・名誉教授の称号は、「185」となる。決定通知を入れると「210」に及ぶ。この“世界一の知性の栄誉”を、私は、“戸田大学”の誉れの卒業生として、恩師に謹んで捧げたい。
 三代の師弟は勝ちました!(大拍手)
 これも、すべて、苦楽をともにする、わが同志の皆さま方に生々世々(しょうじょうせせ)、流れ伝わる栄光であり、福徳である。
 とりわけ、青年部の諸君は、創価の師弟に連なる尊き使命をがっちりと身に受けて、一人ももれなく、正義の勝利の人生を飾っていただきたい。
 青年部の時代である。すべては、未来ある諸君に託すしかない。
 いかなる嵐にも屈せぬ「池田門下生」として、誇り高く生き抜いていただきたい(大拍手)。


◆≪ヘンダーソン博士≫〔学会〕は人間の可能性を開発

◆◆ 少子高齢化社会は成熟社会を築くチャンス


◆学会は希望の光

 一、日本は少子化が進み、人口減少の時代に入った。重大な問題である。それに伴い、さまざまな不安も渦巻き始めている。
 しかし、私がともに対談集を発刊した、アメリカの女性未来学者・ヘンダーソン博士は、“こうした変化は、「人間の幸福」という次元から成熟した社会を建設していくチャンスの到来である”と、とらえておられた。
 聡明にして価値的な視点の転換であると思う。
 <『地球対談 輝く女性の世紀へ』(主婦の友社)で博士は述べている。
 「人口の高齢化は、見方を変えれば、社会が成熟しつつあるということでしょう。人口の減少や高齢化を社会にとっての悪と考える意見には、私は反対です。成熟した社会は、今よりもっと心の寛大な社会になれますし、いろいろな意味で世界にリーダーシップを示すことのできる社会であると思います」>
 博士は、その希望のモデルとして、創価学会に絶大な期待を寄せてくださっている。
 世界を代表する未来学者が、私たちの活動に、大いなる光明を見いだしているのである。
 博士は、こうも語っている。「創価学会は一人ひとりがもつ可能性を深く自覚し、その可能性の開発をつねに教えてきました。人間の可能性を認識し、開発していく作業は人間としてもっとも幸福な生き方ではありませんか」


◆◆ 一人を強く一人を賢く〔十倍の力〕を湧き出(いだ)して進め


◆一人の幸福こそ広宣流布の目的

 一、「一人」を大切に ── ここに、創価学会の原点がある。仏法の根本精神も、ここにある。
 「一人」の人間は、かけがえなく尊い。世界中、どの一人ひとりにも、尊厳なる仏性がある。そう見ていくのが、仏法である。
 一人の尊さを無視し、軽んじて、人間を「集団」で見ていこうとするのは、権力者の発想である。それでは、独裁者のヒトラーと同じになってしまう。
 ヒトラーに、一人ひとりの尊厳は、わからない。「大勢」「集団」にこそ“価値”があった。
 それはなぜか。
 権力者にとって、人間は「手段」にすぎないからである。
 権力は人間を、銃弾のように武器にする。金銭のように使いこなす。
 おのれの欲望のために、大勢の人間をうまく動かし、全体を操作しようとする。
 学会のいき方は、これに真っ向から反対する。
 一人ひとりの幸福こそが、広宣流布の「目的」だからである。
 「一人」の人間がもつ計り知れない可能性を信じ、その力に目覚めさせ、発揮させ、連帯を広げてきたのが、創価の民衆運動の歴史である。
 全体があって、一人ひとりがあるのではない。
 まず一人ひとりの人間があって、強く団結していくのである。
 この根本を間違えたら大変なことになる。権力者の発想をする人間が現れたら、それは学会を利用する極悪人である。
 すべては、「一人」に帰着する。
 私どもは、もう一度、「一人を大切に」との原点を確認し合いたい。
 そして、一段と「一人ひとり」に光を当て、励ましの声をかけながら、宝の人材を大切に育ててまいりたい。
 一人ひとりが強くなる。賢くなる。それでこそ、2倍、3倍、10倍の力を発揮していけるのである。

◆よりよい未来に近づく条件は?

 一、ノルウェーの世界的に有名な人道主義者であり、探検家であったナンセン。ノーベル平和賞を受賞したことでも知られる。彼は、こう叫んでいる。
 「人類にとって一層よい未来に近づくことができるようにと、真実に望むならば、その第一の条件は、勇気をもつことであり、恐怖に支配されないことである」(吉野源三郎訳『わが人生観』岩波新書、現代表記に改めた)
 たしかに、その通りだ。「勇気」でいこう!<会場から「ハイ!」と力強い返事が>
 信心とは、「最極(さいごく)の勇気」の異名である。
 何ものをも「絶対に恐れない魂」である。
 何ものにも「永遠に負けない根性」である。
 大聖人は「師子王の如くなる心をもてる者必ず仏になるべし」(御書957ページ)と断言された。
 大事なことは、強い人間であることだ。
 創立80周年へ、「師子王の心」で勇敢に戦い、朗らかに勝ち、断固として、万代に崩れぬ、金剛の伝統輝く創価学会をつくろう!(大拍手)

 一、アメリカの皆さま方、アルゼンチンの皆さま方、韓国の皆さま方、台湾の皆さま方、そして尊き海外の皆さま方、本当にご苦労さまです。ありがとう!
 ご健康とご多幸を祈り、お題目を送ります。
 お帰りになったら、大切な同志に、どうか、くれぐれも、よろしくお伝えください。
 学会は、永遠に全世界が「異体同心の団結」で前進しよう!
 ありがとう! サンキユー! ダンケ!謝謝! (大拍手)
 風邪をひかれませんように。そのためには、手洗いや、うがいをすること。よく寝ること。そして、風邪をひいた人から逃(のが)れること(爆笑)。
 ともかく、しっかりと祈ることである。絶対に風邪をひかない、と心を決めることだ。
 また、あまり太りすぎたり、やせすぎたりしないよう、健康な食生活を心がけることも大事であろう。

◆朗らかに進もう

 一、先ほども申し上げたが、これからは一層、女性を大事にしていきたい。
 女性を大事にするジェントルマン(紳士)は、何とも言えない、爽快さがある。人格の光がある。
 いわんや、創価の女性は、御本尊を持(たも)った女性である。広宣流布を進める女性である。これほど・尊い女性はない。
 男性は、女性の皆さんに「ご苦労さまです」と感謝することだ。温かい言葉をかけることである。
 朗らかに進もう!
 人生、いろんなことがある。それでも朗らかに!朗らかな人は幸せである。
 どうか、いい一年でありますように!
 本年もよろしく!
 芸術部ありがとう!
 海外の方々も、お元気で! ご長寿を祈ります。
 皆さん、本当にありがとう!(大拍手)


                (2006・1・6)

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