香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／新時代】新･欲望の街Ⅰ/古惑仔疾風､再び

原題：古惑仔３之隻手遮天(Young and Dangerous 3)
香港　BoB ＆パートナーズ･カンパニー作品　96年　98分　カラー　彩プロ配給

製作：マンフレッド･ウォン　監督･撮影：アンドリュー･ラウ　脚本：マンフレッド･ウォン／キャンディー･チャン　原作：カウ･マン／ディッキー･ヤウ　音楽：クラレンス･ホイ　美術：サイラス･ホー　編集：マー･コー(マルコ･マック)

出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
イーキン･チェン(鄭伊健)=チャン･ホウナン…家中宏
ジョーダン･チャン/チャン･シウチョン(陳小春)=サンカイ…竹村拓
ジジ･ライ(黎姿)=サイ…くればやしたくみ
カレン･モク(莫文蔚)=シュクファン…本田貴子
ロイ･チョン(張耀揚)=鴉=クロウ(チャン･ティンホン)
マイケル･ツェー(謝天華)=イー…藤原啓治
ン･チーホン(吳志雄)=タイガー(ン･チーワイ)
ジェイソン･チュー(朱永棠)=チゥペイ…伊藤健太郎
ジェリー･ラム(林曉峰)=ポウパン…伊藤栄次
サイモン･ヤム(任達華)=チャン…小杉十郎太
アンソニー･ウォン(黃秋生)=フェイ…宝亀克寿

―解説―
香港の黒社会をクールに生抜くチンピラ青年たちの活躍をスタイリッシュに描いて大ヒットした群像劇タッチのアクション･ドラマ･シリーズ第３作。対立組織にオランダ帰りの敵が現れたことで､組織間の抗争は新たな局面を迎える。イーキン･チェン(鄭伊健)､ジョーダン･チャンことチャン･シウチョン(陳小春)､ジジ･ライ(黎姿)､サイモン･ヤム(任達華)など１作目からのキャストに加え､『食神』(96年)などのカレン･モク(莫文蔚)､『黒社会』(89年)などのロイ･チョン(張耀揚)､『空手ヘラクレス』(73年)などのチャーリー･チャン(陳惠敏)らが出演。監督は第１作から引続きアンドリュー･ラウ(劉偉強)。96年作。

―物語―
東星社社長ロク(陳惠敏)は保守的で道義を重んじたが､その軍師タイガーやオランダ帰りのクロウ(張耀揚)は､ナン(鄭伊健)たち洪興社に敵意をむき出し挑発する。その後入院していたナンの恋人サイ(黎姿)の意識が戻り､彼はサンカイ(陳小春)ら仲間と駆付けるが彼女は記憶を失っていた。ナンがサイを介抱し､サンカイも牧師の娘ファン(莫文蔚)と付合い始めるなか､クロウやタイガーは､ナンたちに公然と嫌がらせや縄張り荒らしを仕掛けて来る。一旦はロクが詫びを入れ治まったが､旅先のオランダで洪興社のボス･チャン(任達華)がクロウたちに殺され､同行したナンはボス殺しの罪を着せられてしまった!

オリジナル予告編動画↓

コメント(3)

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[2] mixiユーザー 06月26日 11:48

実質２部作の様相を呈していた｢欲望の街古惑仔｣シリーズ第1･2作でしたが､3作目を迎えて物語が大きく動きます。第1･2作は内部の争いにスポットが当てられていましたが､今作からはイーキン･チェン(鄭伊健)たちが属する洪興社と対立する他組織との抗争に焦点が移っていきます。
冒頭からその敵対組織･東星社の人物相関図的な描写がテンポよく進みます。ボスに扮しているのはチャーリー･チャン(陳惠敏､画像左)。元々格闘家から俳優に転じ､カンフー映画での主演から80年代後半『ファイアー･ドラゴン』(86年)あたりから､悪役も含めたバイプレーヤーへシフトし､性格俳優の色合いを深めていきます。彼は今回のボス役で前述した80年代後半以降の性格俳優路線の集大成ともいえる重厚で渋みを利かせた熱演を見せています。
そして東星社の斬込み隊長的な幹部で､冒頭から常軌を逸した残忍な暴力性を発揮するロイ･チョン(張耀揚､画像中)。80年代半ば当時香港映画界の新興勢力だったシネマ･シティ(新藝城)の創立者カール･マック(麥嘉)にスカウトされ､主役から悪役までこなせる演技派俳優として多数の出演作を重ねてきたやはり集大成的な役どころで､第1作のフランシス･ン(ン･ジャンユー=吳鎮宇)､チンミー･ヤウ(邱淑貞)をしのぐ凶悪ぶりを見せ､まさに”笑って人を殺す”出色の存在感を見せ付けました。
主役イーキン･チェン(鄭伊健､画像右の左側)を中心とした人間関係にも変化が訪れます。前作で重体となり途中退場したジジ･ライ(黎姿､画像右の右側)扮するヒロインが､本作で昏睡状態から復活するのですが､彼女は一時的に記憶を失ったためチャームポイントの吃音も消えて”フツーの女の子”にキャラ変してしまうのです。当初はヤクザ者のイーキンに戸惑いつつも再度愛を育むこととなり幸せな時間を過ごしますが､東星社の猛攻でまたもや彼女も抗争に巻込まれ､その最中に失った記憶を取り戻します。しかしそこへロイ･チョンの魔手が迫り…と､シリーズ屈指の悲劇的な展開がイーキンに襲いかかるのです。

[3] mixiユーザー 11月11日 00:39

シリーズの転換点となった本作でもまた､新たな登場人物が加わって参ります。東星社の目玉がロイ･チョンならば､洪興社側には頼もしい女性が登場します。ひょんなことからイーキンたちと出会い､やがてジョーダン･チャン(チャン･シウチョン=陳小春､画像左)と恋仲になる牧師(第1作から出演のラム･ソーンイー=林尚義)の娘に扮するカレン･モク(莫文蔚､画像中)です。イギリス帰りで英語が堪能､お茶目な愛らしさもありながら気丈さも持ち合わせたタフなニューヒロインを好演。彼女は本作の前に派生作『欲望の街･純愛篇紅い疾風』(96年)でも主演級の存在感を示し､満を持しての本流シリーズへの参加となりました。
そして本作では何とオランダ･アムステルダムへのロケを敢行。イーキンと第1作から彼を見守ってきた男気あふれる組長役のサイモン･ヤム(任達華､画像右)が現地へ飛びますが､そこで彼らを待ち受けていたのは､激烈な銃撃の嵐とあまりに苛酷な別れでした。このオランダでの場面も本作の重要な見せ場となります。
そしてクライマックスは､裏切りにより命を落とした東星社のボス､チャーリー･チャンの葬儀会場。ほくそ笑むロイ･チョンの一味に対し､復讐に燃えるイーキンと洪興社の仲間たちが壮絶な集団戦を繰り広げます。ここには第2作に登場したアンソニー･ウォン(黃秋生)やブラッキー･ホー(柯受良)も登場､修羅場を大いに盛り上げます。

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