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香港ノワール映画−英雄片−コミュの【香港ノワール/絶頂期】マイヒーロー

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原題:一本漫畫闖天涯/1本漫畫闖天涯(My Hero)
香港 チュン・シン・フィルム・カンパニー作品 90年 93分 カラー 日本劇場未公開(ビデオ→DVD)
製作:ユエン・チンルン 監督:レオン・カーヤン 撮影:ウォン・マンワン
出演:チャウ・シンチー/ウィルソン・ラム/アン・ブリッジウォーター/シン・フイ・オン/ピーター・K・ヤン/レオン・カーヤン

―解説―
アウトロー漫画の主人公に憧れる若者が、偶然やくざの親分を助けたことから、組員となって波乱万丈の日々を送る姿を描いたアクション・コメディー。『カンフーハッスル』(2004年)などのチャウ・シンチー(周星馳)、『無名家族』(90年、ビデオのみ)などのウィルソン・ラム(林俊賢)、『フル・コンタクト』(92年)などのアン・ブリッジウォーター(柏安妮)、『愛と復讐の挽歌』(87年)などのシン・フイ・オン(成奎安)、『燃えよデブゴン』(78年)などのピーター・K・ヤン(楊羣)ほか。監督はレオン・カーヤン(梁家仁)が劇中出演も兼ねて担当。90年作。

―物語―
バーでやくざの抗争が起こり、漫画好きなボーイ・シン(周星馳)は、偶然ワイ親分(楊羣)を助けた。しかし抗争相手ホンイー(梁家仁)の怨みを買い店をクビになり、組員として働くことになる。腕利きのジュン(林俊賢)と組んでホンイーを仕留め、ナイトクラブで歌うアン(柏安妮)とも出逢い順調な日々が続いた。シンは麻薬の買付に兄貴分ビル(成奎安)やジュンとタイへ向かうが、突如武装集団に襲撃され拉致される。彼らはホンイーの取引相手で報復目的だったが、シンが自分は残ることを告げ事無きを得た。香港へ戻ったシンたち3人はベトナム人との取引にも成功し抗争の中出世していくが、思わぬ裏切りが彼らを待受ける…。

コメント(1)

90年代以降の香港映画界でスーパースターの一角であったチャウ・シンチー(周星馳、画像左)の主演作です。当コミュニティではこれまで彼が脇役で出演していた"香港ノワール映画"は数本ご紹介済ですが、主演作では初めてとなります。シンチーのフィルモグラフィー上では、変顔や広東語のマニアックなダジャレなどで笑いを取っていく"無厘頭(広東語で「モーレイトウ」、ナンセンスの意味)"路線の端緒を作った作品と言われていますが、実際に内容を見ると大分印象は異なります。
物語自体は当コミュティでご紹介済のウォン・カーウァイ(王家衞)監督デビュー作『いますぐ抱きしめたい』(88年)に始まる、香港の黒社会で生きる若きチンピラの生き様を描いた"香港ノワール映画"のフォーマットに沿っています。主演のシンチーが、漫画好きでお調子者という人物像に辛うじて後年の"無厘頭"の萌芽は見えますが、この設定も冒頭のみの提示で、実は漫画好きといってもアウトローを主人公としたジャンルのファンで、要は漫画がヤクザに憧れるという直接的描写を避ける演出上のオブラートだったことに気付かされます。後はお調子者という側面のみ残ったシンチーが、黒社会の一員として数々の修羅場をくぐっていくという、ハード寄りの青春アクションドラマに転化していくのです。
シンチーを囲むキャラは基本シリアスで、派手な銃撃戦や流血シーンもガンガン出てきます(画像右)。それゆえエンディングも決してハッピーとは言えないのですが、そのほろ苦さこそ後年のシンチー映画にはない"香港ノワール"ならではの妙味で、コレはコレでアリかなとも思えてしまう訳です。
前述にあるようにシンチーのブレイクのきっかけを作った作品と言われていることから、香港でも好評だったようで、93年にはディッキー・チョン(張衞健)を主演とした続編(画像右、日本ではCS局でのみ放送)が制作されています。

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