香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／千年紀】暗戦デッドエンド

原題：暗戰/談判專家(Running Out of Time)
香港　ミルキーウェイ･イメージ作品　99年　93分　カラー　JCA配給

製作･監督：ジョニー･トー　共同製作：クリスティーナ･リー　脚本：ヤウ･ナイホイ／ジュリアン･カーボン／ローレンス･クロチャード　撮影：チェン･シュウキョン　音楽：レイモンド･ウォン　美術：ジェローム･フォン　編集：チャン･チーワイ

出演：アンディ･ラウ／ラウ･チンワン／ヨーヨー･モン／ウェイス･リー(レイ･チーホン)／ホイ･シューハン／ラム･シュー／ルビー･ウォン

―解説―
末期ガンで余命数週間と宣告され完全犯罪を仕掛けた男と､それに立ち向かう敏腕刑事の息詰まる攻防を描いたサスペンス･アクション。出演は『上海グランド』(96年)などのアンディ･ラウ(劉德華)､『つきせぬ想い』(93年)などのラウ･チンワン(劉青雲)､『ヒーロー･ネバー･ダイ』(98年)のヨーヨー･モン(蒙嘉慧)､『大丈夫日記』(88年)などのウェイス･リー(レイ･チーホン=李子雄)､『ブレイキング･ニュース』(2004年)などのホイ･シューハン(許紹雄)､『重装警察』(2001年)などのルビー･ウォン(黃卓玲)ほか。『フルタイム･キラー』(2001年)などのジョニー･トー(杜琪峰)監督､99年作。

―物語―
末期ガンで余命４週間と診断されたチャン(劉德華)が金融会社に押入り､人質を取って籠城した。彼は駆付けた警察のウォン警部(許紹雄)に交渉人としてホー刑事(劉青雲)を指名する。チャンはホーに72時間のゲームを持掛け､偽の爆弾や変装で捜査陣をかく乱し逃走した。乗込んだバスの車内に居合せた女性(蒙嘉慧)と恋人のふりをし検問を突破したチャンは､老人の変装でダイヤ取引現場に現れる。チャンの手掛りを求めホーは夜間金融会社へ侵入するが､それを出抜いたチャンはビルに保管されたダイヤを奪取した。追手の銃撃をかいくぐったホーは､チャンの目的が殺された父親の復讐だと知る。

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オリジナル予告編動画↓

コメント(1)

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[1] mixiユーザー 10月01日 15:26

中国返還後も香港映画界の屋台骨を背負う存在となっていたアンディ･ラウ(劉德華､画像左)が､『戦火の絆』(96年､画像中)以来３年ぶりにジョニー･トー(杜琪峰)監督と組んだ１作です。その年の香港映画興行収入ランキング第９位に入るヒットとなり､第19回香港電影金像獎では６部門にノミネートされ､アンディは見事最優秀主演男優賞を受賞します。
基本的にはポリス･アクションの範疇に入るかとは思いますが､一方では完全犯罪を狙うアンディのピカレスク･ロマンでもあり､ラウ･チンワン(劉青雲､画像右)扮する交渉人役の刑事とのスリリングな攻防とやがて生まれる友情のごとき絆。そしてすっかりジョニー･トー組のヒロインとして馴染んできた感のあるヨーヨー･モン(蒙嘉慧)とのバスの中でのロマンチックな場面。そして､随所に差込まれるホイ･シューハン(許紹雄)演じる上官とのユーモラスな罵り合い､刑事部屋での部下たちとのリアルなやり取りなど､観客受けのしやすい”売れ線”のフォーマットを取りつつ､しっかり自身の作風で爪痕を残すジョニー･トー監督でしか作れない多面的な魅力あふれる”香港ノワール”作品に仕上がっています。
大きな見どころはアンディが劇中見せる”変装”です。冒頭やウェイス･リー(レイ･チーホン=李子雄)一味相手に見せる老人メイク､そして後半でのラウ･チンワンとの競演シーンで披露する女装には驚愕させられます。本作でのアンディは役作りもあってかなり細身だったはずなのですが､女装すると鍛え上げている首周りの太さが判ってしまうのが御愛嬌です。
日本では小規模ながら劇場公開され､それなりに話題を呼んだ気もするのですが…､現在ではすっかり埋もれている印象です。廉価版DVDが発売されてる分まだマシとのこともありますが､あらためて再評価を望みたいところです。

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