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香港ノワール映画−英雄片−コミュの【香港ノワール/過渡期】新ポリス・ストーリー

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原題:重案組(Crime Story)
香港 ゴールデン・ハーベスト作品 93年 107分 カラー 東宝東和配給

製作総指揮:レナード・ホウ 製作:チャイ・ラン 企画:ライ・キット/チョン・マンキョン 監督:カーク・ウォン/ジャッキー・チェン 脚本:チャン・マンキョン/チュン・ティンナム 撮影:アンドリュー・ラウ/プーン・ハンサン/アーディ・ラム/アーサー・ウォン/ジョー・チャン アクション指導:ジャッキー・チェン/ジャッキー・チェン・アクション・チーム 音楽:ジェームズ・ウォン 美術:トニー・オウ 編集:チョン・イウチョン 監督補:チェン・チー・ホワ

出演:(3点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
ジャッキー・チェン(成龍)=エディ・チャン刑事…石丸博也
ケント・チェン(鄭則士)=ハン・ティエンボン警部…池田勝
ロー・ガーイン(羅家英)=不動産王ウォン・ヤッフェイ…伊藤和晃
プア・レンレン(潘玲玲)=クラリッサ…鈴鹿千春
オウヤン・プイシャン(歐陽佩珊)=ウォン夫人…久保田民絵
クリスティ・ン(伍詠薇)=カカ…滝沢久美子
ワン・ファー(尹發)=サイモン・ティン…稲葉実
ケン・ロー(盧惠光)=ゴン・コーヤン
チュン・ファト(鍾發)=ゴン・コーワ

―解説―
香港警察の特捜部に所属する敏腕刑事が、誘拐された不動産王救出の為決死の捜査に挑む姿を描いたサスペンス・アクション。出演は『ラッシュアワー』(98年)などのジャッキー・チェン(成龍)、『ブッシュマン3』(94年)などのケント・チェン(鄭則士)、『女人,四十。』(95年)などのロー・ガーイン(羅家英)、プア・レンレン(潘玲玲)、オウヤン・プイシャン(歐陽佩珊)、『愛は波の彼方に』(99年)などのクリスティ・ン(伍詠薇)ほか。『ビッグ・ヒット』(98年)などのカーク・ウォン(黃志強)監督、93年作。

―物語―
特捜班のチャン刑事(成龍)は、精神科医クラリッサ(潘玲玲)とのカウンセリング後誘拐予告が届いた不動産王ウォン(羅家英)の護衛任務に就く。しかし犯人グループは駆付けたチャンの目前でウォン夫婦を拉致して逃走した。犯人はウォン夫人(歐陽佩珊)を置き去り身代金6000万ドルを要求、捜査本部にハン警部(鄭則士)が召集される。犯人側は夫人に台湾の口座へ送金させ、台北へ向ったチャンとハンは当局の許可を得ず犯罪王サイモンを追跡、そこでチャンはハンと小競り合いの末転落死するサイモンを目撃した。香港に戻ったチャンは不法停留の輸送船を強制捜査するが、その背後へ犯人一味だったハン警部が迫る!

デジタル・リマスター版DVD:http://paramount.nbcuni.co.jp/search/detail.php?id=6930
ブルーレイ:http://paramount.nbcuni.co.jp/search/detail.php?id=7391

オリジナル予告編動画↓

コメント(5)

"香港ノワール映画"を扱う当コミュニティで、よもやのジャッキー・チェン(成龍)主演映画を取上げるとは、意外と思われる方もおいでかと存じます。勿論、長年自身の主演作に確固たる方向性、指針をもって臨んでいるジャッキーですから、純然たる"香港ノワール"作品ではないです。厳密には"香港ノワール"色の強いジャッキー主演映画といってよいでしょう。では何故ジャッキーは本作のような作品に主演したのでしょうか。その辺からご案内して参りたいと思います。ちなみにこの場では、彼のプロフィールやフィルモグラフィーについて原則ふれません。もし入会者の皆様のなかでジャッキーの映画や経歴をあまりご存知ないという方がおられましたら、インターネットで検索すれば山ほど情報がありますので、そちらで確認して頂ければと存じます。
まず本作の企画ですが、カーク・ウォン(黃志強)監督が90年に発生した香港の実業家誘拐事件を題材に起ち上げ、91年の時点で何とジェット・リー(李連杰)主演にて「野獸刑警」というタイトルでクランクインしてたんですね(画像左参照)。ところがそのジェットがゴールデン・ハーベストと契約問題でモメてしまい、彼は降板してしまいます。その後『ツイン・ドラゴン』(92年、画像中)に悪役俳優として出演していたカーク監督が、この企画を主演のジャッキーに話したところ興味を示したことから、「重案組」と原題を換えた上であらためて本作の撮影がスタートしたのです。ちなみにケント・チェン(鄭則士)やロー・ガーイン(羅家英)、クリスティ・ン(伍詠薇)といったキャストは、ジェット版「野獸刑警」で起用されそのままジャッキー版にもスライドする恰好で参加しています。そしてこの「野獸刑警」という当初の原題は、98年のゴードン・チャン(陳嘉上)監督作『ビースト・コップス 野獣刑警』(DVDのみ)が引継ぐことになります。
多くの方はご存知だと思うのですが、カーク・ウォン監督は撮影中主演のジャッキーと衝突して降板することになり、その後はジャッキー自身と初期主演作『少林寺木人拳』(76年、画像右)を撮った時からの盟友だったチェン・チー・ホワ(陳誌華)監督の手でリテイクを施され、ようやく完成に至りました。

カーク・ウォン(黃志強)監督インタビュー動画(広東語、日本語字幕無し)↓
当時のジャッキーは、所属していたゴールデン・ハーベストから俳優に専念するよう告げられていましたが、組んだ監督と現場で意見がぶつかり、結果的に自身が監督してしまうケースがままありました。よく知られているのが『酔拳2』(94年)であり、次いで本作です。そうしたゴタゴタが漏れ聞こえる状況も含め、90年代前半の主演作は熱狂的な日本のジャッキー・ファンたちからすると決して評判は芳しくありません。それを覆したのが前述の『酔拳2』でしたが、それはファンが待ち望んでいたカンフーアクションに復帰したことが大きいです。ではズバリ本作はつまらないのでしょうか? "香港ノワール映画"を扱うコミュニティの管理人として言わせてもらえるならば、本作は90年代のジャッキー主演作中でも屈指の傑作と言えますし、当コミュニティで取上げた作品のなかでもかなり上位に来る面白さを備えた1作と断言できます。
にもかかわらず、本作がジャッキー・ファンだけでなく香港映画(勿論ノワール作品含)ファンの間でもビミョーな評価が続いているのは、当初カーク・ウォン監督が求めていた作風とジャッキーが望むポリス・アクションのイメージが噛合わなかったからですが、それでもジャッキー自身一度は自分が興味を持って乗った企画ということで、出来る範囲でカーク監督のプランに寄せようとした意図は伺えます。
あくまで管理人の見立てですが、カーク監督は元々警察側のみならず、犯人サイドや誘拐される側も含めた"群像劇"を撮りたかったのではないでしょうか。そこをジャッキーは、代表作「ポリス・ストーリー」シリーズ同様、勧善懲悪と香港の治安を守る警官を"英雄"として描く方向へ変更します。ただし、元々実際に起こった事件が題材ですので、得意とする小道具を駆使したトリッキーかつスラップスティックな動作を排し、シンプルな格闘と落下をメインとしたスタントでフィジカルなアクションを構築していきます。その上で前半には市街地での銃撃戦やカーチェイス、クライマックスには炎に包まれた九龍城砦からの脱出劇が展開されます。ココは前年に撮られたジョン・ウー(吳宇森)監督作『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』での新生児を抱えたチョウ・ユンファ(周潤發)による炎上した病院からの脱出シーンを想い出す方も多いでしょう。ただ、『ハード・ボイルド』はウー監督ならではのスローモーションを活かしたスタイリッシュな撮り方ですが、本作では炎から逃げ惑うジャッキーのリアルに必死な表情を真正面から見据えて捉えています。
先ほどカーク監督は「群像劇」を撮りたかったのではと言及しましたが、本作のジャッキー扮する刑事は徹底して「孤独」なキャラクターで、それが"香港ノワール"的要素を強めている印象を受けます。この「孤独」というのは「一匹狼」とは違うんですね。例えば初期の"香港ノワール"にも多大な影響を与えている『ダーティハリー』(71年)でのハリー・キャラハン刑事は、周囲に仲間がいるなかで単独行動を仕掛けるからこその「一匹狼」ですが、本作のジャッキーにはそうした「仲間」が一切出て来ません。彼の周囲にいるのは、上司(役)の段偉倫と後は役名の無い「同僚」たちのみです。仲間ではないのです。プア・レンレン(潘玲玲、画像中)扮する精神科医とのからみもありますが、基本カウンセラーと患者としての関係のみでやはり「仲間」ではありません。実は本作の台湾公開版では、ジャッキーと彼女との親密な場面が挿入されているのですが(国内発売のブルーレイディスクに「削除シーン」として収録)、コレは日本や香港公開時にカットして正解だったと言えます。
この「孤独」なジャッキーのキャラクターは、監督としてジャッキーが指揮を執るようになって、より明確になった気がします。ジャッキーの主演作が国籍やジャンルを超えてなぜ「成龍作品(ジャッキー映画)」と呼ばれるのか。言うまでも無く"ジャッキー・チェンを見せる映画"だからです。観客は香港の風景やハリウッドの豪華なセットや映像技術を見に来るのではない、あくまでジャッキー・チェン(と彼のアクションや演技、演出)を観に来るのだ――、その強固な信念の下ジャッキーは長年主演作を撮り続けてきました。極論すれば自分(とその思想、作風)以外自分の映画には必要ないんですね。ただその信念が、今回本作のキャラクター付けにも活かされましたし、奇しくも"香港ノワール映画"がもつハード・ボイルドな世界観に合致したともいえるのです。
2021年の3月・4月、ジャッキー・チェン主演の映画『新ポリス・ストーリー』がCS・WOWOWプラスにて字幕・日本語吹替双方で放送されます。

<放送日時>
[広東語音声・字幕] 2021年03月26日(金) 12:00〜14:00
番組HP:https://www.wowowplus.jp/program/episode.php?prg_cd=CIID210328&episode_cd=0001&epg_ver_cd=06&epi_one_flg=index.php

[日本語吹替] 2021年03月14日(日) 17:00〜19:00/03月18日(木) 深夜2:45〜4:45/4月12日(月) 19:00〜21:00
番組HP:https://www.wowowplus.jp/program/episode.php?prg_cd=CIID210344&episode_cd=0001&epg_ver_cd=03&epi_one_flg=index.php
香港で興行収入第8位を記録した本作の演技で、台湾ゴールデン・ホース賞の最優秀主演男優賞を獲得したジャッキーの俺様主義な映画作りが、奇しくも"香港ノワール映画"とも合致した本作。ジャッキー以外の顔触れにも目を向けて参りましょう。
90年代に入り性格俳優としてメキメキ頭角を現してきたケント・チェン(鄭則士、画像左)ですが、ココまでストレートな悪役というのは珍しいかもしれません。相手がジャッキーだからというのもあるでしょうが、コレが当初の主演だったジェット・リーだったらどんな印象になっていたか、興味は尽きません。
またチャウ・シンチー(周星馳)主演作を中心に90年代香港映画で美声と個性的なキャラクターで名バイプレーヤーとしてインパクトを残したロー・ガーイン(羅家英、画像中)の映画デビュー作というのも括目すべき点です。彼は長らく広東オペラの舞台を務めてきましたが、その独特のキャラクターを買われて映画界へ進出。本作では高慢で尊大な不動産王という共感しずらいキャラクターを演じていましたが(というか本作はジャッキー始め感情移入できる登場人物がほぼ皆無です・笑)、まさかその後アレだけのハッチャけたキャラとコミカル演技を披露とは、本作の時点では誰も思わなかったでしょうね。
そしてダニー・リー(李修賢)組の若手からジャッキー・チェン・アクション・チームに転じたケン・ロー(盧惠光、画像右)も本作辺りから役付きの悪役として、元キックボクサーのキャリアを活かした本格的な格闘アクションをジャッキー相手に見せるようになっていきます。
本日、日本公開から30周年を迎えました。

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