ド素人の映画と音楽のお勧め。コミュの闇の子供たち

厳しすぎるげんじつを、見せられた気分でした。


「血と骨」の人気作家の梁石日がタイで行われている、苛酷な闇取引の実態を痛烈に暴いた同名小説を、「亡国のイージス」「魂萌え！」の実力派監督、阪本順治が渾身の力をこめて映画化しました。幼い正義感をふりかざすだけでは何の解決にもならない、重く苦い現実を正面から見据えつつ、この世の理不尽な闇に鋭く切り込むその果敢な姿勢は高い支持と評価を得ました。みずからも心に深い闇を抱えた主人公を「GOEMON」の江口洋介が熱演するほか、宮崎あおいに妻夫木聡に佐藤浩市ら、豪華キャストが火花を散らす演技合戦も最後まで目が離せません。また、サザンの桑田さんの主題歌『現代東京奇譚』も良かったです。


日本人の子供がタイに渡って臓器移植手術を受けるらしい。タイ駐在の日本人新聞記者・南部（江口洋介）は、東京本社から流れてきたそんな情報をもとに取材を開始し、タイの闇社会の事情に詳しい知人を通じて、臓器密売の元仲介人と接触。そこで南部が得たのは、予想をはるかに超えた衝撃的事実だった。南部はフリーカメラマンの青年・与田（妻夫木聡）や、社会福祉活動のためタイへとやってきた若い女性、音羽（宮崎あおい）と組んで危険な取材をさらに続けるのだが・・・。



「どついたるねん」「亡国のイージス」の阪本順治監督が梁石日の同名小説を基に、タイで横行している幼児売春や臓器密売を巡る闇の実態とそうした現実にそれぞれの形で関わっていく、日本人の姿を妥協のない眼差しで描ききった衝撃の問題作でした。

日本新聞社バンコク支社の記者江口洋介演じる南部浩行は東京本社からの情報を基に、タイで行われている闇ルートの臓器移植の取材を開始し同じ頃東京の大学で社会福祉を学んだ女性宮崎あおい演じる音羽恵子は、自分探しを目的にタイで子供たちのためのボランティア活動へ。
やがて南部は音羽やタイでバックパッカーをしているフリーカメラマンの青年妻夫木聡演じる与田博明と出会い、彼らの協力を得て危険な取材を果敢に進めていく。
一方音羽はタイの子供たちが置かれた悲惨な現実に打ちのめされながらも、最近センターに姿を見せなくなった少女・アランヤーの救出に奔走するが・・・。

タイで行われている人身売買や幼児売春といった闇取引が、実は日本社会とも深い関わりを持っているという実態を浮き彫りにした衝撃の社会派サスペンスでしたね、タイで上映禁止になるような映画になっていたことに加えて豪華なキャストや桑田佳祐さんの歌う『現代東京奇譚』も凄く楽しみにしていました、この映画の伝える現実はとても恐ろしくてタイで上映禁止になるのも分かるような内容でしたが、小説が原作とは言えこれがアジアや東南アジア全体の現実なのでしょう。

はじめに江口洋介演じる南部が社会部からの情報で現地の“臓器売買の日本ルート”について元ブローカーに、賄賂を贈って話を聞くんですがその話は南部が聞いていた話よりも恐ろしくて南部はよりこの事実を知るため危険な道を歩むことになります、同じ仕事仲間でネタを掴んだ豊原功介演じる清水と恵子の三人で日本の移植手術をする家まで押しかけたりもします、そしてまたタイで投獄された妻夫木演じる与田を雇い彼の得意の“盗撮”でタイの子供の臓器提供者を病院前にハらせたりします。

東南アジアを中心にこういった事実があるのはなんとなく知っていましたが、改めてその事実をかなり際どい映像と一緒に突き付けられるとなんだか目を背けたくなる事ばかりで驚かされました、中には自分が思っていた以上に自体は深刻で怖ろしい現実がある事を知らされた感じでした。

『日本のマスコミはアジアの子供に冷たい』というタイの女性ボランティアの支局長の言葉が印象的で、タイの酒場で妻夫木演じる与田が飲み過ぎる江口洋介演じる南部に“ここの場所は日本から地図で２０センチ”と答えます、本当にたった地図で東京から２センチの距離なんですが知っているようで知らないモノですね。

ラストもこちらが予測していない方向にドンドン進んでいき、全く明かされていない真実や事件が主役たちに襲いかかりますが、桑田さんの主題歌『現代東京奇譚』が字幕スーパー付きで流れるんだけどそれがとても映画とマッチしていました、あなたもこの現実の問題をご覧になってください、お勧めします。