ド素人の映画と音楽のお勧め。コミュのショーン・オブ・ザ・デッド●

とてもよく出来たホラー・コメディです。

本国イギリスで大ヒットし、アメリカでも評判を呼びましたが（興行的には成功とは言えませんが）何故か日本劇場未公開の本格ゾンビ・パロディ映画です。
ジョージ・Ａ・ロメロ監督の史上最高の傑作ホラー「ゾンビ」を下敷きに、大人になり切れないダメ男ショーンの恋の行方と生き残りを懸けた戦いを、ユーモアと残酷シーンの中にリアルな心情描写を織り交ぜながら描いた作品です。
　ロンドンに暮らすショーン（サイモン・ペッグ）は、パブに入り浸りグータラな親友エド（ニック・フロスト）らとともにマンネリ化した生活を続けていた。そんなある日、ほったらかしにしていた恋人のリズ（ケイト・アシュフィールド）に振られてしまい、彼は遂にある決心をする。それは、リズとよりを戻し、母親バーバラと義父フィリップ（「ラブ・アクチュアリー」のビル・ナイ）とのギクシャクした関係を改め、きちんとした大人らしい生活を送ることだった。しかし不幸なことに、死人たちが甦り生きている人間たちを襲い始めてしまった！果たして、ショーンは大事な人を守り抜き人生をやり直すことができるのか・・・？
ハリウッドでも「ゾンビ」のリメイク版が今年ヒットしましたが（そのうちレビューを書きます）、こちらの「ショーン・オブ・ザ・デッド」の方が「ゾンビ　ドーン・オブ・ザ・デッド（正しくはこう言います）」の正当な継承作品のような気がします。
それは使われている音楽や描写などが、ロメロ＆アルジェント＆サビーニの「ゾンビ　ドーン・オブ・ザ・デッド」へのオマージュ（賛美・賛辞）を強く感じさせてくれるからです。
遊び心も満載です、ピートがエドに言ったセリフがエンディングできっちりそうなっていたり、ショーンが囮となってマンチェスターに立てこもった時にデヴィッドがショーンの悪口を言って皆に怒られます。でも帰ってきた逞しいはずのショーンはデヴィッドの言った通りに・・・。など、他にも沢山楽しいシーンがテンコ盛りです。
単なるコメディと思っていた人には、最後のウィンチェスターのパブでの攻防戦にはビックリなさったでしょう、僕にはあのあたりが単なるコメディではないと嬉しく感じてしまった場面でしたが。
ピーター・ジャクソンもタランティーノも大絶賛したそうです、このコメディとも「ゾンビ　ドーン・オブ・ザ・デッド」の正当な継承作品ともとれるホラーコメディ映画、是非ともご覧になってください。
強力にお勧めします。