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文楽(人形浄瑠璃)コミュの文楽の補助金問題資料編

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補助金問題の資料をこちらに出します。(長文になるものもあるので、別のトピックにしました。)

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「大阪 文楽の灯消さないで」 人間国宝、マスコミに訴え
(産経新聞 1月16日(月)15時56分配信)

 大阪市の橋下徹市長が、財団法人・文楽協会など文化団体への市の補助金の大幅見直しを表明したことに対し、竹本住大夫(すみたゆう)さんら文楽の人間国宝6人をふくむ人形浄瑠璃文楽座の技芸員が16日、新聞社やテレビ局などマスコミ各社宛てに、「文楽の実情と私たちの意見を広く知っていただきたい」などと要望する文書を送付した。

 住大夫さんらの連名で送られた文書では、「一度失われた文化・伝統は、もはや回復不可能。特に大阪で生まれ育った文楽の灯は決して消してはいけないのです」と訴え、「今後、大阪府市の行政機構改革で論議があると思いますが、行政改革問題と文化問題をないまぜに論議してはいけないと思います。『文化力』としての『文楽』という力を損なうことのないよう、慎重な議論を切に望みます」と要望している。


コメント(109)

(つづき)

――住大夫師匠は「鬼が住み大夫」と呼ばれるほど厳しい指導をされるそうですね。

 こんなこと私から言うたらいきまへんけど、文楽ってええもんでっせ。ようできてまっせ。それ分かってきたんは、60歳過ぎてからですな。厳しい稽古で怒られて怒られて、舞台で恥かいて、それでやっと語れるようになるんですわ。

 今はね、お客さんがみんな褒めてくれはりまんねん。それにみんな乗ってまう。大阪弁で「べんちゃら食うアホはない」と言いますけど。褒められたら褒められたで勉強せい。腐されたら腐されたで勉強せい。どっちに転んでも勉強せないかんと。

 新聞の評でも、当たり障りのないように皆書いてくれはります。それ見て喜ぶなと。始めとしまいにはお客さんが手たたいてくれはる。その拍手の音で聞き分けいと。「早う済んでよかった」という拍手か、「ほんまにご苦労さんでした」という拍手か。みんな、うぬぼれが強いですな。自分の弟子でなくても、「ばか、アホ、いつになったら分かるんじゃ。給料返せ」としょっちゅう怒りまんねん。

 国や大阪の補助に頼らなければ赤字というのは正直、情けないことです。私たちがもっと勉強して魅力ある舞台にせないかんのです。

――とはいっても、文楽人気は高い。東京公演の入場率は83〜99%。住大夫師匠が出る時の部はすぐに売り切れです。人形を見せるには、歌舞伎よりも席の少ない劇場にならざるを得ないし、料金も歌舞伎の一等1万5000円に対して、文楽の一等は5800円と安い。

 ただ、大阪だとお客さんは昼は来てくれはるのですが、夜はやっぱり少ないでんなあ。タクシーの運転手さんにも「文楽は敷居が高くてなあ」と言われます。古典ばかりでなく、新作もどんどんやってそれが呼び水になったらええと思います。宇宙人や飛行船が出てきてもええのです。子供さんや若い親御さんに見てもろて、文楽というものを理解してほしいなと思うんですがね。

――劇作家の三谷幸喜さんが補助金見直しのためにも一肌脱ぎたいと、この夏文楽の新作を書かれ、大変な人気を集めました。

 この厳しい時代に文楽のための劇場があって、応援してくれはるお客さんがいたはって、長期公演ができる。こんな結構なことはありません。大道具さんや照明さん、切符を売ってくれはる営業さんや、みんなに支えてもろて、僕らは舞台に出てるのですから、感謝せないかんのです。

床本は太夫が舞台での語りに使う浄瑠璃本で、独特の浄瑠璃文字で書かれ、師匠から弟子へ代々伝わる (撮影:竹井俊晴)

 文楽の太夫は義理、人情を語るのが商売です。その人間が薄情ではいけませんわな。舞台に出してもろて結構やな、ありがたいなと、そういう気持ちが芸に出てお客さんにも伝わると思うのです。

――文楽の将来に危機感がある。

 それでこんな難しい顔して舞台でやってまんねん。私が若い者にあまり厳しいので、孫には「おじいちゃん、そのうち背中からブスッとやられるで」と言われてます。私は「ブスッとやるほど根性あったら(叱られたことを)覚えるわ」と言うのです(笑)。

(聞き手は安原ゆかり)
[日経マネー2012年5月号の記事を基に再構成]
http://oneosaka.net/773.html

橋下徹大阪市長 「僕はいつでも待っています。」文楽関係者へ向け、話し合いを歓迎するツイート

2012年9月9日、橋下徹大阪市長は自身のTwitterにおいて、文楽協会への補助金に関して「僕はいつでも待っています。ぜひ公開の場で直接お話がしたいです。」とツイートした。
(参照:橋下徹大阪市長、「文楽への補助金」に関する議論のメールを全面公開するとツイート)

橋下徹 @t_ishin
9月8日(土)朝日新聞夕刊1面。豊竹咲大夫さん、その他文楽技芸員さんへ。僕はいつでも待っています。ぜひ公開の場で直接お話がしたいです。僕が税金の使い方としてどこを問題視しているのか。税の投入がなければ、僕がいちいち口を出すのはご法度です。

これは、9月8日の朝日新聞夕刊の記事を受けてなされたツイートであり、該当記事には、これまで公開の場での話し合いを渋ってきたとされる文楽関係者が、それに応じる方針へ転換した旨が記載されていた。

文楽への補助金はこれまで年間約5千万円出されていたが今年度予算では25%削減の3900万円となり、その3900万円も現状が続けば支給されない見込みとなっていた。さらに、8月には橋下市長が「税を使わずに自由にしたらいい」とも述べ、今後は文楽への補助自体を取りやめる方針を示していた。

文楽の運営は補助金で赤字を補填しなされている。今回の方針転換は、補助金がなければ運営が困難になる文楽側が、橋下市長の主張に応じる形であるが、より正確に言うならば「これまで話し合いを拒んできた文楽協会がその方針を転換した」という事だろう。

文楽側には、劇場で演目を披露する「技芸員」と大阪府との窓口になっている「文楽協会」がある。これまで技芸員で人間国宝でもある豊竹咲大夫さんは、橋本市長との話し合いを希望していたが、大阪府から話し合いを持ち込まれた協会がこれを拒否していた。この現場と窓口との意思疎通の欠如が事態を複雑にし、予算の凍結という事態を招いていた。

補助金を巡る紆余曲折で、図らずも世間の注目を集める事となった文楽。その公開討論が実現すれば、これもまた注目を集める事となるだろう。これまで口を閉ざした形になっていた文楽側がどのような主張をするのか、注目して見守りたい。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120912-OYO1T00789.htm?from=main1

文楽変わります 補助金凍結に奮起

「花形文楽」の成功祈願には、若手が顔をそろえた(1日、大阪市中央区の御霊神社で)=原田拓未撮影 大阪市の橋下徹市長の補助金凍結表明で、窮地に立たされている人形浄瑠璃文楽。「演出が物足りない」など痛烈な“橋下節”を浴びながらも、夏公演の入場者数は前年比4割増を達成した。危機感を募らせた演者や劇場関係者、ファンの間に「逆境をチャンスに」との気概が芽生えつつある。

「花形」売り込み
 来月1日、30、40歳代の演者5人が大阪倶楽部(くらぶ)ホールで公演を開く。タイトルは「咲くや花形文楽」。歌舞伎の「花形役者」にならい、将来を担う演者を「花形」として売り込む、文楽界では初めての試みだ。

 「チームプレー重視で、花形として売り出すという発想がなかった」とメンバーの豊竹呂勢(ろせ)大夫さん(46)。吉田一輔(いちすけ)さん(42)も「劇場外でファンを開拓しようという意欲が演者の間で高まっている」と語る。

 企画した演劇プロデューサーの松原利巳(としみ)さん(61)は「『何か行動しなければ』という演者の思いが一つになった。今後、シリーズ化したい」と意気込む。

公演のキャンペーンには、演者がボランティアで参加し、通行人らとの記念撮影に気軽に応じた(7月19日、JR大阪駅で)=森田昌孝撮影 

目玉演目に焦点
 今年の大阪・国立文楽劇場の夏休み特別公演の入場者数は2万5508人。3部制となった1993年以降、歴代2位を記録した。

 劇場は宣伝用チラシ作りに知恵を絞った。重鎮に配慮し、複数の演目の写真を並べるのが定番だったが、今回は目玉の「曽根崎心中」のみをクローズアップ。同劇場などを運営する日本芸術文化振興会の水野英二理事は「思い切ってアピール度が強い手法に転換したが、反発はなかった」と明かす。〈一点豪華主義〉が奏功し、同演目を上演する夜公演は好調な売れ行きだった。

 演者も積極的に動いた。ボランティアとして有志21人が参加。JR大阪駅で実演し、チラシを配った。

 11月の本公演は「仮名手本忠臣蔵」。大阪では8年ぶりとなる人気演目の通し上演だ。地下鉄の駅などでもPRする予定だという。

 ファンが写真展 ファンの間でも支援が広がる。東京在住の写真家、渡邉肇(わたなべはじめ)さん(48)は今月、吉田簑助(みのすけ)さん(79)、桐竹勘十郎さん(59)らが演じる「曽根崎心中」を3Dカメラで撮影。黒衣(くろご)なしで、人形を持たない人形遣いの動きだけを撮影した「エア人形」シリーズも撮り下ろした。

 来年2月、東京・表参道のギャラリーで上映・展覧会を開く。渡邉さんは「連綿と受け継がれてきた技の美しさを伝えることで、文楽を応援できれば」と話す。

◆大阪市と面談巡り対立
 橋下市長は、今年度補正予算に文楽協会への補助金として昨年度比25%減額の約3900万円を計上。公開の場で、文楽界改革に向けた演者との意見交換が実現しなければ、予算は執行しない、と条件を付けた。

 演者側は個人の年収なども議題になると予測されることから、非公開での面談を要望。両者の対立が続いていたが、今月初め、市担当者と協会側が事務レベルで意見交換することで合意に達した。市側は10月中旬を最終期限と通告している。

(2012年9月12日 読売新聞)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120913k0000m070116000c.html

社説:文楽と橋下市長 互いの一致点を探れ
毎日新聞 2012年09月13日 02時30分

 大阪市の文楽協会への補助金凍結をめぐり、市側は10月中旬までに橋下徹市長が要求している協会や技芸員(演者)との公開討論のめどが立たなければ、12、13年度の補助金を支出しないと通告した。協会側は拒否の姿勢を崩していないが、非公開の事務レベルの協議には応じる構えを見せている。双方はこれをとっかかりに不信感を取り除き、文楽の保護・振興に力を合わせてほしい。

 協会には昨年度、国が8000万円、大阪市が5200万円、大阪府が2070万円を補助し、職員の人件費や技芸員の養成費、事務局の賃料などに充てられた。事務局幹部は代々、府・市のOBが占める。

 橋下市長は文楽界には構造的な問題があるとして、市の補助金を昨年度比25%減の3900万円とする方針を示した。ベテランに偏る技芸員の収入格差を是正し、協会が売り上げの中からマネジメント料を取る仕組みに変えるとともに、文楽振興に向けて責任の所在をはっきりさせる−−などの改革を求め、観客増に向けた自助努力も促している。

 さらに6月、こうした問題を話し合うための公開討論を拒否されたとして、「特権意識にまみれた文楽界を守る必要はない」と補助金の全面凍結を示唆した。文楽協会への対応では、府も市に同調する意向で、凍結となれば、運営は大幅に見直さざるを得なくなる。

文楽界に対する橋下市長の指摘にはもっともな点もあるが、文楽のような伝統芸能は競争や市場原理にはなじまない。芸の質を維持し、次世代に継承していくには、公的支援は欠かせない。

 一方、協会側も税金を投入される以上、時代に合った体制や運営を追求していく姿勢が求められる。国民の支持があってこその伝統芸能であり、多くの人にその魅力を知ってもらうため、もっと努力する余地もあるだろう。

 討論について、協会側は非公開でなら応じるとしているが、橋下市長は公開を絶対条件に掲げている。このままだと決裂するしかないが、市長も文楽が「大阪発祥の古典として守るべき芸」であることは認めている。まずは互いが譲れる一致点を探って話し合いのテーブルに着き、意見を交わしてはどうか。

 江戸期に生まれた文楽は、時代を超えて伝わる芸能の一つだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、国の重要無形文化財にも指定されている。昨年2月に閣議決定された「文化芸術の振興に関する基本方針」には、自治体との連携強化が明記されており、国も自治体と連携して文楽を守っていく責務がある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/CK2012091602000176.html

【伝統芸能】
<文楽>補助金打ち切り問題 仕送りに頼る若手も
2012年9月16日

 大阪市の補助金打ち切り問題で揺れる文楽。今月は東京・国立小劇場で二十四日まで定例公演が開かれており、同問題でファンの危機意識が高まったこともあるのか「昼の部はチケットがほぼ売り切れ」(劇場宣伝課)と盛況だ。そんな中、出演中の人形遣い・桐竹紋寿(78)と弟子の桐竹紋吉(もんよし)(39)が生活ぶりを語ってくれた。厳しい生活の中で誇り高い技芸員(太夫、三味線、人形遣い)が文楽を支えている。 (小林泰介、藤英樹)

 「ベテランでも生活が厳しい時代。若い人はなおさらで、時にはお金を貸すことも…断れませんわ」と実態を吐露する紋寿。「このうえ、補助金がカットされたら若い人は続けられませんわ」

 技芸員の総数は八十二人。文楽協会は昨年度、出演料として技芸員へ約四億円を支出した。技芸員といっても自営業者で、税金や必要経費などを差し引けば余裕のある生活とは言い難いのが現状のようだ。

 とりわけ若手の収入は低いとみられる。紋寿によれば、月収のうち手元に残るのが五万円程度の者もいて、足りない分は親からの仕送りに頼っているという。こうした若手にユネスコの無形文化遺産が継承されている。

 紋寿は「お客さんから『(補助金問題は)つらいな』と言われるのが情けない。約三百六十年の歴史がある大阪(発祥)の伝統芸能を大阪市は何としても守るべき。橋下(徹市長)さん、むちゃしちゃあかんよ」と憤る。

 紋吉は子どものころから能・狂言に興味を持ち、高校時代には文楽に傾倒。地元福井県の高校を卒業と同時に、国立文楽劇場第十五期研修生となり、十八年前に初舞台を踏んだ。今年で結婚十年目、夫婦共働きで子どもはいないという。

 「文楽の魅力は今の時代にも通じる人間ドラマ。収入についてはこんなものと思っていますから不満はありません」と具体的な金額は明かさなかった。その表情には一点の曇りもなかった。

<文楽と補助金問題> 17世紀に竹本義太夫が大坂で人形浄瑠璃文楽として竹本座を旗揚げ、人気を博した。明治以降は松竹が運営したが、戦後経営難から手放し1963年に財団法人文楽協会が設立され国、大阪府、大阪市からの補助金、公演収益で運営されている。橋下大阪市長は「自助努力が必要」と協会への補助金を25%減額し3900万円を予算計上。技芸員の収入格差の是正−など3条件も付けている。また市長は10月中旬を最終期限に協会、技芸員との公開討論を求めており、応じなければ補助金を打ち切ると表明。非公開を求める協会側との間で平行線が続いている。

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120919-OYO1T00288.htm?from=main2

文楽側、公開面談へ 橋下市長の条件受け入れ

 大阪市の橋下徹市長が文楽協会への補助金の全額凍結を表明した問題で、人形浄瑠璃文楽の演者は18日、公演中の東京・国立劇場で臨時総会を開き、非公開での開催を要望してきた市長との意見交換について、公開の場での面談に応じる方針を固めた。近く協会を通じて市側に回答する。

 協会所属の太夫、三味線、人形遣い計82人のうち約50人が出席。7月4日の総会で決定した「非公開でなければ応じない」との方針について、一部の演者から「再検討の余地があるのでは」との問題提起があった。

 演者からは「補助金を全額打ち切られることは将来に禍根を残す」「文楽の保存・継承のためには、公開での面談もやむを得ない」などの意見が相次ぎ、採決の結果、「公開面談に応じる」に賛成する演者が過半数を占めたという。

 補助金を巡っては、橋下市長が、今年度補正予算に計上した協会への補助金約3900万円(昨年度比25%減)について、「公開の場で、文楽界改革に向けた演者との意見交換が実現しない限り予算は執行しない」との条件を付けた。

 これに対して演者側は、プライバシーに関わる議題も予測されることなどを理由に非公開での面談を要望。市長側との対立が続いていたが、今月4日、市担当者と協会が事務レベルの協議をスタートさせることで合意。市側は10月中旬を、補助金執行を判断する最終期限と通告していた。

(2012年9月19日 読売新聞)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20120919-OHT1T00146.htm

文楽演者、補助金削減問題で橋下市長と公開面談へ

 文楽協会に対する大阪市の補助金削減問題で、人形遣いら文楽の技芸員(演者)は18日、東京都内で臨時総会を開き、代表者が10月に橋下徹市長との公開面談に応じる方針を決めた。行き詰まり状態だった文楽側との交渉に新たな動きが出てきたことに、橋下市長は19日「大変うれしい。ぜひ公開の場で話したい」と歓迎の意向を示した。

 関係者によると、18日の総会には委任も含めて約60人が出席。8割以上が挙手で公開面談に賛成したという。太夫・三味線・人形遣いから代表者を選び、補助金の在り方などについて、市長と意見交換する方針。

 協会への補助金をめぐっては、橋下市長は昨年度比で25%削減を決めた上で、技芸員との公開での意見交換を再三要請。文楽協会は非公開での面談を繰り返し求めて、交渉が長く停滞していた。市長は、公開面談に応じない限り、2012年度の補助金3900万円は執行しない方針を明らかにしている。

 橋下氏は「予算編成のスケジュールは崩さない」とも指摘。予算編成上、10月中旬までに意見交換した上で補助金支出の可否を判断する意向だ。
http://mainichi.jp/feature/news/20120919ddn001010006000c.html

大阪市:文楽補助金全額カット 「市長と公開討論」決議 技芸員、方針を転換

毎日新聞 2012年09月19日 大阪朝刊

 橋下徹・大阪市長との意見交換を「非公開」と要望してきた人形浄瑠璃「文楽」の技芸員(演者、82人)は18日午後、公演中の東京・国立劇場内で総会を開き、方針を転換して「公開討論に応じる」と決議した。文楽協会(大阪市中央区、山口昌紀理事長)に通知、同調を求める。橋下市長は技芸員との公開討論を、文楽協会への補助金支出の条件としており、行き詰まっていた事態は大きく前進する見込み。

 総会には数十人が出席。「補助金が一度打ち切られてしまうと復活は困難」との見方があり、「タイムリミットが迫ってきた」などの意見が出て、約1時間話し合った結果、公開討論に応じることを決めた。公開討論への出席者などは未定。

 市側は公開討論の議題として、(1)協会が売り上げの中からマネジメント料を取る仕組みへの転換(2)技芸員の収入の適正配分(3)文楽振興の責任の所在−−の3点を列挙。これらに関して公開で討論するとみられる。

 大阪市は今年度の補正予算で、文楽協会への補助金を昨年度比25%減の3900万円計上。しかし、橋下市長は6月、「技芸員と公開の意見交換の場を設けなければ、補助金を全額カットする」と表明した。市側は10月中旬までに公開討論のめどが立たなければ12、13年度の補助金を支出しない方針を示していた。【宮辻政夫】
http://mainichi.jp/select/news/20120919k0000e040210000c.html

橋下市長:「文楽」技芸員の公開討論受け入れを歓迎

毎日新聞 2012年09月19日 12時48分(最終更新 09月19日 13時10分)

 大阪市の橋下徹市長は19日、人形浄瑠璃「文楽」の技芸員(演者、82人)が、文楽協会への補助金支出を巡る市長との公開討論に応じる決議をしたことについて、「大変うれしい。ぜひ公開の場でお話をさせていただきたい」と述べた。技芸員らは、非公開での意見交換を求めてきたが、18日の総会で公開討論に応じることを決議した。

 橋下市長はこの日、決議を歓迎する一方、「文楽だけ特別扱いはしない」とも述べ、来年度予算の編成時期に合わせて10月中旬までに公開討論に応じるよう念押しした。

 大阪市は今年度の補正予算で、文楽協会への補助金を昨年度比25%減の3900万円計上。橋下市長は、協会や技芸員が公開討論に応じなければ補助金を支出しないと表明していた。

 文楽協会の三田(みた)進一事務局長は「技芸員の代表とは節目節目で協議を続け、従前通りの方針を確認していた。なぜ方針が転換されたのか、というのが正直なところ。技芸員側から意見を聞き、できる限り早いうちに協会としての対応を決めたい」と話している。【茶谷亮】
http://mainichi.jp/feature/news/20120925dde012010017000c.html

特集ワイド:大阪市の文楽補助金全額カット 文楽の神髄
毎日新聞 2012年09月25日 東京夕刊

 橋下徹・大阪市長から補助金を全面的に止められ、文楽界が窮地に立たされている。300年にわたって受け継がれてきた伝統文化には、今なお尊重すべき理由がある。文楽に詳しい3人が、その魅力、芸の神髄を改めて語った。【戸田栄】

 ◇人形、太夫、三味線…一体の妙−−演劇評論家・渡辺保さん
 文楽は奥深いものです。人形でなくては、太夫でなくては、三味線でなくては表せない世界があり、この三つが一体となって観客の心にこよない陶酔を生み出します。

 人形は、人間には無理な表現を可能にします。例えば嫉妬に狂った女がいて、その感情を跳び上がって表す場面があるとします。高く跳ぶほど、感情の振幅が激しいことになる。人形なら1メートル以上も跳んでみせられます。無論、ただ高ければいいのではありませんが、優れた人形遣いが情念をこめて高く跳べば、俳優以上の演技となります。

 太夫は、舞台の脇から劇の内容を語ります。複数の登場人物のセリフ、劇中の場面説明などの客観描写を一人で語り分けます。喜怒哀楽を織り交ぜなければならないし、登場人物には男も女もいる。大変に難しい役どころです。

 一人で語ることの妙味は、役者それぞれが言葉を発する演劇と異なり、語りによる「景色」を舞台全体に巡らせられることです。さらに語りに節をつけて歌い、観客の心にドラマを広げていきます。

 三味線は、テン、チンという音で登場人物の心模様を描きます。ある三味線奏者は、女の悲しみを表現するのに、師匠の求める音を出せず、悩みに悩んだと言います。ある旅の夜に寝付けずにいると、闇の中にかすかな音がする。手探りで行くと、庭のつくばいに滴る水の音で、夜陰に例えようもない孤独な響きを広げていた。翌日にその音を思い浮かべて弾くと、師匠は「その音だ」と。文楽では、こんなふうに三味線を弾いているのです。
 人間の演技を超える人形劇のドラマを義太夫節が深め、三味線が音楽的に昇華させる。それが文楽です。

 確かに現代では、日本人の伝統的感性の低下から、すぐには魅力を理解しにくい面がある。であれば逆に、伝統的感性の在りかを今に伝える文楽は日本人にとって貴重なものだと言えるでしょう。いったん魅力のとりこになると、自ら理解を深める努力が楽しくなる。文楽はそういうタイプの芸能なのです。

 日本文化に占める重要性の例として、日本のシェークスピアと言われる近松門左衛門とのつながりを示しておきます。「曽根崎心中」など、その作品の大半は文楽用に書かれ、本当の感動は舞台でなければ味わえません。文楽を失えば、近松も失う。それでいいのでしょうか。

 橋下市長が問題にする文楽への補助金の額は、ここで述べてきた文楽の価値と比較して、果たして過大でしょうか。文化に採算主義を厳しくあてはめることは妥当でしょうか。全てをカネから考えるべきではありません。

 ◇豊かな情感は人間以上−−パーソナリティー・浜村淳さん
 先日、私のラジオ番組(放送は関西圏)で文楽の鑑賞チケットの希望者を募ると、予想以上の応募がありました。半数からはがきが届き「初めて見たが、人形が人間以上に感情豊か」などと、感激の声ばかり。古典芸能は高尚で難しそうだと言われますが、見ればやはり心を打つんですな。私も文楽ファンなので、うれしかった。

 高校生の時に京都・南座で初めて文楽を見て、同じように感動しました。人形の胸が動悸(どうき)をうつ場面があったのですが、「ほんまに人形か」と思ったことを今でも忘れられません。
文楽には、庶民の共感を呼ぶ演目がたくさんあります。貧乏からの切ない話に、思わず「うーん、わかる。わかる」と引き込まれていく。ただ昔の言葉を使うため、見るのに知識がいる。開演前の物語の解説など、もっと工夫をしてほしいですね。そうすれば庶民が劇場に戻ってきます。
(一つ前からの続き)

 文楽に親しんでもらう努力も必要です。昔は名人が舞台に出て、面白い逸話を披露していました。人形遣いの故吉田文五郎さんが「私は手が大きいんですがな。手の大きいことを、天皇様にほめてもらいましたんやで」と自慢して、会場をわかせるのを見たことがあります。

 橋下市長は、石原慎太郎・東京都知事と同じで歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで人気を集めます。しかし、なんでもそれでやられてはかないません。文楽の価値に気づき、大切にしてほしいですね。

 ◇伝統の中にこそある日本人−−近世演劇研究者・鳥越文蔵さん
 私が最も文楽に魅力を感じるのは、昔の人はそんなふうに物事を考えるのかと発見する時です。伝統的な倫理観や美意識は、現代社会や自分自身について見直す契機となる。例えば、相手を思う心からの「身代わり」はどうでしょうか。なぜ、そこまでしなくてはならないのか。一方で、そういう人間の姿の美しさがある。日本人というものを知るためにも、文楽は絶対に守っていかなくてはなりません。

 橋下市長は、人気作家の新作を、と言ったそうです。結構ですが、それだけで人気が上がるわけではないでしょう。これぞ文楽という本物を古典で見せ、観客をうならせる。私の知るファンは、やはり本物を見たことがある人たちです。若い人でも年配の人でも変わりません。若い人は古典になじみがないと言われますが、好奇心が旺盛です。

 東京より大阪の方が観客が少ないことも問題にされましたが、大阪には文楽の町ならではの目利きが多く、芸の現状に飽き足らない人が多いのではないか。ならば、芸を磨いて呼び戻してほしい。
そもそも大阪で生まれ育った文楽をないがしろにする市長が出てきたことは、大阪人の文楽離れを示すのかもしれません。今春まで10年間、文楽振興を目指すNPO法人「人形浄瑠璃文楽座」の理事長を務めてきたので、本当に残念です。

 文楽界には、今回のようなことも芸の糧として精進するよう期待します。

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 ■補助金問題

 大阪市の文楽への補助金削減問題は、文楽協会が公開討論などの要求に従わないとして橋下徹市長=似顔絵=が強硬姿勢を強め、昨年度から25%カットした補助金3900万円の執行まで停止する異常事態に陥っている。行政改革上の補助金再検討の一環だが「特権意識まみれ」など理不尽な発言もあり、批判が高まった。大阪市は9月に入り、10月中旬までに問題解決のめどが立たない場合は来年度分の補助金も出せないと新たに通知した。さらなる窮地に追い込まれた文楽協会は、基金の取り崩しで当座をしのぐ検討を始めた。一方、事態打開のため、文楽の技芸員(演者、82人)は公開討論に応じる方針へ転換することを決めた。

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 ■人物略歴
 ◇わたなべ・たもつ
 放送大学客員教授。「忠臣蔵」で平林たい子文学賞、「四代目市川団十郎」で芸術選奨文部大臣賞。76歳。
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 ■人物略歴
 ◇はまむら・じゅん
 映画評論家。関西で司会を務めるラジオ番組は、放送開始から39年に及ぶ長寿番組になっている。77歳。
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 ■人物略歴
 ◇とりごえ・ぶんぞう
 元早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長。NPO法人「人形浄瑠璃文楽座」名誉顧問。81歳。
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 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120928/lcl12092822220002-n1.htm

橋下市長と文楽協会、10月3日に公開面談 補助金可否は「話し合いで判断」

2012.9.28 22:20

 文楽協会への補助金支給問題をめぐり、大阪市は28日、協会側から補助金支給の前提となる公開面談に応じるとの回答があり、10月3日に市役所で公開面談を実施すると発表した。

 面談方法をめぐっては、公開にこだわる橋下徹市長と、非公開を主張する協会側の間で交渉が難航していたが、今月上旬に市側が10月中旬までに公開面談の開催見通しがたたない場合、補助金の執行を停止する方針を協会側に通告。その後、技芸員が19日に公開面談に応じる方針に転換、協会側にも同席するよう求めていた。

 協会の担当者は、公開面談を受け入れた理由を「問題を解決するのに橋下市長と話し合う必要があると判断した」としている。

 公開面談が開催されることについて、橋下氏は28日、記者団に対し「お互いの思いをぶつけあい、しっかりコミュニケーションをとりたい」と歓迎。ただ、予算執行を止めている今年度の補助金3900万円の支給の可否については「話し合いの内容で判断する」と慎重に対応する意向を示した。


http://mainichi.jp/feature/news/20120929ddn012010031000c.html

大阪市:文楽補助金凍結 協会と橋下市長ら、来月3日に議論
毎日新聞 2012年09月29日 大阪朝刊

 大阪市が文楽協会への補助金を凍結している問題で、橋下徹市長と協会、文楽技芸員(演者)の3者が、来月3日に公開で意見交換することが28日、決まった。意見交換は市役所で開き、橋下市長が求めている▽協会が売り上げからマネジメント料を取る仕組みへの転換▽技芸員の収入の適正配分▽文楽振興の責任の所在の明確化−−の3点を中心に議論する見通し。

 技芸員は全員での参加を希望しているという。橋下市長は「率直なご意見をおうかがいしたい」と話している。【津久井達】
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121001-OYO1T00836.htm?from=top

大阪市の橋下徹市長と人形浄瑠璃文楽の演者との初めての公開での意見交換が3日、行われる。文楽協会への補助金を巡っては、公開面談を予算執行の条件とする市長と、非公開を望む演者側の対立が3か月にわたって続いたが、演者側の決断で動き出した。演者代表として交渉に奔走する人形遣い、吉田玉也(たまや)さん(67)が胸の内を語った。(坂成美保)

 演者が方針転換を決めたのは、東京公演中の9月18日。市長から「10月中旬が期限」と最後通牒(つうちょう)を突き付けられていた。

 国、大阪府・市からの補助金は、全演者が所属する協会の運営費や若手養成に使われている。「補助金がなければ文楽が滅びてしまう。タイムリミットが迫り、危機感が募っていた。文楽の将来のため、市長の要求に応じるべきだとの思いで一つになった」と振り返る。

 文楽は、イキと間合いが勝負といわれる。太夫、三味線、人形遣いの三業が、言葉ではなく「気」のやりとりで舞台を勤める。人形は、主(おも)遣い、左遣い、足遣いの呼吸がぴったり合ってこそ三位一体の芸が発揮できる。「繊細な神経と集中力を要するだけに、一日も早く補助金問題を解決して、舞台に専念したい」と願う。

 「収入の適正配分」を改革項目に掲げる市長は、面談で演者個人の年収に言及することが予測される。

 「質素倹約を尊び、お客様が喜んでくださることを生きがいにしてきた。公開の場で経済状況を暴いて何になるのでしょう」

 9月の東京公演では、人間国宝の竹本住大夫さん(87)、鶴沢清治さん(66)が病気で休演。竹本源大夫(げんだゆう)さん(80)、吉田文雀(ぶんじゃく)さん(84)も相次ぎ体調を崩し、屋台骨が揺らいだにもかかわらず、入場率は94・8%に達した。「お客様に『鑑賞ではなくて応援に行く』と励まされ、涙がこぼれた」という。

 江戸以来、庶民に育まれてきた文楽。橋下市長は「特権意識にまみれた集団」と非難したが、ファンが楽屋に自由に出入りし、人間国宝も気さくに応じる。

 「『補助金に値する素晴らしい芸能』とは申し上げません。誇りはあっても、押し付けはダメ。観客の感性と想像力に委ねられた大衆芸能ですから」

 文楽と縁のない家庭で育ち、その魅力に取りつかれ、大学卒業後に入門した。

 「人形の表現の豊かさに圧倒された。黒衣(くろご)の口上が闇に消え、霊魂が闇から人形の姿で現れる。非日常の至福を感じた」

 2月以降、演者の福利厚生団体「むつみ会」内に設けた9人の小委員会メンバーとして、市や協会とのパイプ役を務めてきた。面談後も、市長が掲げる改革案にどう対処するのか、難問は山積している。

 「補助金を頂いている以上は頭を低くしてお願いするしかない。だが、文楽の修業は一生でも足りないこと、効率が悪くお金もうけには結びつかないことを分かってもらいたい」

 念頭にあるのは伝統を継承する意義と未来への責任。

 「古典は芸の根幹。それを栄養分として枝葉である新作が生まれる。新作による集客だけでは、いずれ芸も廃れ、文楽は途絶えてしまう。300年の伝統は無数の師匠、先輩方の汗の結晶。後世に伝える責任が私たちにはあります」と、強い決意で面談に臨む。

 ◆文楽協会への補助金 1963年の協会設立以来、国と大阪府・市が交付しており、昨年度は国8000万円、府2070万円、市5200万円。今年度は市が3900万円に減額した上、改革に向けた公開面談が実現しなければ、全額凍結すると表明している。

(2012年10月1日 読売新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120930/lcl12093007550000-n1.htm

大阪観光コンベンション協会会長・津田和明
2012.9.30 07:53 (1/2ページ)

伝統保持にメディアの理解を


 橋下徹大阪市長が文楽協会への補助金削減方針を示しているのを知って、文楽を支援するファンの投書が各紙に掲載された。皮肉なことに今回の問題が報道されてから、入場者数が急増しているそうだ。もくろみ通りと橋下市長が安心することを心配している。むしろ、文楽の重要さを再認識してほしい。

 国立の劇場を統括する日本芸術文化振興会理事長として文楽の当事者だったころ、東京公演が満席、大阪は空席が目立つ状態が続いた。大阪の公演日数を減らして東京を増やす提案をしたら、文楽の技芸員(演者)や関西の演劇担当記者から激しい反対を受けた。文楽は江戸時代に大阪・道頓堀で旗揚げして以来、首都が京都から東京に移っても大阪に本拠を置いてきた。太夫が語る詞章(ししょう)は大阪弁を守っている。文楽は大阪とともに育ってきたという熱い思いである。

 今回の文楽騒動で東京には「文化を大切にしない大阪」と感じた人が多いそうだ。東京人には「大阪は犯罪が多い」「芝居や音楽といった文化が少ない」などの先入観を持っている人が多く、それらと合致するニュースはすぐに受け入れる。

 江戸時代、京都と併せた上方文化は江戸をはるかにしのいだ。歌舞伎や文楽なども上方で当たれば、江戸へ持っていくほど大阪を重視していた。残念ながら現在では東京から大阪へ転勤を命じられると良質な音楽会や演劇が少ないと言って、奥さんだけ東京へ残るような話があるほど、東京との格差がある。

 大阪では来春フェスティバルホールが新装再開し、良質のコンサートや舞台芸術が見られると期待している。これを機に大阪の伝統芸能の代表として文楽は、乾坤一擲(けんこんいってき)の新作を上演してはどうか。

 最近は初のアフリカ公演のアルジェリアで好評を博し、過去にはパリやニューヨークでも大好評だった。文楽公演の質の高さは、海外でも折り紙付きだ。

 泣きどころは後継者の育成が難しいことだ。82人の技芸員の高齢化が進み公演数にも限度がある。修業の厳しさは現代っ子には大きな壁だが、歌舞伎と違って世襲は全くない。実力勝負の世界だから、努力次第で誰でも人間国宝にもなれる。昭和47年から研修制度を設けて夢を持つ若者を発掘してきたが、今回の騒動で募集がさらに難しくなっている。

 20日付産経(大阪本社発行版)は研修生の応募者がゼロという異常事態を伝えた。よくぞ書いてくれたと思う。300年の歴史を持つ文楽を守るため、新聞はじめメディアの理解は欠かせない。





【プロフィル】津田和明

 つだ・かずあき 昭和9年大阪府出身。大阪大法卒。元サントリー副社長。

http://mainichi.jp/feature/news/20121003ddn041010004000c.html

大阪市:文楽補助金凍結 廃止か継続か 橋下市長と技芸員、きょう意見交換 「努力する構造に転換を」

毎日新聞 2012年10月03日 大阪朝刊

 大阪市が文楽協会への補助金を削減・凍結している問題で、橋下徹市長と文楽の技芸員(演者)48人が3日、公開で意見交換する。「特権意識にまみれた恐ろしい集団」と文楽界を批判し、改革を迫る橋下市長。伝統継承のため補助継続を求める文楽界。対立を深めてきた両者は一致点を見いだせるのか??。大阪発祥の伝統芸能の行方に注目が集まる。【津久井達】

 「何を勘違いしているのか。補助金はもらえるもんだと、完全に既得権化している」

 今年6月、橋下市長は怒りをぶちまけた。文楽協会への補助金3900万円を盛り込んだ補正予算案を発表した当日だったが、「技芸員から面談を拒否された」との理由で補助金凍結を宣言し、廃止の意向もちらつかせた。

 対立は橋下市長が市政改革の一環で、補助金を25%削減したことから始まる。文化人らの反発が巻き起こったが、市長は補助金が文楽振興につながっていないと指摘。「周辺の人たちの雇用を守っているのか」と批判した。

 文楽に関わる団体は二つある。国立文楽劇場(大阪市中央区)などを運営し、本公演を主催する「日本芸術文化振興会」。一方、劇場に技芸員を派遣するのが「文楽協会」で、技芸員82人と個別に契約を結んでいる。

 協会などによると、年8回の本公演による出演料(約4億円)は振興会から協会に入るが、そのまま技芸員に支払われ、協会の取り分はゼロ。協会の役割はスケジュール管理や送迎などにとどまる。橋下市長は「売り上げを増やすため必死で努力する構造になっていない」と指摘。協会が企画や営業に関わり、出演料の一部をマネジメント料として受け取る仕組みへの転換を求めている。

 協会を実質的に支えるのは、国と大阪府・市の補助金(11年度は計1億5270万円)で、これが人件費を含む管理費(約8500万円)や技芸員の養成費(約6200万円)に充てられる。橋下市長は、養成費の大半がベテラン技芸員の指導手当に使われていると問題視。「教えるための金を税金でくれ、というのはおかしい。漫才の世界でも、師匠が自らの収入で弟子に教えている」と主張する。

 ◇文化庁「急激に変えるの危険」
 文楽協会は「補助金を前提に協会が作られたのに、突然『もう支えない』と言われた。我々は技芸員を派遣するだけで、企画や営業は劇場がやっている」と困惑する。劇場を運営する振興会は「市長に痛いところを突かれた思いもあるが、もう少し優しいやり方があったのでは」と話す。

 ユネスコの無形文化遺産にも登録された文楽。文化庁は「伝統芸能を次の世代に伝えること自体難しい。多くの観客に楽しんでもらう姿勢は必要だが、急激に変えるのは危険だ。早く技芸員が舞台に専念できる状況になってほしい」と話す。

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 ■ことば

 ◇文楽
 日本の伝統芸能、人形浄瑠璃のこと。江戸時代に植村文楽軒が現在の大阪市中央区に芝居小屋を建て、「文楽座」を名乗ったことから人形浄瑠璃の代名詞となった。太夫(語り)、三味線、人形が一体となり、こまやかな心情を表現する。「曽根崎心中」など近松門左衛門の作品が有名。
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE121003225200615966.shtml

■橋下大阪市長 文楽に補助金支給へ シェアする

 大阪市の橋下市長は補助金問題で対立していた文楽側と面談し、凍結していた今年度の補助金を支給する考えを明らかにしました。

 3日行われた面談には、文楽側から技芸員47人が出席しました。

 橋下市長は、大阪市が文楽協会に補助金を出すならその必要性を市民にわかりやすく説明できなければならないと、支給にあたって公開での意見交換を求めてきましたが、文楽側が公開に難色を示したため、補助金3,900万円の支給を凍結していました。

「(補助金を)日頃からありがたいなと思っていただいている。決して無駄につかっている人は1人もいないと思う。みんな早く(問題を)終結させて舞台を第一に考えて精進したい」(文楽 技芸員)

 2時間以上に及んだ意見交換の後、橋下市長は凍結してきた今年度の補助金について支給する考えを明らかにしました。

「技芸員の皆さんからも率直な意見が聞けて非常によかった。方向性が文楽協会と合意ができれば(補助金を)出します」(大阪市・橋下徹市長)

 文楽協会は「新たな事業展開などについて今後、大阪市と協議していきたい」としています。

(10/03 23:57)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012100300913

文楽への補助金凍結解除へ=制度見直しが条件−橋下大阪市長

 大阪市の橋下徹市長は3日、全面凍結する意向を示している文楽協会への補助金について、「今年度は(補助金を)執行する」と述べ、来年度以降の制度見直しを条件に、凍結を解除する考えを明らかにした。文楽協会との意見交換会後、市役所内で記者団の質問に答えた。
 意見交換会は公開で行われ、協会に所属する47人の演者と事務職員が出席。橋下市長は「協会への補助金の『見える化』が不十分」として、使途の明確化を要求した。また「個人は(補助金を支給して)サポートできないが、事業に対してはできる」との考えを示した。
 市はこれまで、協会に年間5200万円の補助金を支給していたが、今年度は行財政改革の一環で3900万円に減額。その上で、橋下市長は10月中旬までに公開意見交換会が実施されなければ、予算を執行しないとしていた。

 (2012/10/03-22:40)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121003-OYT1T01253.htm?from=ylist

橋下市長、文楽協会への補助金凍結解除へ

 文楽協会(大阪市)への補助金凍結問題で、橋下徹大阪市長は3日、市役所で人形浄瑠璃文楽の技芸員(演者)と補助金のあり方を巡る意見交換を行った。

 終了後、「補助金の使い方のルールを理解してもらえた」として、今年度予算に計上した補助金約3900万円の凍結を解除する方針を明らかにした。

 また、来年度から、若手演者向けの支援に補助金を重点化。文楽協会に一括支給している現行補助金はいったん廃止し、観客数などと支給額が連動する補助金に衣替えする方針を示した。

 意見交換で、橋下市長は「自ら事業(公演)をやることで使えるお金を増やせる仕組みが必要」などと協会側に自助努力を促した。

 橋下市長は5月、今年度の補助金の支給条件として、文楽協会との公開での意見交換を求めたが、当初、協会側が拒否したため、橋下市長は補助金の予算執行を凍結。協会側は9月に意見交換に応じる方針に転じていた。

(2012年10月4日00時12分 読売新聞)
http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2302911.article.html

橋下氏、文楽協会に補助金支給へ / 事業ごとの条件付きで

 文楽協会に対する大阪市の補助金削減問題で、橋下徹市長と文楽の技芸員(演者)らが3日夜、大阪市役所で公開の意見交換会を行った。

 橋下市長は意見交換会の後、執行を凍結していた本年度の補助金3900万円を支給する方針を表明。協会への一括支給ではなく、事業ごとに支出する仕組みに見直す方向で検討するなどの条件をつけた。公開の意見交換会は、橋下市長が補助金支出の条件として文楽側に求めていた。

 面談には技芸員47人と協会幹部が出席。冒頭に、太夫の豊竹咲大夫さんは「(市役所に)討ち入りに来たわけではない」とユーモアを交えてあいさつした。

2012年10月03日 21時59分
http://mainichi.jp/feature/news/20121004ddn041010013000c.html

大阪市:文楽・意見交換 技芸員「年収400万円」 厳しい生活訴え 「橋下節」封印、市長も理解

毎日新聞 2012年10月04日 大阪朝刊

 「若い人が不安なく修業できるようにしてほしい」。大阪市役所で3日開かれた文楽補助金を巡る意見交換会。橋下徹市長と初めて向き合った技芸員(演者)らは補助金の透明化などの要請に大筋で合意する一方、厳しい生活実態などを率直に訴えた。「特権意識にまみれた集団」などと文楽界を批判してきた橋下市長もこの日は「橋下節」を封印し、技芸員らの訴えを理解する姿勢を強調した。【茶谷亮、林由紀子、原田啓之】

 技芸員らは紋付きはかまに身を包み、険しい面持ちで市役所の会議室に並んだ。

 「我々は47人だが、討ち入りに来たわけではない。一日も早く舞台に専念させてほしい」。会の冒頭、太夫の豊竹咲大夫(とよたけさきたゆう)さん(68)は、11月に上演する「仮名手本忠臣蔵」になぞらえ、対話姿勢を強調した。

 「大阪で生まれ育った文化遺産を助けていただきたい」。会は約2時間半に及び、技芸員はベテランから若手まで、口々に伝統継承の重要性を訴えた。

 橋下市長が「補助金がベテラン技芸員の収入になっている」として若手への分配を求めたのに対し、60代の技芸員は「45年やってきたが、年収は400万円弱。人間国宝も年収は大したことはない」と明かした。

 若手の技芸員は「月給が10万円しかないのに、三味線の道具代に10万円かかる」と話した。

 橋下市長は淡々とした口調で「生活費を支給するのは生活保護だけ」「経費なら領収書が必要だ」と補助金の使途の明確化と透明化を強調。技芸員からは「生活費と経費はきっちり区別できない」と、疑問視する意見も挙がった。

 一方、多くの技芸員は「市長の主張がよく理解できた」「我々もPRの方法を考えないといけない」と、歩み寄る姿勢を示した。

 終了後、橋下市長は報道陣に「皆さんから熱い思いが伝わってきて、すごく良かった」と述べ、「大阪府市の税金で、これからの文楽に合う新しい制度に挑戦していきたい」と期待を込めた。

◇「感謝、感謝」
 意見交換会の後、豊竹咲大夫さんらが会見に応じた。今年度の補助金の凍結が解除されるとの見通しを聞き、「大変ありがたい。感謝感謝です」と喜んだ。「上(ベテラン)から下(若手)まで、きたんのない意見を申しました。一日も早く問題を解決し、舞台に専念したい。僕らは本当に事務的なことを知らず、市長が補助金のあり方をかみくだいて説明してくれたのでよく理解できた」と言う。

 また、橋下市長が「文楽を守らないといけないのは理解している」と繰り返したのを受け、「今後応援してもらえると確信している」と手応えを語った。

 人形遣いの吉田玉也さんは「(補助金のあり方の変更について)高いハードルを与えられた。できるところから取り組みたい」と話した。【鶴谷真
http://www.data-max.co.jp/2012/10/04/post_16448_tw_1.html

「文楽への補助金制度がやっと変わりそう」〜橋下大阪市長のツイート

 橋下大阪市長の3日午後1時16分から4日午前7時49分までのツイートは以下の通り。

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(3日午後5時17分〜26分)
 ABC放送キャストの伊藤キャスター、コメンテータの水道橋氏、森永氏は「橋下は文楽が面白くないから補助金を出さない」とコメント。こういう勉強不足のコメントが、文楽への補助金問題をこじらせた。
 まずは大阪市のHPに徹底した事業分析のレポートと、僕とレポート作成者のメールのやり取りを全部公開しているのでそれぐらいは一読してコメントして欲しい。今回は文化行政の補助金の問題点が凝縮している。面白くないから補助金を出さなかったわけではない。
 水道橋氏も行政についてコメントするなら、いい加減なコメントはご法度だ。本日の技芸員との意見交換会は全てフルオープンでやっており、近々大阪市HPに掲示する。何が問題点なのかをもっと勉強すべきだ。行政のコメントはそんなに甘いもんじゃない。

 では今回の文楽補助金問題についてどこが論点とお考えですか?
RT @s_hakase: そうは言ってないです。RT @t_ishin ABC放送キャストの伊藤キャスター、コメンテータの水道橋氏、森永氏は「橋下は文楽が面白くないから補助金を出さない」とコメント...

 3日毎日新聞夕刊、京大教授のコメントもひどかった。こういう人たちが文化をダメにする典型例。補助金さえ出していれば文化が守れると考えている人たち。文化を守るためにどういう補助金の制度にしなければならないのか、今の補助金制度のどこが問題なのかについて何も検討しない。そして文化に対する補助金を問題視すれば、もっと文化を勉強しろ、勉強が足りないといつもの批判。そりゃ、僕は文化人ではないだろうが、それでも補助金制度についてはプロだ。補助金は金の出し方が悪ければ、支給対象者を悪くする。金を出せば良いってものじゃない。出し方が重要。

 水道橋さん、今回は文化の問題じゃないです。補助金の出し方の問題。3日の技芸員の皆さんとの意見交換会で大体論点は出尽くしました。国も、きちんとやっていない。とにかく一定の金を出し続ければそれで良いという態度。技芸員の皆さんは文楽をもっと多くの皆さんに楽しんでもらいたいという熱い思い。
 そうであれば、そのような目的を達成する補助金の出し方にしなければならない。今の補助金の仕組みは問題だらけだ。技芸員の皆さんは、理解して下さった。国が動かないなら、大阪から新しい制度に一歩踏み出す。本当に文楽を振興させるための制度に。水道橋さんも、この辺をもっと勉強して下さい。

 振興を訴え続けてきて、全てフルオープンでやっているので、あとは報道が対立構造に。大阪市のHPの資料を読めば、僕が何を考えているかは分かります。今の補助金制度は振興の補助金になっていません。姿勢だけではなく、どこが問題点なのかです。ここをきちんと指摘したコメンテーターは皆無です。大阪市のHPの資料には全て記載しています。昨日の意見交換会においても全て出ました。
RT @s_hakase: 補助金を個別に精査、問題視しジャンルを問わず公平性を保つ姿勢は正しいと思ってます。しかし「対立」ばかりを伝えられるのではなく市長なら「振興」を訴える立場に立たれては。と今日以前に思っていることを述べただけです。そして僕もこうして「対立」の構図に置かれるのも......。

RT @oneosaka: RT @RokiSaka: 水道橋氏言ってないと言いますが、「橋下市長が面白い面白くないと言うべきでない。それと補助金の判断は違う」言って、さらに伊藤アナ「市長は自分が面白くないからつけない、という論理」に対し、水道橋氏「おかしい」と言ってましたよね。

 昭和38年から見直しもなくずっと続いてきた文楽への補助金制度がやっと変わりそうである。技芸員の皆さんも文楽を振興させたいと考えていらっしゃる。昨日は良い意見交換会ができた。技芸員の皆さんの思いが実現できるような新しい制度設計をする。ただし関係者皆が当事者意識を持たなければならない。

 皆さん、これで僕をチェックして下さい。
RT @ShinichiUeyama: 株式会社共同通信デジタル:橋下徹大阪市長(新党「日本維新の会」代表)の会見全文速報を配信開始

(一つ前からの続き)

(3日午後11時58分〜4日午前0時31分)
 僕は一般有権者が何を言っても自由と考えています。しかし公共の電波を使ってコメントする者は準公人。そこには大きな責任が伴います。
RT @s_hakase: 「僕の全てを晒す」と言うお上は良いお上ですが「全てを晒している僕の全てを知らなければ僕については何も言ってはならない」という人がお上に居ることを警戒してしまう人が多いということをわかった方が、より良いお上になると思いますよ。

 今の文楽補助金は文化遺産として守るだけの構造。振興させるための補助金になっていません。古典が重要なのは分かりますが、大阪府民市民の多くが文楽を観に行ったことがないのも事実。古典だけでなく新しいものをというのは、技芸員さんも思っていたこと。しかしその新しいことをしっかりやって、多くの新しいファンを獲得するような事業を展開できるようなシステムになっていません。これは現在の文楽のシステムの問題です。古典だけで新しいファンを開拓するのは難しいということを言い続けてきました。文楽の楽しみ方を知った人は古典を楽しめるでしょう。

 技芸員の皆さんも何とかしたいという思いだったのですが、文楽のシステムにはプロデュース機能、マネジメント機能が存在しません。テレビ局のスタジオとカメラさん、ADさん、番組進行表だけがあって、そこにタレントさんがいるだけのようなもの。それでも良い進行表と技術の高いタレントさんであれば、分かる視聴者は分かります。しかし一般の視聴者はなかなかついてきてくれない。古典を大切にしながらも、プロデュース機能、マネジメント機能が必要です。このための制度にしなければなりません。
 しかし国は今までのことをやり続けるだけ。文楽の仕組みについて国が動かないなら、大阪の補助金分を使って、制度改革をやろうとしたのです。古典は守ればいいが、振興させるためにはどうすればいいのか。今のシステムのどこが問題なのか。技芸員さんの思いがなぜうまく具体化できないのか。文化は大切、予算を付けろとは誰でも言えます。

 課題を見つけそれを正していく。それが政治の役割。行政ではできません。今回のように大きな批判を受けるようなことは公務員にはできません。ましてや文化音痴だと思われるようなことは公務員にはできない。何も知らない学者連中にビビってしまうのです。だから政治がやるしかありません。

 こちらこそありがとうございました。引き続き、厳しい目でチェックして下さい。一般有権者でなく、メディアでのコメントに対しては、僕も精一杯反論していきます。
RT @s_hakase: @t_ishin 貴重な時間をありがとうございました。

 ありがとうございます!
RT @JiRo__K__: 市が、補助金の使い道が不透明な団体に補助金を出すかを判断するため、公開の意見交換を提案した。意見交換の結果、市は問題是正を条件に補助金支給を決めた。 市側の対応がおかしいとは思えません。橋下市長、公務本当にお疲れ様です。

(4日午前7時31分〜49分)

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Twitter:橋下徹 (t_ishin) より引用(原文ママ)

≪  | 

※RT(リツイート)とは
 ほかのユーザーのツイートを引用すること。
(例)RT @○○○ ABCD......
 この場合、@○○○さんがツイートした「ABCD」を引用したという意味。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121004-OYO1T00843.htm?from=main2

文楽補助 大阪府も凍結解除…松井知事が方針

 文楽協会(大阪市)への補助金凍結問題で、大阪府の松井一郎知事は4日、橋下徹大阪市長が技芸員(演者)との意見交換後に市の補助金の凍結解除を表明したことを受け、府の補助金も解除する方針を示した。府庁で記者団の質問に答えた。

 大阪府は2012年度当初予算で2070万円を計上していたが、市に歩調を合わせ執行を凍結していた。松井知事は「(技芸員との)話し合いがついたので、文化を守る予算は執行する」と語った。

 同協会への補助金について、府は橋下市長が知事時代の08年度に前年度の3600万円から2500万円に減額し、以後も徐々に削減。大阪市も橋下市長が今年度予算で前年度の5200万円から3900万円に減額していた。

(2012年10月4日 読売新聞)
http://www.j-cast.com/2012/10/04148931.html

橋下大阪市長ウォッチ
文楽技芸員との意見交換「すごく良かった」

2012/10/ 4 16:34

大阪市の橋下徹市長が文楽協会への補助金削減を表明していた問題で、橋下市長と文楽の技芸員(演者)らが2012年10月3日、大阪市役所で公開の意見交換会を行った。意見交換会後、橋下市長は、今後は支給対象の根拠を明確化することを条件に、凍結されていた12年度分の補助金3500万円を支給する考えを表明した。

「補助金の使い方を問題視していると言う点は、なかなか伝わりにくい点だった」

橋下市長は意見交換会後の囲み取材で、

「色々な事情で話をする機会がなかったので、すごく良かった。僕が思っていたことが伝わっていなかったところもある」
「補助金の使い方を問題視していると言う点は、なかなか伝わりにくい点だった」
と、お互いのコミュニケーションが取れたことを高く評価した。その上で、

「無形文化遺産、遺産として文楽を守っていくということでなくて、やっぱり振興したい、市民の皆さんにも楽しんでもらって、全国民や世界のあらゆる人に楽しんでもらいたい、そういう思いがすごく伝わってきた。これは、国の無策としか言いようがない」
「今のままだったら、保護するだけで、絶対に振興なんてしない」
と述べ、現状の補助金制度は「保護」することに重きが置かれ、「振興」につながらないという点で問題があるとの見方を改めて示した。

また、今回のような一定の解決に至るまで半年もかかった理由については、

「テレビと新聞の馬鹿さ加減。あとは、そこにコメントを出した文化評論家の馬鹿さ加減、それに尽きると思う。全然制度のこととか、どこが問題点なのかを知らずに、文楽のことをもっと知れとか文楽をもっと勉強しろとかね…」
と述べ、コメンテーターを非難した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2012100502000166.html

「理」と「情」 埋まらぬ溝 文楽補助金、執行へ
2012年10月5日 朝刊

 大阪市が公益財団法人文楽協会に支出する補助金問題は三日、橋下徹市長と文楽の技芸員(太夫、三味線、人形遣い)らの初の意見交換会により、前年度比25%減の三千九百万円を条件付きで予算執行することを市長が表明し、一応の決着を見た。ただ、双方のやりとりを聞くと、税の公正性など「理」の世界を通す市長に対し、技芸員らは文楽に息づく師弟関係など「情」の世界で訴え、主張がうまくかみ合わない部分も残った。 (藤英樹)

 「税金である補助金の使い道を見えやすくしないと市民の理解は得られない」と市長は何度も繰り返した。

 市長が特に問題にしたのは、生活が不安定な若手技芸員を支援するための「養成費」が生活資金のように使われてきた−という点。

 「道具代や交通費など必要経費を支援するのは当然だが、無条件に支援すれば、生活保護と同じになる。それは補助金の趣旨とは異なる」と強調。今後は領収書添付や収入区分を厳格に審査していくことを条件付けた。

 技芸員らによると、養成費は一人年間七十万〜百万円弱。ある三味線方は「この世界に入ったころの月収は四万円に満たず、師匠のお宅へ稽古に行く交通費にも事欠いた。道具も当然買えなくて、師匠のお古をいただいた。養成費で何とか生活できた」と明かした。

 別の三味線方は三味線修理にかかる費用を細かく説明して「道具代が生活費を圧迫している。師匠に融通してもらうことも。市長が言うように経費と生活費をきっちり区別しにくい。この世界の師弟の特殊な関係も理解して柔軟に対応してほしい」と訴えた。

 一方、長い伝統に基づく「古典」を守りたいとする技芸員らに対し、観客をもっと増やすための「新作」を積極的に上演すべきだと主張する市長の考え方の相違も浮き彫りになった。

 市長は本年度の補助金は出すことを表明したものの、「来年度へ向け新しい制度設計に入ること」と条件を付けた。技芸員らも「市長の説明はよく理解できた」(太夫の豊竹咲大夫)としているが、市長の「理」と技芸員らの「情」が簡単にかみ合うはずもなく、火種はくすぶっている。

◆市長 「見える化」を進める 文楽側無駄に使っていない
 三日に大阪市役所で行われた文楽振興についての意見交換会の主なやりとりは次の通り。

 橋下徹市長 補助金の使い道を「見える化」するため、若手技芸員の養成事業への助成の見直しや、文楽協会への補助から公演事業ごとの助成への転換を図りたい。

 桐竹勘次郎(きりたけかんじろう) 今ある公演と稽古で精いっぱい。事業を増やせばいいというものではない。

 豊竹咲大夫(とよたけさきたゆう) 事業を手がけようにも、人形は国立文楽劇場が所有していて、われわれにはバットもボールもない。

 市長 国ともよく話し合いたい。

 桐竹勘十郎(かんじゅうろう) 補助金を無駄に使っている技芸員は一人もいない。

 鶴沢寛太郎(つるざわかんたろう) 補助金がなくなると生活も芸もストップする。何とか現状を維持できないか。

 市長 いきなり一気に、は無理だと思う。皆さんと話し合ってしっかり制度設計したい。

 鶴沢清介(せいすけ) 市長も「文楽に行きましょう」とPRしてほしい。

<これまでの主な経緯>
2008年6月 橋下徹大阪府知事(当時)の「大阪維新プログラム案」で文楽協会などが補助金の削減対象に。

 11年11月 大阪ダブル選で「大阪維新の会」の松井一郎府知事、橋下徹市長に。

   12月 市長、補助金凍結の方針。

 12年4月 雑誌「上方芸能」の呼びかけでドナルド・キーン氏ら140人が文楽応援メッセージ。

   6月 市側が協会に竹本住大夫(たけもとすみたゆう)らと市長の意見交換を打診。協会は「考え既に伝えた」と拒否。市長は「会わないなら出せない」と25%削減後の補助金3900万円の全額凍結を示唆。

   7月 協会が非公開での市長との面会を要望。市長、非公開を拒否。

   8月 市長、公開で意見交換できなければ12年度の補助金は執行せずと表明。

   9月 文楽技芸員ら公開面談に応じる方針。

   10月3日 橋下市長と文楽側、初めて公開で意見交換。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/121009/ent12100908290004-n1.htm

文楽VS橋下騒動から見えたもの “行革”と伝統芸能の溝、露呈
2012.10.9 08:22 (1/4ページ)

文楽の技芸員たちを前に話す橋下徹市長=3日、大阪市北区の大阪市役所(恵守乾撮影)
 大阪が生んだ伝統芸能・文楽を揺さぶった大阪市の補助金削減問題は、3日に橋下徹市長と技芸員(演者)らが公開面談を行ったことで橋下氏が矛を収め、今年度分の市補助金3900万円を財団法人・文楽協会に支給することで決着した。今回の一連の“騒動”から見えたものは何だったのかを振り返る。

相互理解の第一歩

 大阪市役所の地下で2時間半に及んだ面談には、文楽側から紋付きはかま姿の47人の技芸員が出席した。領収書など補助金の使途の透明化を求める橋下市長と、師匠と弟子の濃密な人間関係と稽古で芸を育む技芸員との間には、かみ合わない議論も多々あったが、両者が互いの立場を理解する第一歩になったことは間違いないだろう。

 文楽界に特権意識があるとツイッターで批判してきた橋下市長は、修練に時間がかかる伝統芸能の世界で「食べられるのは50歳になってから」などと訴えた技芸員の発言に、彼らが特権階級などでは決してないことは理解できたのではないか。一方、技芸員側も自分たちが「補助金の透明化」という行政のモノサシを常に当てられる存在であることの自覚を持ったはずだ。

協会側の問題点も

 橋下氏が府知事から市長に転じた昨年末以降、文楽がやり玉に挙げられたプラス面として、今まで見過ごされてきた文楽協会の問題点が浮き彫りになった点がある。

 まず構造的な問題。技芸員はそれぞれ協会と契約し、協会は国、府、市の3者から補助金を受け、大阪市の国立文楽劇場や東京・隼町の国立劇場での本公演に際しては、技芸員を日本芸術文化振興会に派遣する形で上演契約を結んでいる。この複雑な仕組みのため、協会が市との交渉に呼ばれても、その場で何かを決定するのは立場上難しい。

 府と市からOBが協会に複数天下っている実態も、橋下氏の指摘で周知された。

 協会の当初対応のまずさも指摘される。公開面談を求めた橋下氏に対し、協会は全技芸員に諮ることなく、面談を拒否。これに橋下氏が反発し、その後の調整難航の発端となった。

市長にマイナス?

 補助金問題が大きく報じられた大阪では7月、「曽根崎心中」上演に危機感も後押ししたのか、国立文楽劇場は大入りを記録した。一方で、未来の文楽を担う「研修生」は、8月に受付を始めたが応募はゼロ。若者が先行きに不安を感じたのでは…と騒動の影響が懸念されたが、9月末の締め切り間際になって、やっと4人の応募があった。

 橋下氏自身も多くの批判を浴びた。当初は協会への天下り批判など行革目的だったのが、「脚本を時代に合わせて変えるなどしたら」「人形劇なのに(人形遣いの)顔が見えるのは腑(ふ)に落ちない」などとした発言を連発。伝統文化への無理解が注目を集め、政治的リーダーとしての資質を問う声も挙がったからだ。

 11月の国立文楽劇場では、人気演目の「仮名手本忠臣蔵」が上演される。補助金問題がひとまず決着した今、観客数など数字でしか判断しない人々にも、文楽がどれだけ魅力ある芸能かを分からせる必要が生まれたと言えるだろう。(文楽取材班)

(一つ前からつづく)


「見える形で支援をしたい」「無駄遣い一人もいません」

 3日行われた橋下徹大阪市長と技芸員との約2時間半にわたった面談での主な発言は、次の通り。


 橋下市長「補助金は税なので、使い方も受け取り方も『見える化』が必要。本当に必要ならば、きちんと見える形で支援すべきだというのが方針です」

 豊竹咲大夫さん「補助金については『ありがたい』と日頃から思い、無駄に使っている人は一人もいません。いろんな方法を考えて、補助金を有効に使えるよう努力したい」

 橋下市長「皆さんに芸に集中していただくのは当然ですが、例えばバイオリン奏者でもプロ野球選手でも、自分の収入のことを考えずに稽古だけに専念すればよいとはいかないと思う。文楽をどう広げるか、お金のことも含めて考えていただきたい」

 鶴澤清丈さん「一番必要なのは宣伝、PR。公演パンフレットに掲載された技芸員の写真も、15年ぐらい変わっていません。宣伝にはお金がかかるが、助成してもらえるのか、教えていただきたい」

 橋下市長「文楽の広告宣伝は大賛成。助成する事業費の中に広告宣伝費を入れるのは当然のこと」

 鶴澤寛太郎さん「道具のことですが、三味線は60万〜80万円が相場。バチは象牙なので、安くても30万円。研修生としてこの世界に入ってきた人だと必要な初期投資は350万〜450万円。でも給料は10万円あるかないか。経費が生活費を圧迫している」

 橋下市長「補助金は経費のところにあてたほうが分かりやすくなるが、税なので、領収書も出してもらわなければ」

 豊竹咲大夫さん「『文楽は退屈でおもしろくない』というのを一掃したい。市長の一言で『いっぺん行ってみようか』という人は大変多い。なにとぞ、そこをご理解いただきたい。市長に来てもらえるなら説明者をつけます」

 橋下市長「古典が重要だということは十分承知していますし、芸事を見てみたい、感じてみたいとなれば、古典にぶつかるところだと思う。多くの皆さんに来ていただけるよう、皆さんも斬新なやり方を検討していただきたい」


【用語解説】文楽協会の補助金削減問題

 文楽協会は昭和38年、赤字続きの文楽から撤退した松竹に代わり、普及・保存などを行う組織として設立。国や大阪府、大阪市などが補助金で支えてきた。橋下徹市長は改革の一環で、補助金を前年度比25%削減し、本年度分3900万円も文楽側が公開の面談に応じなければ支出しないと表明。文楽側は非公開を望んだが、9月に方針転換、公開に応じた。

http://www.data-max.co.jp/2012/10/09/post_16448_tw_2.html

「新聞などはごく少数の意見を大多数の意見のように載せる」〜橋下大阪市長のツイート

政治2012年10月 9日 16:00  NET-IBでは、ツイッターを活用している橋下市長のツイートをまとめて紹介する。
 橋下大阪市長の7日午前7時31分から8日午前10時30分までのツイートは以下の通り。

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(7日午前7時31分〜8時25分)
 昨日6日朝日新聞夕刊。8面。窓「47人の義士」前田論説委員、公演をプロデュースし振興するのは文楽サイド。行政がアイデアを出したらろくなもんにはなりませんよ。
 僕の役割は、補助金の仕組みを変えて、文楽サイドが自ら公演をプロデュースし、振興を図る環境を作るところまで。僕自身が文楽振興のアイデアなど持っているわけがない。それはまさにプロデューサーの役割。市長ができるわけがない。また一部少数のインテリの意見ではなく、大多数の庶民の感覚でもって意見・感想を言うこと。ここが市長の一番の役割。新聞などはごく少数の意見を大多数の意見のように載せるからね。

 新聞記者と僕の感覚の違いと言うのも面白い。前田さんは、僕の文楽批判について世間の支持が広がらなかったと認識。僕は、文楽支持の声が大多数の庶民から広がらなかったという認識。あれだけ新聞メディアは文楽についてPRしたのに。もちろん、観客が増えたことは喜ばしいこと。
 しかし大阪の庶民が声を上げて、橋下批判、文楽擁護に回らなかった。これが今の現状で、このことをきちんと認識するかどうかが、文楽の今後を左右する。先日の文楽サイドとの意見交換会では、皆、現状の厳しい現実を認識している様子だった。だから振興もしっかりやろうと。僕はそのような流れになる補助金の仕組みにただし、文楽サイドに頑張ってもらえるようにする。振興のアイデアを出すのは、僕ではなく、文楽サイド。

 そして前田さん、朝日新聞の若手記者がどれだけ文楽を楽しんでいるか、まずは自社で取材してみたらどうですか?インテリばかりと話していたら世間の現実を見失いますよ。少なくても朝日に限らず他者も含めて市政担当記者レベルでは文楽を定期的に観劇している記者はいない。これが現実。だからどうやって振興するか。これは一にも二にも文楽サイドの努力。この環境作りに、僕は力を注ぎます。

 それとね、僕は知事になる前までコメンテーターをやっていたので、政治評論家と言われる人が、あれやこれやと如何にも自分だけが特別の情報を持っているような顔でしゃべっているのを嫌というほど見てきた。そして皆あーだーこーだと予測する。今となるとこのいい加減さがよく分かったよ。

 僕は毎日朝と夕に囲み取材を受けて、何か出来事があればその後にも囲み取材を受けて、週に1回は定例記者会見をやって、それぞれ時間の許す限り質問に答えるようにしているので、それ以上の個別取材を受けることはしていません。全てオープンにして、それ以上でもそれ以下でもない情報を提供しています
 そんな中、みんなの党との関係について、いろんな政治評論家と称する人やメディアが色々と言っているけど、どれも当たっていないね〜誰か一人くらい的確に指摘する人がいるのかと思いきや、全滅。これが今の日本の政治評論家のレベル。ここの底上げがないと日本の政治もよくならない。

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Twitter:橋下徹 (t_ishin) より引用(原文ママ)

≪  | 

※RT(リツイート)とは
 ほかのユーザーのツイートを引用すること。
(例)RT @○○○ ABCD......
 この場合、@○○○さんがツイートした「ABCD」を引用したという意味。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121004/lcl12100408270000-n1.htm

文楽 補助金支給へ 橋下市長、事業明確化を条件に
2012.10.4 08:26

 文楽協会に対する大阪市の補助金削減問題で、橋下徹市長と文楽の技芸員(演者)らが3日、大阪市役所で初の公開意見交換会を行った。市長は終了後、補助金の支給対象となる事業の明確化などの改革を条件に、執行を凍結していた本年度の補助金3900万円を支給する考えを表明した。

 意見交換会を公開で開催するかどうかをめぐって紛糾した補助金問題は、曲折の末、一応の決着をみた。

 対話には、黒紋付きにはかま姿の技芸員47人と協会幹部が出席。冒頭に太夫の豊竹咲大夫さんは、忠臣蔵を引き合いに「討ち入りに来たわけではない。一刻も早く問題を解決し、舞台に専念できるようにしていただきたい」とユーモアを交えてあいさつ。

 技芸員の一人は「65歳で45年やっているが、収入が400万円弱。若い人も人間国宝も収入は多くない」と窮状を訴え、別の技芸員も「今月の給料は恥ずかしいが10万円ぐらい。三味線の修理費に10万かかり、今月は生活費がない状況」と理解を求めた。

 橋下市長は「文楽が大阪発祥の伝統芸能として守らなければならないことは理解している。補助金支出の在り方が市民に見えやすくなるように話し合いたい」と応じた。

市長は、補助金支給の根拠を明確化する必要性を指摘する一方、演目についても「古典は古典として大切にしなければならないが、新しい事業展開を、技芸員一人一人や協会の皆さんに考えてほしい」と語った。

 技芸員からは「市長の考えは理解できるが、公演で1年のスケジュールは決まっている。これ以上、新しい公演を増やすのは難しい」と率直な意見が出た。

 終了後、市長・技芸員とも「面談して考えがよく理解できてよかった」と感想を述べた。
                  ◇

【用語解説】文楽協会の補助金削減問題

 文楽協会は昭和38年、赤字続きの文楽から撤退した松竹に代わり、普及・保存などを行う組織として設立。国や大阪府、大阪市などが補助金で支えてきた。橋下徹市長は改革の一環で、補助金を前年度比25%削減し、本年度分3900万円も文楽側が公開の面談に応じなければ支出しないと表明。文楽側は非公開を望んだが、9月に方針転換、公開に応じた。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/stage/597489/

文楽vs橋下騒動から見えたもの “行革”と伝統芸能の溝
2012/10/09 18:39

 大阪が生んだ伝統芸能・文楽を揺さぶった大阪市の補助金削減問題は、3日に橋下徹市長と技芸員(演者)らが公開面談を行ったことで橋下氏が矛を収め、今年度分の市補助金3900万円を財団法人・文楽協会に支給することで決着した。今回の一連の“騒動”から見えたものは何だったのかを振り返る。

 ◆相互理解の第一歩

 大阪市役所の地下で2時間半に及んだ面談には、文楽側から紋付きはかま姿の47人の技芸員が出席した。領収書など補助金の使途の透明化を求める橋下市長と、師匠と弟子の濃密な人間関係と稽古で芸を育む技芸員との間には、かみ合わない議論も多々あったが、両者が互いの立場を理解する第一歩になったことは間違いないだろう。

 文楽界に特権意識があるとツイッターで批判してきた橋下市長は、修練に時間がかかる伝統芸能の世界で「食べられるのは50歳になってから」などと訴えた技芸員の発言に、彼らが特権階級などでは決してないことは理解できたのではないか。一方、技芸員側も自分たちが「補助金の透明化」という行政のモノサシを常に当てられる存在であることの自覚を持ったはずだ。

 ◆協会側の問題点も

 橋下氏が府知事から市長に転じた昨年末以降、文楽がやり玉に挙げられたプラス面として、今まで見過ごされてきた文楽協会の問題点が浮き彫りになった点がある。

 まず構造的な問題。技芸員はそれぞれ協会と契約し、協会は国、府、市の3者から補助金を受け、大阪市の国立文楽劇場や東京・隼町の国立劇場での本公演に際しては、技芸員を日本芸術文化振興会に派遣する形で上演契約を結んでいる。この複雑な仕組みのため、協会が市との交渉に呼ばれても、その場で何かを決定するのは立場上難しい。

 府と市からOBが協会に複数天下っている実態も、橋下氏の指摘で周知された。

 協会の当初対応のまずさも指摘される。公開面談を求めた橋下氏に対し、協会は全技芸員に諮ることなく、面談を拒否。これに橋下氏が反発し、その後の調整難航の発端となった。

 ◆市長にマイナス?

 補助金問題が大きく報じられた大阪では7月、「曽根崎心中」上演に危機感も後押ししたのか、国立文楽劇場は大入りを記録した。一方で、未来の文楽を担う「研修生」は、8月に受付を始めたが応募はゼロ。若者が先行きに不安を感じたのでは…と騒動の影響が懸念されたが、9月末の締め切り間際になって、やっと4人の応募があった。

 橋下氏自身も多くの批判を浴びた。当初は協会への天下り批判など行革目的だったのが、「脚本を時代に合わせて変えるなどしたら」「人形劇なのに(人形遣いの)顔が見えるのは腑(ふ)に落ちない」などとした発言を連発。伝統文化への無理解が注目を集め、政治的リーダーとしての資質を問う声も挙がったからだ。

 11月の国立文楽劇場では、人気演目の「仮名手本忠臣蔵」が上演される。補助金問題がひとまず決着した今、観客数など数字でしか判断しない人々にも、文楽がどれだけ魅力ある芸能かを分からせる必要が生まれたと言えるだろう。(文楽取材班)

(前からのつづき)


 ■「見える形で支援をしたい」「無駄遣い一人もいません」

 3日行われた橋下徹大阪市長と技芸員との約2時間半にわたった面談での主な発言は、次の通り。

 橋下市長「補助金は税なので、使い方も受け取り方も『見える化』が必要。本当に必要ならば、きちんと見える形で支援すべきだというのが方針です」

 豊竹咲大夫さん「補助金については『ありがたい』と日頃から思い、無駄に使っている人は一人もいません。いろんな方法を考えて、補助金を有効に使えるよう努力したい」

 橋下市長「皆さんに芸に集中していただくのは当然ですが、例えばバイオリン奏者でもプロ野球選手でも、自分の収入のことを考えずに稽古だけに専念すればよいとはいかないと思う。文楽をどう広げるか、お金のことも含めて考えていただきたい」

 鶴澤清●さん「一番必要なのは宣伝、PR。公演パンフレットに掲載された技芸員の写真も、15年ぐらい変わっていません。宣伝にはお金がかかるが、助成してもらえるのか、教えていただきたい」

 橋下市長「文楽の広告宣伝は大賛成。助成する事業費の中に広告宣伝費を入れるのは当然のこと」

 鶴澤寛太郎さん「道具のことですが、三味線は60万〜80万円が相場。バチは象牙なので、安くても30万円。研修生としてこの世界に入ってきた人だと必要な初期投資は350万〜450万円。でも給料は10万円あるかないか。経費が生活費を圧迫している」

 橋下市長「補助金は経費のところにあてたほうが分かりやすくなるが、税なので、領収書も出してもらわなければ」

 豊竹咲大夫さん「『文楽は退屈でおもしろくない』というのを一掃したい。市長の一言で『いっぺん行ってみようか』という人は大変多い。なにとぞ、そこをご理解いただきたい。市長に来てもらえるなら説明者をつけます」

 橋下市長「古典が重要だということは十分承知していますし、芸事を見てみたい、感じてみたいとなれば、古典にぶつかるところだと思う。多くの皆さんに来ていただけるよう、皆さんも斬新なやり方を検討していただきたい」

 【用語解説】文楽協会の補助金削減問題

 文楽協会は昭和38年、赤字続きの文楽から撤退した松竹に代わり、普及・保存などを行う組織として設立。国や大阪府、大阪市などが補助金で支えてきた。橋下徹市長は改革の一環で、補助金を前年度比25%削減し、本年度分3900万円も文楽側が公開の面談に応じなければ支出しないと表明。文楽側は非公開を望んだが、9月に方針転換、公開に応じた。

●=丈の旧字体の右上に「、」

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/598573/

【よくわかるニュースQ&A】文楽補助金 公開意見交換会で「改革へ第一歩」
2012/10/13 19:17

文楽協会(大阪市)への補助金の支出を凍結していた橋下徹大阪市長が10月3日、文楽の演者である技芸員たちと公開の意見交換会を開きました。

 Q 文楽協会とはどんな団体ですか

 A 松竹が赤字続きの文楽興行から手を引いた後を引き継ぐかたちで1963年、文楽の保存・普及を目的に設立されました。浄瑠璃語りの太夫、三味線弾き、人形遣い、3部門の技芸員と出演契約を結び、大阪の国立文楽劇場と東京の国立劇場での本公演に派遣するほか、地方公演の制作も手掛けます。大阪市や大阪府からの補助金は、この協会の職員の給与にも充てられています。

 Q なぜ補助金が凍結されていたのですか

 A 補助金全般の在り方を見直す中で、橋下市長は本年度の補助金を、5200万円から3900万円に25%削減する方針を打ち出しました。そして、支出する前に文楽側と公開の場で意見交換したいと呼び掛けましたが、協会は「技芸員は個人事業主。個人の意見が文楽界の総意と受け取られたら困る」などと非公開を主張。市長は「公開でなければ補助金を出せない」とし、平行線をたどっていました。

 Q 最終的に文楽側が公開に応じた背景は

 A 市は「10月中旬までに問題解決のめどが立たなければ予算を執行しない」と期限を示しました。また技芸員には文楽の存続、発展のために府や市と友好関係を保ちたいとの思いもあり、公開でも会った方がいいと決断したようです。

 Q どんな意見が交わされましたか

 A 市長は、伝統芸能への支援には理解を示しながらも「協会が収入を増やす努力を促すような仕組みをつくりたい」「初めての人でも見に行こうと思う演出や宣伝も必要」と、改革の必要性を主張。技芸員は市長の問題意識に賛同しつつも、「今月の給料は約10万円。楽器の修理代でなくなった」(若手三味線弾き)などと実情を率直に明かし「不安なく修業できるように助成を継続してほしい」と訴えました。

 Q 成果は

 A 具体的に何か結論が出たわけではありませんが、市長は「(改革の)第一歩を踏み出せそうだ」として補助金の凍結解除を表明。市と歩調を合わせる府も2070万円の予算を執行することに。あるベテラン技芸員は「市長はソフトで優しくイメージが変わった」と話し、関係改善に期待を込めていました。

 Q これで問題は解決したのでしょうか

 A 市長は「(国立2劇場で行う)本公演だけで忙しく新しい試みができないのは国の責任」などと、文楽公演のあり方をめぐる国の施策を批判しました。貴重な芸の継承のために必要な支援とは何か−。国も交えた話し合いが重要です。

 (SANKEI EXPRESS)

(前からのつづき)

       ◇

 ≪「給料10万円」の苦境訴え≫

 10月3日行われた橋下徹大阪市長と技芸員との約2時間半にわたった面談の主な内容は、次の通り。

 ▽橋下市長「補助金は税なので、使い方も受け取り方も『見える化』が必要。本当に必要ならば、きちんと見える形で支援すべきだというのが方針です」

 ▽豊竹咲大夫さん「補助金については『ありがたい』と日頃から思い、無駄に使っている人は一人もいません。いろんな方法を考えて、補助金を有効に使えるよう努力したい」

 ▽橋下市長「皆さんに芸に集中していただくのは当然ですが、例えばバイオリン奏者でもプロ野球選手でも、自分の収入のことを考えずに稽古だけに専念すればよいとはいかないと思う。文楽をどう広げるか、お金のことも含めて考えていただきたい」

 ▽鶴澤清●(=丈の旧字体の右上に「、」)さん「一番必要なのは宣伝、PR。公演パンフレットに掲載された技芸員の写真も、15年ぐらい変わっていません。宣伝にはお金がかかるが、助成してもらえるのか、教えていただきたい」

 ▽橋下市長「文楽の広告宣伝は大賛成。助成する事業費の中に広告宣伝費を入れるのは当然のこと」

 ▽鶴澤寛太郎さん「道具のことですが、三味線は60万〜80万円が相場。バチは象牙なので、安くても30万円。研修生としてこの世界に入ってきた人だと必要な初期投資は350万〜450万円。でも給料は10万円あるかないか。経費が生活費を圧迫している」

 ▽橋下市長「補助金は経費のところにあてたほうが分かりやすくなるが、税なので、領収書も出してもらわなければ」

 ▽豊竹咲大夫さん「『文楽は退屈でおもしろくない』というのを一掃したい。市長の一言で『いっぺん行ってみようか』という人は大変多い。なにとぞ、そこをご理解いただきたい。市長に来てもらえるなら説明者をつけます」

 ▽橋下市長「古典が重要だということは十分承知していますし、芸事を見てみたい、感じてみたいとなれば、古典にぶつかるところだと思う。多くの皆さんに来ていただけるよう、皆さんも斬新なやり方を検討していただきたい」

 (SANKEI EXPRESS)

http://mainichi.jp/feature/news/20121102ddn012040041000c.html

文楽:技芸員の会、外部との交渉機関設置へ
毎日新聞 2012年11月02日 大阪朝刊

 人形浄瑠璃「文楽」の技芸員(演者)全員が加入している福利厚生団体「むつみ会」(吉田玉也代表理事)は1日、大阪市内で総会を開き、大阪府・市など外部と交渉するための代表機関を新たに設置することを決めた。

 補助金問題などで、技芸員の声をより反映させていくためで、代表機関は大夫、三味線、人形各部から3人ずつで構成。メンバーは選挙で今月中に選ぶ。機関の名称も募集する。

 また、この日は吉田代表理事ら、新役員5人を承認した。
http://mainichi.jp/feature/news/20121130ddf041010014000c.html

大阪市:文楽へ補助金3900万円 来年度、集客数で増減
毎日新聞 2012年11月30日 大阪夕刊

 大阪市は30日、凍結していた文楽協会への今年度の補助金3900万円を支給することを正式決定した。橋下徹市長が支給条件として提示した補助金の使途の透明化や、公演の集客数に応じて補助金額が増減する仕組みを導入することに協会側が合意したためで、年明けにも支給する。

 文楽協会への補助金を巡っては、10月に橋下市長と文楽の技芸員(演者)が意見交換会を実施。その場で、橋下市長が使途の透明化などを求めていた。協会側は今月下旬、これらの条件を受け入れることを市側に伝達。技芸員、国立文楽劇場と3者で文楽振興を協議する場を設けることや、公共施設のエントランスなどでミニ公演を実施する「街角文楽」、パーティーや結婚式などでの「出前公演」などを充実させる方針も決めた。

 市は来年度、集客数に応じた新たな補助金制度を導入。14年度は専門家らが芸術や文化への助成対象を決める「アーツカウンシル」制度を導入し、文楽についても対象とする方針だ。文楽協会の三田進一事務局長は「方針が決まり、ほっとしている。今後どうやって進めていくか、市の事務方と相談していきたい」とコメントした。【津久井達、油井雅和】


http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/610812/

文楽協会への補助金支給 大阪市が正式決定 
2012/11/30 12:57

 財団法人・文楽協会への補助金支給問題をめぐり、大阪市は30日、凍結していた今年度の補助金3900万円の支給を正式決定した。市は来年度から、興行実績に連動して補助金の支給額を増減する「インセンティブ方式」などを導入する方針を協会側に伝え、双方で合意すれば今年度の補助金を執行する方針を提示。今月26日に協会側が合意する意向を市に伝えていた。

http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012122001001574.htm

文楽補助金の大幅減額案で了承 有料入場者9万人以下なら

 大阪市の橋下徹市長は20日、2013年度予算編成に向けたヒアリングで、文楽協会に対する補助金見直し案をおおむね了承した。補助金を12年度と同額の3900万円とした上で、国立文楽劇場の有料入場者数が9万人以下なら2900万円を減額する。

 橋下氏は毎年一定額を交付する従来の補助金のあり方を問題視。文楽界に集客努力を促すため、実績に応じて実際の支給額が増減する仕組みを新たに導入した。

 若手技芸員(演者)に配慮し、3900万円のうち1千万円は衣装や三味線の購入代などの活動費補助とする。残りの2900万円は本公演などの有料入場者数に連動して支出する。

2012/12/20 13:04 【共同通信】



http://mainichi.jp/select/news/20121220mog00m040028000c.html

大阪市:観客9万以下、補助ゼロ 文楽運営費で市が方針
2012年12月20日

 大阪市は20日、文楽協会への補助金について、来年度から導入する新制度を公表した。協会への運営費補助は観客数に連動して支出額を決める方式に変更。年間10万5000人以上なら満額の2900万円を支出するが、9万人以下ならゼロになる。ベテラン技芸員の指導料などに充てられていた養成費(2000万円)は廃止し、道具の修理代などの実費精算に切り替える。

 市によると、10万5000人未満なら観客数に応じて減額する。

 国立文楽劇場(大阪市中央区)の観客数は、過去10年間の平均は9万5000人程度。今年度は一連の補助金問題で注目を集めたため、25周年だった09年度(10万4427人)並みの入場者数を見込む。

 橋下徹市長は20日の会議で、「毎年大騒ぎはできない。相当の努力が必要。財務も透明化すべきだ」と更に奮起を促した。【津久井達】










http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130105-00000115-san-soci

文楽運営補助、26年度で終了…PRで収益化促す 大阪市が検討
産経新聞 1月5日(土)14時57分配信

 大阪市が財団法人・文楽協会の運営資金を支援する目的で支給している補助金を平成26年度で打ち切る方向で検討していることが5日、分かった。27年度以降は、協会が国立文楽劇場(同市中央区)の主催事業のPRに参画し、その対価として公演収入の一部を受け取り運営資金に充てることを想定。だが、実現には劇場を運営する独立行政法人「日本芸術文化振興会」と協会との協力が必要で、曲折も予想される。

 橋下徹市長が示す、補助金の支給目的を運営資金の支援から、個別の事業(公演)ごとの支援へと切り替える方針に沿った計画。来年度の当初予算編成に際し担当部局が提示する。

 25〜26年度の補助金支給額の算定は従来の定額方式ではなく、劇場の年間有料入場者数に連動させて増減させる予定。9万人以下ならゼロ、10万5千人以上で満額の2900万円を年度末に後払いする方式を検討中で、協会に対し、劇場主催の大阪公演や文楽鑑賞教室をPRするよう促している。

 一方で、PRの謝礼として劇場が公演収入の一部を協会に支払う仕組みの構築を働きかけ、26年度を最後に、運営資金の支援を目的とした支給は打ち切る方針。

 市の想定では、協会は27年度以降、個別の公演ごとに、市と大阪府が今年4月に設置する有識者による芸術評価機関「アーツカウンシル」へ事業計画を提案し補助金の獲得をめざす。

 大阪公演と文楽鑑賞教室の昨年度の有料入場者数は9万1420人。過去10年間で最も多かったのは16年度の10万6687人。

 市の担当者は「国立文楽劇場の興行収入を文楽協会に分配できるような仕組みづくりを両者に働きかけ、文楽の振興を図りたい」と話している。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130108-OYO1T00279.htm?from=top

大阪府・市新設の「アーツカウンシル」概要判明

 大阪府・市が、文化・芸術団体への補助金支給の可否を決めるため新年度設置する評価機関「大阪アーツカウンシル」の概要が分かった。

 美術や音楽などの専門家が活動を評価し、補助金の透明性を高める。専門家の人選を進めて4月の発足を目指す。東京に次いで2例目となる新たな評価方式に、団体側は文化・芸術の底上げにつながると期待しているが、「政治的な意向を排除できるのか」と不安ものぞかせる。

 大阪府・市が今年度、文化・芸術団体などに支出した補助金は1億7000万円。これまで補助金は事実上、行政の担当職員が配分を決めており、前年踏襲が多く、橋下徹大阪市長が「漫然と金を出し続けている」と批判していた。特に文楽協会(大阪市)に対し、一時補助金を凍結するなどの騒動が起きたことから、府・市は評価機関の設置を急ぎ、検討を続けていた。

 大阪アーツカウンシルでは、〈1〉補助金の配分決定や事業チェックを行う「評価部会」〈2〉府・市の文化施策を立案する「企画部会」〈3〉芸術の最新情報を収集する「シンクタンク部会」――を置く。中核となる評価部会では、文化・芸術の専門委員が、「府市の活性化に貢献できるか」や「将来性」などを評価基準に、補助金の支給を決める。

 評価部会では、各分野の一線で活躍する芸術家やプロデューサーらも「アーツマネジャー」に任命し、専門委員と共に助成対象団体への指導、助言を行う。

 評価を担当する専門家の選考は、東京は公募方式で行っており、大阪も検討する。アーツカウンシルの判断を二重にチェックするため、別に専門家で作る「文化施策審議会」も設ける。

(2013年1月8日 読売新聞)

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