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『実用日本語文法研究会』コミュの「つもりだ」は話し手・第三者の意志を表す?

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ジャマシイの『日本語文型辞典』p.234ー235にある「つもりだ」の説明についての質問です。

「つもりだ」と「ようと思う」の違いを学生に説明しようと思って当の本を調べてみたら、「つもりだ」は
<意志、意図を表す。話し手の意志でも、第三者の意志でもかまわない。>とありました。

第三者の意志を表す例としては、
・山本さんも参加するつもりだったのですが、都合でこられなくなってしまいました。
だけがあげられていました。

だとすると、次のような文は自然な文でしょうか。
(1)山本さんはヨーロッパ旅行するつもりだ。
(2)山本さんはたばこをやめるつもりだ。

私としては、第三者の意志を伝える場合、
次のように「つもりのようだ」にした方がよさそうな気がするのですが。
(3)山本さんはヨーロッパへ旅行するつもりのようです。
(4)山本さんはたばこをやめるつもりのようです。

いかがでしょうか。

そして、なぜか、
(5)山本さんはヨーロッパへ旅行するつもりなのだ。
(6)山本さんはたばこをやめるつもりなのだ。
のように「つもり+のだ」にすると(1)(2)よりは自然に感じられますが、どうでしょうか。

ちなみに、私は韓国語を母語としております。
実は、今日の授業で、自信がなかったので
とりあえず、ジャマシイの説明をそのまま使いました。
よくないですね。反省しています。
皆様のコメントをお待ちしております。
よろしくお願いします。

コメント(16)

>そんじん さん

問題提起ありがとうございます。おもしろい問題ですね。
「つもり」が第三者のことにでも使えるということに初めて気付かされました。

「たい」「ほしい」が、特別な場合でない限り、第三者の希望・願望には使えないのに、「つもり」は使えるというのが驚きです。

で、
お尋ねの件ですが、
 >(1)山本さんはヨーロッパ旅行するつもりだ。
 >(2)山本さんはたばこをやめるつもりだ。
については、ほとんど問題ないと思います。

これは、
(1)'山本さんはヨーロッパ旅行する意志をもっている。
(2)'山本さんはたばこをやめる意志をもっている。
とほぼ同義にとらえることができるということです。

また、
 >(3)山本さんはヨーロッパへ旅行するつもりのようです。
 >(4)山本さんはたばこをやめるつもりのようです。
についても、
(3)'山本さんはヨーロッパへ旅行する意志をもっているようです。
(4)'山本さんはたばこをやめる意志をもっているようです。
のようにすることができると思います。

なお、
「スルつもりです」と「スルつもりのようです」は、前者が当人の[意志][予定][計画]を直接表しているのに対し、後者は「そのような様子だ」という状況説明になるという違いではないでしょうか。

ただ、そんじんさんの書き込みにあるように、(1)(2)のような文がまったく自然なのかと改めて聞かれると、やや「おかしいかな」という気もします。(これをご覧の皆さんはどうなんでしょうね?)
こんにちは〜。ゆみすけです。

私は(1)(2)は両方、気になります。
文法的にまったく間違ってはいませんが、
「ヒトゴトなのになんでそんなに断言?あなたは一体ナニモノ?」という感がぬぐえません。

第三者の意思については、
A.当人からその意思を聞く
B.当該者の様子から推し量る

の2つによって知ることができると思いますが
その場合やはり、何らかのモダリティ表現を付加する必要が
あるのではないでしょうか。
(Aの場合「つもりらしい/つもりだそうだ」
  Bの場合「つもりのようだ/つもりらしい」などなど?)

小林ミナ先生がどっかで「つもりだ」について
そのままで使うことはとても少なくて
「つもりで」で使うことが多いって書いてましたよね?
(違ったかな・・・)
三人称主語の場合でも
「山本さんは留学するつもりで準備を進めていたのに
 子供さんが入院することになっていけなくなってしまった」
のような文にすると問題ありませんが
やはり言い切ってしまうと、私としては「??」という感じですが。

いかがでしょう〜。

(1)(2)みたいな文って、どの程度実例が出るんでしょうね。
新聞記事とかルポとか小説の地の文ならともかく・・・。


「のだ」をつけるとすんなり聞こえるのは
やっぱり背景情報との照合みたいな読み
(この辺は既定事態化、関連付け、いろんな人がいろんな言葉
使ってますけど)が入るからいけるんじゃないですかねえ。

ある事態を見て不思議に思っているという前ふり:
“なんか最近山本さんが喫煙場所の近く通るの避けると思ってた”
→“禁煙ガム噛んでるのを見た”
→「あー山本さん、タバコやめるつもりなんだー」

みたいなのなら、いいんですけど。


つらつら長く失礼しました。
> 2: ゆみすけ さん
さすが、鋭い見識をお持ちですね!
        ↓
 >(1)(2)みたいな文って、どの程度実例が出るんでしょうね。
 >新聞記事とかルポとか小説の地の文ならともかく・・・。
とのことなので、ちょっと手持ちのデータベースで実例を調べてみました。

その結果、文末の言い切り型としては、
・[第三者]は+つもりです。:皆無
・[第三者]は+つもりだった。:多数あり
・[第三者]は+つもりだ。:新聞の論説では多用(小説の地の文にはなかった)
のようなことが言えると思います。

以下は、それらの一部です:

(花埋):渡辺淳一『花埋み』 新潮文庫CD-ROM
口では断わるようなことを言ったが、吟子は初めから受ける●つもりだった。(花埋)

(芥川):芥川龍之介『或阿呆の一生』 新潮文庫CD-ROM
彼はいつ死んでも悔いないように烈しい生活をする●つもりだった。(芥川,阿呆)

(孤高):新田次郎『孤高の人』 新潮文庫CD-ROM
翌朝加藤は前日より一時間早く下宿を出た。和田岬まで歩いていく●つもりだった。(孤高)

(山本):阿川弘之『山本五十六』 新潮文庫CD-ROM
「宇垣さんはきっといつか自決する●つもりだな」(山本)

(毎日):『毎日新聞』[社説]ロシア告発対象は大統領だけか
 だが、大統領は辞任する気などさらさらなく、2000年の任期まで居座る●つもりだ。(毎日,D981009)

(毎日):『毎日新聞』[社説]米朝協議戦略なき駆け引きの失敗
核やミサイル開発を中止すれば、米国はそれに応じた対応をする●つもりだ。(毎日,D981206)

(朝社):『朝日新聞』社説
 ブッシュ政権は、占領下で米英軍の主導で暫定政権をつくる●つもりだ。(朝社,D030405)

発起人のひとりの守分梨恵さん(21)は言う。「(略)」生活するための資金は別の仕事で稼ぐ●つもりだ。(朝社,D040104)

 政府は米軍の削減や基地の集約化とともに、手厚い地域振興策で地元を説得する●つもりだ。(朝社,D051225)

 米軍の死者は1700人を超えた。それでもブッシュ大統領は「正しい方向に進んでいる」として、14万人にのぼる米軍の駐留を続ける●つもりだ。(朝社,D050625)

 李さんはいま、オペラの創作を進めている。(略)作曲は日本の友人に頼む●つもりだ。(朝社,D050622)


★さあ、そこで、
『日本語文法研究会』としては、こうした言語事実をふまえて、どのように教えればいいかということになります。

★ちなみに、
「つもり」は、日本語能力試験3級の文法項目に入っていますし、初級の教科書でも、『みんなの日本語』(31課)、『日本語初歩』(19課)、『新文化初級』(20課)で提出されています。

『初級を教える人のための 日本語文法ハンドブック』(スリーエーネットワーク:p.137)では、例文はすべて1人称で、人称制限のことには何も触れていません。

『中上級を教える人のための 日本語文法ハンドブック』(スリーエーネットワーク:p.238)には、以下のように書かれています。

◆「つもりだ」は第三者の意志は表しにくいです。他人の意志は直接にはわからないものなので、状況(その人の態度振る舞いなど)から判断したことを表す「ようだ」「らしい」などを付けたほうが座りのいい文になります。
・?彼は弁護士になるつもりだ。
・ 彼は弁護士になる{つもりのようだ/つもりらしい}。

★で、
みなさんは、今どのように教えていらっしゃるのでしょうか?
今回のトピックを機に、何か、他のアイデアが出てきたでしょうか?
ichamonologystさん。
実例をたくさんありがとうございます。
やはり実例を見て思うことは
「これを使える環境というのはとても限られている」ということです。
過去形の実例は出てきましたが、さあ、教えるとなると?
実際使うところは???


ちなみに、私は先期、某大学での授業で「つもり」を担当しました。
その際のメモを見てみると、以下のように書いてあります。
「「つもり」というのは意思を表すけれど、日本語は
非過去の辞書形またはマス形で、その意を表すことができる。
だからわざわざ使う必要は、通常ない。特に「意思がある」
ことを強調したい時に使う。」

このような考えから、私の授業(初級前半終了程度)では
「〜するつもりだったが・・・」
のような当初の意志からは変わってしまったことを言うような
練習をしました。
(つまり、「こうしようと思ってたんやで〜。なのにさー」とか「そうしようとは思ってたんや〜」見たいな時に
よく使うのではないかと。)


そして、三人称主語については触れませんでした。

三人称については、
・推測、伝聞の場合(他のモダリティ要素をつける)
・堅い文章(論文・論説・批評)または小説の地の文

の時に用いる、となるとつまり、
これは中級後半以降に触れればいいのではないかと思います。
(特に教えるにしても。特に教える必要もないかもしれませんが。)

ってな感じです。


ところで、「意思」は通常、普遍的にどの言語でも、通常一人称をとる
ものではないでしょうか・・・。違うかなあ
ichamono logystさん、ゆみすけさん、いろいろ教えてくださってありがとうございます。

「つもりだ」が三人称主語をとることはできるが、いろいろ制限があるわけですね。
それから、ゆみすけさんの
>「つもり」というのは意思を表すけれど、日本語は
>非過去の辞書形またはマス形で、その意を表すことができ
>る。 だからわざわざ使う必要は、通常ない。特に「意思があ
>る」 ことを強調したい時に使う。」

>このような考えから、私の授業(初級前半終了程度)では
>「〜するつもりだったが・・・」
>のような当初の意志からは変わってしまったことを言うよう
>な 練習をしました。
という経験から出たコメントは、すごく役に立ちました。

日本語を教えた経験がまだまだ浅く、質問したいことがこれからもどんどん出てくると思いますが、よろしくお願いします。
U−ママです。はじめまして。

昨夜というより今日に入っていましたが、書き込みをし、朝起きて読んでみると、色々不備があり削除しました。あらためて「〜つもりだ」について、私見を書き込みます。

1.「話し手」とか「第三者」というと混乱してしまうので、「言語主体」の意図を表すとしたらどうでしょうか。「言語主体」とは、簡単にいえば、言い表された「文」の「主語」と考えて、それが一人称の主語で、話し手であれば、日本語では省略されることが多く、意味は、話し手の主体的な意図で、それを直接的に表現していると思います。
初級の段階で出てくるのは、このような場面で、「聞き手」が目の前にいることが多く、「(私は)〜するつもりです」という形になると思います。
2.「言語主体」が「彼」「山本さん」「大統領」などのように、三人称の主語でも同じように、{〜するつもりだ」は、その言語主体のそれぞれにあって、主体的な意図を表現していると思います。しかし、ふつう、三人称主語の文の場合、それを述べる人(筆者、作者、話す人、伝える人等)がいるわけで、動詞の意向形や非過去の「辞書形」「マス形」が言い切りの文の中で、主体の意志や意向を直接表現するのに対し、これは、筆者や伝え手などを通して、外側から眺めて、間接的に、やや「ことがら」的に述べているのだと思います。主体自身の直接的表現ではないということです。したがって、過去形、言い切りの形にしない、「ようだ」「らしい」「のだ」「とのことです」「と言っています」などを付加すると、「ことがら」に対して、「状況説明」や「判断」「伝聞」などのモダリティがつけられて、より自然になるのだと思います。「第三者」+「〜つもりだ」が論説文で多用されるのはこのためと思われます。
3.「〜つもりだ」は、初級までは、「(私は)〜するつもりです」のような、一人称主語の意図を主体的に直接述べる場面
だけでいいと思います。もともと、意向形とは違って「つもり+だ」なので、教える側は段階を踏んで、「第三者+〜つもりだ」の用法を導入していけばいいと思います。
Uーママさん、コメントありがとうございます。

「第三者+〜つもりだ」について考えていたら、次のように他の表現が思い浮かびますが、以下の記述についてご意見をよろしくお願いします。

以下では、「第三者」「話し手」という用語ではなく、<一人称・二人称・三人称>という用語を使いたいと思います。

「三人称」の意志、もしくは意図を表す表現、とすると、
「するつもりだ」以外にも「ようと思っている」「ようとしている」などがあるかと思います。
彼は大学院に進学するつもりだ。
彼は大学院に進学しようと思っている。
彼は大学院に進学しようとしている。

各文の主語の人称を変えてみますと
私は大学院に進学するつもりだ。
私は大学院に進学しようと思っている。
??私は大学院に進学しようとしている。

あなたは大学院に進学するつもり?
あなたは大学院に進学しようと思ってる?
?あなたは大学院に進学しようとしている?
→あなたは、ひょっとして大学院に進学しようとしている?
のようになると思います。
(文法性判断は正しかったでしょうか>

ということで、以下のように各表現の機能を次のようにまとめてみました。
「しようと思う」:発話時における話し手の意志を表す。
「しようと思っている」および「つもりだ」:発話時以前から(誰かが、つまり主語の人称に制限なく)その意志を持っていることを表す。
「ようとしている」:(第三者が)〜しようとする状況にあることを表す。

以上の記述に問題はないでしょうか。
すみません。用語が統一されていませんでした。また書き落としもありましたので訂正します。
最下段に各表現の機能についてまとめた部分です。

「しようと思う」:発話時における一人称の意志を表す。
「ようとしている」:(二人称・三人称が)〜しようとする状況にあることを表す。
そんじんさん

意向形と共に使われる、
1.「〜と思う」
2.「〜と思っている」
3.「〜としている」で、
発話時の文の述語として考えると、そうだと思います。ただ、3.は以下の例文のように一人称の場合もあるのではないかと思います。それは、「〜がる」のトピックのところで議論されているように、名詞節や接続の成分として使われる場合です。

 ・(僕が)駅の階段をのぼって、外に出ようとしたとき、〜

 ・何かを取り出そうとして冷蔵庫の前まで行って、はて、な  んだったけ、と思い出せないことがよくある。

それと、「〜つもりだ」は、発話時における、主体(この場合は一人称)の意志・意向も表現すると思います。

以上、どう思われますか。
U-ママさん

コメントありがとうございます。

ところで、

・(僕が)駅の階段をのぼって、外に出ようとしているとき、・・・
・(僕が)何かを取りだそうとしていて冷蔵庫まで行って、・・・

のように「しようとしている」の形にすると不自然になりませんか。
この問題は、「しようとする/しようとした/しようとしている/しようとしていた」のような形、そして、主文の述語として用いられるかどうか、など、他の角度から考えてみた方がよいのではないかと思われます。

それから、「つもりだ」は、
使用に制限はあっても、原則的に「三人称」主語をとることができるし、「二人称」主語で疑問文になることから、人称に制限がないと考えますが。
話の整理をいたしましょう。

そんじんさんのトピックは、
<「つもりだ」は話し手・第三者の意志を表す?>
でした。

【疑問】
 一般的には、「つもり」は第三者の意志を表すことができないといわれていると思っていたのに、ジャマシイ『日本語文型辞典』p.234ー235では、
<意志、意図を表す。話し手の意志でも、第三者の意志でもかまわない。>
(例)・山本さんも参加するつもりだったのですが、都合でこられなくなってしまいました。
となっていた。

そこで、
【問1】
 だとすると、次のような文は自然な文でしょうか。
(1)山本さんはヨーロッパ旅行するつもりだ。
(2)山本さんはたばこをやめるつもりだ。

【問2】
 私としては、第三者の意志を伝える場合、
次のように「つもりのようだ」にした方がよさそうな気がするのですが。
(3)山本さんはヨーロッパへ旅行するつもりのようです。
(4)山本さんはたばこをやめるつもりのようです。
いかがでしょうか。

【問3】
 そして、なぜか、
(5)山本さんはヨーロッパへ旅行するつもりなのだ。
(6)山本さんはたばこをやめるつもりなのだ。
のように「つもり+のだ」にすると(1)(2)よりは自然に感じられますが、どうでしょうか。

さて、これらの【疑問】【問】についてまとめてみましょう。


上記【疑問】の記述にある<第三者の意志でもかまわない>は、
特別な場合、たとえば

[4:ゆみすけ]
・推測、伝聞の場合(他のモダリティ要素をつける)
・堅い文章(論文・論説・批評)または小説の地の文
に、ほぼ限られている。

あるいは、
 複文における主節以外の節で使われる場合も異なる規則が存在する。したがって、ジャマシイの掲げる例文は、主節の述語に使われているものではないので、第三者に使用される証例としてはふさわしくないと思われる。(icha)

 以上のことから、上記【問1】にあるような文は、一般的には不自然であると言えるが、これを論文・論説のようなつもりで読めば、そんなに不自然ではないと読み取ることも可能である。

 ただ、初級の学習者に、<人称制限が全くない>ように言ってしまうとよくないので、初期の導入時には、話し手の意志に関わる例だけを提示し、第三者が動作主体で「つもりだ」を述部にもつような文は、出さないようにし、もし学習者が出したときは、「普通は、第三者の意思を表すときには使いません。使うときもありますが、それはまた後で勉強します」くらいにとどめておくほうがよい。

 ということになるでしょうか。

そして、【問2】【問3】のような場合も、[2:ゆみすけ]の指摘にあるような、一般的傾向があることを前提に授業に臨み、学習者のレベルなどを勘案して、必要とあれば、適宜説明すればいいかと思います。
 >第三者の意思については、
 > A.当人からその意思を聞く
 > B.当該者の様子から推し量る
 >の2つによって知ることができると思いますが
 >その場合やはり、
 >何らかのモダリティ表現を付加する必要が
 >あるのではないでしょうか。
 >(Aの場合「つもりらしい/つもりだそうだ」
 > Bの場合「つもりのようだ/つもりらしい」などなど?)

 >「のだ」をつけるとすんなり聞こえるのは
 >やっぱり背景情報との照合みたいな読み
 >(この辺は既定事態化、関連付け、いろんな人がいろんな
 >言葉使ってますけど)
 >が入るからいけるんじゃないですかねえ。
 >ある事態を見て不思議に思っているという前ふり:
 >→“禁煙ガム噛んでるのを見た”
 >→「あー山本さん、タバコやめるつもりなんだー」

 結局、そんじんさんの【問2】【問3】には、「その通りです」という答えになるということですね。

 そして、具体的には、次のような教え方が提案されるわけです。
[4:ゆみすけ]
 >「つもり」というのは意思を表すけれど、
 >日本語は非過去の辞書形またはマス形で、
 >その意を表すことができる。
 >だからわざわざ使う必要は、通常ない。
 >特に「意思がある」ことを強調したい時に使う。
 >このような考えから私の授業(初級前半終了程度)では
 >「〜するつもりだったが・・・」
 >のような当初の意思からは変わってしまったことを言う
 >ような練習をしました。

 ただ、ここで問題になるのは、指導法ということではなく、文法論として「なぜ、そうなるのか」ということを考えたくなる人がいるということでしょう。これは次の枠で考えてみたいと思います。
さて、では文法論に入りましょう。

[7:U-ママ]の<用語に関するご意見>について:

 「話し手/聞き手/第三者」では混乱してしまうので、「一人称/二人称/三人称」という用語を使った方がいいとのご提案ですが、これはどちらでもいいと思います。(決して混乱は起こりません)。

 ただ、たとえば<一人称主語の文>というときに<話し手主語の文>というと何だかすわりが悪いという程度のものだと思います。でも、だからといって、たとえば<話し手が第三者のことを聞き手に伝える>という意味のことを<一人称が三人称のことを二人称に伝える>というのはまことにヘンチクリンな言い方だと思います。

 要は、その時々に適切に使い分ければいいのではないでしょうか。

 それから「言語主体」というのがよくわかりません。「動作主体」「行為主体」ならわかりますが。(「言語主体」というと「発話主体」と勘違いしそうな気がします)。



[8:そんじん]について:

(1)例文の文法性(適切さ)の判断について:
 そんじんさんは、下の最初の文「彼は…つもりだ」を適切だとしておられるようですが、このトピックを立てたときと、今とでは、判断基準が変わったのですか? (確か三人称主語ではやや不自然との判断だったはずですが?)

 >彼は大学院に進学するつもりだ。←???
 >彼は大学院に進学しようと思っている。
 >彼は大学院に進学しようとしている。

だんだん、新聞の論説委員に近づいた?(笑)。たとえば、
 ・北朝鮮は二度目の核実験も強行するつもりだ。


(2)各種文末表現形式について:
 >「三人称」の意志、もしくは意図を表す表現、
 >「するつもりだ」以外にも「ようと思っている」
 >「ようとしている」などがあるかと思います。
>以下のように各表現の機能をまとめてみました。
 >「しようと思う」:
 > 発話時における話し手の意志を表す。
 >「しようと思っている」「つもりだ」:
 > 発話時以前から(誰かが、つまり主語の人称に制限なく)
 > その意志を持っていることを表す。
 >「ようとしている」:
 > (聞き手・第三者が)〜しようとする状況にあることを表す。
と書かれていますが、ここは「しよう」の部分と「と思う」「としている」の部分とを切り離して考える必要があるのではないでしょうか。

たとえば、
 a 今日は5時から会議を始めたいと思う。
 b 来月は一時帰国しようと思う。
 c あの人は中国人だと思う。
 d 民主党の党首は交代すべきだと思う。
 e 君は間違っていると思う。
 f 明日は雨が降ると思う。
のような文で<願望・意志・判断など>を表出しているのは「と思う」の直前にある部分であって、「と思う」を加えることによって<願望・意志・判断などをもっている"こと">を表明する文になると考えるべきではないでしょうか。

したがって、このことを念頭に置いた試案は以下の通りです。
■「Pするつもりだ」:通常は一人称の行為主体がPを実施する意思・計画をもっていることを表す。第三者を行為主体とする場合、話し手は、その行為主体の計画を知り得た根拠をもっていることが要求される。
■「Pしようと思う」:一人称の行為主体がPを実施する意志・意向をもっていることを表す。
■「Pしようと思っている」:行為主体がPを実施する意志・意向をもった心理状況にあることを表す。なお、「しようと思う」にある<一人称にしか使えない>という制限はない。
■「Pしようとしている」:有情物の行為について述べる場合、行為主体がPを実施する意志・意向をもった様態にあることを表す。観察者的なとらえ方であるため、通常は一人称や二人称を主語とした文の述部としては使わない。

 いかがでしょうか?(どなたか増補改訂版を!)



なお、
[10:U-ママ]のご意見は、[11:そんじん]に書かれているように、主節述部に出現する場合と従属節に出現す場合を峻別する必要もあるし、さらに、そこにテンスもしくはアスペクトの問題が加わってくるので、別途、たとえば従属節におけるテンス・アスペクトの問題として、議論した方がよいように思います。


私の言いたいことは終わりました。
読むだけでもお疲れになったと思います。(書く方はもっと疲れているのですが…)
ichaさん、丁寧なコメントありがとうございます。

「彼は大学院に進学するつもりだ」に○をつけたのは、当該の文の適切さより、「三人称主語+つもりだ」が制限はあっても、まったく成立しないというわけではない、ということから、そうしました。原則にだけ重点をおいて、不自然な例文を出すのはよくないのに、ついつい。

>■「Pしようとしている」:有情物の行為について述べる場合、・・・・・・(後略)

「Pしようとしている」が無情の主語をとる例というのは、
1。「会社は社員を半分に減らそうとしている」
のような文でしょうか。
「擬人化」という表現方法のことなどを考慮に入れると、有情と無情の区別はいつも難しいです。
小説の地の文などなら、
2。「雨が降り出そうとしていた」
のような文が現れそうですが、2は○ですか×ですか。
もし○であっても、「雨」が「降る」という意志を持った主体とは解釈されませんから、無情物主語の「しようとしている」は意志・意向とは無関係ということにならないでしょうか。

それと、私の場合ですが、ichaさんのコメントを読んでいて、かえて目がさめました(現在PM11時すぎですが、最近早寝をしておりまして)。でも、この場が文章で話し合う場ではなく、お茶かお酒を飲みながら話し合うことができる場であれば、どんなに楽しいだろう、とは思いました。やはり、言語は、顔を合わせて、話し合うためのものですね。ichaさん、お疲れ様でした。
そんじんさん

おはようございます。

>2。「雨が降り出そうとしていた」
>のような文が現れそうですが、2は○ですか×ですか。
>もし○であっても、
>「雨」が「降る」という意志を持った主体とは解釈されませんから、
>無情物主語の「しようとしている」は
>意志・意向とは無関係ということにならないでしょうか。

もちろん、○です。
ですから、私は、
>>"有情物"の行為について述べる場合、・・・・・・(後略)
と断った上で、<意志・意向>を入れたのです。

★無情物主語の具体例としては、以下のようなものがあります。

井上 ひさし『新釈 遠野物語』新潮文庫 S63.11
腕時計に目を近づけて見ると、短針と長針がまさに重なって真上を指そ●うとしている。(遠野)

「日本産ワインのこれから」田崎真也『これからどうなる21』岩波書店
日本では、当然今世紀最高と言えるワインブームで世紀末が幕を閉じよ●うとしている。(ワイ)

「パーソナルコンピュータのこれから」富田克一『これからどうなる21』岩波書店 所収
21世紀を目前にした今、私たちの社会生活は、産業革命以来の大きな変革期を迎えよ●うとしている。(PC)

『基本?現代文』「自然回帰のための機械」山崎 正和
だが、この関係に今や大きな変化が起ころ●うとしている。(回帰)

村上春樹『HBWL(ハードボイルド・ワンダーランド)』 新潮文庫CD-ROM
そのおかげで僕はナイフで腹を切られ、世界はあと三十五時間あまりで終ろ●うとしている。(HB)

『日本語2ndステップ』白帝社 1996.4.26
それが今では、職場での厳しい競争の中で、ストレスと戦う現代人が心身をリラックスさせ、リフレッシュするための場になろ●うとしている。(2nd,L18)



★ただ、探してみると「有情物」であって、しかも無意志的な例も出てきました。1番目のものは連体修飾節の中に使われている例ですが、2番目のものは純然たる述語として文末に用いられています。これは、擬人化の逆で、無情物化?と言えるのかもしれません。

夏目漱石『こころ』 新潮文庫CD-ROM
二人に共通な父、その父の死の●うとしている枕元で、兄と私は握手したのであった。(ここ)

『日本語表現文型 中級?』筑波大学日本語教育研究会
赤ん坊が今生まれよ●うとしている。(筑?,P206)


(早起き老人より)
コメントを下さった皆様のおかげで、「つもりだ」などを含め、特に「しようとしている」については、これからもいろいろ考えてみたくなってきました。貴重なコメント、どうもありがとうございました。
また、よろしくお願いします。

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