T.FLANAGANコミュのHow Deep Is Ocean?（How High is the Sky）

愛は海よりも深く（空よりも高く）

作詞・作曲　アーヴィング・ヴァーリンによる1932年の作品。
アーヴィング・ヴァーリンと言えば『ホワイト・クリスマス』の作者です。もうクリスマス気分ですね、本人じゃないけど
http://finland.co.jp/yule/music/white.html　で聴いてみて下さい。

さて、How Deep Is Ocean?ですが‥　この曲を聴くならこの3枚

SEACHANGES/TOMMY FLANGAN
EXPLORATIONS/BILL EVANS
FLIGHT TO DENMARK/DUKE JORDAN

　ジャズの楽しみ方の一つに、同じ曲を様々な演奏者で聴き比べする事。だいたい僕のCDコレクションの基本となっているのがスタンダード曲を演奏者がどう表現しているかで、CDショップなんかに行ってCDを手にしてまず見るのが裏の演奏曲目なんです。

ここに上げた3枚、それぞれに素敵なんだけど。同じ曲でもホント演奏者によって全然料理？の仕方が違うな～って‥思いません？

　まずはトミー・フラナガン・トリオ。哀愁をおびた枯れた味わいとでも言うか‥タッチの繊細さ、美しさは天下一品ですね。中々主題が出て来ない、そして格調高く主旋律を持ってくるあたりがにくい、バラードを弾かせたら右に出る人はいないぞ！

　ビル・エバンス・トリオの場合は最後まで聴いていないと、演奏しているのがこの曲だという事が分からない。ほんと最後の方でテーマ・メロデイを弾いている。スコット・ラファロもポール・モチアンもソロは一切なし。終止伴奏に専念している。

　この曲のテーマを全面に出して演奏しているのがデューク・ジョーダン・トリオ。まるで歌伴のように主旋律を弾いてゆく。この曲の主題がストレートに伝わって来ます。暗い感じの曲だけど、デューク・ジョーダンが弾くと何かチャーミングな感じがする。

いずれにしても、この曲は断然ピアノ・トリオ向けのような気がします。