ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

気になる mixi ニュース 保存版コミュの2018年09月13日レベルを下げても全滅のケースも!? 少子化なのに大学入試が難化している理由

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=5286607&media_id=173

大学の出口である就職環境は今や「売り手市場」といわれるほど好転したが、逆に大学の入り口は狭くなってきた。特に私立大学の文系は併願校が全滅というケースもあるという。アエラムック「就職力で選ぶ大学2019」の取材で、大学入試が難化している理由を探った。

「ここ2、3年の都市部の私立大学合格者数の絞り込みが予想以上にすさまじく、入試の難化が顕著です」

 と話すのは、ベネッセコーポレーション学校カンパニー教育情報センター長の渡邉慧信さんだ。

「理系学部は変わりないが、私大文系の入試が極端に難化してきた」という。例えば進研模試の偏差値60台前半の受験生がMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の文系学部を受験した際の合格率で比較すると、3年前は37%だったのが、2018年度の入試では19%。つまり、3人に1人は合格できたところが、5人に1人程度にダウンしてしまったのだ。同じく偏差値50台前半の受験生による日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)の文系学部の合格率も、46%から27%に低下。2人に1人から4人に1人程度に減った計算だ。「想定以上の難化に、大学のレベルを下げて受けたにもかかわらず、併願校まで全滅したケースもあると聞いています」(渡邉さん)

 少子化により18年度には18歳人口が一段と減少し、定員割れの私立大学が4割にものぼる。なのに、どうして入試がこれほど難しくなったのだろうか。

 その大きな原因は、文部科学省が進めてきた「入学定員管理厳格化」にある。

 本来、大学が入学定員を守るのは当然のこと。だが、私立大学では複数校を受験した合格者が別の大学に流れてしまう可能性がある。これまではそれを見越して、入学定員を上回る合格者を出してきていたが、その基準が段階的に厳しくなってきたのだ。

■大学の門を狭くした二つの縛り

 例えば収容定員(卒業するまでの年限に在学する総学生数)が8000人以上の大規模大学では、15年度は入学定員の1・2倍、18年度は1・1倍を超えると助成金 (私立大学等経常費補助金)カットというペナルティーが科される。

 規模が4000人以上で8000人未満の大学なら1・2倍まで認められたが、19年度からはすべての大学区分において、入学定員を超えた学生の数に応じて助成金が減額される制度に変わる予定だ。

 それだけではない。学部の新設にかかわる定員充足率も厳格化されてきた。簡単に言うと、既存の学部が定員超過になっていたら、新学部をつくることを認めないという措置である。

 学部新設予定の前年度から過去4年間の平均の、すべての学部を対象とした定員充足率が問われる。16年度時点では大学や学部の規模に関係なく、入学定員の1.3倍未満に収まっていれば認可されたのだが、こちらも17年度から段階的にハードルが上げられてきた。大学・学部の規模によって異なるが、収容定員が4000人以上で学部の入学定員が300人以上の場合は、19年度から1.05倍未満でなければ新学部設置の一つの基準をクリアできない。

 入学定員の超過は大学にとって経営に大きな影響を与えるため、入学者の絞り込みを強めていると言っていいだろう。それだけに、19年度の入試は楽観できないのである。

■好景気による私大文系の志願者増が難化に拍車

 こうした「厳格化」の目的は、入学定員を守ることで大学教育の質を保証することにある。

 それだけでなく、大都市圏への集中を緩和し、「地方創生」を図ろうという目的もある。実際に「地方大学振興法」が18年5月に成立。東京23区内では大学の定員増加や学部・学科の新設が10年間禁じられることになった。

 現在、大学入学者の4人に1人が東京都に集中しており、これを抑制することで地方の活性化を図る狙いだが、その効果は未知数だ。こうした縛りが強められることで、東京23区内の大学の門は急に狭くなってきた。

 それに加え、私大文系受験者の増加が難化に拍車をかけた。大学受験の世界では、景気が悪くなると就職に強い理系人気に、景気がよくなると文系人気に傾くことが知られている。

「就職環境の好転から、科目負担の重い国公立大学と理系が敬遠される一方、私大文系の人気が徐々に高まってきました。そのトレンドが合格者の絞り込みとぶつかってしまい、入試をいきなり難化させたと考えられます」(渡邉さん)

 以前より狭くなった私大文系学部の門前に、受験者が殺到している、といったイメージだ。

 ちなみに国公立大学は17年度、18年度と志願者数・合格者数はいずれも横ばいで、前・中・後期合計の合格倍率もまったく同じ3.9倍。ところが私立大学は、一般、センター、一期、二期のすべてが前年を上回る倍率だ。

 関東だけでなく、関西圏でも私大の志願者は軒並み増加。一方で、大学による合格者数の絞り込みも顕著だ。なかでも産近甲龍(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)は志願者増加の指数でトップだが、18年度の合格者数はかなり減少している。

 受験生のボリュームゾーンとされる偏差値50台の層が狙う大都市圏の中堅大学ほど、18 年度は入試難易度の変化が大きかったようだ。

■19年度入試も厳しさは変わらず

 近年はネットを利用した出願を導入する大学や、併願すると受験料が割引される大学が登場し、1人あたりの出願校数が増えてきたともいわれる。渡邉さんも「実志願者数の増加以上に、併願数の増加により見かけの志願者数の増加が目立っているという見方もあります」と話す。

「実質的に少しずつ見えているのは、国公立大から受験科目の少ない私立大への流れです。就職の不安がやわらいだことで私大文系を選ぶ受験生が増加。さらに、入学定員管理厳格化の影響から、入試の難化を心配して出願校を増やすという安全志向的な心理もあると思います」

 気になる19年度入試の傾向だが、「18年度よりも易しくなることはない」と渡邉さんは言う。

「入学定員管理厳格化を受け、これからの絞り込みの程度は大学によって異なり、大きな傾向を予測するのは困難です。けれども、この状況を受けて、『合格できる大学を探そう』と安全志向に走るのは残念です。同程度の難易レベルの大学であっても大学の特色は全く異なります。大学の方針などを読み込んだ志望大学研究が大切になります。しっかりした大学選びが受験勉強の励みになるはずです」

 受験を巡る環境は、受験生にとって厳しくなっている側面があるが、浮足立つことなく、後悔のない大学選びをすることが、逆境を乗り切る何よりの秘訣といえそうだ。

(文/笠木恵司)

※アエラムック「就職力で選ぶ大学2019」から抜粋

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

気になる mixi ニュース 保存版 更新情報

気になる mixi ニュース 保存版のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング