Krishnaコミュのナマステ・クリシュナ！８～１１

　　　　　「ナマステ・クリシュナ！８」

大阪の大都会の片隅にひっそりと居を構えるハレークリシュナセンターは、インドで見た一面大理石のクリシュナ寺院とは打って変わり、個人の住宅の一部屋を使って礼拝堂を設けていた。恐る恐る部屋に入ってみると、中村さんというセンターを管理・運営している夫婦が出迎えてくれた

★早速神像の前でハレー・クリシュナ・マントラを唱えるお祭りが始まったわけだが、来客者は自分も含めて３、４人。初めのうちは大した盛り上がりは無かったが、進むにつれ外国人が数人加わり、小さな部屋はすぐに一杯になった。だが、いきなりこのヨーガを実践しても大した効果は感じられず、半ば期待外れな結果に終わってしまった。唯一慰められたのは、インドの寺院に比べて格段に菜食料理が美味だったことと、お布施を強要されなかった事だった。センターを維持し、生活する費用のほとんどは、御主人が働いて賄っているそうだ。

★中村さんの話によると、もう２０年以上クリシュナ意識を修練している僧侶が、今は世帯を持って姫路近辺に住んでいると言う。クリシュナ意識について聞きたいことが山ほどあった私にとって、正に渡りに船。すぐにこの僧侶に会わせてもらえることになった。（９へ続く）

　　　　　　　　「ナマステ・クリシュナ！９」

クリシュナ・シャクティ・ダースと言う名を持つ日本人の僧侶は、現在は世帯者の為、一般人と同じ仕事をしながらクリシュナ意識を修練しているとの事。かなり多忙な人だったので、会っても小１時間程しか話す機会が無く、質問があれば、随時電話で質疑させてもらう形となった。

★そうなると困るのが、電話をする場所である。親と同居中の身では表立って電話もし辛く、かと言って携帯を持つ経済的ゆとりもなかった。

★人類史上最古の伝統を持つ宗教だと各界の権威者からのお墨付きがあるというのに、どうしてこそこそする必要があるのだろうか？開き直った私は、クリシュナ意識と出逢ってからの経緯を包み隠さず家族に打ち明けることにした

★前々から息子の取る行動に対して、戸惑いと不安を胸に秘めていた家族。全てを露呈して、やっと怪しい宗教ではないという事だけは理解してくれた。だが、家族にも菜食を実践してほしくて、夕食だけは菜食にという私の提案には、なかなか賛成はしてくれなかった

★家族を納得させるには、いかに菜食が人間にとって大切かという現代科学に乗っ取った証拠が必要だった（１０へ続く）

　　　　　「ナマステ・クリシュナ！１０」

近年、欧米の食生活は肉食から菜食へと変わりつつある。物質的に裕福な、ハリウッド・スターや歌手。そしてオリンピック選手にも菜食主義が広まっていると云うから驚きだ

★その理由は、菜食にすれば心臓病やガンを予防出来るという科学的な研究結果が出た事にある。１９６０年代には既に米国医学会が、自国に於ける死因の半数を占める心臓病の９０％以上は、菜食主義に徹すれば予防出来る報告している。もう一つのガンに関しては、肉を消化する際の体内から、発ガン物質であるステロイドが検出されている

★食肉業界が儲け優先なら、商品となる動物を不潔な狭い環境下で育てるだろう。そして、大量の精神安定剤やホルモン剤・抗生物質を投与した結果、肉と共に化学薬品も人体に入り、ガンはおろか、現代の様々な病気の一因になるというのだ

★そもそも人体の主なエネルギー源はデンプン質であり、タンパク質は過剰に摂取すると、窒素系の老廃物として、逆に腎臓に負担をかけてしまうのだ（１１へ続く）　

　　　　　「ナマステ・クリシュナ！１１」

欧米で菜食が広まっているもう一つの理由は、増え続ける凶悪な事件、テロ、そして戦争を解決する糸口が菜食を規則に含めている、宗教にあるのではないかと考える人達が増えてきている事にある　　

★その根拠は、旧約聖書では、至る所で肉食を非難しているという点。そして、新約聖書に登場するイエス・キリストが、今まで肉を食べてきたと解釈されてきたのだが、ギリシャ語で書かれた聖書の原本では、キリストに関しては、クレアス（肉の意）という言葉は一切使われておらず、聖書のどこにもキリストが肉を食べたとは記述されていなかったという点だ　　

★そして、ピタゴラスや、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ルソーやトルストイ、そしてアインシュタインまでも、菜食こそが、人類全体を幸福へと導く手段になり得ると提唱していたのだ　　
★この事実を並べてみると、菜食を通して宗教が見直されているのは、ごく自然な事のように思えてきた私は、クリシュナの教えにますます心酔するようになった
（１２へ続く）　　　　