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美の巨人たちコミュの11/3 デッサンが生む完璧 「ダンス教室」(エドガー・ドガ作)

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ひたすらに、踊り子たちに惹かれている。華やかな本舞台そのものではなく、あえて、舞

台裏の、ありのままの少女たちの姿、けいこ中のなにげない一瞬のダンサー姿に魅了され

た画家・・・エドガー・ドガ(Edgar Degas) は、フランス革命後の新興ブルジョワの銀

行家の子息として生まれた、異色の印象派。印象派といえば、一般にはモネ、ルノワー

ル、シスレーといった画家たちが描く、自然風景などをモチーフにした絵が多い中、ドガ

は、なぜか都会の中の猥雑な人間模様に惹かれ、自らが生きている時代の「空気」といっ

たものの表現にこだわった。

はじめて知ったことであるが、当時のダンサーたちは、裕福な家庭に育ったものは少な

く、最下層の人々の生活の糧として、ダンサーという職を手にしていたという。時には、

ブルジョワたちの欲望の対象ともなり、またその懐を当てにした舞台裏の俗なる振る舞い

に、「オペラ座のネズミ」とも、揶揄されたという。

ドガは、デッサンの大切さに、とことんこだわった。「同じ主題を10回でも、100回で

も描かなければならない」と言い、同じモチーフを繰り返し複数の作品にも、なにげなく

登場させつつ、その個々のデッサンの組み合わせにより、一つの場面を構成したという。

今回の作品、「ダンス教室」は、まさに、そうしたデッサンの組み合わせで描かれてい

る。つまりは、現実には、こうした光景はおそらくは存在せず、ドガの想像力の賜物とい

うのだ。

また、19世紀末にフランス・パリで起こった、空前のジャポニズムブームの中で、特に北

斎のマンガ絵に、強く影響を受けた形跡があるという。

こだわりつづけること。そして、繰り返し繰り返しのデッサン作業、脇目も振らず没頭し

ゆく集中力・・・というか、まさに「生きている時代の空気」を、読み取ろうとする執

念・・・こうしたエネルギーと情念は、今の時代だからこそ必要とされているのではない

かと感じた。

それは、絵に限らず、仕事に限らず、ふだんの生活に限らず、音楽に限らずである・・・




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