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透析らいふ ミクシイ支店コミュのTVフォーラム「透析患者と便秘」レポート

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2009.1.20 18:30〜
今年一発目の勉強会。今回は「透析患者と便秘〜その重要性と対策、薬物療法を含めて〜」講師は熊本大学薬学部育薬フロンティアセンター・臨床薬理分野 平田純生先生。

平田先生の講演は以前にも聴いたことがあって、私の上司の元同僚だとか。ちょっとだけ話もしたことがある先生。

透析患者さんの便秘は切っても切れない関係というか、多くの患者さんが悩む症状。先生も透析患者さんの約半数は便秘と述べている。その原因として、水分制限・K制限による食物繊維不足・高齢による蠕動力低下・抗菌薬多用による腸内細菌叢の乱れ・薬物性便秘などがあげられます。

リン吸着薬として透析患者さんに処方される「塩酸セベラマー(フォスブロック・レナジェル」は吸着したリンとともに糞中に排泄される薬剤。カルシウムやアルミニウムを含まない薬剤として優れていますが不溶性樹脂で水分吸収により膨潤いわゆる腹部膨満感という副作用もありますが、「便秘」を高頻度で起こしてしまうという厄介な副作用ももっている。

Rome?による機能性便秘の定義というものがあるようで、
1. 排便でいきむことがある(4回に1回以上)
2. 排便で硬結便または兎糞状の便を認める(4回に1回以上)
3. 残便感がある(4回に1回以上)
4. 肛門・直腸に閉塞感がある(4回に1回以上)
5. 摘便が必要(4回に1回以上)
6. 排便が週に3回未満
ただし下痢はなく、過敏性腸症候群を除く
上記症状が2つ以上認められるものを便秘としている。

透析患者さんにおける便秘は、男性より女性に多く、腹膜透析患者さんより血液透析患者さんに多い、非DM(糖尿病でない)よりDM患者さんの方が便秘は多い。年齢が高いほど便秘しやすいとデータが出ている。

腹膜透析ではカリウム制限が血液透析のように制限が厳しくないので、食物繊維(食物繊維が多いものにはカリウムも多い)をそれだけ多く摂取できるという点に差があるようです。DMに関しては、神経障害が腸蠕動を抑制しているため便秘によりなりやすいと考えられます。

透析患者さんの便秘は「ただの便秘」と考えるのではなく、場合によっては便秘が起因とした腸穿孔、腸閉塞など虚血性腸炎による死亡例も報告されているので侮ってはいけないのです。2005年の透析患者さんの死亡原因分類によると、205名(死亡率1%)が腸閉塞で死亡しているそうです。

虚血性腸炎の原因として平田先生は、虚血性腸炎による開腹手術症例から、カリメート(カリウム吸着剤)が、結腸で水分が吸収されるとポリマーを含んだ便塊が徐々に硬くなり通過障害を起こす。更に通過障害により水分吸収され続けるため硬結便が宿便化。水分制限や食物繊維不足により硬結便が助長しやがて腸管内圧が上昇し結腸は膨張する。これが習慣化すると結腸が薄膜化となってしまう。もともと持続性低血圧や水分管理不足の患者さん、Htの異常高値、動脈硬化・石灰化の患者さんでは透析中の結腸虚血が引き金となり、壊死・穿孔を起こすといったメカニズムがあるのではないかと述べていました。

では、その便秘に対する対策はというと、排便コントロールが重要になってくるわけですが、基本は体重増加のコントロールや適度な運動でしょう。透析患者さんでは腸内細菌が乱れているので、ビフィズス菌を活性化させるためにヨーグルト(乳酸菌を含む)特にビフィズス菌のエサになるオリゴ糖を摂取することも重要になります。腹部のマッサージも有効。しかし薬の手助けも必要になることもあるでしょう。その時は適切に下剤を使用しなくてはなりません。

患者さんでよく、ラキソベロンをこれでもかってくらい使う方がいますよね。そんな患者さんの多くは、出てもその後またしばらく便が出ない、便秘になると訴える方をよく見受けられます。
正常な排便の結腸は、排便反射が起こると下行結腸から下の便が排出されます。しかし、ラキソベロンなどの刺激性下剤を使用すると、結腸全体を刺激するので結腸全体の便が排出されるのです。ですから、次の便が移動してくるまでに時間がかかるので患者さん本人はまた便秘だと思い込んでしまい、それが薬の乱用・耐性につながるといった悪循環を生んでいるそうです。これには私もなるほどと頭に電球マークが出ました!

平田先生は、下剤に、腸内細菌のエサにもなり、便を軟らかくするD−ソルビトールやモニラックなどを薦めてり、その中でも安価であるD−ソルビトールを一日で数回に分けて服用することにより、常に便を軟らかくすることがよいと述べていました。ソルビトールは甘すぎて苦手という患者さんでは、料理に使っても分解されないので、服用の工夫も可能な薬剤だそうです。

塩酸セベラマーを服用後、数日間排便がなかった場合に、安易に下剤の増量や浣腸をすると腸管内圧の上昇を招き危険を生じてしまう可能性があるため、摘便をして腸管内圧を下げてから下剤を使うことも大切とも言っていました。

今回の講演は大変勉強になりました。便秘がどれだけ透析患者さんにとってケアしていかないといけない事項なのかもあらためて認識。今後の看護に大いに役にたちそうです。

今年も、可能な限り勉強会に参加していきたいです。そしてできるだけ多くの情報が皆さんと共有できたら幸いです。

今回は同僚と5人が参加。勉強会の後は恒例の飲み会。プチ新年会(カラオケ)に行って盛り上がってきましたw 飲みニケーションは大事ですよねw


コメント(5)

以前、キッセイ薬品の「とおりあめ」という飴を利用していた患者さんがいました。
飴1粒あたり1.6gの食物繊維が含まれているという物です。
しかし10粒で5,460円はちょっと・・・高いですねあせあせ(飛び散る汗)
現在利用している方はおられないです。
なんとかならないものか・・・冷や汗

http://www.eiyosyokuhin.com/products/product.php?pcode=2048&large=1&middle=4
今回は、私も参加しました。
便秘は永遠のテーマで受け持ち患者さんとの会話にも、よく出てきます。
今回も、新しい発見いっぱいでしたわーい(嬉しい顔)

ただ、一題目のインフルエンザについて還元学習を行う予定の私にとっては
そちらを済ませてから、今回の内容を同僚へ広げていきたいですねウッシッシ
「とおりあめ」は聞いたことはありましたが、そんなに高いとは驚きです。まず、経済的に続けることが難しいでしょうね。

あきさんもひまわりさんも私と同様に、今回の勉強会に発見があったようですねw

たくさんのスタッフに聞いてもらいたかった内容です。Drにもね。

あきさんも、自ら学んだことを医師に素直に言って考えを聞いたらどうでしょうか。そこで、むっとされたらちょっと嫌ですけどね。建設的な雰囲気になる医師ならどれだけよいものか。

がんばりましょう!!
私もこのフォーラム行きました。
かなり勉強になりました。

さて当院では透析患者にソルビート使用経験ありません。

他の施設に聞くと、保険請求できないのよと言われました。

保険請求本当に出来ないんですかね?

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