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アーバントライバルスタディーズコミュの『思想家の自伝を読む』発売

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『思想家の自伝を読む』平凡社新書から。
 300頁こえて860円は、新書としてはおトクのはずです。
 完全書き下ろし。岩波の単行本より、こちらが先になってしまったけど、ある意味、その方がよかったかも。

 ほら、300〜400人くらいのこじんまりしたパーティのあの雰囲気で。
 買ってくださ〜い。

 イーグルトン、スタイナー、レリス、サルトル、アルチュセール、きだみのる、大杉栄、谷川雁、サイードなど思想家の自伝を詳細に読解し、分析、批評した仕事です。
 
 
 午後の陽光に照らされた新緑の鮮やかさが目に心地よくささる。国道から急傾斜のつづれ折れを何百メートルかゆっくり降りてきた谷底だ。急流の音がバビロンな日常に疲れた耳に優しい。光の加減か、水は暗緑色なのに透明で川底まで見渡せる。急流沿いにテントを組み立て、買ってきたビールを流されないように袋ごとそこらの流木にひっかけて川に浸し、いつものように身体を横たえる。川の音と、サウンドシステムが刻むビートのキックの音が両方とも聞こえやすいように、テントの窓や入り口を調整して位置を動かす。
 手すりもない木橋を渡り、岩に護られた囲い地のような小さな二百平米くらいの中州に渡る。もっと先に見える橋を渡れば、いくつか滝があったはずだ。ルソーが隠遁したサンピエール島のことを思いだす(『孤独な散歩者の夢想』)。水辺はいつも批評的な内省の味方だ。反省とは反照、反映、鏡映のことでもあって、ゆえに観照(テオリア)の基盤となる。水辺に立つ者は、自己がこの世界に島のように浮かんでいると思うようになる。

 (あとがきより)

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