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長門かわいいよ長門 消失長門派コミュの[消失長門の恋心]

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[消失長門の恋心]
 
 私は長門有希。
 高校1年生。
 趣味は読書。

 人見知りの激しい私は、小学校でも中学校でも友達と満足に会話が出来なかった。
 ううん、友達なんていなかったのかもしれない。
 ただ朝に会って「おはよう」と言うだけ。それでおしまい。

 男の子なんてもっと無理。男の人がすぐ側にいるだけでもう・・・死にそうだった。

 そんな8年間ははっきり言って退屈だった。
 私の性格が悪いんだけどね。
 
 みんなも私の存在価値なんて置物くらいにしか思ってなかったと思うな。

 そんな私も、なんとなく近い学校がいいなって思って、この北高に入った。
 友達の女の子はほとんどが光陽園学院に入ったのにね。
 
 いえ・・・だからかもしれない。私を知ってる人とあんまり
 同じ高校には行きたくなかった。

 新しい友達と・・・うまくいけばいいな。

 
 
失敗したなあ・・・。
 
 登校初日、私は既に後悔していた。
 この北高に行くには、とっても長い坂を上らないといけなかった。
 体力のないインドア派の私には本当に辛い。
 
 その上低血圧だから、今にも倒れそう・・・。

「うおっ」

 私は誰かの驚いた声に驚いて気が付いた。
 どうやら貧血で一瞬気を失ったようだった。恥ずかしいなあ。

「大丈夫か?」

 私を気遣ってくれる人、ダレだろう?ってボーっとしてると、私の頭を
 軽く叩くその人。痛いよぅ。

 そこで私は自分の状況に始めて気が付いた。
 
 私はある男子生徒の腕の中にいたの。
 多分倒れ掛かったのを支えてくれたんだろうな。

 お礼が言いたかったけど無理だった。
 ああ、もう。なんで涙がでてくるの。
 顔も真っ赤だろうな。恥ずかしいな。

ご、ご、ごめんなさい・・・

 噛み噛みの上に裏返った声。もう嫌だぁ。
 聞こえたかどうかもわからない。声小さいし。

 その男子生徒に散々頭を下げて走って逃げた。

 当然、彼はポカンとしていた。
 


 ・・・・それが彼との最初の出会いだった。

 私自身もすぐ忘れたけどね。
 

[消失長門の恋心?]
 
 高校に入っても、やっぱり人見知りは直らなかった。
 努力してる分前よりは少しマシになったけど・・・

 入学式の日の自己紹介も結局名前しか言えなかったし・・・。

 私は小学校でも中学でもそうだったように・・・
 今日も一人で帰る・・・。
 寂しくなんてないよ?いつもそうだったし慣れたもん。

 家に帰るとすぐにベッドに寝転がった。
 いつまでも殺風景な部屋にももう慣れたわ。
 
 引っ越しの時最低限の荷物しかもって来ないで、
 こっちでいろいろ買い揃えるつもりだったけど
 けっよく買わなかったから・・・。
 

 レトルトカレーを夕飯にしながら、私は今日学校で決心したことを
 実行しようとしていた。

 私部活に入ろうと思うの。

 部員と話をしたりしているうちに人見知りもマシになるんじゃ
 ないかって思って・・・。

 どこがいいかな?
 
 どんな部活があるかは渡り廊下の貼り紙を見て
 自分で一覧を作った。
 運動系はダメだろうな・・・。

 あとあんまり部員も多くない所がいい。
 慣れるまでは・・・・ね?

 私は入れない部活に×印をつけていった。
 それらしい理由を考えて。

 案の定×ばっかりになる。
 やっぱり私に部活は向いてないのかな。

 そうこうしているうちにお腹が一杯になった。
 少なめに注いだんだけどな。
 
 文科系クラブの一覧を見ていると、ある部活が気になった。

文芸・・・部?

 本が好きな子が小説を書いたりしてコンクール
 に応募したりする所・・・らしい。
 
 いいかもしれない。
 本好きだし、私みたいな子の方が多そう。
 
 小説も今現在書いてるのがあるし・・・・

うん。ここに入ろう。

 私は食べれない分のカレーを明日の朝ご飯にするために
 ラップをかけ、冷蔵庫にしまう。
 
 その日一日、私は楽しい文芸部生活を想像していた。

[消失長門の恋心?]
 
失敗したなあ・・・。

 私は文芸部の部室で一人つぶやいた。
 最近独り言多いかも・・・。

 文芸部は北高の別校舎にあった。
 この校舎は使われなくなった 通称「旧館」で、
 活動をするための特別教室を持たない文科系クラブや同好会
 が集まってるのがこの 部室棟 なんだって。

 私は棚に置いてある本を適当に取って、窓際に
 イスを動かして座った。
 
 私が放課後、勇気を出して文芸部の顧問の先生に
 入部を希望していることを言ったら、
 先生は大喜びして

「是非入ってちょうだい!」

 って言ったの。

 そのときはなんでこんなに入部希望者がうれしいんだろって
 思ったんだけど、先生の説明で全て分かった。

 現在の部員・・・0名。
 今年入部者がいない場合は廃部。

 私の淡い想像は一瞬で崩れ去った。

[消失長門の恋心?]
 
 先生があまりにホっとしているのを見ると、

 私のほかにメンバーがいないのはちょっと・・・

 なんて言えなかった。
 だめだな私・・・。

 そんなこんなで、
 学校に一人で行って
 一人で休み時間を過ごし
 一人で昼食を食べ
 一人で部室に行き
 一人で帰る。

 そんな日常が続いた。
 小学校中学校と同じように。同じ気持ちで。



 5月。普通の子ならもうとっくにあだ名で呼び合う頃。
 とっくに仲のいいグループを作って一緒に遊ぶ頃。
 
 わたしはいつものように一人で下校していた。

図書館にでもいこうかな。

 学校のホームルームで配られた
 「本を読もう!」
 という男の子ならもらった瞬間丸めて捨てそうなプリントを
 なんとなくじっと見ていた私は、このあたりにある図書館への
 地図が書いてあることに気が付いた。

図書館か・・・楽しみだな。

 図書館に行くのを日課にしよう。
 楽しいことは自分から探さなくちゃ。

 私の足取りはいつになく軽かった。

 この時わたしは、今日行く図書館でのある男の子との出会いが
 私の人生をガラっと変える原因になろうとは
 思ってもみなかった。
 
[消失長門の恋心?]
 
 当たり前だけど、図書館には本がびっくりするくらい
 たくさんあった。
 
 初めての図書館で、ちょっと迷いそう。

 本は勝手に読んでいいみたい。
 
 私は必死になってある本を探した。
 前から読みたかったけど、買うのが恥ずかしくて読んで
 なかった世間を賑わせたベストセラーの恋愛物小説。
 今度映画にもなるそうだ。

 見にいけたらいいけど、映画館って行ったことないの。
 もちろん友達とも・・・・そしてお父さんお母さんとも・・・。

 ちょっと欝になりつつ、人に悟られないようさりげなく
 お目当ての恋愛小説を手にとった私は、人の少ない
 隅っこのほうに座って隠れて読んだ。
 恋愛物を読むのは初めて。
 なんかドキドキ。

 すぐに夢中になった。
 先が気になって仕方がない。

 そう言えば、私はいつから本が好きになったんだろう。
 小学校も中学校も・・・そしてこれからも本を読み続けると思う。
 こんなに本しか読まなくなったのは・・・いつからかな?

 窓から涼しい風が私の髪の毛を揺らして入ってくる。

そっか・・・。

 私は思い出した。
 親からの初めてのプレゼントが、一冊の
 絵本だったことを。

 お父さんもお母さんも仕事がとっても忙しくて、私はプレゼント
 らしいプレゼントをもらったことがなかったの。
 お金はもらってたけどね。

「ほしいものがあれば買いなさい。」

 お母さんは帰ってきたら必ず私にたくさんお金をくれた。

 でも、私は使わなかった。
 ほしいものがなかったわけじゃない。
 それも小さい頃。
 自分の興味を引くものなんて世の中に溢れていた。
 
 でも、わたしは使わなかった。
 
 お母さんから初めてのプレゼントをもらった日。
 お父さんとお母さんが離婚した日
 お母さんが消えた日。

 お金なんていらないから、一緒にいて

 私はお母さんにしがみついた。
 でも・・・・すぐに振り払われた・・・。
 
 一緒にいて。
 一緒にいてよ。
 お金なんかいらないよ。
 
お母さん・・・。

 自分の頬になにかがつたうのを感じて頭を上げる。

・・・・?

 私はいつの間にか寝ていたようだ。
 窓の外はもう、一面が紅に染まっていた。

 ・・・・・
 しまった!

 私は時計に目をやる。
 もうすぐ閉館の時間だ。

帰らないと・・・

 私は涙を拭って、さあ帰ろうと立ち上がった。
 

[消失長門の恋心?]
 
 立ち上がった拍子に、
 途中までしか読んでいない恋愛小説が
 膝から落ちたことに気づいた。

そうだ・・・まだ途中だったんだ・・・。

 本を手に取る。
 
明日また来ようか・・・?

 私は本に対してはとても貪欲で、
 一度読み出し夢中になると、
 食事や睡眠、お手洗いまでも
 後回しにしてしまう事がある。

 その私にとって、ここでこの本を
 また明日まで オアズケ されるのは
 とても耐えられなかった。
 
読みたいな・・・・。

 私は読みたいという欲求に負け、借りて帰ることを決意し
 カウンターへ向かった。
 借りますっ て言えばいいんだよね?なんて
 軽く考えてた私がバカだったな。

 私が人の列の最後尾に並ぼうとした時、
 ならんでる人皆が財布やポケットから
 黄色いカードを取り出しているのに気づいた。

なに・・・あれ・・・

 ご存知、図書カードだった。
 カウンターがすごく遠いような気がする。
 作り方がわからない。
 でも既知の通り、私は
 とても人見知りが激しい。
 誰かに聞くなんてとても出来ない。

 そして・・・なによりの極めつけが・・・

 カウンターにいるアルバイトさんが・・・
 若い男の人だった。


絶 対 無 理

 私は諦めて戻ろうとした。

でも本が・・・・

 そしてまたカウンターを見る。

だめ・・・絶対声が出ない・・・

 職員が私の横を通った
 でも声をかけられない。

 そうやってぐるぐるぐるぐると行っては来て、
 行っては来てを繰り返した。

なにやってんだろ私・・・。
 
 時間は刻一刻と過ぎていく。
 あああ・・・

 返してこよう。
 
 私がそう諦め、一歩踏み出したと同時に

「なあ・・・」
 
 誰かが私を呼び止めた。

 
[消失長門の恋心?]

 私が呼ばれたほうに振り返ると、そこには同じ北高の
 制服を着た男の子がいた。
 どこかで見た気がする。(*・・・?の坂道)

 男の子は頭をぽりぽり掻いて、
 そして私にこう言った。

「借りてきてやろうか?」

 私のさっきの行動を見て、見るに見かねたみたい。
 苦笑いがちょっと爽やか。

「ほれ、貸してみろ。」

 男の子はそう言って手をだした。
 私は言われるがままに本を渡す。

「カード、作っとくか?」

 彼は私がカードを持っていないこと
 作り方がわからないこと
 職員に話しかけれないこと

 それを全部気付いてくれたらしい。
 
 私はコクリと頷く。
 また来たいから。

 彼に自分で書いてと言われた所だけ書き、
 ほかの作業は全部彼がやってくれた。
 
 ・・・・うれしかった。

 その男の子は私にこのカードの使い方や、
 本の返し方をゆっくり説明してくれた。
 
 やさしい人。

ありがと・・・。

 わたしは素直な気持ちで、珍しく噛まずに言えた。

「構わん。カードの作り方を分かりやすく表記してない
 この図書館が悪い。」

 私は・・・なんだかとても心地よい、でも
 苦しいような感覚になった。
 頬が赤らむのが分かる。

「じゃあな。」
 
 男の子は私に肩に手をポンッと乗せ、
 そして手を振りながら元の場所に帰っていった。

 友達らしき人が彼に近づいてくる。

「キョン、キョンの探してた環境問題についての本、いいのがあったよ」

 なんだか女の子みたいな男の子だった。

「お、サンキュー。国木田、ついでにお前が俺のレポート
 を書いてはくれないか?」

 カードを作ってくれた男の人はキョン
 その友達は国木田というらしい。

キョン君・・・・か・・・・

 私はぼーっと彼を見つめている自分に気付き、
 首をふって回れ右をした。

 帰りながら、彼のことを何度も思い出す。
 その度、私の頬が緩むのを感じた。


[消失長門の恋心?]
 次の日、昨日なぜかドキドキが治まらず
 あんまり眠れなかったせいで、いつもの
 あの長い坂がいつも以上にきびしかった。
 
 今日も一人で息を切らせて坂を上りきり、
 校門へ入る。

 ふと、私は下駄箱の所に昨日の彼が
 いるのに気付いた。

 私は驚いて立ち止まる。

 彼は私に気が付かずにさっさと行ってしまったけど、
 彼が靴を履き替えた場所は私と同じ
 1年生の場所・・・

あれはたしか隣のクラスの・・・
 
 彼が上履きを履いた下駄箱はまぎれもなく
 私の隣のクラスの場所だった。

 私は自分のクラスに行くのに、
 わざと遠回りして隣のクラスを経由する方ぼ
 階段を上った。

 さりげなく、さりげなく

 私は自分に言い聞かせ隣のクラスをちらりと見た。
 
 彼がいた。

 窓際後方2番目。
 一番後ろは私と同じマンションに住む朝倉さんだった。

 なにかと私に気をかけてくれるやさしい人。
 友達と言うほどでもないけれど。

隣のクラスなんだ・・・。

 それから私は、クラスから離れるときは自然と
 遠回りでも関係なくそのクラスの前を通るようになった。
 そしていつも決まって、彼の姿を横目で
 探してしまっていた。

 私は彼が好きだった。


[消失長門の恋心?]
 
 引っ込み思案な私が彼に思いを伝えられるはずもなく、
 月日は流れた。
 
 私としても今の関係で十分だった。
 彼は私を覚えてないだろうけど・・・。

 
 そして、あの日がきた。
 忘れもしない・・・。
 12月18日の昼休み。

 私はいつものように一人だけの文芸部へ行く。
 いつものように隣のクラスの前を通って。

 すると、いつもとなにか違う光景が見えた。

 あれ?

 今、彼が変だった。
 朝倉さんを見て驚いていたようだった。

 ううん、あの顔はたぶん驚くというより・・・

 恐怖してる顔だった・・・。

 彼が頭を抱えている。
 朝倉さんと国木田君?だっけ?を含む
 男女数人に囲まれて、なんだか具合が悪そうだ。

 彼は周りに質問をし、
 周りはみんな首を振ったりかしげたりする。
 そのたびに彼は青くなって頭を抱える。

 
 私は廊下を歩きながら、なにがあったのかと
 気になった。

 でもすぐに・・・

気のせいかな?

 私はそんな思いを笑い飛ばして部室へ向かった。
 遊んでただけかもしれない。
 彼にしては珍しくオーバーアクションだったけど。
 

 一人ぼっちの昼休みの終わりのチャイムが鳴る。
 私は本に栞を挟み、いつもの本棚にしまい
 部屋を出る。

 帰りもまた行きと同じように彼のクラスを通る。

あれ?

 今度はいない。
 彼の姿がない。

「キョン、大丈夫かなあ?」

 国木田君がそう言ったのが聞こえた。

 やっぱりなにかあったんだ。

 私は彼らの話を聞きたかった。
 立ち聞きでもなんでも。
 彼が心配だった。

 授業開始のチャイムが鳴っている。
 私はしぶしぶ、
 仕方なく自分のクラスへ帰った。

[消失長門の恋心?]

 それはその日の放課後だった。
 
 私はいつもの通り一人で一人だけの部室に行き、
 一人で本を読んでいた。
 いつもと同じ、窓際のあの場所で。

 今日も図書館にいこうかな・・・とか
 考えながら。
 もしかしたら彼に会えるかな・・・・なんて・・・・

 しばらく本に熱中していたから、
 何時くらいかは忘れたけれど、
 大きい、とても大きい音がした。

 部室のドアを開ける音だということに
 気付くまで、少し時間が必要だった。

 私はドアを見て、唖然とした。

 そこには彼・・・・
 彼がいた。
 キョン君。

 なぜ彼がここに・・・
 彼がここに来る理由なんて皆無・・・・。

 私は突然異世界にいるような
 不思議な感覚にとらわれた。
 頭の中で?マークが整列している。
 
 しばらくの沈黙の後・・・
 彼が口を開いた・・・

「いてくれたか・・・・。」

 彼の言葉で・・・・私は考えるのをやめた。
 考えても意味が分からなかったから。
 
 どうして来たのか
 どうして私を見てそんな言葉を言うのか

 どうしてそんなに悲しそうなのか・・・

 彼は彼に驚く私を見、また悲しそうな
 顔をし・・・そして言葉を続けた・・・


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