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とにかく怖い話。コミュの【実話】タモツ

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田舎出身の私は小学生時代、よく海へ遊びに行った。釣りをしたり泳いだりと周りの友達に負けず劣らず活発な子だったと思う。
小学生五年の夏休みに隣村に遊びに行った。当時、水泳クラブに所属し泳ぎが達者だった私は、当然のように競泳用ゴーグルを持参しTシャツの下に水着を穿いた。

その村に住む友達二人(A、B)と合流して、早速みんなで海に出掛ける事になった。しかし二人とも釣り道具しか持っておらず、不思議に感じた私が訊ねると「今日は泳がない」ときっぱり答えた。
まだお盆の時期でもなかったので私はますます不思議に感じたが、その場はそれ以上深く訊かなかった。

二人がよく釣り場にしているという場所に着き、早速私も貸してくれた釣り竿の糸を垂らした。

その日は開始早々に爆釣で、みんな歓喜した。入れ食いのオンパレードで、全員の釣果を合わせると1時間程で30匹を釣り上げる快挙を成し遂げていた。

しかし、ある時を境に釣果がぱったりと止まった…。
竿を上げると魚が食い付いている感覚は全く無いのに、餌のオキアミが綺麗に無くなっている。友達二人を見ても同じ様子だった。

それからしばらくして友人Aが言った。

「帰ろう。」

友人Bも素直にそれに賛同して、そそくさと帰り支度を始めた。
一人納得出来ず、餌の取られる釣り竿を投げ続ける私。
大物が紛れ混んで小さな魚が逃げたのかもしれない…。私はそう考えた。
しかし諦めない私に友人Aが言った。

「無理。たぶん今日はもう釣れない。」

よくこの場で釣りをしている二人が言うのだからそうなのだろう、と私は結局妙に納得した。

ついに観念した私が釣り竿の糸を巻こうとした時、友人Bが

「あ、、、」

と何かに気付いたように言った。
続いて私もそれに気付いた。

釣り具の浮きが水面から沈んでいた。

当たりだ!
と、瞬間的に私は竿を持ち上げた。

グッ…



手応えが、


あり過ぎた。


恐らくはどこかの岩に引っ掛かったのだろう。釣り糸が伸びるだけでびくともしなかった。

「どんまい!」
と友人Bが私の肩にポンッと手を置いた。
そして友人Bはどこかに引っ掛かった釣り糸を切ろうと、道具箱を開けた。

しめた。と私は思い、釣り竿をその場に置き、服を脱いだ。
ずっと泳ぐ機会を伺っていたのだ。釣り糸の先の針を外すという体なら構わないだろう、と。

ポケットに入れていた競泳ゴーグルを出した私を見て、呆気に取られていた友人Aが叫んだ。

「馬鹿っ!何してんだ!!」

友人Aは青ざめた顔をしてながらいる。
普段声を上げることのない利口なAなので私は酷く狼狽した。まさか、泳ごうとするだけでこんなに怒鳴られるとは…。

「B!もう早く糸切れ。」

そう言われたBは、「へいへい」と従って鋏で釣り糸を切ろうと私の置いた竿を持った。



その時だった。


釣り竿が急にしなり、糸が右往左往と水面を もの凄い速さで移動した。

およそ魚が引いているような動きではなかった。

驚いて振られる竿を持ったまま硬直する友人B。
私も驚愕のあまり頭がパニックになった。


その間も竿と糸はぎゅんぎゅんと左右に振られている。



「タモツだッ!!!」


友人Aが焦ったように叫んだ。

「B!竿離せっ!!」

Aに言われて我に返ったようにBは咄嗟に釣り竿を手から離した。
釣り竿はあっと言う間に海中に引き込まれていき見えなくなった。


私達は逃げるようにその場を去った。というより私は脱いだ服も取るのを忘れて逃げ出した。




後ほど、友人Aが「タモツ」と呼んでいたものについて私は訊ねた。
Aは詳しくは知らない、と答えたが、




「昔、村に住んでた人」

とだけ言っていた。

コメント(6)

ぅあ…なんか怖(´;ω;`)
気持ち悪い奴、勝手に想像してしまいました(泣)
潜っておいたら、半魚人に逢えたのかも?

まあしかし、海中で相当興奮してる状態なんだろうから、水中での接近遭遇はあかんだろうけどね。
なるほど、泳いではいけない日だけども、釣りは入れ食い状態になると
それを知ってる人は釣りだけして帰ろうともくろむけれど油断すれば引きずり込まれるわけですね…怖

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