とにかく怖い話。コミュのおわんこ TOWN

「あれ？　だれか英語の勉強してる？」

思えば受話器越しに聞いてきた友人のこの言葉から、恐怖の体験は始まっていたのです。

僕は最近独り暮らしを始めました。

30を過ぎ、友達も彼女も居ない僕は、そろそろ親元を離れようと思ったのです。

仕事をしていない為、親からもらったお小遣いを積み上げた貯金が50万円ほどしかありませんでしたが、駅からそこそこ離れたアパートであれば敷金、礼金、頭金、生活必需品の電化製品一式揃えるには充分な額でした。

ただ一つの懸念材利は、今後親が月々７万円しか仕送りしてくれないという事でしたが、必死の思いでおじいちゃんが探して契約してくれたアパートの家賃が７千円だったので、なんとか自炊すれば大丈夫かなと思いました。

それにおじいちゃんは農家を営んでいたので、毎月大量の野菜を送ってきてくれます。

結局めんどくさいので自炊はやりませんでしたが、それらの野菜をヤフオクで売れば、毎月１５万の収入源にはなったので、そこまで生活に困る事もありませんでした。

独り暮らしは快適でした。
毎日ネットに入り浸り、親も居ないのでデリヘル呼び放題。
最高でした。
ただ、デリヘルを呼ぶにも資金源に限界がありました。

いくら親に交渉しても、七万円以上の仕送りは無理だと言います。

親の言い分によると、僕の仕送り費用を捻出するために生命保険を解約してこれ以上は無理だと主張するのですが、僕としては個人年金も解約すればもう二～三万は仕送り出来るだろうと思いました。

それを伝えると親は「その手があったか！」と言って電話を切りました。

ですがしかししばらくして母が入院してお金が要り用になってしまったみたいで、結局仕送りは７万のままでした。

僕は舌打ちしました。

そんなデリヘル生活がしばらく続いたある日の事でした。

ある日、ネットで知り合った働きもしないダメなやつとスカイプで話していた時でした。

「あれ？だれか英語の勉強してる？」

その友達がそんな事を言うのです。

「してねーよ」と僕が言うと、「いや、さっきからone　oneって…」
とか抜かすのです。
「やってねーって言ってんだろ！」
僕はそう言って、パソコンに接続しているイヤホンマイクのコードを引きちぎりました。

　イヤホンマイクは両親にまた買ってもらうのでいいとして、
友達がさっき言った一言はとても僕を不愉快にさせました。

one one…。

一人…。

独り暮らしで自由を手に入れた僕ですが、
それと同時に孤独も手に入れてしまった為、
oneという言葉は僕のハートをとても苦しめました。
仕方がないのでその日はデリヘルを呼んで心を癒しました。

その日はなぜかとても燃えました。

しばらくして友人と仲直りしてまたスカイプっている時でした。

「あれ？今度はCan　Can聞こえるけど？」

友達のその一言に、僕は親から間接賠償してもらったイヤホンマイクをまた引きちぎってしまいました。

Can Can…。

僕は何も出来ない人間。
正直この世のクズです。

薄々感づいてはいましたが、面と向かってCan言われても、出来ないもんは出来ないのです。

鬱の人間に「がんばれ」言うても逆効果なアレみたいな感じです。

その日呼んだデリヘル嬢に対し、僕は完全マグロでした。

寝そべってるだけでした。
正に完全介護状態でした。
「あたし、昼間は介護のお仕事してるから」

今夜のデリヘル嬢は当たりでした。

デリヘル嬢が修理してくれたイヤホンマイクで、再度仲直りした友人とスカイプしている時でした。

「ん？バウバウって誰か言った？」

パソコンを叩き壊しました。

いくら僕が太っているからって、まっちゃんほどは太っていません。

不愉快極まりなかったです。

その日は太ったデリヘル嬢を呼んで相撲を取りました。

帰った後玄関に塩撒いときました。

数日後、スカイプってた友達が僕の住所を調べあげ、霊能者をつれてきました。

霊能者は開口一番「何も言わなくても全てわかっています。だから全て話してみて下さい」と言ったので、僕は全てを話しました。

霊能者は「話しにならん、働け」と言って帰ってしまいました。
スカイプの彼もさすがに愛想をつかせて帰ってしまいました。

後日、とある近隣からの情報により、昔この部屋で犬の虐待が行われていた事実が発覚しました。
床を掘り返してみると、大量の犬の骨と犬がくわえてそうな骨がみつかりました。

皆さんも、安いアパートを選ぶ時にはお気をつけ下さい。

僕はやっぱり親元でヌクヌクと暮らします。