とにかく怖い話。コミュの【実話】祖父の声

初書き込みです。至らない点、読みにくい点などもあると思いますがよろしくお願いします。

４年前、私の祖父が亡くなった時の話です。
当時の我が家は両親、弟、祖父母、私の６人家族。
親戚や近所からも評判なくらい祖父は私のこと可愛がっており、私も祖父が大好きでした。

祖父母の部屋は１階の階段すぐそばの和室、私の部屋は２階の階段そばの部屋でいつも何か呼ばれる時は階段から「おーい、◯◯ちゃーん」と呼ばれていました。

就職して２年目の冬、体調が悪いと病院に行った祖父。検査の結果大腸癌でもう末期、転移も見られ余命は3カ月程とのこと。
色々と事情があり私の勤務する病院に入院、家族の意向で病気や余命のことは伝えませんでした。
私は出勤前、退勤前は必ず病室に顔を出し、休みの日は長く一緒に過ごしました。
ある休みの日に、職員検診の為病院へ行き検診まで時間があるので先に祖父に会おうとしたところで祖父の所へ行きました。
すると慌ただしく機械が搬入、仕切られるカーテン、呆然と立ち尽くす私に看護師が「おじいさん、今危険な状態でモルヒネを打つかもしれない。そばにいてあげて、それと家族に連絡を！」と言われ祖父の手を握ると「泣くなよ、息が苦しいだけ、でももうだめなのかなぁ、泣くなよ」と苦しそうにも、笑いながら言う祖父。
結局、この言葉が最期の言葉になってしまいました。

しばらくするとモルヒネが打たれ、眠りについた祖父を見守りつつ家族に連絡を入れ、駆けつけた家族と病室で過ごしました。
その後は意識が朦朧とした状態でしたが、容態は安定したのでその日はみんな帰ることになりました。

その日は親族を駅まで送ったり、これからのことを話しつつ夜はみんな緊張の糸が切れたように眠りにつきました。
しかし、私は眠れず仕事の書類を整理したりぼんやりしてると階段下から祖父の声が…

「◯◯ちゃん、時間、時間だよ」
「◯◯ちゃん、おーい」

疲れているから幻聴？と思いつつ、耳を澄ますとやっぱりいつもの様な声が聴こえる。
ドアを開けて階段下を覗こうとした瞬間父の携帯がなり、祖父の容態が急変したからすぐ来て欲しいとのこと。
急いで支度をして、私はどことなく冷静でした。
病室についた頃には祖父は息を引き取った後でした。
そしてその日は両親の結婚記念日。

あの時、私が聞いた祖父の声は最後の別れの声はだったのでしょうか…
今でもその声が忘れられません。

意識がなくなる前の言葉、そして階段下の声…祖父は私に心配かけないようにしていたのかもしれません。

祖父が亡くなって２年、誰もいないはずの祖父の部屋のドアが開いたり、祖父の歩くようなスリッパを引きずるような音がしたり…どことなく祖父の存在がありました。しかし私が結婚した頃からその音もなくなったとのことです。

実家に帰った時はいつもお仏壇に手を合わせますが、あの時と体験は今でも鮮明に思い出されます。

長くなり、私ごとですが読んでいただきありがとうございました。