初めて書きます。
もしかしたら怖くないかもしれません。
また誤字脱字、乱筆乱文などご容赦下さい。
もう30年も前、私の学生時代の話です。
当時私は、我が家の教育方針により
親元を離れ独り暮らしをしていました。
まだ昭和時代の出来事、
現場は小田急線の○田駅近くにありました。
学生部に紹介してもらった物件です。
今の時代のような立派なマンションとはほど遠い六畳一間、風呂、トイレ共同の所謂下宿暮らしでした。
大学生になり独り暮らしを始めると、空間的にも時間的にも、飛躍的に自由度が増します。
都心で深夜のアルバイトを始め、夜遊びが楽しくてしかたがなくなった私は、せっかくの下宿もあまり帰らなくなっていました。
週に一度程度も帰っていません。
よくもまあ遊びまくったものです。
下宿は多摩地区にあり
バイト先から遠かったこともあったとは思いますが。
あまり帰らなかったことが理由なのか、
はたまた出現の時期やタイミングがあるのか、
私が経験したのは、下宿を借りて半年は過ぎた秋の頃でした。
ここからはお決まりの展開です。
夜ふと目が覚めると、
または寝床に入りウトウトし始めると、
キンと耳鳴りがして、回りの音がエコーがかかったようになります。
ベッドで横になった私は金縛り、
体は全く動きません。
ただ気配ははっきり。
どう考えても近くにいるのが感じとれるのです。
いけない、
見えたらどうしよう、
と思いながらも、当時は体験初心者。
かろうじて動かせる目で確かめると、視界の隅、ギリギリに確かに彼はいました。
顔はわかりません。
ただ俯き加減で、部屋の入口にあるガラスの引戸の前に、立っているのです。
たぶん若い男性、当時流行ったスタジアムジャンパーを着ています。
何をするわけでもない。
ただ俯き加減で、横向きに立っているのです。
初めのうちはそのまま寝てしまい(気を失いかも知れません)、気がつくと明け方でした。
夢かとも思いました。
ただ頭ははっきりすっきりと覚醒していて、
暫くすると金縛りが解けることもありました。
こういうときは、耳鳴りや金縛りなどの感覚が生々しく残っています。
彼が立っていたところには実際には何もないのですが、
残り香や残像すら感じられそうなほどなのです。
物凄いリアリティーで
たまりません。
度重なる彼の出現はどうしても我慢ならず、
両親に転居の相談にも行きました。
ただまるっきりそういう世界を認めない両親には
耳を貸してはもらえませんでした。
バイト代は遊びに消えていましたから、転居費用が貯まるまでは我慢するしかありません。
私は以前にも増して友人宅を泊まり歩くようになりました。
それから暫く後、
ようやく費用が貯まり、転居先も決め、友人に手伝ってもらいながらの引っ越し当日のことです。
荷物もレンタカーに積み込み、私は友人と部屋の片付けをしていました。
部屋の壁には以前から一面、布が貼ってありました。
古い部屋なので汚れた壁隠しだろうと、住んでいる時は気にもとめませんでした。
でも家具もなくなって広々とした部屋では布が気になります。
何故かと言うと、
私は喫煙者です。
当初綺麗だった布が、
タバコのヤニで黄ばんでいます。
また家具があった所はヤニのせいでくっきり家具の形に跡がついてしまっています。
後の方のために思い切って、剥がすことにしました。
すると
壁紙(布)の下に見つけてしまったのです。
鉛筆でびっしりと書かれた落書きを。
怖くて読めなかったのか
防衛本能が働いて、忘れてしまったのか
細かな文面は思い出せません。
ただノイローゼという単語だけは強烈に印象に残っています。
落書きを書いた彼がどうなったのか、
夜現れた彼と同一人物なのかは、
結局不明のままです。
この話には続きがあります。
当時、私は大学の
あるサークルに所属していました。
サークルの部会でのこと
年度が変わり、サークルでは新入生を迎える時期になっていました。
部会では新入部員を迎えると、自己紹介をさせます。
その際に新入部員は黒板に、名前や誕生日、血液型や連絡先を書いていきます。
数人めの住所に、
見覚えがありました。
そうです。
私がやっと脱出出来た
お化け下宿、
しかも部屋番号まで同じ。
でも見るかどうかは人によるかもしれません。
私は事情を知っている仲間に、
絶対に余計なことを言わぬよう
固く口止めしました。
ただ１ヶ月も経たないうちに反応がありました。
夜中、その後輩から部内のいろいろなメンバーに電話がかかってくるのです。
今、部屋の中でストロボをたいたように一瞬光ったと。
間もなく彼も引っ越しました。
その後、区画整理があり下宿があった場所には
現在は新しいビルが建っています。
最後までお付きあい頂きまして、有難うございました。
もしかしたら怖くないかもしれません。
また誤字脱字、乱筆乱文などご容赦下さい。
もう30年も前、私の学生時代の話です。
当時私は、我が家の教育方針により
親元を離れ独り暮らしをしていました。
まだ昭和時代の出来事、
現場は小田急線の○田駅近くにありました。
学生部に紹介してもらった物件です。
今の時代のような立派なマンションとはほど遠い六畳一間、風呂、トイレ共同の所謂下宿暮らしでした。
大学生になり独り暮らしを始めると、空間的にも時間的にも、飛躍的に自由度が増します。
都心で深夜のアルバイトを始め、夜遊びが楽しくてしかたがなくなった私は、せっかくの下宿もあまり帰らなくなっていました。
週に一度程度も帰っていません。
よくもまあ遊びまくったものです。
下宿は多摩地区にあり
バイト先から遠かったこともあったとは思いますが。
あまり帰らなかったことが理由なのか、
はたまた出現の時期やタイミングがあるのか、
私が経験したのは、下宿を借りて半年は過ぎた秋の頃でした。
ここからはお決まりの展開です。
夜ふと目が覚めると、
または寝床に入りウトウトし始めると、
キンと耳鳴りがして、回りの音がエコーがかかったようになります。
ベッドで横になった私は金縛り、
体は全く動きません。
ただ気配ははっきり。
どう考えても近くにいるのが感じとれるのです。
いけない、
見えたらどうしよう、
と思いながらも、当時は体験初心者。
かろうじて動かせる目で確かめると、視界の隅、ギリギリに確かに彼はいました。
顔はわかりません。
ただ俯き加減で、部屋の入口にあるガラスの引戸の前に、立っているのです。
たぶん若い男性、当時流行ったスタジアムジャンパーを着ています。
何をするわけでもない。
ただ俯き加減で、横向きに立っているのです。
初めのうちはそのまま寝てしまい(気を失いかも知れません)、気がつくと明け方でした。
夢かとも思いました。
ただ頭ははっきりすっきりと覚醒していて、
暫くすると金縛りが解けることもありました。
こういうときは、耳鳴りや金縛りなどの感覚が生々しく残っています。
彼が立っていたところには実際には何もないのですが、
残り香や残像すら感じられそうなほどなのです。
物凄いリアリティーで
たまりません。
度重なる彼の出現はどうしても我慢ならず、
両親に転居の相談にも行きました。
ただまるっきりそういう世界を認めない両親には
耳を貸してはもらえませんでした。
バイト代は遊びに消えていましたから、転居費用が貯まるまでは我慢するしかありません。
私は以前にも増して友人宅を泊まり歩くようになりました。
それから暫く後、
ようやく費用が貯まり、転居先も決め、友人に手伝ってもらいながらの引っ越し当日のことです。
荷物もレンタカーに積み込み、私は友人と部屋の片付けをしていました。
部屋の壁には以前から一面、布が貼ってありました。
古い部屋なので汚れた壁隠しだろうと、住んでいる時は気にもとめませんでした。
でも家具もなくなって広々とした部屋では布が気になります。
何故かと言うと、
私は喫煙者です。
当初綺麗だった布が、
タバコのヤニで黄ばんでいます。
また家具があった所はヤニのせいでくっきり家具の形に跡がついてしまっています。
後の方のために思い切って、剥がすことにしました。
すると
壁紙(布)の下に見つけてしまったのです。
鉛筆でびっしりと書かれた落書きを。
怖くて読めなかったのか
防衛本能が働いて、忘れてしまったのか
細かな文面は思い出せません。
ただノイローゼという単語だけは強烈に印象に残っています。
落書きを書いた彼がどうなったのか、
夜現れた彼と同一人物なのかは、
結局不明のままです。
この話には続きがあります。
当時、私は大学の
あるサークルに所属していました。
サークルの部会でのこと
年度が変わり、サークルでは新入生を迎える時期になっていました。
部会では新入部員を迎えると、自己紹介をさせます。
その際に新入部員は黒板に、名前や誕生日、血液型や連絡先を書いていきます。
数人めの住所に、
見覚えがありました。
そうです。
私がやっと脱出出来た
お化け下宿、
しかも部屋番号まで同じ。
でも見るかどうかは人によるかもしれません。
私は事情を知っている仲間に、
絶対に余計なことを言わぬよう
固く口止めしました。
ただ１ヶ月も経たないうちに反応がありました。
夜中、その後輩から部内のいろいろなメンバーに電話がかかってくるのです。
今、部屋の中でストロボをたいたように一瞬光ったと。
間もなく彼も引っ越しました。
その後、区画整理があり下宿があった場所には
現在は新しいビルが建っています。
最後までお付きあい頂きまして、有難うございました。
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