とにかく怖い話。コミュの【実話】訳あり物件その弐

女友達と話している内に、何故か怖い話になりました。

彼女は僕が働いている区域に、訳あり物件があるって云うのです。

ガソリンスタンドの前の煉瓦のビルって云われて、ピンと来ました。

僕の働いていた店の系列店が入居しているのは煉瓦ビルで、目の前は今はコンビニですが昔はその区域で唯一のガソリンスタンドだったのです。

『あ、そのビルの何階？』

『五階のエレベーター降りて左だって』

『あぁ、そうなんだ…(うわぁ…ビンゴ)』

詳しく聞くと、彼女の知人の内装屋さんが内装工事に行ったそうです。

クラブ(ママとかいる方)だったそうですが店が潰れて、別の店が入る事になったからです。

下見に行くと壁に不自然な箇所があったそうです。

何かを隠すような感じで壁紙が貼ってある…

思い切って剥がしたところ、血飛沫が飛んだような跡が。

気味が悪いので工事が終わるまでは何も考えないようにして、工事が終わった後に調べたら自殺した人がいたそうです。

だから、何か出るかもねって話でした。

その話を聞いてから暫くして僕は煉瓦ビルの方に異動になりました。

そんな話はすっかり忘れていましたが、ある日の事、お客さんのＮちゃん(訳あり物件に出てくる霊感ある子)が来た時に、小さい子がいるよって手を振り出したのです。

酔っ払ってるかラリってんのか？と思っていると、次は頭をペコリと下げるのです。

『…ど、どうしたの？』

『あの子のお父さんが来たから挨拶したのよ』

って。

あぁ！そう云えば…

確か自殺したのって、お父さんが子供を道連れにしたって云ってたな…

…マジかよ、本当に居るじゃん…

聞いた話の細部を思い出してみると、血飛沫が飛んでいた壁の前に僕らは居ました。

終わり