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とにかく怖い話。コミュのたまに見る夢の話。

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たまには毛色の違った話でも書いてみますね。

いつもの作風とは異なりますのでキライな方は
スルー推奨です。

+++++++++++++++++++++++++

いつの頃からだろう、この夢をみるようになったのは。

小学生になる頃には既に何回か見ていたはずだ。

その夢のはじまりは自分が旅行に行くところから
はじまる。
その旅行に行くメンバーは色々変わる。
時には両親であり時には友人・恋人。
たまに見ず知らずの人と旅行していることもあった。
自分が覚えていないだけかもしれないが・・・。

どこかで見たような見たことが無いようなそんな風景を
横目に宿を目指す。

場面が変わり大きな古民家の前に皆が立っている。
合掌造りの大きな民家でただそこにあるだけで
圧倒されてしまう。

ふとその家の前に立て札があることに気づく。

皆でその立て札のそばにより書かれている文字を読む。

その文字は難しすぎて(達筆すぎて)私には読めない。
最近になってかろうじて漢字のいくつかが判別できるように
なったがまだ全文は解読できていない。

かろうじて理解できた文章を書き記しておく。

「この家に・・・参人の狂人・・・」
「・・・逢うことは良し・・・」
「遇うことは悪し・・・」
「すでに・・・ならば・・・べきである」
「女の進む道に・・・あらんことを」

最後の「女」と言う漢字は「汝(なんじ)」ではないのかと
思っている。今度確認してみよう。
途中の「・・・」は何が書いてあるか良く分からない箇所だ。
日本語って難しいな。

皆が顔を見合わせる。
この家に入るべきか入らざるべきかを話し合っているようにも
見える。
ただ無声映画のように口は動くが声や音は聞こえない。


また場面が変わり自分一人が家の中にいる。

三畳一間の狭い一室。
天井を見上げると暗く高い天井がどこまでも続いている。
途中でいくつか見える梁(はり)がさっきの古民家を
思わせるものなので多分その家の中の一室なのだろう。

部屋の隅には古い雑誌が何冊か置かれている。
「ジャンプ」「サンデー」「マガジン」
「キング」「アクション」「週刊現代」
どれもこれも読み古された感じで無造作に置かれている。

適当にジャンプを手に取り中を見ると額に肉と書いた
覆面レスラーが機械のレスラーの中に入って五重のリングで
戦っていた。
骨董品並みの古い雑誌だと言うことだけは理解できた。

部屋の中を見渡してあることに気づく。

四方を土壁に囲まれており、出入り口が無いのだ。
障子や小窓といったものもなく灯りは部屋の中央に
置かれている行灯のみ。
薄暗い部屋の中、自分の影だけがゆらゆらと壁に
照らし出されている。

考えれば怖い状況なはずだが自分は部屋に寝転びながら
本を読みふけっている。

しばらくすると眠気が襲ってきてそのまま目を閉じてしまう・・・。


そして目を開けると自分の布団で目を覚ます。
夢は大抵覚えていないがその夢のときだけは記憶がハッキリと
残っている。
もう一度目を閉じればあの場所に行けるんじゃないか?
そう錯覚するほど現実感に溢れている。
勿論夢の話なのでそこにいけるわけではないのだが。


小学生の間はその夢をみるたびに
「あー、またこの夢か。さっさと寝ちゃおう」
といった風にしていたのを覚えている。


中学になった頃、親に聞いてみた。
自分は旅行で合掌造りの古民家みたいなところに
言ったことは無いか?と。
答えは「民宿はあるが合掌造りなんて立派なところは無い」
とのこと。


高校に入ってもその夢を見ることがあった。
不思議な事だとは思うが所詮夢の出来事。
何があっても何が起きても問題ない。
そんな好奇心から色々試してみた。

・大声で叫ぶ。
→声は出ない。というか出し方がわからない?

・行灯の灯りを消してみる。
→灯りが消えて暗闇になったら目が覚めた。

・眠気に耐えて起きつづけてみる。
→睡眠時間はいつもと変わらないが非常に寝不足になった。

・壁に潜ってみる。
→何か叫び声のようなものが聞こえた気がして焦って目を覚ました。


壁に潜る?どうしてそんな発想に至ったかは覚えていない。
ただなんとなく出来る気がしてやってみたとしか言えない。

いつも見ていた夢の明らかな変化が嬉しくて夢の続きを
待ち続けたがその日を境に夢を見なくなった。
見なくなったというのは正確じゃない。
覚えられなくなってしまったというのが正しいのかもしれない。
何回か断片的にその風景を見たような記憶もあるが
夢うつつのうちに消えてしまう。

何年か経ってそんな夢を見たこともあったかたなと思う頃に
また続きが見れた。
何かの記事で「明晰夢(めいせきむ)」というものを知った日の
夜のことだったと思う。

簡単に説明すると明晰夢とは、
自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことである。
自覚しているからある程度コントロールができる。
空を飛んだり壁をすり抜けたりやりたい放題らしい。

今までも夢の中で空を飛んだりありえない速度で
走ったりした夢を見たことがあったので以外に
理解が早かった。


そんな時に例の夢が見れたわけで内心喜びに満ち溢れていた。


さっそく夢の中で行動を開始してみる。
皆が立て札の存在に気づき近づこうとしているときに
自分一人古民家の玄関に向けて走り出して扉を開けてみた。

「ガラガラガラ・・・」

古い玄関扉独特の小気味いい音が響いた後、中を覗く。

狭い土間がありその先はどこまでも暗い廊下が続いている。

何か灯りになるものを探そうと後ろを振り返ると
そこには三畳の間が広がっていた。

自分の立ち位置は丁度壁の真ん中でどちらにもいけそうな
場所にあり、どうするべきか少し悩んだ。


結局その日は三畳の間に戻ることにして目を覚ました。
あの暗闇がどこまで続いているのか気にはなったが
それ以上に恐怖が先にたってしまったから・・・。

次の日もまた同じ夢を見た。
今度はいきなり三畳の間に自分がいるところから
始まったので驚いたのを記憶している。

そして自分が夢を見ていると自分に言い聞かせてから
壁に向かって歩き出す。
右手には部屋の行灯を持って・・・。

壁に手が触れ、ざらざらとした土壁独特の感触が
手のひらに伝わってくる。

気持ちを落ち着けてその壁が無いかのように歩みを
進める、ゆっくりと壁に潜り込むように。

ずるり。と何か柔らかいものを通過するように
壁を抜けて廊下に出た。
昨日見たのと同じようにどこまでも真っ直ぐに
暗闇が続いている。

少し気になったので元の部屋に戻って今度は反対側の
壁まで歩き同じように壁に潜ってみる。
するとさっき見た廊下と同じものがこちらにもあり
どこまでもどこまでも続いている。

戻って左右の壁の中も覗いてみたがどこも同じで
変化は無い、ただ暗い廊下があるだけだ。


意を決して廊下を歩き始める。

「キシ・・・キシ・・・」

歩くたびに木が軋む音が響く。

ゆらゆらと行灯の火が周りの景色を照らし出す。

天井を見上げるとかなり高い位置に梁が見えるだけで
天板は見えない。

左右は部屋と同じ土壁がずっと続いている。
両手を広げれば壁に手を突くくらいの狭い廊下を
延々と歩き続ける・・・。


どれくらい歩いたのだろう?

一瞬なのかも知れないし数時間かもしれない。

どこまで歩いても廊下の終わりは見えない。

横に行ってみるか。

そう思って横の土壁に手を置くがどれだけ力を
入れてもその中に入ることは出来ない。

仕方が無いのでまたまっすぐに歩き続ける。

少しだけ怖くなった。

この廊下はどこに続いてるのだろう?

そもそも終わりがあるのだろうか?

これは本当に夢なのだろうか・・・?

一度三畳の間に戻ろう。

そう思い後ろを振り返った瞬間、目が覚めた。

見慣れた天井に安心したが、心臓の動悸が激しく
自分の呼吸が耳苦しい。

喉の渇きを癒すため布団から起きて一階に向かう。
階段を降りるときにふと自分の手にざらざらした
粉がついてるのに気づいた。

それはまるであの古民家の土壁の粉ように見える。

ひざの上から頭の上まで一気に鳥肌が立った。

私の家に土壁なんて無い。

壁は全て安物の壁紙だ。

だからこんなモノが手につくはずなんて無い。

台所で手を洗いコップに水を注ぎ飲み干す。
カルキの臭いが鼻を通り抜け自分が現実の世界に
いることを確かめる。

そう、ここは現実。

現実のはずだ。

じゃあ、あの粉はなんだ?

一瞬、記憶の映像が頭をよぎる。

さっきまで見ていた夢の振り返る一瞬だ。

振り返る瞬間、私は何かを見た気がする。

視界の隅に何かが見えた。

暗闇の中にいた何かが・・・。

それが何なのかは未だに分からない。



私はたまにこの夢を見ることがある。

だが決して三畳の間からは出ないようにしている。

何があるのか気にならなくは無いが

今の生活を犠牲にしてまで見ようとは思わない。

それが例え夢の世界であっても。

いつかこの夢の続きを知る日が来たら

また書こうと思います。

書けることが出来たなら、ですが・・・。

+++++++++++++++++++++++++


皆様は良い夢を見てくださいね?

では、また。



コメント(5)

使いふるされた手法で猿夢に似てる気がしたが、文章力で読みきらせたあたりはなかなかうまいですなー。

85点
面白かったです。

謎が多くて一層怖さが増しました。

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