とにかく怖い話。コミュの【都市伝説】ドライバー

　入学式に胸躍る・・・。


私の名前は沙織。

今年で25歳になる。

とうとう20代も後半に突入か・・・。


19から23歳まで、池袋のキャバクラで働いていた。

でもある日、たちの悪いストーカーに目を付けられた。

幸い？店のボーイさんがすぐに気付いてくれて、上手いこと大阪に私を逃がしてくれた。

大阪に来てからは苦労したわ。


大阪の系列店で働くことになったんだけども、東京に居た頃よりもずっと【高い】店だったの。高級クラブってやつね。

席料だけで3万とかする店。


もちろん、今まで相手にしてた気楽なリーマンとは違い、役職クラスのお客さんは話の内容も、見るところも違う。


前の5倍は疲れる仕事だった。


　私は、これはいかん　と思い、暇な時に勉強するようになった。

せめて少しでも教養を身に付けて、会話の骨を折らないようにしようとね。


　そこで思わぬ副産物が得られた。

学生時代、私はほんの一ミクロンも勉強をしなかったから、勉強してみて【これはおもしろい】と思えたんだよね。


最初は分数の足し算から始めた勉強が、いつしか高校でやる内容まで進歩していたわ。


夜店で働き、暇な時間は勉強をする。

そんな生活が一年ほど続いたある日、

テレビのニュースで受験を取り上げた内容をやってたの。


　ウデ試しに、いっちょ受けてみっか！

と思って大学を受験したら、本当に受かってしまった。


ってことで、今年から晴れて私は25歳の大学一年生ってワケだ。


蓄えはそこそこあるから学費の心配は無い。

それに、週2回は店で働くから、十分食べていける収入はある。



なんだか終わった青春をおまけでもう少し楽しめる気分で、すごく胸が躍る。

私はワクワクしながら入学式の席に着いた。


校長らしいおっさんの話。

なんだか周りの男子がちらちら見てくる。


やっぱり、いくら隠しても、お水の女性はそういう雰囲気が出てしまうという。

私も五年のお水生活で、自然とそうなってしまったのか・・・。


と、しみじみ思っていたらオニューのスーツに値札が付いたままだった。


その後、教室に移動して、

私は値札を引きちぎり未遂してほつれたスーツの端をさりげなく手で隠しながら、今後の授業がどうとかの説明を受けた。



これから学生生活がまた始まる。


その日の予定が全て終了した後も私はすぐに帰らずに、ウキウキしながら校舎を見て歩いた。



「何見てるの？」


後ろから声がした。

振り向くと、青い服の男の人が居た。


「君、新入生かな？」


男の人が聞いてきたから、私は、

「はい。　そうですが？」

と答えた。

すると男の人はニッコリ笑い、一枚の紙を手渡してきた。


【ゴルフ部　部員募集！】


「今や、ゴルフは女の子がやるスポーツだよ＾＾　君も、もし興味あったら連絡ちょうだい。　そのプリントに僕の携帯の番号も書いてるからさ。」


「・・・は、はぁ。　わかりました・・・。」


男の人はそう言うと去っていった。

プリントには携帯電話の番号とメールアドレス。それとさっきの男の人の名前が書いてあった。


【青田　海人】


（あおた・・うみひと・・・。

一応、登録しとくか・・・。）


私は携帯に番号とアドレスを登録した。





私は、それからしばらく校舎を見て回った。

ある程度覚えておかないと、明日から学校に来た時に迷子になる危険性があるからだ。（このへんの計画性が25歳）



そんな感じで学校を歩いていると、もうあたりは薄暗くなっていた。


（さすがに長く見てまわりすぎたかな・・・。）



ふとあたりを見回すと、綺麗な校舎には似つかわしくない古びた扉を見つけた。


（なんだろ？　なんでここだけこんなボロボロ？）


好奇心


私は自分の意思なのかどうかわからないが、その扉に近づいていった。



ガタガタ


　　カタカタカタカタ・・・



扉の中からは、音していた。


（中に誰がいるの・・・？）


なぜだかわからないが、私はゆっくりと、ドアノブに手をかけた。



ガチャッ・・・



ドアは開かない。


カギがかかっているようだ。



少しのガッカリ感と、少しの安堵感。


外の薄暗さは、だんだんと深くなっていく。



その古びた扉をよく見てみると、


鍵穴が異様に大きかった。


古いタイプの、あの【古墳】のような形をした鍵穴だ。


（中が覗けそう・・・。）


私はそっと、その鍵穴がら中を覗いた。


なにかがチラチラと動いているのがわかる。


　カタカタ・・・　　カタカタカタ・・・


音も聞こえてくる。


何をしているのか気になる・・・。


その時だった。

フイに後ろに何か気配を感じた。


私は後振り向いた。
























・・・誰も居ない・・・。　気のせいか・・・。



なんだと思い、また私は鍵穴から中を覗こうとした。



・・その時だった。






ガン！　ガンガンガッ！！




突然鍵穴からマイナスドライバーの先が何度も何度も飛び出してきた。


マイナスドライバーは何度も何度も鍵穴から乱舞していた。









私は怖くなって震える足を無理やり動かしてその日は帰った。


家に帰って、恐怖心の癒えぬまま、お風呂に入った。


そして落ち着く格好、【パン1】で、あのマイナスドライバーの恐怖心を忘れようとテレビをつけた。


テレビではプロゴルファーの横峰チェリーがバラエティー番組でなにやら話しをしている。


（ゴルフ・・・か。　せっかくだし、　見学くらいさせてもらおうかな？）


私は携帯に登録した、【青田さん】のアドレスにメールをした。





【こんばんは☆　お昼過ぎに勧誘された者です。　ゴルフ、少しやってみようと思うのですが・・・。】




てぃろりろり〜ん　てぃろりろり〜ん・・・



五分もしないうちに返事が来た。



【こんばんは。　返事、ありがとうございます。　・・・えっと、　すいません。　何人か勧誘したもので、名前を教えていただけますか＾＾；　　明日の昼過ぎから、ゴルフ部の説明会を行います。　もしよろしかったら出席お願いします。　部室は、21号館の三階の・・古びた扉の部屋なんだけど、あんな古い扉は他にないからすぐにわかると思います（笑）　今のところ部員は僕一人なんですが、これからゴルフ部を盛り立てて行きましょう！　】



私はすぐにアドレスを変えた。

それ以来青田さんには会っていない。











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※この話は、某都市伝説にいろいろ付け加えてアレンジしたものです。






ありがとうございました。

この作品で苦情のある方は、このトピではなく、こちら↓




番外編、苦情をでぼ☆って人に言うスレ
　
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=24855874&comment_count=0&comm_id=2604634




によろしくおねがいします。　出来うる限り対応させていただきます。


それでは