暦、二十四節気を定期配信コミュの季節のお便り「土用」です。

■「土用」━━━━━━━━━━━━１０月２０日■
　
１０月２０日１５：２２「土用」です。土用は暦の上では「雑節」の一つで、太陽が黄経２７度、１１７度、２０７度、２９７度にある時と定義されています。

「土用の期間」とは「二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬の前日までの１８日間」で、１年に４回あります。今月は「戌：いぬ」の土用の月です。秋から冬に入れ替わる期間で「秋の土用」とされています。

土用に入る初めの日を「土用入り」、土用が終わる日を「土用明け」といいます。土用入りに水浴したり、期間中に「土用干し」といって衣類の虫干しをしたりします。

【必読】＊＊＊暦の作用＊＊＊
土用に入ると、抱えている諸問題の解決が難しいといわれています。土用に入る前に解決の方向性を決めたり、早期に解決する事が無難です。
そして、残念ながら土用に入ってしまったら問題の決着は先送りして正解です。また、土用の期間中は部屋の模様変えや押入れの整理整頓、不要物の廃棄なども出来る限り見送りましょう。

【トッピック】＊＊＊土用の丑の日＊＊＊
土用といえば「丑の日」、鰻の蒲焼を思い浮かべますが、この蒲焼が普及したのは江戸時代のこと。江戸時代後期に、あの平賀源内が鰻屋に頼まれて「土用の丑の日に鰻を食べると暑さ負けしない」と宣伝。大いに流行しました。万葉集にも鰻が登場しますが、この頃には単にに焼いて食べていたようです。

「鰻」（うなぎ）の語源は「胸黄」（むなぎ）から由来します。鰻の調理方法は、東京では切腹をイメージするというので腹を切るのを嫌い背剥きに。大阪では腹剥きです。また、焼き方も異なっています。

大阪では鰻のことを「う」といいます。そして鰻丼のことを「まむし」といいます。これは、ご飯とご飯の間に鰻を挟んで「マブシ」て食すからで、蛇のマムシに似ているからという理由ではありません。いつしか「マブシ」が「マムシ」に変化したのです。

＊＊＊＊土用の意味＊＊＊＊
土用の期間は陰陽五行説からの出典で、万物は「木火土金水」（もく・か・ど・ごん・すい）の「五気の消長」によって生成すると説かれています。

四季にこの五行を配当していくと、春＝木・夏＝火・秋＝金・冬＝水で「土」が余ります。そこで、各季節に入る前の１８日間に「土」を配当しました。この期間を「土用」といいます。

土用の字義は「土旺用事」といい「土の気が旺んになり事を用うる」の意。「土」は物を腐敗させて形を変え滅する作用をします。「用」は字のごとく働きということで、すなわち土気（物を腐敗させて形を変え滅する作用）の最も働く期間ということになります。

＊＊＊＊土用の習慣＊＊＊＊
土用の期間中は「土公神：どくじん」なる神様が支配し、この期間は土を犯すことを忌むとされました。葬送などがあっても、延期されていた程です。また、土を動かすこと、造作、かまどの修理、柱立、礎を置くこと、井戸掘り、壁塗りなど一切が凶とされました。

ところが、土用の期間中は一切土を動かすことが出来ませんでした。「秋には土公神が井戸にあり」とされたので、秋の土用中は井戸掘りや井戸替えが禁止される程でした。
そこで、土用にも「間日」（まび）を設け、この日は文殊菩薩のはからいで、土公神が清涼山に集められるので、間日には土を動かしても祟りがないということにしたのです。

秋の土用の間日は、未・酉・亥の日で、１０月２１・２９・３１日、１１月２日にあたります。

＊＊＊＊編集後記＊＊＊＊
平成２１年秋の土用世相；楽天イーグルスがリーグ２位でクライマックスシリーズ初参戦！新型インフルエンザ予防接すが始まる１３歳以上は１回の注射で十分だとか・・・
秋にかけて慌ただしい世相です。鰻を食べて体力をつけましょう。秋の「土用の丑の日」は１０月２３日（金）「二の丑」は１１月４日（水）です。
土用が明ける１１月７日は「立冬」でこの日から暦の上では冬です。
季節の変わり目は体調を崩しやすいので、健康管理には十分注意しましょう。お体ご自愛専一の程
筆者敬白