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国際協力NGOのコミュニティコミュのインドネシア・カリムン島での人身売買、未成年売春に関して

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NGO「Kaseh Puan」のオフィスに着くと、1歳ちょっとの男の子が、私の右手をとり笑顔でキスをしてくれました。あまりのかわいさに一人ではしゃいでいたんですが、後にこの子も人身売買された被害者であるということを知り呆然としました。

近隣住民でない限り、インドネシアにあるカリムン島の存在自体をご存じの方はあまりいらっしゃらないかと思います。6月にこの島にあるKaseh PuanというNGOを訪れる機会があり、ぜひ国際協力に従事されている皆様に知って頂きたいと思い投稿させて頂きます。

カリムン島はインドネシア共和国のリアウ島嶼州に属し、シンガポールから高速フェリーで1時間半程度の距離にあります。バタム島、ビンタン島とともに経済特区を構成している島です。

同島では90年代にリゾート開発が行われ、ホテルも数々建設されていたようですが、1998年のアジア経済危機によりリゾート開発業者が撤退しました。アジア通貨危機の影響で就職難になったジャワ島の若い女の子達がレストランやホテルなどで働けるというブローカーの甘言に乗せられて、この島にやってきたのです。それを機に、当初は地元のインドネシア人を相手にしていたSex Industryが活発化しました。安く、若い女の子(未成年)がいることを聞きつけたシンガポール人、マレーシア人が続々と来島してきたのです。

インドネシアの法律では、売春行為を許可する法律も禁止する法律もなく、グレイゾーンなトピックだそうです。もちろん、未成年の売春行為は法律で禁じられていますが、成人の売春行為の是非は非常に曖昧なようです。

島内には3つの大きな売春宿の集落があります。一番古株のパヤレブと呼ばれる集落は、交通の便も悪いため、現在は新興集落に押され、まさに閑古鳥が鳴くといった状況だそうです。よって、パヤレブでの売春行為はタバコ一箱(約200円程度)の値段の場合もあるそうです。Sex Workerとして働き初めたばかりの女性は一晩あたり約3000円から10000万円程度、Virginの場合は約4万円〜8万円の値段が支払われるそうです。売春宿の集落はゲートがあり、セキュリティーも駐在しており、独立したコミュニティーを形成しています。売春宿に住む女性は、マダムと呼ばれる宿の管理人に宿代、食事代、また最初に到着した際の交通費を支払う必要があり、最初の数ヶ月は、自分の手元に給料が入ることはないようです。また、こういった集落以外に、マッサージ店の看板を掲げて売春行為を行う店や、バーなどでフリーランスとして売春行為を行うケースもあるそうです。

Kaseh Puanは島内のSex Workers、特にパヤレブのSex Workersとネットワークを持っており、実際に売春宿を訪れる機会を設けてもらいました。各宿の前の軒下に長椅子があり、そこには若い女性と共に、3〜10歳くらいの子供達も遊んでいました。NGOスタッフより、踏み入った話はしないでくれと言われていたため、個人個人の話は聞けませんでしたが、一番若い子は17、18歳程度に見えました。

Kaseh Puanは教育(KA=PendidiKAn)、保健(SHE=KeSEHatan)、女性(PUAN=PeremPUAN)を柱とし、人身売買(Sex Worker、Adoption)、未成年売春、HIV/AIDS対策を主な課題とし下記のような活動を行っています。

第一に、「予防、防止」のため、100%コンドームの着用を促すキャンペーンや、ミス・コンドームを募集するイベントを行うなどして、啓蒙活動を行っています。カリムン島内のエイズの感染率は9.5%で、同NGOでは、昨今42名のHIV感染者とのコンタクトがあるそうですが、経済的理由、売春宿のボスとの契約・関係により売春を続けている女性が多数だそうです。社会省も徐々にワークショップを共同で行うなど、協力するようになってきているそうですが、政府や地方自治体自体が財政難のため、資金的支援は皆無だそうです。

第二に、人身売買や未成年売春の被害者を帰郷させるまでの間、シェルターの役割を果たすNGOオフィスで「保護」します。オフィス内を見学させてもらいましたが、4つのベッドとキッチンの設備が整っていました。私たちが訪問した際には、保護されている女性はいませんでしたが、前週に1人帰郷させたばかりだというお話しでした。また、島への唯一の入り口であるフェリーターミナルでは未成年の少女が何度も来島している場合、警察からKase Puanに連絡が来るようになっています。未成年売春の最初のケースは2005年で、16歳程度の6人の少女が断食月明け大祭で帰省後にカリムン島に再入島した際、不審に思った警察が跡をつけ、現場を取り押さえたそうです。また、警察がSex Workerを保護した場合も、Kaseh Puanに引き渡すようです。

第三に、「カウンセリング」も行っています。やはり、騙されてSex Workerになった女性が多いため、鬱状態やトラウマ、騙されたという怒りで気分が高揚してしまっているそうで、心のケアが必要だそうです。また、2度と騙されないように、また今後の2次被害を防止するため、帰郷後に彼女たちの故郷で実体験を話してもらうよう啓蒙活動もしていました。ただ、これはインドネシア社会での「恥」をさらすことになるので、なかなか難しいと話していました。

第四に、「帰郷」支援を行っています。女性達は、レストランやホテルでの職を紹介するという話で、故郷を離れます。やはり、Sex Workerとして働いていたことは、インドネシア社会では受け入れ難いようで、事前連絡なしに帰郷させると、家族が拒否する可能性もあるそうです。事前に、NGOスタッフが故郷の家族を訪れ、女性が帰郷する旨を予め伝え、家族が受け入れる準備ができているかどうかを確認します。また、Sex Worker本人も家族に知られることを恐れる場合が多いので、事前準備が非常に重要です。以前は、IMOよりシェルター維持費、帰郷のための交通費などに対する財政支援があったそうですが、2007年度をもって打ち切り。私たちが訪れた週の前週に帰郷した女性も遠路ながらフェリーを利用したそうです。

第五に、「社会復帰」支援を行っています。IMOから支援を受けていた時期に、帰郷した女性達が自立できるよう、起業支援を行っていました。簡素な露店や屋台を立ち上げる際に、資金支援を行っていました。しかしながら、IMOから支援が打ち切られたため、現在はそこまでの支援が行き届かないとのことです。

現在、Kaseh Puanが抱える最大の問題は資金不足です。2007年までは、前述したIMOに加え、FIM、USAID等が資金支援等を行っていましたが、現在は東インドネシア地域に支援重点地域を移したため、Kaseh Puanへの支援が打ち切られ、現在は個人の募金に頼るのみとなっています。島民の多くが、漁業やシンガポール系企業が行っている砂の輸出事業、商業で生業を立てており、島内を回れば一目瞭然ですが、生活水準は低いです。中には毎月一定額を寄付する公務員の方もいるようですが、シェルターの維持費、医療費、調査のための交通費(最近では、近隣のより小さな島で未成年売春が活発化の傾向にあるようです)等のオペレーショナルな費用は日々発生するため、非常に厳しい状態だそうです。

Sex Workerの女性達も様々な経緯を持ってSex Workerになったわけで、一概にSex IndustryまたMale Dominanceの「被害者」と言うことはできないかもしれません。かといって、Sex Industryに対する島の経済依存がかなり高いというのは非常に異様であり、そのために人身売買の被害者になる女性がいたり、HIV/AIDSが蔓延したりしている現状に対し、個人的に悲しみと怒りでやりきれない思いをしました。また、冒頭で出会ったかわいい男の子の話をしましたが、彼はフィリピンのジャピーノのような存在なのです。つまり、母親がインドネシア人で父親がシンガポール人あるいはマレーシア人なのです。売春の結果生まれた子が、新たな人身売買の対象になるとNGOから聞いて、私はショックを受けました。負の連鎖が続いているのです。

カリムン島を訪れるのはシンガポール人、マレーシア人ばかりで、日本人がSex Industryを目的として訪れたということは過去ありません。島に日本人が訪れること自体が皆無ですが、このような事態がインドネシアの小さな島で起こっており、財政難に苦しみながら努力している現地NGOがあるということを皆様に知って頂きたいと思いました。

Kaseh Puan代表のリナさんも、以前は銀行勤めをされていたそうですが、早朝に髪を濡らしたまま送金に来る若い女性を毎日見かけるうち、このままではいけないと思い、NGOを立ち上げたそうです。私も、実際に売春宿の集落を訪れ、売春宿の状態や、陽の明るい中、売春宿をめぐり女の子を物色している男性達を目にし、このまま放置されるべき問題ではないと思いました。

今回投稿させて頂いた最大の理由は、Kaseh Puanと提携し支援を行って頂ける日本のNGOを探すためです。もし、これが可能になれば日本政府からも資金支援を引き出すことも可能になるかもしれません。もし、同様のNGOでお仕事をされている、またそのようなNGOを知っているという方がいらっしゃいましたらご連絡頂ければ幸いです。また、個人的に資金支援(募金)を行ってくださる方がいらっしゃいましたら、メッセージを頂ければ、振込先をご連絡させて頂きます。

管理人様、貴重なスペースをありがとうございました。

写真1>パヤレブの集落
写真2>コンドーム着用を促す看板

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