ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

思えば遠くへ来たもんだコミュの思えば遠くへ来たもんだ 『 長野-松本 』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
仲間とともに遠くに出かけてゆっくり過ごしたい。パーティーに出かけるのでなく、いっそのことパーティーを打ちにいきたい。それが僕の初期衝動的な欲求であった・・・ ・・・。

パーティーってナニ?! と聞かれれば、それは、音楽を通して知らないものどうしが、男も女も歳の差とわず親しくなっていって、生きている喜びをわかちあう集まりだよ、ってザックリ答える。そこにはまだまだたくさんの驚きや発見がこぼれんばかりに溢れている。酒や煙草だって脱日常の肩を押してくれる。僕はそういったパーティーというやつに、およそ15年、とっぷり恋に落ちている。


松本に出張で訪れるようになり、気さくにくぐれるDJバーも見つかって、自分の意思は予想を裏切ることなくパーティー開催に向かっていった。

なんといっても遠方のなじみのない土地に知ったる仲間と繰り出す醍醐味といったら、格別なものがある。その土地の食べ物、地酒、温泉、涌き水、名もなき鳥居。どこまでも碧い空に、やがて沈みゆく夕日。浮かび上がる星ぼしと小さい街の灯。エトセトラ。


雨のなか東京を出発し、出演者ふくめた7人でバンを48時間借り切って旅にでた。甲州街道からやっとのことで中央高速に乗って、ひたすら松本まで昇っていった(帰りはひたすら下り)。


えっちらほっちら走ったすえに、甲州路の城下街、松本にたどり着く。そこから30分ほどまた山間を抜けたキャンプ場のコテージに臨時の居を構え、あっというまに日は暮れて、ぽつぽつリハーサルの時間を迎えていった。

2Fが会場、1Fが小料理屋とうってつけの環境をいいことに、リハの間の夕食と待合に小料理屋を有効利用させてもらった。すでにママの小鉢がたくさん出てくるのは承知のうえである。コテージにしろ小料理屋にしろ出張時にすでにロケハン済みだった。


刻一刻とキックオフの時を迎える緊張感が、すぐに始まってしまった高揚感になり変わり、あとは事故のないようにぐんぐん気持ちはあがっていくだけだった。雨は相変わらず降ったり止んだりした秋雨模様だ。


いつもパーティーの最中に、親しい友人なんかと気さくに話して杯を重ねていってもなお、心の奥底でやっと対峙できる感情に再会する。


・・・ ・・・ おまえは、何を追い求めているんだ?オーガナイズっていったいなんだっていうんだ?


あらゆる世界の音楽の断片にふれることが、今宵もまた果たせた。大好きな仲間達と新しく知り合った仲間達と、同じ時間を寄り添うことができた。満足(サティスファクション)という究極の快感にじわじわ包まれていった。


・・・ ・・・ でもホントのところ僕はまだまだ何もやりとげていないし、ほんのちょっと自分の未来を垣間見ているだけだったりするのだ。もっともっとキープオン ムービングしていって。そうしてやっと優しさとか愛おしさとか慈しみといった、人間同士が生きていくうえで尊重しうる自然な感情を育めるんじゃないかって。僕がパーティーが大好きで、やっきになってオーガナイズしようとする理由がようやくわかってきた気がした。よかった、旅をしてきて。自分の意思で歩を進めてきたことに誇りすらもてた。まだまだ、これからも世界は果てしなく広いのだから。


いつしか雨のやんだ涼しい空気を吸いながら、車は全員のせてコテージに戻った。午前中はすっかり寝込み、起きてカーテンを開けると、軽やかな秋の陽がさしこんできた。

キャンプ場の宿泊プランに組み込まれていたイワナ釣りに興じる。その後、炭火の串焼きにして食べる。隣接の蕎麦屋に出向き、山菜のてんぷらに新そばをつつく。

松本の奥座敷と呼ばれる、扉温泉に足をのばして、湯につかる。いい湯だった。ぬるめのいつまでも入っていられる湯だ。くつろぐだけくつろいだあと、ソフトクリームをほおばった。


山をおりていくあいだ、細く白い下弦の月が山陰からあらわれた。僕の存在と世界の真実にふれることができたような、なんだってできるんじゃないかっていうような、そんな想いがよぎっていった。


2010-10-中

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

思えば遠くへ来たもんだ 更新情報

思えば遠くへ来たもんだのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング