ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

風の俳句サロン◇中岡毅雄コミュの【評論】『高浜虚子論』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【目次】

? 高浜虚子の俳論
序章 
第一章 定型意識
第二章 実感の尊重
第三章 季題の概念
第四章 方法論としての「客観写生」
第五章 本質論としての「客観写生」
 一 「主観」と「客観」の通時的関係
 二 「古池や」の句の解釈の変遷
 三 「花鳥諷詠開眼」の一句
 四  虚子の「冬日」体験
 五 「花紅柳緑」の問題
 六  禅の認識論と客観写生論の関係
     ※
付章  高浜虚子の指導理念

? 水原秋桜子と高浜虚子
 「まはぎ句修業漫談」再読−秋桜子「ホトトギス」離脱の問題をめぐって
 『葛飾』の構成−虚子の秋桜子評価をめぐる問題
  秋桜子俳句の短歌的表現
   序論
   一 秋桜子と空穂の関係
   二 秋桜子の問題意識
   三 土井光知『文学序説』との関係
   四 俳論に見られる「調べ」への志向
   五 秋桜子俳句の表現の分析
   結論

   引用・参考文献 


【あとがき】

 十年ほど前、まだ二十代だったころ、神田の古書店で、「ホトトギス」のバックナンバーを大量に見つけた。十数冊の欠本はあるものの、高浜虚子全盛時代の流れを、ほぼ通覧できる。その魅力を抑えかね、一週間後、再び上京。数百冊の「ホトトギス」を手に入れた。高浜虚子についての評論を書いてみたいという思いは、それ以降、ずっと抱き続けていた。

 三十代前半、運良く、地元の兵庫教育大学に、研修出張の機会が与えられた。その二年間に、近代文学のゼミで発表した論考をまとめたのが本書である。
 
 ?の「高浜虚子の俳論」は、虚子の俳論俳話に、論理的なアプローチを試みたもの。
 従来、虚子の俳論は、自家撞着甚だしいものとして捉えられていた。しかしながら、論考を進めてゆく過程で、通説に対して、疑問を抱くようになってきた。虚子は、自己の存在を、「虚」に近づけることにより、十七音の俳句形式の表現の可能性の極限に、限りなく肉迫していたように思う。

 一方、?の「水原秋桜子と高浜虚子」は、『葛飾』時代の秋桜子俳句を、選者の高浜虚子の視点に立ち、分析したものである。
 虚子と秋桜子の対立のポイントは、簡潔に言えば、俳句という十七音の詩形に、求心的に関わっていたか、遠心的に関わっていたかという点にあったように思う。散文家運動を促進した結果、袋小路に入ってしまった昭和俳句史を顧みれば、高浜虚子の今日的意義も、自ずから明らかになってくるように思われる。

 なお、本書の表記は、原則として、新漢字に統一した。

 本書の刊行に当たっては、角川文化振興財団の赤塚才市氏にお世話になった。赤塚氏には、「俳句研究」編集長をされていた時代から、さまざまな形で励ましていただいた。この場を借りて、厚くお礼を申し上げたい。                                     
                                  中岡毅雄        

                     
【書誌】平成9年12月20日発行。263頁。あとがき=著者。装丁=伊藤鑛治。発行者=角川歴彦。発行所=?角川書店。定価¥3400+税。(残部僅少)

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

風の俳句サロン◇中岡毅雄 更新情報

風の俳句サロン◇中岡毅雄のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング