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【新ドラマ・映画】コミュのスペシャルドラマ 「玉欄」

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トイレ

〜ストーリー〜

月の光が射し込む部屋で、広野有子(常盤貴子)は眠れない夜を過ごしていた。

上海の大学に中国語を勉強するために留学して、この八月で二ヶ月半が経とうとしている。東京での生活に疲れ、恋人の医師・松村行生(筒井道隆)とも別れて、「新しい世界で何かを始めたい。新しく生まれ変わりたい」、そう決心しての出発だったが、留学先の寮生活は、日本人社会を凝縮したように感じられて馴染みにくいものだった。

さらに、三十歳を過ぎて語学を習得するのはやはり難しく、気弱になったところに別れた恋人・松村行生(筒井道隆)の事を思い出し、夜を迎えるのが怖くなっていた。

南京路の露天で購入した玉蘭の甘い香りが部屋を包んでいる夏のある夜、有子の目の前に、八十年前の上海で消息を絶った伯父・広野質(長嶋一茂)が現れる。生きていれば百歳ちかくだが、目の前の質は貨客船の機関長をしていたころの若々しい姿だ。質は言う。有子が漠然と望むような「新しい世界」などはどこにもない。それはつまり、世界の最果ての地にいるだけなのだ。もし本当に新しい世界に行きたいのなら、さらに知らない場所に行き、果ての最前線に行くしかない。船乗りらしい言葉だと有子は思った。

有子は日本から持ってきた荷物の中に、質が遺した『トラブル』と題された日記があることを思い出した。ページをめくると、そこには戦時下の上海の様子や航海日誌めいた記述があった。失踪の真相が書いてあるかもしれない、そう思った有子は『トラブル』を読み通してみようと決心する。

有子の暮らす留学生楼には、数少ない女性ということで気を許せる女子大生・室矢佳美(蒲生麻由)、大学助教授の萱島拓海(渡辺いっけい)、最近語学留学してきた商社マン穂積伸哉(長谷川朝晴)などが寄宿していた。

ある夜、寄宿仲間・熊谷仁史(蓮ハルク)の部屋で、穂積の歓迎会が開かれることになった。中国語で「おいしい」という意味の『好吃(ハオチー)バー』と呼ばれる名前がついたその部屋は、夜になると留学生達の酒盛り場になっていた。

日本人グループとは距離を置いたつきあいを心掛けている有子はまだその部屋に行った事はない。有子はその時間に『トラブル』を読むことに決め、歓迎会に行くのをやめた。

その夜半すぎ、有子の部屋に佳美が現れた。歓迎会の席で男たちに弄ばれたという。別れた松村への通じない思いが、男性一般への怒りに変わり、有子は『好吃バー』にいた男たちに謝罪をさせてまわった。ところがこの事件をきっかけに、佳美はあっさりと帰国してしまう。残された有子は、男たちを強く叱責したことでさらに孤立していくのだった。日本がいやになって、上海にまで逃げてきた有子だったが、自分の周りの世界は、日本と何一つ変わらない世界だったのである。

そのころ東京では、松村行生は有子が残した手紙を読んでいた。彼女が半ば強引に自分の人生から姿を消した理由が掴めないでいたのだ。手紙を読んでいくと、地方出身者の有子にとって、東京という場所は戦場だったようだ。東京で生まれ、親元から学校に通う「不戦勝」の女たちは就職してからも、いとも簡単に有子の頭を飛び越えていく。そんな有子にとって、松村との恋愛もまた戦争だった。

有子に初めて出会ったのは三年前の春だ。呼吸器科の医師である松村のところに、とある小説原稿の記述を専門的見地から見直してもらいたいと出版社から依頼があった。その担当が有子だったのだ。

彼女は一見、効率よく仕事をこなしているようで詰めが甘いところがあった。松村にはそれが人間的で可愛く思えた。何度目かの打合せの後、松村は有子を食事に誘った。不眠症で悩んでいるという有子の部屋に誘われると、松村は有子が眠りにつくまでその夜を過ごし、やがて二人は結ばれる。

有子は言葉を使う仕事に従事している。医師である松村にとっては言葉よりも優先されるのは生と死という非情な現実だった。感受性が強いがゆえに、何もかも言葉にして解決しようとする有子の態度は次第に松村を疲れさせていった。しかし決定的だったのは、別れる半年前に出会った女の存在を有子に知られたことだろう。一方有子は、『トラブル』に導かれ、質の過去に歩一歩と足を踏み入れていた。今から80年前、中国は内戦状態にあった。反共クーデターと北伐に加え、日本軍までもが介入し、世情は揺れている。質は上海に向けて航行中の貨客船内で、見覚えのある女性の姿を目に留める。広東で別れた浪子(浅野温子)だった。

二人の出会いは一年前にさかのぼる。当時の広東は国民党と軍閥の衝突がまだ本格化していなかったものの、反日・反英運動の機運が高まりつつあった。

カフェ『青い壁』の女、宮崎浪子と知り合ったのはその頃だ。広東に滞在するのはせいぜい月に四、五日で、その間だけ興がることができればいいと最初は思っていた。逢瀬を重ねるうちに、たった一人で、いつ戦場に変わるかわからない街でひっそりと暮らす浪子の存在が次第に大きくなっていった。そして質の生活は変わった。上海に帰ると、浪子のためにドレスや化粧品を買い、広東への寄港を心待ちにするようになった。

やがて国民党と共産党の対立が激しくなってくると、浪子は店を解雇されてしまう。不安定な政情をうけ、経営者が日本に帰国するというのだ。日本を捨ててきた浪子の行き先は上海しかない。広東で一人住まいをしているからこそ浪子の存在は輝いて見えたはずだったが、一年近くも睦んだ女を捨てるわけにもいかず、質は結婚を決意する。

ところが出発直前になって『青い壁』の女主人・お杉(山口美也子)から妙な話を打ち明けられる。実は浪子こそがカフェの経営者であり、今回の結婚話をきっかけに店を閉め、お杉を見捨てようとしているというのだ。この話を信じた質は、浪子に幻滅し彼女の元から去る。

そして一年後、目の前にいる浪子をみて、質はこの女を受け入れようと心を決めた。浪子は自分に嘘をついたが、自分という男を大事に愛してくれたことは間違いないのだ。上海に着いた質は下宿屋の鍵を浪子に渡した。

正月近くなり、留学生仲間が次々と日本に一時帰国する中、有子は萱島から蘇州庭園めぐりを誘われる。萱島との旅行は日帰りとはいえ、男子留学生たちにとって恰好の噂の種になるはずだ。帰りの車の中で萱島は有子の頬に唇を重ねてくる。どうせ萱島はもうじき日本に帰るのだ。日本で会う事は二度とないだろう。投げやりになった有子はその夜、萱島の部屋に行く事を約束してしまう。半ば「崩壊」が始まっていた有子は、萱島に身を委ねた。

そのころ、松村行生は上海行きの機内にいた。別れて一年が経っていたが、やはりどうしても有子のことが気になっていた。松村は留学生楼を訪ねるが有子はいなかった。それから数日、村松は有子を捜し求めるが…。


キャスト

常盤貴子

筒井道隆

長嶋一茂

浅野温子




※6月16日(土曜日)P.M21:00〜23:15までテレ朝で放送ですexclamation ×2

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