シアターＺＯＯ演劇祭「ＺＯＯ１０（ズーテン）」
公式ＢＬＯＧ⇒http://
小劇場で演劇を続ける劇団同士が出会い、観客に何度も足を運んでもらおうと2007年にスタートしたこの演劇祭は今年で4回目の開催となります。プロデューサーは昨年に引き続き、シアターZOOフランチャイズ劇団代表の弦巻啓太氏を迎えました。
共通の舞台セットや設定条件を基に参加劇団がそれぞれのカラーを生かし、物語を展開します。観劇の新たな楽しみを発見できる！そんな演劇祭です。
今年の舞台はファミリーレストラン！！
【日程】
６月２５日（金）〜７月４日（日）
【プロデューサー】
弦巻啓太（弦巻楽団）
【参加団体】
劇団怪獣無法地帯
Ｍａｓｓｉｖｅ ４ｔｓｐ．
劇団平成商品
亀吉社中
セブンスロバ
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コメント(7)
【稽古場探訪 セブンスロバ編！！】
さてどんどんとお邪魔しております。稽古場探訪！この日はＺＯＯ１０参加劇団中（実は）最も結成が古く、こつこつとマイペースな公演を重ねてきたセブンスロバにお邪魔しました。
「ＦＲＥＥ」 山田駅前支店
出演者の数がＺＯＯ１０最少のセブンスロバ。だがおそらくあちらこちらで名前を見かけたことのある役者さんばかりだろう。芸達者揃い（？！）な濃いカンパニーだ。
ゆるゆると、間の抜けた会話が続く。
あまり（稽古が見れた箇所では）激しい立ち回りは無く、山田駅前支店の店長夫婦の会話（いざこざ？）で徐々にお店の状況が見えてくる。
予想を裏切って、ハッキリ言ってキチンとした会話劇だ。
シュールな夫婦漫才のように、だんだん会話の中身がずれて行ったりもするが、本質は少ない関係性をきっちり見せていく会話劇のようだ。
演者のテンションは上がっても、物語はむやみに盛り上がらない。あくまでゆるゆるとしたテンポで展開される。
楽だなあ、観てて。
これまた他のカンパニーと全く被らない作風。
これまであまり大きな催しに関わってこなかったセブンスロバ。今回でこれまで名前だけしか知らなかった人にも是非見てほしい。
ある意味大人の余裕さえ感じさせる、安心して観てられるコメディ。
見学中は邪魔しないように笑いを堪えて必死にポーカーフェイスで眺めているのだけど、見てて思わず声を上げて笑ってしまった。
観客の肩に力を入れさせない魅力、と言っては褒めすぎだろうか？
ＺＯＯ１０の台風の目は、この劇団かも？！
さてどんどんとお邪魔しております。稽古場探訪！この日はＺＯＯ１０参加劇団中（実は）最も結成が古く、こつこつとマイペースな公演を重ねてきたセブンスロバにお邪魔しました。
「ＦＲＥＥ」 山田駅前支店
出演者の数がＺＯＯ１０最少のセブンスロバ。だがおそらくあちらこちらで名前を見かけたことのある役者さんばかりだろう。芸達者揃い（？！）な濃いカンパニーだ。
ゆるゆると、間の抜けた会話が続く。
あまり（稽古が見れた箇所では）激しい立ち回りは無く、山田駅前支店の店長夫婦の会話（いざこざ？）で徐々にお店の状況が見えてくる。
予想を裏切って、ハッキリ言ってキチンとした会話劇だ。
シュールな夫婦漫才のように、だんだん会話の中身がずれて行ったりもするが、本質は少ない関係性をきっちり見せていく会話劇のようだ。
演者のテンションは上がっても、物語はむやみに盛り上がらない。あくまでゆるゆるとしたテンポで展開される。
楽だなあ、観てて。
これまた他のカンパニーと全く被らない作風。
これまであまり大きな催しに関わってこなかったセブンスロバ。今回でこれまで名前だけしか知らなかった人にも是非見てほしい。
ある意味大人の余裕さえ感じさせる、安心して観てられるコメディ。
見学中は邪魔しないように笑いを堪えて必死にポーカーフェイスで眺めているのだけど、見てて思わず声を上げて笑ってしまった。
観客の肩に力を入れさせない魅力、と言っては褒めすぎだろうか？
ＺＯＯ１０の台風の目は、この劇団かも？！
【稽古場探訪 劇団怪獣無法地帯編！！】
Ｂ級映画の冒険心と、掟破りの勇気と、猥雑さと混沌に満ちた（つまりは馬鹿騒ぎの）舞台で評判の、そして教文演劇フェス短編演劇祭では２年連続で優勝、現ディフェンディングチャンピオンの劇団怪獣無法地帯が満を持してシアターＺＯＯに、ＺＯＯ１０に登場！
馬鹿馬鹿しいことを大真面目に、大袈裟な事を臆面も無く繰り広げる代表棚田満の作風と、詩的な世界を耽美に表現する団員伊藤樹の作風の２面性を表、裏と使い分け、どちらが劇団の本質、と言うこともなく、共存したまま（あるいは併走したまま）活動している怪獣無法地帯。今回ＺＯＯ１０に臨むは棚田満が描くファミレス・シェイクスピア・コメディ。これは表か、裏か？！
「ウィスキーボンボン … 恋の馬鹿騒ぎ」 丸山支店
丸山支店の「つる〜すと」には今日もライバルである鮫肌高校とベアトリス女学園の川柳部が居座っている。いがみ合う両校の部員同士が恋に落ち、更に口の悪い両部長をカップルにして静かにさせようとしたところから騒動が…。
そう、これはかのウィリアム・シェイクスピアの名作「から騒ぎ」をベースにした作品なのだ！
この日は参加団体の中でも（おそらく）トップを切って行われた通し稽古を覗かせて貰った。
※ ネタばれ回避のため少々ぼかしてあります。
（すみません。実はカメラマンがへぼでした。）
漫画で見た世界を堂々と演劇にする下らなさ、そうした要素は怪獣無法地帯のたまらない魅力だ。シェイクスピア世界の登場人物たちのピュアさ、素直さを漫画的に滑稽さに変換して芝居は作られていた。
所狭しと駆け回り、から騒ぎを、馬鹿騒ぎを繰り広げる。
もちろん、参加劇団中群を抜いてベテラン揃いのこの怪獣無法地帯。ハッキリ言って高校生には無理がある。だが、その馬鹿騒ぎを見てる内に高校生に…はやっぱり見えませんよ！そりゃ！
でも、全然気にならなくなってくる。
終演後の棚田さんの駄目だしも気持ちについての言及が多い。なるほど。滑稽な、馬鹿馬鹿しいことをやっててもそこはキッチリしているのだ。
ふだんＢ級を良しとし、舞台美術に「リアル」を求めない空想とキッチュな舞台づくりを心がける怪獣無法地帯が（前回公演『思フハ君ノコトバカリ』はその美しさが極まった好例だろう。）超現実的な舞台美術であるＺＯＯ１０で、どんな風に輝くのか。
これはＺＯＯ１０の中でも、随一の「ラブコメ」になるだろう！
と、言うか唯一だし。
Ｂ級映画の冒険心と、掟破りの勇気と、猥雑さと混沌に満ちた（つまりは馬鹿騒ぎの）舞台で評判の、そして教文演劇フェス短編演劇祭では２年連続で優勝、現ディフェンディングチャンピオンの劇団怪獣無法地帯が満を持してシアターＺＯＯに、ＺＯＯ１０に登場！
馬鹿馬鹿しいことを大真面目に、大袈裟な事を臆面も無く繰り広げる代表棚田満の作風と、詩的な世界を耽美に表現する団員伊藤樹の作風の２面性を表、裏と使い分け、どちらが劇団の本質、と言うこともなく、共存したまま（あるいは併走したまま）活動している怪獣無法地帯。今回ＺＯＯ１０に臨むは棚田満が描くファミレス・シェイクスピア・コメディ。これは表か、裏か？！
「ウィスキーボンボン … 恋の馬鹿騒ぎ」 丸山支店
丸山支店の「つる〜すと」には今日もライバルである鮫肌高校とベアトリス女学園の川柳部が居座っている。いがみ合う両校の部員同士が恋に落ち、更に口の悪い両部長をカップルにして静かにさせようとしたところから騒動が…。
そう、これはかのウィリアム・シェイクスピアの名作「から騒ぎ」をベースにした作品なのだ！
この日は参加団体の中でも（おそらく）トップを切って行われた通し稽古を覗かせて貰った。
※ ネタばれ回避のため少々ぼかしてあります。
（すみません。実はカメラマンがへぼでした。）
漫画で見た世界を堂々と演劇にする下らなさ、そうした要素は怪獣無法地帯のたまらない魅力だ。シェイクスピア世界の登場人物たちのピュアさ、素直さを漫画的に滑稽さに変換して芝居は作られていた。
所狭しと駆け回り、から騒ぎを、馬鹿騒ぎを繰り広げる。
もちろん、参加劇団中群を抜いてベテラン揃いのこの怪獣無法地帯。ハッキリ言って高校生には無理がある。だが、その馬鹿騒ぎを見てる内に高校生に…はやっぱり見えませんよ！そりゃ！
でも、全然気にならなくなってくる。
終演後の棚田さんの駄目だしも気持ちについての言及が多い。なるほど。滑稽な、馬鹿馬鹿しいことをやっててもそこはキッチリしているのだ。
ふだんＢ級を良しとし、舞台美術に「リアル」を求めない空想とキッチュな舞台づくりを心がける怪獣無法地帯が（前回公演『思フハ君ノコトバカリ』はその美しさが極まった好例だろう。）超現実的な舞台美術であるＺＯＯ１０で、どんな風に輝くのか。
これはＺＯＯ１０の中でも、随一の「ラブコメ」になるだろう！
と、言うか唯一だし。
【稽古場探訪 劇団平成商品編！！】
６月２日 発寒某所。
ＺＯＯ１０参加劇団の中でも最も若く、活きの良い（?!）劇団、平成商品の稽古場にお邪魔しました。ハイ・ペースで公演を重ね、役者の外部出演にも意欲的な、強い志を感じさせる平成商品。未見でも、彼らの名前を聞いたことはある札幌の演劇ファンは多いだろう。今回ＺＯＯ１０でシアターＺＯＯ演劇祭初参加！その真価や如何に？！
「俺は…騙されやすいのかも知れない」 平成通店
今回最多５ステージ上演、出演総数13名とデータだけでも元気のよさを感じさせる平成商品。その稽古風景は確かに元気の良い、だが真摯な取り組みに満ちていた。
演出の指示が飛ぶ中、役者からも次々にアイディアが出る。まるでイタリア料理店の厨房のような鉄火場だ。熱い、そして、面白い。思い切りの良さが全部プラスに向かっている。とりあえず、プロデューサーとしても安心。もちろん、思い切りが良いだけでは良い作品、特にコメディにはならない。だが、この躍動感も紛れも無い「演劇を観る楽しみ」だ。稽古自体、この日は物語が覗ける箇所は無かったが、確認できた多様なキャラクターに期待が高まった。
未完成ではあるが、こんなにアイディアが出る現場だと、完成させるのも勿体無いだろう。
特筆したいのがチームワークの良さだ。
それぞれがアイディアを出し、役者同志で批判し、切磋琢磨する光景が稽古場のあちこちで見受けられる。演出が途中で帰ることになったこの日も、役者のみの稽古は続いた。
これはＺＯＯ１０の中でも、最も「王道」なコメディになりそう！
【画像真ん中】
演出帰宅後、なにやら煮詰まる役者達。
【画像右】
何か掴んだのか、元気に稽古する役者達。
６月２日 発寒某所。
ＺＯＯ１０参加劇団の中でも最も若く、活きの良い（?!）劇団、平成商品の稽古場にお邪魔しました。ハイ・ペースで公演を重ね、役者の外部出演にも意欲的な、強い志を感じさせる平成商品。未見でも、彼らの名前を聞いたことはある札幌の演劇ファンは多いだろう。今回ＺＯＯ１０でシアターＺＯＯ演劇祭初参加！その真価や如何に？！
「俺は…騙されやすいのかも知れない」 平成通店
今回最多５ステージ上演、出演総数13名とデータだけでも元気のよさを感じさせる平成商品。その稽古風景は確かに元気の良い、だが真摯な取り組みに満ちていた。
演出の指示が飛ぶ中、役者からも次々にアイディアが出る。まるでイタリア料理店の厨房のような鉄火場だ。熱い、そして、面白い。思い切りの良さが全部プラスに向かっている。とりあえず、プロデューサーとしても安心。もちろん、思い切りが良いだけでは良い作品、特にコメディにはならない。だが、この躍動感も紛れも無い「演劇を観る楽しみ」だ。稽古自体、この日は物語が覗ける箇所は無かったが、確認できた多様なキャラクターに期待が高まった。
未完成ではあるが、こんなにアイディアが出る現場だと、完成させるのも勿体無いだろう。
特筆したいのがチームワークの良さだ。
それぞれがアイディアを出し、役者同志で批判し、切磋琢磨する光景が稽古場のあちこちで見受けられる。演出が途中で帰ることになったこの日も、役者のみの稽古は続いた。
これはＺＯＯ１０の中でも、最も「王道」なコメディになりそう！
【画像真ん中】
演出帰宅後、なにやら煮詰まる役者達。
【画像右】
何か掴んだのか、元気に稽古する役者達。
【稽古場探訪 演劇公社ライトマン編！！】
昨年のＺＯＯ９では演劇祭らしい賑やかな、艶やかな作品で参加劇団屈指の文学性を感じさせた演劇公社ライトマン！今年もタイトルどおり「嵐」を感じさせる作品を引っ提げて参加！ＺＯＯ１０の台風の目となるか、否か！
…という実行委員の煽りはどこ吹く風、着実に、堅実な稽古を重ねるライトマンの稽古場にお邪魔しました。
「嵐の真ん中で」
川中支店という街境に位置する『つる〜すと』を舞台に、お祭りを控えた街の住人達の一夜が描かれる。
この日は役者の早退・遅刻もあって、とてもシステマティックに稽古が続く。まだまだ「動いてみる」と言う段階ではあるが、既にライトマンならではのテンポ、呼吸が出来ている。深刻な問題を扱っているように見え、出てくる登場人物達は必死になるほど滑稽で、物語は軽い。
コメディだなあ。
人間がおかしい、良質なコメディだ。
「演劇で何かが変わったりしない。楽しんでもらえたら良い。」
とは作者であり代表のじゅうどうげんきの言葉。
謙虚な言葉ではある。よく聞くフレーズな気もするが、その言葉にここまで徹底して作品に取り組んでる劇団はあまり無い。「楽しんでもらうために」そして「演劇の特性を生かすために」、その物語は事件があり、展開があり、変化がある。強引な展開も、急な肩透かしも、飛び道具的な芸も、役者の個性も、演出として計算し配置されている。
「楽しませる」と言っていながら自分達だけで「楽しんでいる」作品が多い中で、ライトマンはあくまで客観的に、ストイックに作っている。すでに札幌演劇界でも独特の味わいを持っている劇団だ。
これまでも演劇祭に幾たびも参加してきたライトマン。だが「若手劇団」として参加していた昨年までとは変わって、このＺＯＯ１０では
結成５年目、中堅劇団としての存在感を見せてくれることだろう！
【画像】
二人の間にあるものは…？
ぜひシアターＺＯＯでご確認を！
昨年のＺＯＯ９では演劇祭らしい賑やかな、艶やかな作品で参加劇団屈指の文学性を感じさせた演劇公社ライトマン！今年もタイトルどおり「嵐」を感じさせる作品を引っ提げて参加！ＺＯＯ１０の台風の目となるか、否か！
…という実行委員の煽りはどこ吹く風、着実に、堅実な稽古を重ねるライトマンの稽古場にお邪魔しました。
「嵐の真ん中で」
川中支店という街境に位置する『つる〜すと』を舞台に、お祭りを控えた街の住人達の一夜が描かれる。
この日は役者の早退・遅刻もあって、とてもシステマティックに稽古が続く。まだまだ「動いてみる」と言う段階ではあるが、既にライトマンならではのテンポ、呼吸が出来ている。深刻な問題を扱っているように見え、出てくる登場人物達は必死になるほど滑稽で、物語は軽い。
コメディだなあ。
人間がおかしい、良質なコメディだ。
「演劇で何かが変わったりしない。楽しんでもらえたら良い。」
とは作者であり代表のじゅうどうげんきの言葉。
謙虚な言葉ではある。よく聞くフレーズな気もするが、その言葉にここまで徹底して作品に取り組んでる劇団はあまり無い。「楽しんでもらうために」そして「演劇の特性を生かすために」、その物語は事件があり、展開があり、変化がある。強引な展開も、急な肩透かしも、飛び道具的な芸も、役者の個性も、演出として計算し配置されている。
「楽しませる」と言っていながら自分達だけで「楽しんでいる」作品が多い中で、ライトマンはあくまで客観的に、ストイックに作っている。すでに札幌演劇界でも独特の味わいを持っている劇団だ。
これまでも演劇祭に幾たびも参加してきたライトマン。だが「若手劇団」として参加していた昨年までとは変わって、このＺＯＯ１０では
結成５年目、中堅劇団としての存在感を見せてくれることだろう！
【画像】
二人の間にあるものは…？
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