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宗教画を語る会コミュの大工のヨセフ

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先日映画『マリア(原題 THE NATIVE STORY)』のDVDを観ました。
荒れた山道をマリアを乗せたロバを一生懸命引くヨセフの姿が、印象的でした。
なぜ、ヨセフはあまたの聖人の中で低い位置に置かれているのでしょうか。
聖人にもなっていなかったでしたっけ。

我が子ではない子をはらんだ幼い許婚を信じ、守り、貧しい家畜小屋でその赤ん坊をとりあげ、涙にむせぶ。
それを観たので、今上野に来ているラ・トゥールの『大工のヨセフ』の瞳に、親の愛情を超えた深い思いと悲しみを見てしまいます。

コメント(6)

> きこさん

> なぜ、ヨセフはあまたの聖人の中で低い位置に置かれているのでしょうか。
> 聖人にもなっていなかったでしたっけ。

聖人です。別に制度・階級的に低い位置に置かれているわけではありません。
単に人気がないんです。なぜか。

1.イエスの血縁ではない。
2.自分にも利益をもたらしてくれそうな気にさせる華々しい活躍の物語が伝えられていない。
3.彼に共感できる境遇の人物は少なく、しかも大抵の場合は公言できないので表に出ない。
4.彼のようになりたい、とは誰も思わない。実際、教義上二度と同じ状況は起こらない。

からですね。


LucifeRさま

ありがとうございました。
ヨセフは人気ないんですか〜。
運命を受け入れた一般人、大工のヨセフなんですね。
華々しい活躍をせずに、逆に地味〜に聖母子を養育したことに、もっとシンパシーを感じる人がいてもいいと思うのですが・・・。
ラ・トゥールの絵には、そんなヨセフのひかえめな風情がよく現れているよう思います。

> 2 きこさん

> 華々しい活躍をせずに、逆に地味〜に聖母子を養育したことに、もっとシンパシーを感じる人がいてもいいと思うのですが・・・。

彼は重要な役割を果たした人物か?
彼は尊敬に値する人物か?

というような問いでなら、Noが返ることは考えられません。
しかし

彼は自分を助けてくれそうな人物として思い浮かぶか?

という問いだとまず確実にNoでしょう。
もう一つ、聖人って地域選出の陳情ルートみたいなものでローカル性があるんですよ。

> ラ・トゥールの絵には、そんなヨセフのひかえめな風情がよく現れているよう思います。

私も、深い黙想と洞察の元に描かれてると思います。

ものすごく単純にいうと、
「キリスト教徒は貴方が予想するよりはるかにミーハーな馬鹿ばっか」
で、この画家の境地にまで達するものは多くないんです。
その意味で、その絵の信仰訓練教材的価値は非常に大きい。
そこに描き出されたヨセフによって「気づかされる」ことが起こると思います。
そういえばそうですね。

聖人と言うのは中世に災いから守ってくれる守護聖人とか、教会が信者の信仰心を厚くするために殉教者を祭り上げたりとか、そういうものですものね。
人々が求めた聖人はヨセフのような地味な父親ではなく、アイドル的ヒーロー的存在なんでしょうね。

そんな時代に描かれたこの美しい絵は、さらに価値があると思えてきました。

教えてくださってありがとうございました。
> 4 きこさん

> そんな時代に描かれたこの美しい絵は、さらに価値があると思えてきました。

もう一つ、その絵で面積的に多くを占めているのは木工作業をするヨセフですが、
際立って明るく照らされ、描かれているのは少年イエスの顔です。
さらにイエスが手に持った燭火で照らしているのは
作業に必要な加工部材ではなく、ヨセフ本人で
イエスの視線も、ヨセフの手元も部材も見ていません。
習い手伝う大工の弟子としては全く要領と真剣さに欠ける
不手際で不真面目なありさまです。
このイエスはそれ以外のことをしているんです。

つまりこれは実はヨセフ「ではなく」イエスを描いた作品、
「ヨセフを愛し、照らす主」ともいえるのではないかと思います。

更に一歩踏み込むと、そうみえる小細工を
教会のコワイヒト対策に施さなければ
ならなかったのかも知れませんが。


もしかしたら、彼が活躍したフランスのロレーヌ地方はイタリアほど規制がきびしくなかったのではないでしょうか。

それに彼はなかなか曲者で、パン屋の息子から王の画家に成り上がったのですが、晩年はかなりひねくれてて、暴力事件なんかも起こしたりして、嫌われ者だったようです。
そんな我の強そうな画家だから、「教会が望む」ではない自分の宗教画を描けたのではないか・・・と、そんな気がしてきました。
アート

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