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刑事裁判を考えるコミュの草なぎさん事件の法的問題点?

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 すでにご存知とおもわれる人気グループSMAPの草なぎさんの公然わいせつ罪での現行犯逮捕と家宅捜索について、刑事訴訟法や刑法の観点から検討してみたいと思います。
 ただし、あくまでも公開されている情報にもとづく検討ですので、実際の妥当性は結局のところわからないという前提です。
 
?公然わいせつ罪が成立してたのか。
 
 刑法174条によれば、「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料に処する。」となってます。
 公然とは、最高裁判所の判例では、不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいいます。
 「夜間は利用がご遠慮ください」となっている公園で午前3時ころ裸でいることが、公然といえるのか疑問があるところですが、現実に不特定又は多数人が認識できたことは必要ではなく、その可能性があれば足りるという抽象的危険犯とされるので、都会のど真ん中の公園では公然といいいうるのかもしれません。
 裸でいることが、わいせつな行為であることには特に問題なく認められます。

 これで、公然わいせつ罪の犯罪構成要件を満たすものの、犯罪が成立するには、責任能力がある人の行為でなければなりません。
 刑法39条は、「心神喪失者の行為は罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」とあり、心神喪失者は責任無能力者、心神耗弱者は限定責任能力者といいます。
 責任無能力とは、物事の善悪を判断する能力と、その判断に従って行動する能力のどちらかが欠けている状態をいいます。限定責任能力は、それらがいちじるしく減退した状態です。
 通常の飲酒による酔っ払い程度では、責任無能力とはされませんが、重症の酔っ払いは限定責任能力者と判断される可能性があります。

? 警職法3条の保護をすべきではなかったのか。
 警察官職務執行法3条1項によれば、「警察官は異常な挙動その他周囲の状況から合理的に判断して次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
 1号 精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者」とされています。
 また、これと似た規定のある法律として、「酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」があります。

 裸で大声で騒いでるということは、何らかの薬物中毒を疑わせる状態ではありますが、この保護をすべきであった可能性があります。
 「警察24時」等のテレビ番組では、酔っ払いが警察官を小突いたりしてるところ、現場の警察官はにこやかに対応してますが、公務執行妨害罪(刑法95条。3年以下の懲役もしくは禁固又は50万円以下の罰金。公然わいせつ罪と比較してください。)で逮捕されても仕方がないといえます。あれと比べて今回はどうでしょうか。

?現行犯逮捕は妥当であったか。
 逮捕には、通常逮捕(逮捕状による逮捕)、緊急逮捕(重い犯罪についての急を要する場合の無令状逮捕)、現行犯逮捕があります。
 通常逮捕の場合、その実体的要件の第一は、逮捕の理由があることです。
 刑事訴訟法199条1項にいう、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある」ことです。今回での罪とは公然わいせつ罪です。
 第二は、逮捕の必要性があることです。
 刑事訴訟法199条但書にいう、「明らかに逮捕の必要がないと認めるときはこの限りでない」はこのことをいい、刑事訴訟規則143条の3は、「逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及びその態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡するおそれがなく、かつ罪証を隠滅するおそれがない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。」としています。

 今回は現行犯逮捕なのですが、必要性に関する明文の規定がないので、逮捕の要件となるかが問題ですが、大阪高等裁判所昭和60年12月18日判決は、「現行犯逮捕にも逮捕の必要性を要件と解するのが相当」として、学説の多数説もそのように考えています(判例百選14事件参照)。
 その場合、要求される逮捕の必要性が通常逮捕と同じであるかが問題になりますが、同じように考える見解と緩やかに考えるべきとする見解があります。
 
 今回では、公然わいせつ罪はそれほど重い犯罪ではなく、態様も悪質とはいえないし、日本で知らない人はいない人気グループのメンバーで、逃亡のおそれもなく、かつ、公然わいせつ罪の証拠を隠滅するおそれ(そもそも何を隠滅するのか)はなかったんじゃないでしょうか。
 ただし、上記刑訴規則では「明らかに逮捕の必要がない」とあるので、現場の警察官は、「明らかに逮捕の必要がないとはいえない」と判断したのでしょうか。
 

コメント(1)

と書きながら、行政法上の即時強制である警職法3条の保護と、司法警察活動である捜査との関係がどうなるのか今一つ解らないので、詳しい方ご教示ください。

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