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ドゥルーズ=ガタリコミュの【研究】 カール・ヤスパース

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ここでは、ドイツの精神病理学者・哲学者(キリスト教的実存哲学)カール・ヤスパースを取り上げます。

◆ドゥルーズ=ガタリとの繋がり
・ジル・ドゥルーズは『ニーチェと哲学』『ニーチェ』といった著作を発表しているが、カール・ヤスパースのニーチェ研究はそれに先立つ体系的な研究として注目される。二人のニーチェ研究の根本的な違いは、ドゥルーズは、ニーチェのテクストを読むことのみによってニーチェの全体像を明らかにしようとしているのに対し、ヤスパースはテクストだけでなく、ニーチェの生涯を辿ることからも、その思想の本質を照射できるとしている点である。
・『アンチ・エディプス』において、精神病理学者としてのヤスパースの業績についての言及が見られる。ドゥルーズ=ガタリは、ヤスパースの観念論は、著しく型破りであるとし、断絶や侵入に満ちた<過程>を考えており、その<過程>を人格とは無関係と見ているというのである。ドゥルーズ=ガタリは、このようにヤスパースを評価する一方で、唯一の不満は<過程>を経済的な物質[質料]的実在として把握していないことだという。

◆カール・ヤスパース
1883〜1969
ドイツのオルデンブルク市に、銀行頭取の息子として生まれる。
ハイデルベルク大学医学部を卒業し、精神病理学者として1913年に『精神病理学総論』を発表する。
キルケゴールとマックス・ウェーバーの影響を受ける。
1919年『世界観の心理学』を発表、M・ウェーバーの死を転機に哲学者となることを決意。1920年精神科の助教授から哲学科の助教授に転籍、1921年哲学科教授となる。
1931年『現代の精神的状況』。
1932年『哲学』(第一巻「哲学的世界定位」、第二巻「実存開明」、第三巻「形而上学」)。
1935年『理性と実存』。
1936年『ニーチェ』。
1937年 ナチスからのユダヤ系夫人と離婚しなければ大学を追放するとの圧迫に抵抗し、大学教授の職を辞す。
1938年『実存哲学』。
1945年 5月、ドイツ無条件降伏。8月、第二次世界大戦終結。
1946年『(戦争)罪責論』、『大学の理念』。
1950年『哲学入門』。
1969年 病没。
・サルトルによって「キリスト教的実存主義者」とされたが、ヤスパースは「実存主義」という言い方は実存を手段化しているとして「実存哲学」という言い方を好んだ。
・ヤスパースの実存哲学は、非合理主義者ではなく、理性を重視する特徴がある。
・キルケゴールとニーチェに影響を受けているが、自身の哲学をカント、ヘーゲルの後を継ぐものとして捉えていた。
・ナチズムに肩入れしたハイデッガーと異なり、生涯リベラリズムを徹底し、戦後理性と自由を重んじる立場から積極的に政治への提言を行っている。

コメント(7)

カール・ヤスパース著、鈴木三郎訳『実存哲学』(理想社、ヤスパース選集1、1961)

※ヤスパースは、本書において「包括者」の考えから自身の「実存哲学」を体系的に示そうとしている。
ヤスパースは、われわれは存在への問いを行うが、それは「決して対象とはならないもの」(35ページ)であるとし、世界のすべてを把握しようとしても、主観と客観の分裂が生じるだけであるとする。われわれが認識できるのは、包括者の諸様態だけなのである。
こうして、まずカントが示した「意識一般」としての諸様態が示される。ヤスパースの哲学では、限界状況に直面することによって、超越が要請され、世界観のレベル・アップが行われる。「意識一般」は、ヘーゲルが示した「精神」のレベルへと変化を遂げ、さらにはヤスパースが示した「実存」のレベルへと至るのである。
カール・ヤスパース著、森昭訳『大学の理念』(理想社、ヤスパース選集2、1955)

※戦後、ナチズムによって破壊された学問の自由と大学の理念を復活させ、研究者と生徒とのゲマインシャフトを再建すべく書かれた著作。学問の本質から説き起こし、大学の課題、大学存立の諸前提へと進む。
カール・ヤスパアス著、草薙正夫訳『理性と實存』(創元社、創元文庫、1951)

※ニーチェとキルケゴールの意義を解き明かし、包括者論を展開。理性と実存の交通意志の重要性を説く。現代における哲学することの意義を探求した著作。
カール・ヤスパアス著、草薙正夫訳『哲學十二講』(創元社、創元文庫、1952)
カール・ヤスパース著、草薙正夫訳『哲学入門』(新潮文庫、1954)

※ヤスパースによる哲学入門のラジオ番組を、著作としてまとめたもの。入門書とはいえ、哲学とは何か、限界状況、愛の闘争、コミュニケーションと理性重視、集中すること、包括者、主観=客観の分裂、哲学の歴史、枢軸時代などのヤスパース哲学の基本は、すべて取り上げられており、哲学を通して人間が人間になることが追究される(ヤスパースは実存哲学者であるので、最初から人間が人間であるとは考えず、人間になることが必要であると考える)。『哲學十二講』と『哲学入門』は、内容は同一である。
カール・ヤスパース著、草薙正夫訳『ニーチェの生活』(新潮文庫、1954)

※ヤスパースによる『ニーチェ 〜彼の哲学することの理解への手引』は、第一巻「ニーチェの生活」、第二巻「ニーチェの根本思想」、第三巻「ニーチェの実存全体における彼の思惟の方法」からなる。本書は、第一巻を収録し、ニーチェの生涯から、その思想を浮き彫りにしようとしている。
カール・ヤスパアス著、草薙正夫訳『ニーチェの根本思想』(創元社、創元文庫、1953)

※ニーチェの思想を、人間・真理・歴史観・政治・世界解釈の観点から体系的に分析する。断片的なニーチェ理解や、非合理主義的理解とは一線を画した研究となっている。

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