芸術は爆発だ！《大阪ツアー拾》

この時の大阪万博では『技術の進歩が人類の未来を拓く』とのスローガンを掲げていた。
そりゃそうだよね。万国博覧会ってのは世界中から最新のテクノロジー、あまつさえ、まだ実用化すらされてない近未来の技術や製品が一堂に会するんだから、先端技術万歳なのは当然。ところが、やはりここでも岡本太郎は爆発している。
『人類は進歩なんかしていない。根元に立ち返れ』と、全く逆の価値観をぶつけたのだ。
『人類の進歩と調和』という万博のテーマに対し『躍動する生命』が岡本太郎の答えだったのだ。そして彼は
『人間の身体、精神の内には、いつでも人類の過去、現在、未来が一体になって輪廻している』と考えていた。

岡本太郎は俺より上の世代で、鬼気迫る表情で白眼を剥き『芸術は爆発だ！』と叫んでる変なオジサン、ってイメージしかない。何かに取り憑かれてるかの様で、
『やっぱり芸術家って頭のネジがトンじゃってんだな。我々凡人には理解できない人種なんだな』と思ってた。だから彼の芸術を理解できるとは考えてなかったし、故に積極的に作品を見ようとも思わなかった。勿論、今だって理解できてるとは思ってない。ただ、そういう風に(理解できたとか、できないとか)答えを出す必要など無いのだろう。何かを感じるだけで良いのではないか。よく解らないけれど、太陽の塔を見てフッと口元が緩んだとか、ほんのちょっとでも感情が動けばそれでいいのではなかろうか。
それにしても、太陽の塔は外見のデザインも、内部の生命の樹の展示も素晴らしかった。俺も爆発しないといかんな。



塔の中段くらい、腕の部分を内側から見るとこんな感じ。こりゃ凄い！昔のSF作品みたいだ。見ていると吸い込まれそうな錯覚に陥る。当時は片方の腕からエスカレーターで屋根に移動でき、反対側の腕には避難用の階段があったらしい。
画像は拾いモノ