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2020年09月21日08:49

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第6回【ネイキッドウォリアー】ゲームブックリプレイ

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※ここから先はミニゲームブック【ネイキッドウォリアー】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ぜろです。
その身ひとつで出場しなければならない過酷なレース「トライアル」に出場した女性主人公。
6人目の挑戦者カリンが、ついにトライアルに優勝し、さらにミザール公に取り憑いていた悪魔アスモデウスを倒しました。
今回は、真エンディングと、全体の感想について語ります。


●アタック06-3 真エンディング

城の地下で、悪魔アスモデウスを倒した。
やがて、異変に気づいた衛兵たちが謁見室に駆けこんでくる。
遅いよ! アスモデウスが出現した頃に出てきて一緒に戦ってくれよ。
そうしたら私の身の潔白は明らかになるのに。

ミザール公は生きていた。
アスモデウスに乗っ取られていただけで、本体も意識も無事だったようだ。
しかも私にとって助かったのは、アスモデウスに乗っ取られていた間のことをおぼろげながら憶えていたことだ。

良かった。
それがなければ、ぜんぶすべてまるっと私がしでかしたことにされるところだった。

サー・デレクはエンディングに登場しなかった。
こうなることを予見していたのか、それとも全く知らずにいたただのボンクラなのかはわからない。
別作品の主人公ながら、実はただのボンクラのような気がしてきた。

「女戦士よ。改めて深く礼を言う。そなたの望みは余の名においてすべて満たされるであろう」

ミザール公が私に礼を述べる。

「だがその前に、いい加減、何か身にまとってはどうかね?」

そう。結局私は、ついに最後まで何も着ることがなかったのだ。
しかも私カリンだけではない。
アイナから始まり、すべてのプレイにおいて、最初から最後まで一糸まとわぬプレイを貫いてしまったのだった。

でも、これがこれこそが真エンディング!
クリア! おめでとう!!


●感想

さくっとプレイしてさくっとクリアできました。
お手軽お気楽に楽しめる作品として、おススメです。
深く考えずにゆるくプレイしたいときにどうぞ。
その時の装備を記憶しておくだけで、他に管理するステイタスも何もありません。
時間もそんなにかかりません。

それはさておき、ネイキッドさは全開でしたが、ウォリアー感のなさが半端ないですね。
最後の最後に戦士らしく戦ったので、ネイキッドウォリアーの小見出しで締められましたが、プレイしている間はネイキッドランナーって感じでした。

そして表紙で持っている剣の出番はなかった! あれは素肌を隠すためのアイテム。つまり「隠しアイテム」だった! ということで。
別ルートでは手に入ったかもしれませんが。

ネイキッド全開と言っても、読んでいてもそんな感じはしません。
展開によっては服を着ている可能性もあるため、地の文で姿かたちを強調することはありませんからね。
それに、衣類がないことで陥ってしまうようなえちえちな場面や18禁的シチュエーションも言うほどなくて、ある意味安心してプレイできます。
そうなると、ネイキッドをこれでもかってくらい押しだしてきている作品名および表紙と内容との間にギャップが生じるわけで。一体どういう層を狙っているんだ?っていう矛盾を感じないわけでもないですがw、そこはそれ。表紙にしたって少年漫画レベルの表現にとどめたレベルですし、つかみとしてはかなりオッケーなのではないでしょうか。実際私はかなり興味を引かれましたし。


プレイ履歴です。

アタック01 アイナ 市場を駆け抜けようとして野次馬に囲まれる。
アタック02 イレーナ スタート直後に暗闇のジョーに絞め落とされる。
アタック03 ウララ ゴールするも間に合わず。
アタック04 エローラ ガンツォに走り負ける。
アタック05 オリーブ 優勝するが、悪魔アスモデウスの前に力尽きる。
アタック06 カリン 悪魔アスモデウスを倒し、真エンディングを迎える。

少しずつ先へ先へと進んでいる感じが良くわかりますね。

全体的な印象としては、素直な選択肢が多いと感じました。
あんまり意表をついてはこない。
この選択肢を選べば、この先こうなるだろう、という予測が成り立つ感じ?
トライアルでプレートメイルは選ばないよね?

奇をてらってこないので、展開が単調となるきらいはありました。
妨害に対してはとにかく無視して先へと進む。
危険を感じたら慎重な選択をする。
あとはとにかく突っ走ること優先。
トライアルはレースであるというコンセプトを忘れずに選択肢を選んでいけば、優勝までなら簡単にできちゃいます。

本作は100パラグラフで非常にあっさりしていますが、すべての100パラグラフ作品がこうというわけではありません。
たとえばFT書房の100パラシリーズなどは、これ本当に100パラグラフなの?って思うくらいに内容が濃くてボリュームぎっしりな作品が多かったりします。
この作品の場合、ストーリーの主軸はけっこう短い感じで、プレイした印象としても、あっさりしています。
その分、途中のルート分岐と、装備による差分展開に力を入れているということでしょう。
横への広がりがあるのだと思います。
私は最初からルートも装備もほぼ固定で行ってしまったので、そうした様々なシチュエーションを体験はできていません。

クリア後に少しめくってみたのですが、真エンド以外のエンディングに到達するには、また違った条件があるようでした。
たとえば玉の輿に乗るにはドレスか何かを着ている必要がありそう。
ガンツォはトライアル中に倒すこともできそうです。ジョーはどうかな?
トライアルで優勝すること自体はいくつも方法がありそうで、そのエンディングごとの条件を満たして優勝する必要がある、という感じですね。

その目的について言えば、最初は自分で目的を決めていいものか少し悩みました。
少しゲームを進めると、主人公には妹がいたという情報が開示されます。
そんな風に主人公の周辺設定が存在することがわかるものですから、トライアル出場にも、まだプレイヤーには開示されていない目的があるのではないか、と思ってしまいました。
なのでトライアルゴール後に「あなたの目的は何?」と問われ、玉の輿とか近衛兵とかの選択肢が提示された時に始めて、自分で自由に設定して良かったんだ、と気づき、そして目的の俗っぽさに笑ってしまいました。

血塗られたダガーの真相もわかりました。
実は私が控室にいたときに、ダガー投擲で倒した魔術師のおっさんが、聖者ジャナリス本人でした。
最初から聖なる武器だったのではなくて、私がそう仕立て上げちゃってたみたいです。多分ですが、元々のダガーは必中の効果でもあったのではないかと。
彼にダガーを欲しがる理由を訪ねれば、名乗ったうえに崇高な使命があることを告げられるのです。
おそらく聖者ジャナリスはトライアルに優勝し、ミザール公に拝謁したところで、必中のダガーを用いて悪魔アスモデウスを倒そうと考えていたのでしょう。
でも、一歩間違えたら死んでいたかもしれない手段でダガーを奪おうとしたのだから、いかに使命が崇高でも許す気はさらさらありません。
むしろ、かわりに使命を果たしてやったぞ、と言ってやりたい。
でも、プレイ中に真相知らないで良かった。聖者なんて知ってしまうと、止めを刺す腕が鈍るもんな。

これと同じで、ゲームブックはエンディングにたどり着いても、真相を見ないまま終わってしまう場合もありますよね。
私は真ルートの違和感ありまくりの展開から、サー・デレクをポンコツ評価していました。もしかしたら他ルートでは彼の行動へ理由づけがされているかもしれません。
地下に案内していたのは、実はミザール公の嫁探しを秘密裡に行うためだったとか!(未確認です。妄想です)
いずれにせよ、ミザール公に会うのに服を着せてくれなかった時点で私の中ではポンコツ認定は確定しておりますので、いつか彼が主人公の作品「デレクが選んだ魔法」をプレイする時が楽しみです。んふふ。

ここのところ大作指向の作品ばかりプレイしてきた私にとっては、このボリュームとこの手軽さは、非常に嬉しいものでした。
いつもフルコースの料理ばかり食べてると胃もたれするんですよ。ときどきこういった手軽な良作を間に挟まないと。

まあ私の場合、そんな手軽な作品でも全6回のリプレイにまとめてしまうわけで、どこが手軽だ、とツッコミを入れられてしまいそうですが。

気合いの入った作品に、気合いを入れて取り組むだけのパワーがないって時もありますから、このくらいの感覚の作品には、けっこう需要があるのではないかと思います。もっと増えてもいいと思うんですよね。

この「ネイキッド」はシリーズ化されておりまして、「ネイキッドサバイバー」「ネイキッドチェイサー」という続編が出ています。
当然、どちらも表紙は主人公の裸。今回とは別シチュエーションで、やっぱり裸で行動せざるを得なくなってしまう感じなのでしょう。
次は一体どんな趣向でそうした状況に陥ってしまうのか、そんなところに期待して、次回作にも挑んでみたいと思います。
入浴中に緊急事態が発生するとか、かな? 囚われの身で裸スタートっていう可能性も?

また、ちゃなさんは他にも多数の作品を発表しております。
作中でも紹介しましたが、デレクが主人公の「デレクの選んだ魔法」をはじめ、「魔皇を継ぐ者」「ファントムドミネーション」等。
いずれも同一世界観を舞台にしていながらも、単体でも遊べる構成になっているようです。
興味がありましたら、ぜひ体験してみてください。

以上で、【ネイキッドウォリアー】リプレイを終わります。


****


と、ここまでがFT新聞連載版です。
終わったはずだったのですが……。


リプレイは第7回へと続いてしまうのであった……!


ゲームブックリプレイ【ネイキッドウォリアー】目次
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次へ
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ネイキッドウォリアーは電子書籍にて99円で発売中!

このゲームブックリプレイは、『FT新聞』で連載されていたものです。
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