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2020年09月20日20:38

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第5回【ネイキッドウォリアー】ゲームブックリプレイ

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※ここから先はミニゲームブック【ネイキッドウォリアー】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ぜろです。
その身ひとつで出場しなければならない過酷なレース「トライアル」に出場した女性主人公。
5人目の挑戦にして、ついにトライアル優勝を果たしました。
望みとして、領主への謁見を希望したところ、なぜか怪しげな城の地下へと連れて行かれます。
トライアルを行っている、コンギットの領主ミザール公の真意を、知ることができるのでしょうか。


●アタック05-3 魔の王の少年

謁見のために連れてこられたのが地下という時点で怪しさ満点。
そんな怪しいミザール公に真意を問うのだ。何も起きないはずがない。

「なるほど、知的好奇心旺盛だな。余はそのような人間は嫌いではない」

ミザール公は楽しげだ。

「世間で言われているように、街の活性化や犯罪者の粛清は目的のひとつだ。だが、最大の目的は、欲望の発するエネルギーよ。それこそが余の一番の力となるのだよ」

すでに言ってるセリフが人間のものじゃなんですけど。

そういえば事前の噂で、過去の優勝者が何人も行方不明になっているという話もあった。
それは、つまり、ここで、公の餌食になっていたということ?

「そなたのような勇敢で情欲にまみれた魂こそ、余の最高の好物。さあ、余の一部となれ」

公の口から煙のようなものがむわむわっと出て実体化する。
悪魔だ。人間を操り魂を食らう悪魔、アスモデウス!

これはさすがにやばい。
私はこの部屋からの脱出を試みる。
しかし、扉は施錠されている。

逃げ道はない。
魔の王の少年に助けを求めたいところだ。たすけてアシュメダイ!

ここで選択肢が出た。
血塗られたダガーを持っているか、というものだ。

黒光りしていたあのダガーか!
ボートと引き換えにしちゃった! 持ってない!!

私はアスモデウスを前に、なす術なく力尽きた。

アタック05 オリーブ 優勝するが、悪魔アスモデウスの前に力尽きる。



●アタック06-1 カリンのVダッシュ

優勝したのに、まさかのその後の流れで死んでしまうとは!
「サソリ沼の迷路」でグリズムレイドの依頼を達成した後を彷彿とさせる展開だ。

そして血塗られたダガーは、呪いのアイテムどころか、悪魔に唯一対抗できる手段っぽい。これは次は絶対に持ってこなければならないだろう。
そして想像するに、この先に待つ展開こそが、真エンドなのだろう。

4つのノーマルエンドは以下っぽい。

「富と名声エンド」
「近衛兵おめでとうエンド」
「玉の輿エンド」
「仇討ちエンド」

期せずして、真エンドを目指す流れになっている。
ダガーを持ったままミザール公への謁見を目指そう。

……装備がダガーだけというのは、どこから見ても完全に武装を隠せていないんだけど、謁見前によく取り上げられないよね。
サー・デレクは考えがあってあえてそうしているのか。そうとでも考えないと理解ができないよね。

挑むは6人目の挑戦者カリン。
狙うはアスモデウスの撃破。

それでは最後の挑戦だ!

と言っても、流れはこれまでと基本的には変わらない。
問題となるのは、チェックポイントである、庭園に到着した後の流れだ。

最速のボートは使えない。
使うのはダガーと交換条件だ。
なら、住宅街を駆け抜けるしかない。
住宅街なら、市場ほどには人も外に出ていないはずだ。
表で遊んでいる子どもたちには衝撃映像を見せてしまうかもしれない。

血塗られたダガーを持った裸の女が軽やかに走ってくる。しかも速い。

軽いホラーだな。口裂け女伝説クラスはいけそうだ。

あと少しでゴール、というところで、後ろから猛追してくる者がいた。
ガンツォ? いや、違う。

「俺は人呼んで疾風のジョー。勝負だぜ、嬢ちゃん!」

お前、暗闇のジョーじゃなかったんかーい!
くそう。ツッコミを入れさせて疲れさせようっていう魂胆か?
こんな時にまでそんな余裕をかませるなんて、まだまだ余力を残しているのか?

ここで選択肢。

・一旦やり過ごし、後で追いぬく
・この場で迎撃する
・必死で走り続ける

一旦やり過ごすか。スリップストリームにつければなんとか?
いや、一度抜かせるリスクを背負う意味がわからない。追い抜くにはよりパワーを使うし。却下。

この場で迎撃もない。選手は私とジョーだけではない。
戦っている間にガンツォあたりに漁夫の利をかっさらわれそうだ。

とにかく、走る。必死に走る。それしかない。
これまでだってそうだった。出発時にガンツォを見かけてもあえて手を出さないのが正解だったし、ジョーのタックルも無視して進むが正解だった。

とにかくレースは自分との戦いなのだ。

私はわき目もふらずに走る。ひた走る。
ジョーも走力勝負を受けて立つ方向のようだ。

このままゴールまで逃げ切れるかどうか。
それは私の脚力、そして何を履いているかにかかっている。

ここで運命が分かれる。私が履いているのは革の靴だ。
他に並んでいるのが、具足とかサンダルとか、およそ走れそうにない装備なのを見ると、これはいただきだ。

だが、それでも私とジョーは完全な互角。
勝負の行方は紙一重と言ったところだ。

勝負を決める最後の要素。それは衣類の重さだ。
そして、ジョーは黒装束。痛い系ニンジャスタイル。
私はそもそも衣類がない。軽さなら負けない。

この差が勝負を分けた。
私は、僅差でトライアルの優勝を勝ち取った。


●アタック06-2 ネイキッドウォリアー

ダガーを所持したままの優勝はまた一味違った大変なものだった。
でもこれで、優勝後の展開に進むことができる。
ミザール公との謁見を果たすのだ。

やはり、ダガーを取り上げられることなく、私は城の地下に案内された。
こんな特殊なシチュエーションで、公と私が1体1で会うことを良しとするなんて、やっぱりサー・デレクはおかしい。

何も知らないとしたらあまりにも馬鹿すぎる。
やはり公の正体について少なくとも何かつかんでいるということだろう。
公の側についているか否かで、話はだいぶ変わってくる。
だが今はそこまで思考を巡らせるときではない。別作品で主人公を務めているから大丈夫と信じておこう。

でないと、仮にこの後悪魔を倒してみたら、ミザール公殺しの下手人にされかねない。

城の地下でミザール公との対面。
公にトライアル開催の意図を尋ねる。

「それはね……優勝者を食っちまうためさ!」

婆さんに扮した狼のごとく、公を乗っ取っていた悪魔アスモデウスがその正体を現す。
だが私にもこれがある。よくわからない血塗られたダガー!

気になるのは、ダガーを持っている場合の進み先が14番ということだ。
グレイルクエストからの伝統であるデッドエンドパラグラフ。
ゲームブックにおける14とは、死と再生を司る番号なのだ。

が、きっとそのへんはあえて狙っているのだろう。

私はダガーでアスモデウスを切りつける。
攻撃など効くわけがないと高をくくっていたアスモデウスの肌を斬り裂く。

「まさか、そのダガーは!」

まさかと言われても、私にはわからない。

「聖者ジャナリスの血か!」

解説ありがとう。
どうやらこのダガーは、聖者の血で祝福された聖なるダガーか、聖者の血を吸った呪いのダガーかのどちらかのようだ。
どちらでも良い。聖者の血の成分が、普通なら傷つけられないアスモデウスにダメージを負わせることができる唯一の武器なのだ。

これで一方的にやられる危険はなくなった。
あとは、倒すだけだ。

私は悪魔の攻撃を巧みにかわし、少しずつ攻撃を当てていく。
悪魔は徐々に弱っていく。

そう。これまでずっと走るばかりで戦う場面などなかったけれども、手段さえあれば、悪魔とだって戦える。
なぜなら私は戦士だからだ。裸の戦士、ネイキッドウォリアーだ。

最後にタイトルを回収しつつ、私は悪魔アスモデウスを倒した。

次回、真エンディングと感想です。

【カリン:血塗られたダガー、革の靴】

■登場人物
オリーブ 5人目の挑戦者。悪魔のいけにえ。
カリン 6人目の挑戦者。君は、真のエンディングをみる。
ガンツォ 主人公に妹の仇認定されたゴロツキ。
疾風のジョー トライアル参加者。元暗闇のジョー。
ミザール公 悪魔に取り憑かれたコンギットの領主。
サー・デレク 悪魔に取り憑かれた領主を長年見過ごしてきたお付の魔術師
アスモデウス 七つの大罪。色欲を司る堕天使。つまりゴウセル。


ゲームブックリプレイ【ネイキッドウォリアー】目次
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このゲームブックリプレイは、『FT新聞』で連載されていたものです。
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