無言歌は続く

　母をかかりつけ医に送って　ヤクルト屋さんを待つ　母は歩いて帰ると云ふ　歩くのも運動だ　8時半に送り　10時には家にきた　早いね　最近は医者も患者が少ないようだ　私は残りのとうもろこし　ポットで育てたのを畑に定食　トマトの手入れにスイカの定食　タネで3月に蒔いてなんと　今月中旬に発芽　驚いたね　それを二本定植　ちょっと虫に喰われた模様　摘芯すると思えばよし

　今宵の音楽は　ワーグナー:『ニーベルングの指環』
　ジークフリート
『ニーベルングの指環』第２夜　【第１幕】
　時は神話の時代　舞台は森の中ミーメの家　ミーメの家で育ったジークフリート　実はジークリンデが双子の兄ジークムントとの子　ジークリンデ自身はジークフリートを産んですぐ亡きひと　ジークフリートは立派に育　ミーメの手に余るほど　ジークフリートは　ミーメの作った剣を折って　もっとましな剣を欲しがる　
　ふと見つけたのが母ジークリンデの残した名剣ノートゥングの破片　ミーメはどうやってもこの剣を鍛え直すことができない　さすらい人としてそこに現れたヴォータン　その剣を鍛え直すことができるのは「恐れ」を知らぬ者だけだと　そこでジークフリートは自らノートゥングを鍛え直し　ついに名剣復活

　そして今宵二枚目の音楽は　【第２幕】
　神々から財宝を手に入れた巨人族のファフナー　自らを大蛇と化して森の奥深くで眠っている　そこへ恐れを知らぬ者ジークフリートが　ノートゥングを大蛇の心臓に突き刺し　その返り血を浴びる　その血を舐めると　ジークフリートは森の小鳥の声が判るように　小鳥の声に導かれて洞窟の中の財宝を発見　そこにミーメが・・・ミーメはジークフリートを厄介払いしようと　毒薬を飲ませたいが・・・大蛇の血を舐めたジークフリートはミーメの心の企みをも判る　ミーメを成敗したジークフリートは　森の小鳥が教えてくれた岩山で眠るブリュンヒルデのもとへと　　　それにしてもジークフリート　ほぼ四時間歌いっぱなしだね　すごい役だな

　昨夜は時間があったので都はるみを聴き終へる

　昼にサラダうどんを作る　母が最近うどんや蕎麦を醤油仕立ての汁で食べるのに飽きた　といふことで レタスとキヌサヤと玉ねぎの甘酢漬け　それに綱を1／3ほど入れて玉ねぎドレで攪拌　うどん一人100gに分けて　攪拌したサラダをのっけていただく　おいしいね　それにエビカツ半分ずつ　消しゴムの半分くらい　笑えるくらい小さい　されどサラダうどん　おいしいと母が云ふ

　午後はのんびり　時々ミツバチさんの見回り　昨日箱に入れた分封したミツバチさん　もう花粉を運んできた　早いね　草取りをしていたら雨が降って来たので中止　酒屋に出向いて水とビールを購入　水は海洋なんとか水　一本350円もする　氷にして使用　どうせ氷にすんじゃ安い水でなくいい水を使おうと思い使用

　今日はハイデガーの亡くなった日だ　ドイツ語はわからんが日本語の書簡があるので


　思索は言葉を取り集めて単純な語りにする　言葉は存在の言葉である　雲が空の雲であるように　
　思索はその語りでもって　言葉のうちに目立たぬ畝を切る　その畝間は　農夫がゆったりとした足取りで畑に切っていく畝間よりもっと目立たないものだが

　昨年も書いたかな　ふと若山牧水の若い頃の歌が頭をよぎる

　　幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく

　これはカール・ブッセの有名な

　　山のあなたの 空遠く
　「幸い」住むと 人のいふ
　　噫（ああ）われひとと 尋（と）めゆきて
　　涙さしぐみ かえりきぬ
　　山のあなたに なお遠く
　「幸い」住むと 人のいふ

　に起因すと云ふのは人口に膾炙している通り　とめどもない漂白の思ひ　啄木は

　　東海の小島の磯白砂に
　　我なきぬれて　
　　蟹とたはむる

　はるか海の向こうへの憧れだ　そういえば小学生の頃　家族で北海道に船旅に行ったっけ　船は二泊三日だったかな　時は過ぎゆく