登山と自粛

都岳連が自粛について何か言い、高名なクライマーが外岩の利用について何か言い、それに対する反論もいろいろ聞かれるが、
まあ、ヤマっていうのは、ひとに言われて登るもんでもなければ、ひとに言われて止めるもんでもあるまいよ。だから言うだけ無駄だと思うし、言われることにも違和感がある。

登山はしばしばマスターベーションだといわれるが、いわば、おまえマスかくな、と、突然、通りすがりのおっさんに言われるような違和感である。登山というのはそれくらいプライベート、プライバシーのど真ん中、超絶個人的な欲求の問題だ。

危険だ、今事故を起こしたら医療機関に迷惑ではないか。というが、
別にいつだってヤマやは迷惑だったろうよ。今に始まったことじゃない。
ほんの数分外に出て感染するひともいて、ほんの数分外に出て交通事故に遭う人もいて、3日ヤマに籠っていて無事故であることもあるわけで、
医療機関の迷惑云々ってのはあまり説得力はない。（たとえば、新宿にあって、コロナウィルスもヤクザも等しくお迎えするような我が事務所と、会越の山奥と、どっちが医療機関に迷惑だろう。

行くか行かないか、いけるかいけないか、はそのヤマやが決めることで、
それはいつだってそうだったじゃん。この稜線いけるか。この滝登れるか。安全に帰って来られるか。いつだって、そう。その判断。それだけだと思うんだが。