mixiユーザー(id:1107882)

2019年11月13日00:41

27 view

「強健術」案内71

今回は『心身強健術』の「第四練修法 頚部筋肉」を見ていきます。この型は基本的に『実験 簡易強健術』、『腹力体育法』で紹介されたやり方と変わりません。そこで写真は省略しますが、主に解説がどのように変化したのかに注目して見ていきたいと思います。

イ、坐し。
ロ、全身に力を入れず、両脚を開きて前に投げ出し。
ハ、両手は、四指を内股の方に、拇指を外にして、両膝に当つ。
ニ、首をキッと上げて、眼睛を前方に定む。(これを静坐式自然体と称す)(運動前の姿勢)

この姿勢は、『実験 簡易強健術』でも『腹力体育法』でも出てきましたが、『心身強健術』で始めて「静坐式自然体」と名付けられました。

ホ、腰をグッと右に捻り、同時に下腹に力を込め、
ヘ、体を斜めに右に倒す。(以上準備姿勢)。
ト、倒れる時、両脚を伸ばしたる侭(まま)、地より離して上げ。
チ、右掌(右腕全体も之に添う、肘を曲ぐるにあらず)と右脚全体とを以って地を打ち。
リ、右腕は体側に添うて、弾機(ばね)の如く身体を支(ささ)う。右脚は伸ばしてピタリと地に接す。
ヌ、左脚は拇指と踵とに力を入れ、虚空を踏み附ける心持にて伸ばし、踵と爪先との線が、平地と殆ど水平をなす様に努むべし。

この文は、前著『腹力体育法』にはありません。挙げた足先は、伸ばさずに曲げています。

ル、倒れる時に、頭を地につけず、腮(あご)を胸につける心持ちにて擡(もた)ぐ。
ヲ、此の時、頚部筋肉と腹筋とに、最大極度の緊張を与う。
ワ、倒れると同時に、前方に定めたる眼光を、左足拇指の爪先に注ぐ。
カ、左腕は力を入れず。初めの侭(まま)に膝にあて置く。
ヨ、かくして右腕にて体側の地を打ち、弾機(ばね)の如くに軽く、身体を起して、原姿勢に復するや。直(ただち)に。
タ、視線は、キッと前方の原角度に復す。
レ、体を捻ってより倒れて地を打ち、眼を爪先に注ぐ迄、スラスラと調子よく連続して、隙の出来ぬように注意すべし。
ソ、なお起きかかりて、視線を原角度に定むるまで、氣合の抜けぬようにすべし。
ツ、倒れたる時は、投げ付けられて、負けた時の心持となり、紛々たる競争心や栄誉心を捨てて、恬淡虚無の心胸となる。而かも『倒されし竹はそのまま起きかへり倒せし雪は跡形もなし』の気概を失うべからず。古人曰はずや、『負けるは勝』と。此の時の心こそ、邪気なくして、安楽至極、無始無終の聖境に在る思いあらしむ。原姿勢に復してより、自然体となる。
ネ、左足裏にて地を打ち、体を転じて右足を挙げ、左頚を緊張せしむ。

この部分は、同様の運動を左側でも行うという意味ですが、若干前著『腹力体育法』の文とは違います。

ナ、回数ニ。(心身強健術 P.150〜153)

回数は、『実験 簡易強健術』では5回、『腹力体育法』では3回でした、ここでも回数を減らすことに成功しています。以上、ほとんど前著『腹力体育法』の解説と変わりません。最も大きな違いは、座って「瞳光の不睨」となり本運動に入る前の姿勢を「静坐式自然体」と名付けたことです。次回は、この型の(備考)を見ていきます。

(写真は、八幡野海岸)
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する