「クワトロハイブリッド」リード線をKS-RemastaのPC-TripleCに替えて聴く、の3回目にして最終回。
今回はAT150ANV。
https://www.audio-technica.co.jp/atj/products/cartridge/at150anv.html
空芯MCのANV50や限定モデルのOC9/��LTDに比べると一聴特徴の少ない音なのだが、クセが少ないということでもある。
クセの少なさの由来はサファイアパイプカンチレバーに違いないところ。
当初は地味な存在だったが、3機種のなかでも徐々にポジションが上がったVM型の実力機。
交換前に聴くと、バランス良く素直であるが箱庭的な「こじんまり感」がある。
これは「クワトロ…」の仕業であろう。
今回もTripleCは単線。
撚り線と単線はハンダが同じなら、基本的に同じトーンだが、単線のほうが音像に凝縮感があって緩み、揺るぎがないように思う。
最近は単線のほうがいいと思うが、撚り線を否定するほどの差はないかと。
で、交換後の音。
明らかにスケールアップ、音の勢いが変わる。
透明度は高く、素直さとクセの少なさは変わらない。
申し分のない仕上がりだ。
これだけ素直なキャラクターというのはなかなか他では得難い。
最近書いている機種はどれも優秀だが、大なり小なりどれも言葉にしやすい「個性」がある。
150ANVは形容詞探しに困るのだ、いい意味で。
それは音より音楽に入りやすいということでもある。
これを聴くとサファイアカンチレバーの製品がもっと増えたらいいのに、と思う。
それはさておき、「クワトロ…」使用3機種、もっと早く交換すればよかったというのは結果論。
一連のテクニカ機とモスビンさんのリード線の優秀さに圧倒されたのだった。
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