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2018年02月07日17:37

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声劇台本を作成しました!「恋愛成就面接。」

「恋愛成就面接。」




※ 金銭が絡まなければ使用自由。
大幅な改変等はツイッター @annawtbpollylaまで要許可申請。

自作発言は厳禁です。 ※




【想定時間】

15〜20分程度。


【想定人数】

男:女→1:1


【登場人物】

杉村美夏(すぎむら みなつ)→男性。大学四年生。行くとこ行くとこから内定貰いまくりのスーパー羨ましい青年。

高坂春奈(こうさか はるな)→女性。大学四年生。冬まで粘ってようやく一個内定をもらったなかなか苦労人な青女。

(※ 中田(なかた)→女性。二人と親しいらしい。台詞なし。話題の出てくるのみ。)






【本編】

春奈「おーい、杉村ぁ。」

杉村「あぁん?」

春奈「杉村は中田さんに何あげるか決まった?」

杉村「さっきもうボールペンに決めて、レジ通しておいた。」

春奈「ボールペンか…。あ、ねえ。この二つだったらどっちの方が良いかな。」

杉村「それは…ハンカチ?…右手に持ってるのの方が良いんじゃないか?」

春奈「なんで?」

杉村「だってこれ、中田への誕生日プレゼントだろ?左手に持ってる方はちょっとふわふわっていうか…かわいらし過ぎる。」

春奈「良いじゃん。かわいいの。」

杉村「女がみんなかわいいもの好きってわけじゃないんだよ。中田はそういうの苦手で、貰っても使いどころに困るって前言ってたからな。」

春奈「…そっか。」

杉村「それに狼のシルエットが右手のやつに入ってるだろ。中田は狼の柄とかそういうの好きだから。」

春奈「あー…。」

杉村「どうした。」

春奈「ん…。いや。レジ通してくる!」

杉村「おう。エスカレータ横のベンチで座って待ってるわ。」





春奈「ただいま。買ってきたよ。」

杉村「お帰り。思ったよりプレゼント選びに時間かからなかったけど、お昼どうするよ。」

春奈「うーん…どうしよ。とりあえず少し座って話そ。疲れた。」

杉村「ん。」

春奈「…。」

杉村「…。」

春奈「しっかしさ。よく考えたら、高2の冬以来5年間も彼女居ないキミに女の子へのプレゼントのアドバイス貰っても当てになるのかね。今更すぎるけど。」

杉村「余計なお世話だ。あいつとはかなり付き合い長いし、それなりに好みへの理解はあるつもりだ。それにそもそも、俺はそこまで極端にモテないわけでもない…多分。」

春奈「…ふぅ。」

杉村「なんだよ。」

春奈「えー、自己PRをお願いします。」

杉村「何言ってんのお前。」

春奈「この前ようやく内定出て泣いて喜んだ私と違って、行くとこ行くとこ内定貰いまくってるキミだから面接はお手の物でしょ。ほら。私が相手の女性役やるから。」

杉村「待て。もうちょっと途中途中を丁寧に説明しろ。」

春奈「せっかく二人で集まったのに、意外とあっさりプレゼントが決まってもう解散なんて勿体ないでしょ。面接官役するから、就職面接風に自分の恋愛的な面での魅力をPRしてみてよ。それでキミが本当にそこまでモテないわけじゃないのか、見極めてやるから。」

杉村「そういう“ゲーム”な…。別に良いけど、お前っていつも妙なゲーム考えるの好きだよな。」

春奈「よし、始めるよ。…では、これより面接を開始します。私は本日担当致します、高坂春奈(こうさか はるな)と申します。よろしくお願いします。」

杉村「はい、よろしくお願い致します!」

春奈「ふふ、そうかしこまらなくて大丈夫ですよ。どうぞおかけください。」

杉村「ありがとうございます!では失礼致します。」

春奈「さて…ではまずお名前と大学名、学部名をお願いします。」

杉村「はい!私は杉村美夏(すぎむら みなつ)と申します。国立黒虹大学(こくりつ こっこう だいがく)のインセンティブ学部の学生です。今年度卒業見込みとなっています。」

春奈「ありがとうございます。黒虹大学(こっこう だいがく)のインセンティブ学部卒業見込みの杉村美夏(すぎもと みなつ)さん…確認しました。この度は私との交際をご希望いただいているとの事で、誠にありがとうございます。」

杉村「…!?……あ、はい。設定上そうなんですね。」

春奈「では、早速ではございますが、所要時間は自己判断にて自己PRをお願いします。」

杉村「はい、私はインセンティブ学部という珍しい学部の存在から、高校時代その珍しさに惹かれ国立黒虹大学に興味を持ちました。その後の調査過程においてインセンティブ学が政治、経済、法律その他あらゆる分野に活用でき…いや、これ恋愛の面接には要らない内容か…?」

春奈「重要度は低めかと思われますね。」

杉村「だな。…ちょっと待てよ。」

春奈「ほら詰まった。こと恋愛において自らの強み弱み、弱みとどう付き合っているか、それらを瞬時に言う事ができない!だからモテないのだキミは。」

杉村「うるせえ、急にこんな妙なノリになって全く詰まらず対応できるかっつーの。……よし、ちょっと待てよ…今頭の中でまとめてる。」

春奈「はいはい。」

杉村「よっしゃ再開。…大変失礼しました。私は中学1年生の頃から大学4年生の現在に至るまでの約10年間において8年間皆勤又は精勤を達成しております。就職活動において数多くの企業様から内定をいただきましたのも、そのような点がご評価いただけた結果と自負しております。またこの点は『健康管理能力』ひいては『経済力』という意味において恋愛の場でも誇れるところであると考えています。」

春奈「なるほど、経済力ですか。今年度で22歳という年齢を鑑みると、見た目よりもそちらの方が比重が置かれるところですからね。」

杉村「はい。また、入社予定の企業様につきましても過去実績を見る限りは、労働者への待遇という面でも売上という面でも信頼性と安定性はかなり高い部類であると考えられます。」

春奈「安定した経済力が見込める。素晴らしいですね。しかしながら見た目、経済力、それらと並び大事な点に『性格』というものがあります。」

杉村「はい、性格については、私は自分が、優先順位というものをとても大事にする人間であると考えています。あれもこれもと欲張る事なく、すべき事を選んで力を注ぎ込み、以て本当に大事な事をないがしろにしないという事を心掛けております。」

春奈「つまり、あなたの恋愛歴の空白の5年間は、恋愛が優先順位の低い事であるとの判断から生じたものである。そういう事ですか?」

杉村「…そちらは少し齟齬があります。私の恋愛歴の空白期間は、私に自分が恋愛できる自信がなかった事が一番大きい要因と考えています。」

春奈「それは興味深いですね。詳細をお願いします。」

杉村「…はい、私は…恋人ができるとそれに甘えてどんどん堕落する人間であるという事を5年前に痛感しました。…だから、同じ過ちを繰り返さない自信がつくまではそういった関係を築きたくない、そう考えて…いる。」

春奈「…そういう事ですか…。では、あなたはどんな相手ともお付き合いしたくないと。」

杉村「…まあ、そうだな…正直なところ、付き合いたいと思ってる相手は居るよ。…ただ、俺が自分で自分を信じられてないのが何より大きくて…その人を『失敗談』なんかにしたくないし…。」

春奈「…あのさ。」

杉村「…うん。」

春奈「弊社は労働者に寄り添って…私にできる事があれば悩みの解決や悩みとの付き合いのお手伝いもしたいと考えています!…だからこそ弊社は貴方のような人材を切望しております!」

杉村「…俺のような人材ってどういう事だよ。」

春奈「“優先順位をつけて手を差し伸べる相手を選ぶ”なんてごく当たり前の事をするのに言い訳しまくって呪詛のように正論を吐きまくって、どうにか罪悪感を拭おうとする馬鹿な人材だよ!」

杉村「なっ…んで…。」

春奈「もっと言うなら、皆勤だの試験で何位以内だの資格の取得だの、そういうの抱えてないと自信が維持できない癖して…!中田さんの為に試験すっぽかして皆勤捨てやがった挙句平気な振りしてた馬鹿な人材が欲しいんだよ!!」

杉村「…あいつは」

春奈「どうしても相手を傷つけるのが怖いなら、試用期間を3ヶ月〜6ヶ月間設けますから。…深い傷は負わないと約束しますから。」

杉村「…。」

春奈「…そのような契約内容ではだめでしょうか…。」

杉村「…お前な…。」

春奈「…手当も完備します。」

杉村「…手当ってどんなだよ…。」

春奈「あの…。仲が良い事を自負しているつもりなのですが、弊社は第何志望なのでしょうか…?第二志望くらいにはなれてる…?」

杉村「…はあ。」

春奈「…なんだよ。」

杉村「ありがと。」

春奈「ありがとってなんだよ!」

杉村「…あぁー……。少し待ってくれ。ちゃんと分かってるし、俺から言う事も決まってるんだ…。ただ、怖くてすぐには言えなくてな…。」

春奈「……。」

杉村「…よし。…でな。…頑張るよ。自信ないけど、春奈に甘えてダメにならないよう頑張る。付き合いたいのは一人しか居ないっての。第何志望も何もないわ。…春奈…。付き合って欲しい。」

春奈「…うん。」

杉村「…それは単なる相槌じゃないよな。」

春奈「…うん。…相槌じゃない。」

杉村「ありがと。…安心した。…ただ、試用期間は要らんからな。その遠回しな言い方…。最初から別れる事考えて付き合うかっての。」

春奈「…あの、いつから私が一番に…?」

杉村「そもそも中田はそういうのじゃないわ。大体、気のある相手に贈るプレゼントがボールペンなわけあるか。あいつはいくらでも恩のある大事な友達だ。」

春奈「あ、うん……いや、ちょっと…ごめんね。なんかこう…実感が、少しずつ沸いてきて…あ!」

杉村「どうした?」

春奈「いや、今から言うのはネタで、そういう何か上手い事を思いついたから言うだけだから重いとかそういうね」

杉村「…なんだよ。」

春奈「終身雇用。」

杉村「っくかか。…………を、目指してお互い頑張ろうな。そりゃできればそうなって欲しいもんだ。」

春奈「……うん、そうだね!えっと……ごほん。面接はこの辺りで終了としようと思いますが、最後に何かご質問はありますか?」

杉村「はい。言うタイミングを逃してしまっていました事があります。補足的に発言させていただけますでしょうか。」

春奈「…どうぞ。」

杉村「好きです。今からお昼ごはん…というか初デート行きませんか。」

春奈「キミさ…男のクセに何か小悪魔でも目指してるの?」

杉村「付き合って欲しいとしか言ってなかったから。」

春奈「はぁ…。もう…。私も好きだよ!!ただ今から行くのは懇親会な!内定者歓迎懇親会!!」



完。
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