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2015年02月14日22:41

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リトラクター入門(3-2)

(10) H. Hultberg (The Problemist 1936)
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#2 Hoeg-Retractor (4+9)

(10)では、白は1.Qxf3#とできそうに見える。しかしまずは1手戻さなければならず、例えば1.Rg3-h3?とすると黒にQを戻されてしまう。これがチェックなので、Qxf3とできなくなってしまう。(訳者注 例えば1...Qg4-h3+と戻されてしまう)
従って、白は1.Kg1-h1((R)!)と戻す。(黒Bをh1に復活させるのはillegalである。何故なら、黒Bc8は原型位置で取られており、今f3にいるBは成駒である。更に、黒Pは盤面に7枚配置されている)黒は1...Rh2-h1+((0!))(敢えて白駒を戻さないのは、戻すものより難しい!)と戻すしかないが、更に2.0-0!としてから1.Qxf3#とすればよい。対称な配置からの綺麗なエチュードである。

(11) T.R. Dawson (Chess Amateur 1924)dedicated to N.Hoeg
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#2 Hoeg-Retractor (11+12)

(11)は論理的なプロブレムであり、2手問題としては一寸変わっている。thematic tryは1.f6xe7?((R!)) 1.f5xe6?((B!)) 1.Kf8-e8?((S!))の3つ。特徴的なのは、黒の着手が「どの手を指すか」ではなく「何を復活させるか」になっている点である。白の初手1.a2xが、黒に何らかの駒を戻すことを強制する。Rを戻すと、白に2.f6xe7!と戻されて、1.Bg7#となる。(何故なら、黒はもうe7にRを戻すことができない)Bを戻すと、2.f5xe6!とされて1.Sf7#となり、Sを戻すと2.Kf8-e8!とされて1.Bg7#となる。

(12) C.M. Fox (Prob. Fairy Suppit. 1935)
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#3 Hoeg-Retractor (7+13)

(12)は非常に陥穽の多い作品である。1.e6xd7!と戻すと、黒はRを戻すしかない。(紛れ順は1.c6xd7 ((R))? だが、これだと1...Re7-d7+! and 1.Qc3 #と、逆に黒に詰められてしまう。これまで殆ど使われていない手であり、今後発展する可能性がある筋であろう)
黒は1...Re7(or d8)-d7((P!))と戻すことになるが(d7に白Bを復活させてはならない。何故なら2.Bc8-d7!?((0!!))となるから)、2.c6xd7((R)) Rd8(e7)-d7((S!)) 3.b6xa7!((P))(白は2枚のRを発生させたので、黒はPを戻すしかない)として1.b7までの詰となる。
2手目の変化がこのパズルに色を添えている。黒が1...d3xc2 ((Q!))と戻した場合は、2.Ke3-d2(ここでd2に黒Bを復活させると、不可能両王手となってしまう)e5xf4 ((Q)!) 3.Qd4-f4(ここでもf4に黒Bを復活させるのはillegal)と戻してから1.Qc6#となり詰。尚、前者の手順中で黒が2...d3xc2と戻すのは、黒の駒取りが多過ぎてillegalである。
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