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2007年10月19日05:41

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クレイモアの旅路

先日、マイミクの友人から「クレイモア」という漫画が面白い!と熱く語られた。
「ふむ、では読んでみるか。」と久し振りに深夜、漫画喫茶へバイクを飛ばした。
漫画喫茶なんてデスノートを読みに行った以来か。
「クレイモア」発見。
1〜12巻、棚に置いてある全てのクレイモアを手に取り我が部屋へ入る。
至福の時。
読み放題、飲み放題、天国かと思った。
まー、金は払っている訳だが。
クレイモア・・・いやー、ハマった。
こりゃ、おもろいわ!
全てを読み終え、満面の笑みで家に帰ると続きが気になり「最新刊はいつ出るのだ?」と
ネットで調べる。
クレイモア13巻、10月4日発売。

「な、なにぃ!!」

すでに発刊しておる。
確かに俺様は棚にあった全てのクレイモアを手に取ったはず。
すると最新刊だけ、その時すでに誰かに読まれていたか?
また漫喫に向かおうかとも考えたが、1巻だけを読むのに満喫入るのも、最新刊購入するのもたいして金額は変わらない。
どうしようかと悩んでいるとクレイモアの師匠は「作者の印税のためにも買うがよろし」と仰った。
「うむ、買おう。」師匠の一言で心に決めた。

日は変わり本日、意を決して最寄の本屋さんへテクテク歩いて行った。
クレイモア発見。
心臓がドキドキして爆発しそう。
俺は恋する少女か!
しかし、肝心の13巻が見当たらない。
勇気を振り絞って店員に尋ねる。

我輩 「クレイモアの13巻はありますか?」

店員 「今、並んでいる所に無ければ売り切れてます。お取り寄せ致しますか?」

我輩 「いや!今、どーしても読みたいから漫喫行きますわ!」

店員 「あ、ああ・・分かりました。」

心に決めた師匠との約束はあっさり破られた。
だが、考えるべきは我が姿。
髪ボサボサ、髭ボーボーのむさ苦しい37歳のオッサンが鼻息荒くしてクレイモアって・・・。
店員の女性の怯えた目が忘れられない。
彼女の目には我輩が完全なる犯罪予備軍に映った事だろう・・・。
知るか。

かくして我輩は再度、漫喫へ旅立つのであった。

「ク、ク、クレイモアーッ!!」
もはや精神異常者の姿を帯びた我輩は漫喫へ飛び込むと競歩のような足どりでクレイモアのある棚へ向かった。

「・・・またしても無い!!」

暴れ狂いそうになった私だったが、店の事も考え冷静さを取り戻し、13巻が返ってくるまで今までを復習しようと1〜12巻をまた脇に抱えた。
本当に私は大人になったものだ。
有森さんの言葉じゃないが、自分で自分を褒めたいと思ってしまう。
復習の途中、珈琲を注ぎに何回か席を立つが13巻が戻ってきているか覗いてみると未だに返ってきてない。

「敵はしぶといな・・・。」

私はふと、ある記憶が甦った。
それはデスノートを読みに来た時の忘れられぬ慟哭だ。(2006年12月29日 敗北者参照)

「まさか、あの二の舞はあるまいて。」

私は健気に復習しに部屋へ戻った。
全てを読み終えて、さすがにもう戻ってきているだろうと天使の笑顔で棚に向かうとあろうべき13巻は無い。

「ふおおおおおお!!!!」

これが限界だった。
臨界点であった。
未だ知らぬ我が内に秘めたる何かが覚醒しようとしていた。
だが・・・
この漫喫出て隣町の本屋に13巻を買いに行こうかと一瞬考えたが、ここまでくると絶対ここで読む!と、もう意地で居座る事にした。
心を決めると何読んでようかなー♪とすでに他の本を物色し始める。単純。
その時・・・
森嶋將士は信じられない光景を見た。
・・・13巻。
幻・・・?
砂漠で遭難した者が水に飢えるあまり、オアシスの幻影を見るように私もそうなのではないかと自分の目を疑った。
だが!そこには伝説の13巻が確実に存在していた。

「ううう・・・!!」熱い涙がこぼれ出た。

「やっと逢えたね・・・」

そう呟くと私は13巻を手に取り、強く胸に抱きしめた。
生き別れた子供達に再会した両親の気持ちはこうだったんだろうと痛感する。
奇跡の出会いを成し遂げた私は何でこんなところに?とその棚を見回した。
一冊だけ違う棚に置かれていたクレイモア13巻。
その棚には新刊コーナーと書かれていた。

「ウァーーハハハ・・・!!」先程とは違う、熱い涙がこぼれ出た。

ヨロヨロと自分の部屋に戻った私は大切に大切に13巻を読み始めた。
涙を流しながら読書するその姿はこの世の13巻を読む誰よりも美しかったに違いない。

更に余談だが、この長文の日記を完成させ「作成する」をクリックする前に誤ってトップページを開いてしまい、この日記全てを消してしまった事が私の寿命を100年縮めたのは言うまでも無い。

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