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2024年05月01日11:08

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水曜日のメインコンテンツは日本中世史 → 鎌倉時代と北条氏 48 「摂関家の分裂と将軍・頼朝」 上

 摂政や関白を輩出する藤原北家の嫡流は、藤原忠通(ふじわら の ただみち.道長から5代目)の息子たちによって2つの門流に分裂しました。平清盛の娘・盛子を後妻に迎えて平家の後ろ盾を得た三男・基実(もとざね)を祖とする近衛家と、皇子嘉門院(第75代崇徳天皇の皇后となった忠通の娘)の猶子となった六男・兼実(かねざね)を祖とする九条家とです。

 基実が24歳で亡くなると、その遺児の基通(もとみち)は継母・盛子に養育され、盛子の妹を妻に迎えました。そのため後白河法皇の側近として都落ちに同行しなかったものの、基通は平家寄りの人間として朝廷内で孤立。さらに源義経の依頼を受け、後白河法皇に頼朝追討の院宣を出させる手伝いをした疑いから謹慎を余儀なくされました。

 代って朝廷に台頭した叔父・兼道(かねみち)は、頼朝の征夷大将軍就任を手伝うなど幕府に好意的だったものの、保守的な彼の政治のせいで出世できなくなった院の近臣たちが結託し、1196(建久7)年に関白を罷免されて失脚(建久七年の政変)。基通が復権したことで、頼朝は朝廷工作の窓口の変更を余儀なくされたのでした。


参考文献

 『新訂増補国史大系・尊卑分脉』
         黒板勝美(著) 国史大系編修会(編) 吉川弘文館
 『蘇我氏 古代豪族の興亡』 倉本一宏(著) 中央公論新社
 『平安の春』 角田文衛(著) 講談社学術文庫
 『史淵』第63巻「氏長者」 竹内理三(著) 九州大学

 『征夷大将軍 もう一つの国家主権』高橋富雄(著) 中央公論新社〈中公新書 833〉
 『日本の歴史9 頼朝の天下草創』 山本幸司(著) 講談社〈講談社学術文庫〉
 『鎌倉殿誕生』 関幸彦(著) 山川出版社
 『日本中世史2 鎌倉幕府と朝廷』 近藤成一(著) 岩波書店〈岩波新書〉

 『日本中世の政治と制度』「武家政権について」
                 岩田慎平(著) 元木泰雄(編)吉川弘文館
 『日本中世の朝廷・幕府体制』 河内祥輔(著) 吉川弘文館
 『図説 鎌倉幕府』 田中大喜(編) 戎光祥出版

 『日本の中世国家』 佐藤進一(著) 岩波現代文庫
 『日本中世の朝廷・幕府体制』 河内祥輔(著) 吉川弘文館
 『弘前大学國史研究』第64/65号「武家政権について」
      佐藤進一(著) 弘前大学國史研究会
 『日本の中世国家』 佐藤進一(著) 岩波現代文庫
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