タダで見られるBS松竹東急では、6か月連続で月曜日にジャッキー・チェン作品を放送してくれるという、それだけでもありがたいのですが。
12月30日(土)夜9時放送の
「プロジェクトA」
は必見です。
「普段、ジャッキーの映画、見ないなー」という方でも。
創作を志している人は、全員、見て下さい。
この映画、とにかく時計台からの落下とか、自転車チェイスとか、アクションばかり語られますが
観客を惹きつけるのに必要な
主人公の目的を最速で提示しつつ、それを否定するライバルを最速で出す
主要キャラクター同士の拒絶と反発
タイプの違うキャラクターの見事な配置
宿泊合宿(最近のアニメだと修学旅行やお泊まり会)がある
主人公の落ち込みと再起
主人公の説教とライバルとの和解
主人公の説教と、偉い人の改心
非道だが憎めなく、そして強い悪役
と、受ける作劇テクニックが全部、入ってます。
特に素晴らしいのは。
「登場人物Aが知ってる事を、登場人物Bは知らない」
「視聴者が知ってる事を、劇中人物は知らない」
という「情報格差」で。
「海の警察」「陸の警察」「海賊」「陸のマフィア」と善悪4者がいて。
それぞれが、互いの事をよく知らなくて、スレ違いやカン違いを繰り返し、笑いやサスペンスを生み出すんだよね。
特筆すべきは、「警察同士も、互いをよく知らない」「悪党同士も、互いをよく知らない」です。
普通、警察同士はツーカー、悪党同士はツーカーにしちゃうもんです。
私は、情報格差を一番上手く使った作品は「プロジェクトA」と「SPY×FAMILY」だと思ってます。
そして12月31日(日)夜9時は
「プロジェクトA2 史上最大の標的」
をやりますが、こちらは一作目と大きく味わいが変わりますが。
とにかくバスター・キートンとか、ああいうオールド・ハリウッドのアクションを、物凄く金をかけたセットで再現しているので必見です。
この頃のジャッキーは、馬鹿でかくて動くセットを作って、スーパーマリオみたいなアクションをしてるんで、今、見るとたまげます。
ジャッキーの「監督作」としては、「2」の方が、演出家としての味わいがよく出ています。
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