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2023年12月13日18:07

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小説を、どのようにして書いたか

6月に【第5回西の正倉院みさと文学賞】の優秀賞を。
12月4日に【NIIKEI文学賞】ライトノベル部門 佳作をいただきましたので。

いい機会なので「二つの小説をどう書いたか」を公開したいと思います。

僕ごときが、偉そうに書く様な事ではないかもしれませんが。

【NIIKEI文学賞】は、「作品がウェブに上がっている」と言う事で、本屋さんで買ったりしなくても、すぐ「参考作品が見られる」珍しい機会なので、せっかくですので。

まず「みさと文学賞」は宮崎県、「NIIKEI文学賞」は新潟県の話で、僕は首都圏で生まれ育った人間です。

普通に書いたのでは、現地で生まれて育った人には適わないので、他県人として「それぞれの地に、旅をする話だな」という所から固めました。

旅で行くとなると、分かりやすく言うと観光……。
何か、その土地にある、他には無い物、他には無い場所を訪ねるよな、と思い。

「みさと文学賞」では、毎年、一月に行われる「師走祭り」。
「NIIKEI文学賞」では、夏に行われる「大したもん蛇祭り」を題材にしようと思いました。

次はその祭が行われる場所の、風習や歴史、伝説などを調べます。

「みさと文学賞」の師走祭りの背景には、8世紀に、朝鮮半島の王族が、国難を逃れて宮崎県に逃げて来たという『百済王渡来伝説』があったのですが。

この伝説は、従来の「みさと文学賞」でも、他の方が、よくモチーフとして使われています。
そこで、何かもう一つ加えようと考えまして。
宮崎県には河童の伝承が多い事から、「百済王が渡来した時に、半島から来た追手から守って戦った河童の話にしよう」と思いました。

僕は小説は、男女コンビを主役に書くとドラマティックになると思っているので。
コンビの片方が河童と言う『異者』だと、一緒に旅をするパートナーは、普通の人間の女性となります。

そこで「昭和四十年代、アメ横の古道具屋に持ち込まれた河童のミイラが、蘇って店員の女の子と、故郷の宮崎県まで夜行列車で旅をする」という話にしました。

この「みさと文学賞」に応募した後、「NIIKEI文学賞」を書いたので。
パターンは逆にしよう、普通の人間の男性が、旅で新潟を訪れて、「異者」の女性に出会う話にしよう、と思いました。

新潟の「大したもん蛇祭り」について調べますと、背景に「地元に伝わる大蛇伝説」や「新潟を襲った水害の歴史」がありましたので。
 新潟で出会う「異者の女の子」は、そこから設定しました。

後は、僕は旅モノというか、ロードムービーは「キャラクターが変化する話」だと思っているので。

「旅に出る前に、辛い経験でトラウマを背負った登場人物が、旅を通じて癒される話」として、いわゆる「異者でない方」の登場人物の過去の設定を作って行きました。

あとは「みさと文学賞」が親子愛の話だったので、「NIIKEI文学賞」の方は、恋愛要素を強く意識しました。
まぁ、続けて読む人は、ほぼいないでしょうが。

という訳で、僕ごときが、偉そうに語れる立場ではないですが、ちょうどサンプルと言うべき「NIIKEI文学賞」の受賞作がネットで読めますので。

https://www.niikei.jp/901584/

「小説を書いた事ないけど、書いてみたい」という方の参考になれば。

あ、「みさと文学賞」の方は、amazonで買えます(笑)

https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/491031525X?ref=ppx_pt2_mob_b_prod_image
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