前番組の「ウルトラマンA」から続けてタロウを見返すと。
一時期、よく言われていた「第二期ウルトラは、ホームドラマ路線が進み、ワンダーがなくなった」という批評は、厳密には正しくなく。
むしろ「空想特撮が、ホームドラマを取り込んだ」と言えるでしょう。
大地を割って突如、巨大キノコが生えて、町がパニックになるシーンから始まるこの話は、まさにその好例。
脚本では数十本もの巨大キノコが東京中に生えるシーンだったそうですが、CGなどが無い当時では再現出来なかったのか、一本だけ、着ぐるみと思しき巨大キノコがウネウネと暴れ回り、コレはコレで見応えあり。
巨大キノコはタロウの火炎攻撃によって倒されるが、小さなキノコになって生きていた。
ここで健一くんの友達、鍵っ子(時代を感じるワード)の大介くんが登場。
共働きの両親が、家にいない寂しさを吐露するのが、いかにもタロウ 。
光太郎さんから、植物の言葉がわかる機械(すげぇ機械を開発してるなZAT)を借りた大介くんは、巨大キノコの生き残りに出会い、さらに不良に絡まれ、売り言葉に買い言葉で、キノコを食べてしまいます。
キノコ人間と化した大介くんは、団地の給水塔にひそみ、水道を介して、キノコの毒を飲んだ団地中の人がキノコ人間になるという、壮絶なシーンが炸裂!
給水塔を破壊して現れたキノコ怪獣マシュラの攻撃により、ZATの皆さんもキノコ人間になる中、タロウの珍しいブレスレット攻撃でマシュラは乾燥し敗退。
大介くんも救出され「鍵っ子でも、タロウがいるから寂しくないよ!」と、取って付けた様な事を言います。
そしてZATの皆さんはマツタケご飯で打ち上げ……って、ほんと基地で色々食うなぁ!
大介くんの視点から見たホームドラマ要素が強くありつつも、キノコ人間のパンデミック・パニックを上手く描いたお話です。
あと35話での降板を前に、上野隊員が欠席ですね。
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