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2023年05月20日10:47

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このラインアップでちゃんと「コンサート」に仕上げてくるんだもんなあ・・・センチュリーハイドンマラソン

正直に言うと、実は辻嬢の無伴奏のアンコールが一番の聴きもの、だったかも。

大阪 ザ・シンフォニーホール
センチュリー ハイドンマラソンHM.31
指揮:飯森 範親/ヴァイオリン:辻 彩菜
(コンサートマスター 荒井英治)
ハイドン:交響曲 第25番 ハ長調 Hob. I:25
バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV 1041
ハイドン:交響曲 第32番 ハ長調 Hob. I:32
ハイドン:交響曲 第49番 ヘ短調 Hob. I:49「受難」

辻さんのヴァイオリンを聴くのはこれで5回目。2019のシベリウスでの衝撃から、同じ年のメンデルスゾーン、2021のブルッフ、2022のブルッフ「スコッチファンタジー」と聴いてきて、今回初めてのバッハ。本割のコンチェルトは、曲が曲だけに、うーんこんなものか、折角の辻さんなのにもったいないなあ、等と思って聞いていたのだが、アンコールの無伴奏ホ長調パルティータから「ガヴォット」が絶品。その澄み渡る美音には、素直に痺れました。こんなバッハになるんだ・・・鬼神が憑依したかのような濃厚なシベリウスやブルッフとは対極にあるような、「響きそのものの愉悦」。その音の中に、かつてのMIDORIさんと同じ匂いをかぎ取った僕の感覚は、間違いではないと思いたい。この人の「無伴奏」だけを集めたコンサートがあるなら、どんな困難をものともせずに聞きに行こうとさえ思わされるもの。

肝心のハイドンは、32番の祝祭感と49番のドラマティックな展開が聴きもの(残念ながら、25番は今一つ。25番と49番を同じコンサートにしたのは、ジュピター音型に似た4音動機が共通しているということもあるのかなと感じましたが)。

49番って、疾風怒涛期の名曲ぞろいの中ではちょっと地味で、CDではすっと通り過ぎてしまい今一つ印象に残っていなかったのだが、こうやってうまく選曲してラストに据えると、さすがは疾風怒涛期だなあ、と思いました。ポジティブオルガンで始まる冒頭といい、4楽章のモーツァルトの40番を思わせるテンション高い短調の音楽展開といい、やっぱりいい曲です。それをまた、センチュリーの抜群の疾走感で聴く快感は格別ですな。

この企画もあと2年かあ。今年は、一つも落としたくないものであります。

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