真夏の空に火の用心

土曜は久々に一日3本も映画を観てしまったうえ全部面白くて大満足。

・トップガン　マーヴェリック

30年ぶりの続編にして、マーヴェリックが失ったもの、残してきたものを取り戻す話。
歳をとり落ち着きはしたものの根っこは変わらないマーヴェリックだが、その無茶無鉄砲さが仲間の、若者たちのために発揮される姿の頼り甲斐が半端ない。
王道中の王道だがサプライズもあるストーリー、前作同様に若きトップガンたちが衝突しながら団結していく姿、大空に夕陽といった映像の美しさは格段のアップデートぶり、中でも航空アクションは格段の進化を遂げており、お話抜きでもこれだけで充分に満足できるほど。
とにかく全てが満点近くで隙もクセもない、誰もが大満足であろう正統派の傑作。

・007ノー・タイム・トゥ・ダイ

アクション・映像の美しさは間違いなくシリーズ随一。シーンごとの温度まで伝わる空気作り、画角・カットの美しさに落ち着いた名優たちの演技が加わり、ダニエル・クレイグの007最終作に相応しい隙のない仕上がり。
せっかく今までと異なる(そしていかにも現代らしい)方向性を示した「新しい007」に目立った活躍がほとんどない(あってもボンドの引き立て役)とか、アッシュが馬鹿すぎるとか、ある意味元凶のMが言い訳がましくて女々しいとか、些細な不満点はあるものの、「ボンドの性格の一面がどうしても好きになれない」ことと「２時間４３分は長すぎる」ことはちょっと看過できない。
それでもラストのボンドの表情と彼に対する家族と仲間たちの表情にはグッと来たのだが、エピローグは蛇足に感じたかなあ。「僕の目だ」で終わってほしかった。